非公式コラム

Vol.09:ファイト、風のハルカ、そして純情きらり〜その2(2006.03.28)

 完全に失速して終わった『ファイト』の後を受けてはじまった『風のハルカ』には、それなりの朝ドラになるのではと期待を寄せていた。何しろ『ニコニコ日記』のスタッフが再結成した朝ドラなのだから(ちなみに、ついに終了してしまったよるドラの優秀作として思い浮かぶのは、『ブルーもしくはブルー』『ニコニコ日記』『ちょっと待って、神様』『アイ’ムホーム』の4本。『ロッカーのハナコさん』のパート1と『お見合い放浪記』あたりも快適に見通せた好印象が残る)。
 しかし、実際にはじまってみると何も起こらない、ドラマが動かない。確かに綿菓子みたいなハルカ(村川絵梨)は時折魅力的だったが、朝ドラの長丁場ではその雰囲気だけでは持たない。程なくして、もはや待てないという思いになった。
 不運にも、BS再放送枠の『かりん』が2度目で見ているにも関わらず、新鮮ですこぶる面白かったために、いっそう『風のハルカ』の軽量ぶりが気になってくる。私はこの『かりん』こそを最後の朝ドラだと思っている。その心は、平均視聴率が30%を超えた最後の朝ドラであるから。『かりん』後も『ひまわり』『あぐり』『天うらら』『てるてる家族』の4本の秀作をこの枠は生み出しているが、視聴率ともどもこれぞ朝ドラと思わせたのは『かりん』が最後だった。(麻生結一)