非公式コラム

Vol.03:ノミネートの矛盾(2001.04.07)

 毎回見るにつけ憤りを感じるんですが、売上トップを誇る某テレビ雑誌恒例のドラマアカデミー賞はどう考えてもおかしい。『HERO』が最優秀作品賞とキムタクの主演男優賞他、大量受賞って、そんなことは視聴率考えりゃ、おかしくもなんともないですよ。かつてなきほどの大味さを披露した水野美紀の主演女優賞ってのには個人的には異議を唱えたいけど、まぁそれだって、投票で選ばれてるわけですからOKです。
 じゃぁ、何がおかしいかって。それは、俳優部門の主演と助演の境界線の引き方です。助演女優賞を受賞した『カバチタレ!』の深津絵里って、どう考えても主演でしょう。『HERO』はキムタクの独壇場的ドラマだから松たか子の助演はいいとしても、同部門3位の『白い影』の竹内結子は、主演男優部門で第2位になっている中居正広より出番多かったぞ。
 結局はクレジットがトップになってれば主演、それ以外は助演っていう分け方してるんだろうけど、そんな分け方してたらデタラメになっちゃうんですよね。どう考えても、『カバチタレ!』は常盤貴子と深津絵里のダブル主役のドラマだもん。なのにこの雑誌は機械的に常盤主演、深津助演にしちゃってる。『2001年のおとこ運』は群像劇だけど、少なくとも押尾学はどう考えても主演だし。
 今年のアカデミー賞で最優秀助演男優賞を受賞した『トラフィック』のベニチオ・デル・トロはベルリン国際映画祭では同じ『トラフィック』で主演男優賞取っちゃったりしてるわけで、こういうねじれってありがちっちゃ、ありがちなんだけど。
 大丈夫です。我々のサイトでは厳正なる審査の結果、主演と助演の境界線を引いておりますから。『女優・杏子』の渋谷琴乃は荻野目慶子とダブル主演じゃないのかって。そこを突かれると痛いんだけど。(麻生結一)