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2001年夏ドラマ一覧
ちゅらさん (NHK総合月〜土曜8:15〜8:30)
制作著作/NHK
制作統括/菅康弘
作/岡田惠和
演出/榎戸崇泰、遠藤理史、大友啓史、高橋練、藤井靖、渡辺一貴、堀切園健太郎
音楽/丸山和範
主題歌/『Best Friend』Kiroro
出演/上村(古波蔵)恵里…国仲涼子、古波蔵恵文…堺正章、古波蔵勝子…田中好子、上村文也…小橋賢児、上村静子…真野響子、古波蔵ハナ(語り)…平良とみ、古波蔵恵尚…ゴリ、古波蔵恵達…山田孝之、佐々木奈々子…佐藤藍子、神田秀美…清水ミチコ、古波蔵(中町)祥子…山口あゆみ、兼城昌秀…藤木勇人、島袋正一…川田広樹、西宮遙…小西真奈美、上村和也…鈴木翔吾、島田(桐野)みづえ…丹阿弥谷津子、柴田幸造…村田雄浩、城ノ内真理亜…菅野美穂、下柳聡子…戸田恵子、柴田(池端)容子…余貴美子、島田大心…北村和夫、村山麻衣子…菊池百合子、倉田りほ…橋爪しのぶ、我那覇猛…川平慈英、宮良のおじさん…玉城満、占い師…猫田直、保母…福沢亜希子、照屋ウシ…にれはらゆい、太田春子…谷川みゆき、田所幸子…宮村優子、患者・岡部…田山涼成、患者・藤田…横山あきお、患者・森田…築出静夫、患者・安藤…中村まこと、患者・三輪…花井京乃助、患者・村松…加藤満、患者・山浦…井川哲也、看護婦・篠原…高橋美佳子、看護婦・土井…大定純子、看護婦・野口…佐藤匡美、患者…下村彰宏、ジョージ我那覇…鮎川誠、上村伸生…勝野洋、与那原誠…宮良忍、与那原(前原)琉美子…前原絵里、与那原彩乃…佐藤琴未、金城ゆかり…ベッキー、黒島…比嘉栄昇、古波蔵恵里(少女時代)…浦野未来、上村文也(少年時代)…山内秀一、上村和也(回想)…遠藤雄弥、古波蔵恵達(少年時代)…村上雄太、古波蔵恵尚(少年時代)…宮谷恵多、同窓会長・石嶺高…具志堅用高、宮里先生…新納敏正、カメラマン…島田洋七、総菜屋のおばあ…赤道はるか・親泊良子、和泉ちぬ、市川しんぺー、肥後克広、タクシーの客…古牧絵理子、比嘉家の長老…平良進、タクシーの客…宇堂翔一郎、みやげ物屋の客…田原雅之、比嘉家のおばあ…金城フミ・宮里常子・宮城タケ、校長…南雲勇助、教頭…村松利史、ロックバンド…バッカス、ロックボーカリスト…正木泉、踊るおじさん…玉城満、野球部員…中野雅文・西村豪起・高橋さとる・池山孝明・上地慶、宮良のおばあ…玉城文子、先生…つちだきくお
ほか



総評
☆☆☆
 第1週からじわじわと上昇し続け、第13、14週で最高潮に。第15週で一旦大いに減速するも、再び盛り返し、その後も安定して好調を維持。しかしながら、ここ数年の朝ドラ名物ともなっている(?)、鬼門のラスト一ヶ月にこの作品も例外なくはまってしまい、いきなりのトーン・ダウン。ドラマ的躁状態では許されるデタラメも、鬱状態では許されないことが如実に露見することに。
 頂点を迎えた第13、14週があまりの高みだっただけに、その後の急降下が一層際立ってしまいましたが、少なくともここ3年の朝ドラの中では、これがベスト作でしょう。巷で噂の続編に関しては、今作の名誉にかけて、それが噂であることを祈らずにはいられませんけど。



最終週「命どぅ宝」

最終回:第156回(9/29放送)
☆☆★
 ここのところ、冒頭の復習しすぎに苦言を呈してきましたが、最終回はいきなりの大胆省略。いつの間に、えりぃ一家は小浜島に骨を埋めた!そしてなし崩し的に上村恵理の生い立ち貢献度座談会に突入。なるほど「そうきたか」(by 容子)、自己申告による功績合戦で総まとめ(傑作は、神田婦長の「思ってた以上に、絡みが少なかったなぁ。それどころじゃないっていう感じでさ。もうちょっとこう、見せ場が欲しかったのよねぇ。こんな話になるんだったら。」の楽屋落ち発言!)。ドラマは消え、ほとんど打ち上げノリにご本人たちも楽しそうで、これもまた最終回的な一興かな。話はおばあの締めで、第1回の前にまでさかのぼる。「一体何なのかね、これは(by えりぃ)」とは、この場を言い表して妙。常々の如く、自覚はあるんですね。
 余さんがようやく、三線特訓の成果を披露してくれました。そこはかとなく漂う素の懸命さに、思わず手に汗握る。できれば、かくし芸王、堺さんとデュオして欲しかったけど。
 それにしても、みんな集まりましたねぇ。あれ?琉美子(前原絵里)はいるのに、誠(宮良忍)がいない。DA PUMPはツアー中だったのか?! 目を凝らして4回確認するも(BS-朝、総合-朝、BS-今週の連続テレビ小説、総合-昼)、やっぱりいない。忘れ物は島袋だけじゃなかった?!
 おばあの画面への語りかけは、ナレーションの延長で違和感なし。美しいタイトルバックは、ラスト・シーンから時間が過ぎた後の、小浜の夕焼けでしたか。総評は明日。


第155回(9/28放送)
☆☆☆
 久々にお祭りテイストが復活。やっぱり、このドラマにはこのノリが相応しいでしょう。奈々子は遅まきながら一風館住人へ、と思ったら誰よりも短期間で古波蔵家入り。見せ場のなさは最後まで続いたか。柴田は第8、9弾「似ているシリーズ」連発も、定番の未遂に。語らない面白さもこれで見納め。とりあえず、話は先に進んだ方が楽しいと証明されました。


第154回(9/27放送)
☆☆
 似たもの夫婦の巻。夫婦は一緒になるから似てくるのか、それとも、もともと似てるから夫婦になるのか。文也が手術室に入ってくるや、その姿に大いなる不安を感じたんだけど、よりによって執刀医が泣いてる様じゃ、やっぱりまずいでしょう。
 ベスト・コンディションだったころの回想シーンは、その単体でも感動的。第14週「ガジュマルの樹の下で」あたりまでの高まりは、本当に素晴らしかった、とフィニッシュ前に昔を懐かしむ。


第153回(9/26放送)
☆☆★
 水増しな復習は微量だったものの、基本的には大団円前の番外編的内容で、話に進展はない。明日の冒頭こそは、復習いらないでしょ。
 一風館は部屋割り発表が必要なほどに、合宿所化著しい。堺さんの三線がパーフェクトの域に達しつつある模様。ぜひとも来年のかくし芸大会では、超絶技巧三線メドレーをお願いしたいです。哀れみを誘うのは、ガレッジセールのご両人。
 別れの手紙以来の島田の含蓄がいい味。でも今考えてみれば、あの別れの手紙は何だったんだろうって感じだけど。真理亜の初「えりぃ」をきっかけに、全員の顔の演技でドラマは締めへ。このあたりのつぼをはずさない演出は手練の仕業か。


第152回(9/25放送)
☆☆
 いくらいいシーンだからって、またまた冒頭に3分の復習かい。もしかしてこの水増し作業は最後まで続くのでしょうか。そんなゲンナリを打ち消す文也のえりぃへの一喝には、これまでの胸のつかえがとれる思い。なんて感慨にふけってる隙に、舞台はいつの間にか東京になってるじゃないですか。それまでえりぃは意識不明だったってこと?ドラマの不都合を乗り越えるミラクルも、ここまでくるとデタラメとしかいいようがない。
 一風館の決議による一人一発の儀式は、いかにもこのドラマらしくていいんだけど、それがやりたいがためにえりぃを意識不明に仕立てていたかと思うと(空輸?!)、ちょっとねぇ。ヒロインが総勢8名から殴られるという展開は、朝ドラ史上初めてには違いないんだけど。
 『虹を織る』のヒロインは、バレエと剣道を同時に教え始めました。それぞれの朝ドラにそれぞれのミラクルあり、ということでしょうが、こっちにはおざなりなデタラメなど、一切ありません。


第151回(9/24放送)
☆☆☆
 いよいよ最終週です。週始めの総復習は5分にも及び、途中にも回想が入るので、実際のドラマは10分弱か。「あの娘、何考えてるのよ!(by奈々子)」の号令に端を発して、主要キャスト5人がゆがふに全員集合。定番の成り行きとはいえ、一斉にみんなに知らせる必要があるのかはかなり疑問。文也も悔やんでる暇があったら、沖縄に飛んで行けばいいのに。せめて電話するとか。
 キジムナーになった和也おじさんに導かれて(なぜかジグザグ走り!)、あらゆるドラマ的モヤモヤを打ち消すほどの激走を和也が見せます!えりぃの手からこぼれたスーパーボールを手に、という細部の詰めもうまい。
 戦地からようやく夫が帰ってきた『虹を織る』は、最終週の冒頭回までピークを引っ張る。ドラマのバランスはこっちの方が極上。



第25週「美ら海の願い」

第150回(9/22放送)
☆☆☆★
 風吹き抜ける一本道をえりぃが文也のものとに全力で走り寄る。キジムナーがいるガジュマルの大木の傍らで、和也が耳を澄ます。写真に写ったえりぃの笑顔に遥が涙を落とす。スーパーボールは八重山の太陽(てぃだ)に一際光り輝く。大きくなった和也くんの木が、青い空と海とに溶け合うようにすくっと立っている。そんなすべての有り様が、ひたすらに美しい。


第149回(9/21放送)
☆☆★
 前話のあとがき、次話の予告。小浜の風は、やっぱり気持ちいい。浜辺での「いいですか?(byえりぃ)」って何だ?時折、こういうわけのわからない台詞も飛び出す。アンサンブル抜群のちゅらさん組の中では、最後まで真野響子だけは異質な感じ。祥子の「私?」は、定番の3ショットで。


第148回(9/20放送)
☆☆☆
 あの和也君も今や和也おじさんか、などとその時の移ろいにふけりつつ、小浜島でのゆったりとしたテンポに酔う。眠れぬ夜を過ごす一風館さえもせわしなく感じさせるほどに、小浜の風はブラウン管越しにも心地よかった。
 静子を小浜島に駆けつけさせるのであれば、前話の言い訳はむしろないほうがよかったでしょう。その方が、間違いなく驚きも大きかっただろうし。ここのところ、微妙に説明過多の傾向にあります。


第147回(9/19放送)
☆☆★
 やっぱり冒頭のリピートがしつこい。静子との対立項を活かさなかったのは、非常にもったいないでしょう。ドラマ的な起伏は、まさにここにこそあったはず。静子が内心、えりぃを理解しているという後付けはいいと思うんだけど。
 娘と孫が連絡せずに実家に帰るだろうか。一風館で「今日、古波蔵家に泊まるんだよね。」と言わせてるわけだし。あんまり深刻にならないように、間の悪い島袋を登場させるタイミングは手練のしわざ。ようやくえりぃが薬を飲んでいるところを見せてくれましたか。文也の前で飲むのはバレるとしても、もっと前に見せてくれてた方が、ドラマ的には親切だったのでは。
 小浜島での蜃気楼の一本道は、素晴らしかった第14週「ガジュマルの樹の下で」を思い起こさせました。あの黒牛は、第82話に登場した牛と同じ牛でしょうか。久々のおばあの含蓄も、今日は『ちゅらさん』本編よりも「はなまるカフェ」にご出演の時の方が上だったかな。
 朝ドラをインターバル・ダッシュに例えていた岡田惠和さん。ここ数週間をインターバルとすると、ラスト・スパートに期待したいところです。


第146回(9/18放送)
☆☆★
 とりあえず、えりぃが薬を飲んでいたことにホッとする。大体そういうことは、初診の時に言うか、こっそり薬を飲んでるところでも見せるべきだと思うんだけど。ようやく、当面の目標が設定されたことによって、空洞化していたドラマにコアが戻ってきた感じ。お久しぶりの下柳総婦長とのシーンがいい。出るべき人が出てくると、ドラマが締まります。


第145回(9/17放送)
☆☆
 冒頭の2分半にも及ぶ復習は必要?ちなみに『虹を織る』は週明けにも関わらず、復習0分でいきなりドラマに突入。『ちゅらさん』の方はといえば、新しいシーンに入ってからも、話はほとんど前に進まず。新情報といえば、えりぃが早29歳になっていたということぐらいか。
 容子の唐突な縁起でもない話(BGMも縁起でもない『ラ・ボエーム』)にすっかり気が滅入る。流れ的にも暗示の無駄押しという感じで、あまり有効だったとは思えない。興味深かったのは、容子の表情が2時間サスペンスの犯人の妻の顔になっていたということ!余さんの演技力を持ってすれば、表情だけですべてを語ることだってできるわけだから、やはりヘタな説明はいらなかったでしょう。
 これまでの膨大な貯金もここ数週間で使い果たした感じ。ドラマのテンションは確実に落ちてきているだけに、局面を打開するためべく、一刻も早く小浜島へ。



第24週「和也の涙」

第144回(9/15放送)
☆☆★
 今週一週間を象徴するかのようなしんみり調。乳牛ペアルックの柴田夫妻と毒を吐かなくなった真理亜、そして文也君の異色メンバーによるえりぃ賛がいい味。ラストのしっとりとした誕生会で、このドラマには珍しく、静かなトーンで一週間を締めくくる。
 まだまだやるべきことを残している『虹を織る』と比べると、ここのところ後日談的な印象をぬぐえない今作ですが、来週は沖縄が舞台みたいなので、盛り返しに期待したいです。


第143回(9/14放送)
☆☆★
 週始めのみならず、冒頭に前回のリピートを出すのが、ここのところパターンになっております。15分の朝ドラで毎回これやられると、ちょっとしつこいかな。
 えりぃの症状は悪性の潰瘍とのこと。遥の「何言ってるの?」はまさに。「何ができるんだろう、私に(byえりぃ)」って、まずは入院して、治療なり手術なりすることでしょう。遥に「めちゃくちゃだね。」と言わせるからには、そのドラマのめちゃくちゃに自覚はあるらしい。展開の盛り上げ方として、こういうのは好まないなぁ。もしかして、近い将来的にえりぃの手術をやらせるために、文也を外科医に転身させたのかな。
 久々に空からチラシが降ってきた!でも今度のファンタジーな仕掛けはビターテイストなので、あんまり酔えません。


第142回(9/13放送)
☆☆★
 “選択的緘黙”を学習する。和也の一挙手一投足を細やかに追っているあたりは、このドラマならではの丁重さ。連日に光る鈴木翔吾くんの心境演技。
 医学書をめくるえりぃの手は、急性胃粘膜病変のページで止まっていた感じでしたけど…。精神的ストレスでしょうか。そのわりには表情が深刻だったような。
 おいしい役が多いこのドラマの中では、佐藤藍子演じる佐々木奈々子役は、いまいち見せ場がない損な役回り。もう少し手心を加えていただきたいところでしたけど、もう遅いか。


第141回(9/12放送)
☆☆★
 和也を演じる鈴木翔吾くんの心境演技が光る。和也の涙(ナダ)をその大きな瞳で見事に体現。子役がここまで出来るところをみせちゃうと、周りの大人はどうしても霞んじゃいます。


第140回(9/11放送)
☆☆★
 シャボン玉の幻惑から、話に若干含みが戻ってきた感じ。和也の変化に関しては今後に譲るとして、和也のイントネーションの乱れはどういうことでしょうかねぇ。中途半端な環境のせいか、何弁ともつかない言葉を操っております。兼城店長役の藤木勇人さんによる、厳格な方言指導が必要か?!


第139回(9/10放送)
☆☆★
 ドラマは消え、おまけだけが連続していく。一風館の新部屋割り紹介と、“似ているシリーズ第7弾”「修学旅行の東京のホテルの…」篇(第3弾「大学一年のゴールデン・ウィーク篇」、第6弾「給食当番篇」に次ぐ3回目の未遂)のあわせ技で、朝っぱらから柴田幸造大活躍。どうせドラマないんだったら、いっそ“似ているシリーズ”ぐらい、フルバージョンで見たかったところだけど。
 中町祥子は古波蔵祥子になったのか。西宮遙や村山麻衣子のキャラが微妙に変化してることは、軽くやり過ごしていいんでしょうか。KiroroとBEGINの共演付き。



第23週「近くにあるカフー(幸せ)」

第138回(9/8放送)
☆☆★
 ここのところ、話は金曜に完結させ、土曜は来週への期待感を煽るための回、という定義づけが固まってきた感じ。今回も、ハイテンションなカップルたち&孤独な真理亜、という本筋(?!)よりも、静かな語り口の締めくくりに目がいく。第1週以来の暗雲の予感。まさかとは思いますけど……。


第137回(9/7放送)
☆☆☆
 もやはドラマは、占い頼みに。でもそのピンボール風のバカバカしいほどの展開が徹底されたことで、今週では一番笑える一篇になっていました。とにかく、余さんと村田さんの顔の演技がすさまじくて。個人的には、容子が抱いてた緑のクッションはダミーだった、という小技が好き。「こんなてじかなところで」って、ホント『ビバヒル』並になってまいりました。これであまったのは、兼城店長と真理亜か。でもまさかね。


第136回(9/6放送)
☆☆★
 「似ているシリーズ」第5弾「席替え篇」、第6弾「給食当番篇」連発(第6弾は第3弾「大学一年のゴールデン・ウィーク篇」以来、2回目の未遂)。しかも、「似ているシリーズ」が「似ているシリーズ」と呼ばれてるじゃないですか(byえりぃ)。“今日のちゅらさん”では随分昔からそう呼んでるだけに、うれしいですねぇ。第5弾「席替え篇」によって、それほど似ていないという指摘が真理亜からあったことにもほっとしました。それなりの自覚はあったということか、岡田さん。


第135回(9/5放送)
☆☆★
 ほとんどキャラクター品評会と化す最終月。カップルの自給自足密度は、かなり高くなってきております。まだ『ビバヒル』には遠く及ばないけれども。
 文字通りドンと背中を押すえりぃも霞むほどに、伝令と化す祥子の破天荒が天井知らずになってきた。まぁ、もともとえりぃは結構常識派ですからねぇ。祥子は今度は失神しないの?!


第134回(9/4放送)
☆☆★
 今回も民話性が高い。定番と化した勝子のサプライズも、間違いだっただけに今回はやや控えめ。おとこゆんたくの初盛り上がりと真理亜ルームでの女ゆんたくとの温度差にも、これまた定番のおかしみが溢れておりました。つまりは、ドラマ的に巧まなくても、それなりに面白くなっているということ。唯一の新しい血は、えりぃを乗り越えて暴走し始めた祥子か。
 再放送の『虹を織る』がいまだにドラマ的要素を十二分に残していることを考えると、すでに大名目を失っている『ちゅらさん』の後一ヶ月には不安を感じざるをえませんが、定番の積み重ねで乗り切っていくという方法は、それはそれで新しいといえるのかも。


第133回(9/3放送)
☆☆★
 お約束の肩透かしに、安心して騙される心地よさ。えりぃの役割はしっかりと祥子に継承された?! 「そこ、謝りながらイチャイチャしない」とは、えりぃの真理亜化でしょうか。
 いよいよ、朝ドラ鬼門のラスト一ヶ月です。何とか踏ん張って、がんばって欲しいですねぇ。ここまでが素晴らしかっただけに、尚更そう思う。



第22週「お母さんは大忙し」

第132回(9/1放送)
☆☆☆
 第129回以降、気になってしょうがなかったのですが、やっぱりまさかがまさかになりそうな予告編でしたねぇ。再び髪のボリュームがなくなった時点から、容子が怪しいと踏んでたんですけど。一風館一の子煩悩ぶりを発揮する柴田と結ばれる伏線が、今週は張り巡らされていました。もう一つの注目点は、更に進む祥子のえりぃ化。
 和也と熟女3人(?)による水浴びシーンは印象的。あの回想シーンは、何回見ても胸を締め付けられます。
 また健康診断で妊娠判明?! でも普通、その前に気づくだろう。


第131回(8/31放送)
☆☆☆
 えりぃが初めて管理人さんをみづえさんと呼んだ!管理人さんという伝統的な呼び方は和也に受け継がれる。その和也に柴田さんのことを“しばた”と呼ばせるのは、柴田のキャラクターを考えるとなかなかの妙案かも。将来的にも呼び捨てだとちょっとという気もしますけど、ドラマはその前に終了するから大丈夫。
 えりぃの勤めるこの病院に、文也と遙以外にも医者がたくさんいたという驚愕の事実も今回判明。和也は、寝てるのに目が開いててよかったんでしょうか。浮き袋は膨らませたまま飛行機に乗ったんでしょうか。そんな疑問も、古波蔵家の女性陣の超常能力に比べればなんくるないか。
 お父さんの事故の話では、文也のお父さんの話にも触れてこそという気がしたけど。


第130回(8/30放送)
☆☆☆
 オートロック・テレビモニター付きのいいマンションに住んでる村山麻衣子(石川県金沢市出身)もまた、えりぃ化していくか。その帰結点は予想通りだけど、辞めるとまで言ってしまうえりぃの捨て身な強硬派ぶりは、想像を越えてきました。周りへの感化力は、ドラマを軌道修正する力にもなっている。このドラマがほとんど間違いを犯さないのは、偏にえりぃという中心キャラクターが、きちっと性格づけされてるから。
 「長いよ、話すと。」の一言は実に有用。これは、見ている側との共通理解というこれまでの積み重ねの成果があるからこそ。朝ドラならではの強みです。窓の外であと3人で聞いてることで、まどろっこしい説明をすべて省略してしまう技もうまい。
 「えりぃもやっぱり恵文の子だねぇ。それを言わなければカッコいいのにさ。(by恵文)」で瞬間出演でも、クレジットはやっぱりとめか、堺さん。


第129回(8/29放送)
☆☆☆
 やさしさに満ち溢れたお迎え当番表が光り輝く。まさか、容子と柴田が?! まさかね。ドラマのメリハリのつけ方は、まったく衰えずうまいなぁ。久々に聞く真理亜の哲学。シリアスなえりぃにこそ、国仲涼子の本領を見ます。


第128回(8/28放送)
☆☆☆
 “えりぃと奇妙な仲間たち”ってノリが、いよいよ完成の域に近づいてきた感じですねぇ。過去最高のビター・キャラ、田所幸子(宮村優子)に次ぐ暗い登場となった「ちょっと心配さ(byおばあ)」の新人の看護婦、村山麻衣子さん(菊地百合子)さえも、いずれはその仲間になってしまうんでしょうか。
 田中好子はこのドラマを通して、日本一のサプライズの達人に。恵達のデビュー・シングルの印税500万には驚きだけど、もっと驚いたのは、えりぃがこれまでずっと仕送りし続けてたってこと。深く反省。
 『ちゅらさん』2分前の天気予報のコーナーに、ゴーヤーマン登場。武内陶子アナ、青汁ならぬゴーヤー汁(輪切りつき)を飲んでました。「あっ、甘い!あっ、ニガい!ニガい、けど甘い!」とは、何ともアンビヴァレントなご感想。ほとんど、ドラマと一つながりっぽいノリでした。


第127回(8/27放送)
☆☆★
 真理亜でさえも「みづえさん」って呼んでるのに、えりぃはいまだに「管理人さん」って呼んでますよね。まぁ、尊敬の念ってことなんでしょうけど。常に言葉使いもきれいだし。
 尊敬といえば、文也への最敬礼で祥子はますます絶好調! 早くも、神田“ドカ弁”婦長の化けの皮がはげる。ドラマ的には「鉄漿でございます。」が限界か?! 出来れば、“なりきりシンガーズ”やって欲しいんですけど。



第21週「なんくる(自然に)子育て」

第126回(8/25放送)
☆☆☆
 抜群の安定感、って言葉は、このドラマの場合には誉め言葉にならないか。土曜日は期待感のある予告編が面白いから、満足度のフォローは十二分なんですけど。清水ミチコ演じるドカ弁婦長の見せ場は来週からかな。真理亜を「童話に出てくる魔女みたい」(byみづえ)とは、言い得て妙。このドラマ自体が童話みたいなものですから、魔女は不可欠な存在ということでしょうね。
 第125回に柴田幸造の似ているシリーズ第4弾(第3弾は幻)“恵比寿のパブ〜大学時代の合コン篇”が登場したことを書き忘れていました。今度は今までほどは似ていない気もしたけど、村田雄浩の熱演には圧倒されました。このキャラクターにも幸あらんことを。


第125回(8/24放送)
☆☆☆
 かつてなき危険な香り。姉弟の微妙な関係に随分突っ込んでたでしょ。予想以上の台詞に見てて、ちょっと緊張しましたよ。恵達の過剰なほどの笑いも、何だか怪しかったし。「これからも今までと同じように、仲のいい姉と弟でいなさいね。(byおばあ)」って言われても、見てるほうはこれまでと同じようには見られないでしょう。確かに普通の姉は、弟にヘッド・ロックしないもんなぁ。
 シリアスな清水ミチコって、あんまり記憶にない。ここがドラマの新たな起爆剤になってくれることを祈る。


第124回(8/23放送)
☆☆☆
 最後の最後に久々のミラクル!あまりにもダイナミックな祥子の卒倒に、倒れた本人以上に見てるほうが驚く。時間差攻撃で矢継ぎ早の3カットとは恐れ入りました。ポップジャム(?)出演時の恵達のウィンクに、祥子が立ったまま卒倒したあの時(第99話)より、更にカットがシャープになってましたね。
 ちょっと霞んでしまいましたが、柴田幸造監督による“一風館のアイドル和也”という民話風の話では、真理亜を隠し撮りする際の容子の隠れ方が凄かった。余さん、そこまでしなくてもいいのに。真理亜の俊敏な動きもよかったです。ちょっと、子供劇風ではあるんだけど。


第123回(8/22放送)
☆☆☆
 真理亜のベロベロバーは、予想以上にダイナミック。あそこまでやっちゃうと、指がつばで汚れそうだけど。柴田さん、カメラ目線で英語敗北宣言。真理亜には「柴田君」呼ばわりか。時には(まりあ違いの)『マリア』第6話ばりに、カッコいい様も書いてあげて欲しいですけど。
 物語の突破口は、新婦長も含めた仕事復帰にあるんでしょうか。どうしてもこのドラマには、これまでのような読み物的な面白さを期待してしまうものですから。今のような小さな展開も楽しいんだけど、味わいには欠ける。BSで『ちゅらさん』から連続放送中の『虹を織る』のように、小さいドラマの積み重ねに味わいがあるタイプとは正反対のドラマですからねぇ。「子育てはずーっと続くからねぇ(by おばあ)」。そうだった。まだまだ、えりぃの成長率は衰えそうにありません。


第122回(8/21放送)
☆☆☆
 今日の赤ちゃんは、昨日の赤ちゃんと一緒ですよね?! ここ一週間ぐらいは、その辺の見極めでも楽しめそう。ただ、結婚して出産して、大体のことはやり遂げた感のあるこのドラマ、今後はどこへ行くんでしょうか?まさか、ホントに浮気とかってことはないと思うけど。岡田惠和ドラマの唯一の弱点は、ドラマの結び方にありと感じているだけに、あと一ヶ月、持ちこたえてくれることを祈らずにはいられません。
 ちょうど同時間帯の裏番組『エクスプレス』で“Best Friend”がかかってる時に、「ちなみにこの番組は『エクスプレス』です」ってな、気の利いたテロップが出ておりました。


第121回(8/20放送)
☆☆☆
 お父さんとお母さんのえりぃへの言葉が胸を打ちます。ここのところ、おばあになった田中好子が際立ってますねぇ。おばあに勝るとも劣らぬ存在感。
 ところで赤ん坊なんですけど、生まれたてと3ヵ月後、違う役者さんでした?!スケールはほぼ同じに見えたけど。祥子が益々キャラ立ちしてきた。



第11〜20週第1〜10週

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