非公式コラム
Vol.04:揺らぐマラソン中継(2001.08.31)
マラソンの中継スタイルが現在、揺らいでいる(実際、ハンディカムの手ぶれで、じっと画面見てると気分悪くなっちゃって)。昔は良かったですよ。第1中継車中心主義(?)による、2時間を越える天国的なまでの固定ワンカメ長回し。テオ・アンゲロプロスや相米慎二も真っ青の、最強ワン・ショットには、技巧を越えた抑制という名の技巧があった。
そんな美しきマラソン中継に異変をもたらしたのは、サイドカーの出現。当初は、後方からランナーを抜き去っていく映像が斬新で、順位が把握できる点でも画期的だったけど、それが多用されはじめ、カットが複雑に変わるようなってから、元来の落ち着いたマラソン中継のよさは完全に失われてしまいました。
世界陸上2001カナダの女子マラソン中継は、とりわけひどかったですねぇ。選手たちを横から抜いた映像の乱用に、全体の動きがまったく把握できず。第1中継車はどこへ行った?これがまた、引ききれてない中途半端な感じのアングルなので、見てて妙に居心地が悪い。この国際映像、レヴェル低すぎます。
実況の状況把握の弱さにも驚かされました。たぶんレースの様相よりも、自分のメモを読むことに一生懸命になっていらっしゃったであろうことは、容易に想像できますけど。せっかくのダブル名調子(増田明美、小出義雄)も宝の持ち腐れぎみ。反対のことをいう二人の予想を、もっと煽って欲しかったのに。
CMの多さにも辟易した。まったく興ざめです。渋井が遅れてしまったところでCMを挟むなんて、言語道断。毎度のことながら、この局のスポーツ中継には見識を疑います。
でもレースにはしびれたなぁ。素晴らしい攻防に手に汗握る。やっぱりマラソンは素晴らしい。(麻生結一)