非公式コラム

Vol.02:名古屋はドラマ・アヴァンギャルド地帯(2001.03.31)

 『女優・杏子』の裏でやってた『幼稚園ゲーム』も、最近のドラマ30の中では出色の出来栄えでした。どうしても暗い役のイメージが色濃いためか、最初、顔色が優れないように見えた奥貫薫もドラマの進行とともに生気を取り戻していって、後半では別人のように元気印に大変身して新境地を開拓。いじめられ役の細川ふみえも出来るところを存分に見せてくれました。お久しぶり、三国“走らんか”一夫なんかも見られたりして、これも終始、ミクロ的な話題性には事欠かないドラマでした。それにしても、お受験って大変なんですねぇ。
 メロドラマとしての完成度の高さを十二分に示した東海テレビの『女優・杏子』、ちゃちなマンガ調もデフォルメに変えながら、お受験の実態をエピソード豊富に描いた中部日本放送のプチ社会派ドラマ『幼稚園ゲーム』、話の矛盾なんてへっちゃら、ひたすらマニアを喜ばせることに終始したCKの『マボペン』(『幻のペンフレンド2001』のことをちまたではそう呼ぶらしい)。やっぱり、各キー局の名古屋ローカル制作のテレビドラマって、マニアックだと改めて確信しました。とにかく、どのドラマも並じゃないんだよね。
 他レビュアーの賛同を得られず、『女優・杏子』や『幼稚園ゲーム』を作品賞にノミネートできなかったことが残念。まぁ、これ毎日リアルタイムで見てた私のほうこそどうかしてるのかもしれませんが(しかも同じ時間じゃないか)。(麻生結一)