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メモリー・オブ・ラブ (TBS系月〜金曜13:30〜14:00)
ドラマ30
製作/MBS企画、毎日放送
制作/薮内広之、筧憲明
プロデューサー/芝野昌之、岡田浩祥
脚本/国井桂、篠崎絵里子
演出/亀井弘明、芝野昌之、中村和宏
音楽/栗山和樹
主題歌/『いつか…』清木場俊介
挿入歌/『なにもできない』清木場俊介
出演/水沢羽純…国分佐智子、木田明…村上幸平、伊原華菜…菅原禄弥、木田浩志…原田篤、坂本奈緒…梅宮万紗子、木田志保…石野真子、木田貴之…高岡建治、吉本純也…萩原流行、水沢由紀江…平淑恵、伊原省吾…清水紘治、伊原容子…かとうかずこ
ほか

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第9週(1/31〜2/4放送)
☆★
 このドラマが本気で韓流しようとしていたことは、明(村上幸平)をかばって華菜(菅原禄弥)がスタジオセットの下敷きになる場面からも明らか。いまさらこれをそのままにやるのって、それなりの勇気が必要だったはず。
 その華菜(菅原禄弥)はケガが治るまでは明が側にいてくれる約束を引き伸ばそうと、右手が動かないふりを。すると羽純(国分佐智子)は華菜のことを思いやって、華菜がどんなに拒絶しようとも執拗に華菜の手のリハビリに通う。それが嘘であったことがばれるなり居直った華菜だったが、羽純の魂の叱咤に感激してか、華菜はついには羽純の胸で泣きながらに謝罪。つまり華菜は羽純に根負けしたってこと?
 そんな華菜に振り回される格好で、羽純と明もめまぐるしく別れようとしたり、くっつこうとしたり。もっともビックリしたのは、純也おじさんこと、羽純の父親・純也役で萩原流行が登場したこと。数十年ぶりに果たされた突然の帰国に、羽純も驚いていたでしょうけど、視聴者はもっと驚いたはず。だって、すでに最終週ですよ。
 唐突ついでにか、いやあまりにも定石通りだからそこ唐突でもかまわないといわんばかりに、奈緒(梅宮万紗子)と浩志(原田篤)がゴールイン。このサブキャラたちにはもう少し見せ場があってもよかったのでは。
 信じて一緒に歩いていきたい人との間の心にかける橋が永遠に通行止めになってしまうはずもなく、羽純と明はついに現在進行形の愛にたどり着く。新ブランドの発表会で忙しかったはずの華菜はそんな羽純のために、ウェディングドレスまでこしらえている早業ぶりの姉思い。これでもかとウェディングドレス姿を見せるラストは、批判された『ピュアラブ』の反省?!(麻生結一)


第8週(1/24〜1/28放送)

 アメリカでしか直らない病気に犯された麻衣(浜野華甫)の治療費を援助するしないが絡んで、明(村上幸平)が華菜(菅原禄弥)と婚約することになる運びは、まるでリピート放送を見ているかのよう。
 ところが羽純(国分佐智子)と明の愛し合う気持ちはやっぱり普遍。さらには容子(かとうかずこ)の鶴の一声で婚約解消とまでなってしまうと、どう考えたって一番かわいそうなのは華菜でしょう。ところが、この華菜というキャラクターももう一歩チャーミング不足なものだから、このドラマのどこを見ていいのか、結局さっぱりわからなくなってしまう。『ピュアラブ』が第2シリーズ以降に大化けしたことを考えると、このドラマもパート2以降にこそ期待しなきゃいけないのかも?!(麻生結一)


第7週(1/17〜1/21放送)

 規定路線からの変化は、ケガをした麻衣(浜野華甫)が難病に冒されていることが判明するくだりぐらい。

「麻衣、死ぬかもしれない」

「そんなの信じられない」

「俺だって信じられないよ」

よほどエピソードに困らない限りこういう裁きはやらないと思うので、誰しもにとって「信じられない」との感想はあたっているかも。アメリカにはこの病気の権威がいるらしいけれど、とんでもなく金がかかるからどうすることもできないって、ということは、どうすることもできないのは金の問題?(麻生結一)


第5、6週(1/6〜1/7、1/10〜1/14放送)
☆★
 年明けの第5週は2回のみだったために、またまた2週まとめての取り扱いということで。まとめたくもなるほどに、ここ4週分(実数的には3週弱)はほとんど同じ話を繰り返しているのみ。
 ついに羽純(国分佐智子)は容子(かとうかずこ)が実の母であると知らされ、これまたついに羽純は明(村上幸平)との思いが7年前と変わりなかったことを確かめ、とついにをダブルでぶつけてきたのちは、そこからの派生でのみドラマは進行する。見ものは、育ての母である由紀江(平淑恵)と産みの母である容子という2人の母親の間で揺れ動く、そして実の姉妹であった華菜(菅原禄弥)が見せる明への執着ぶりに困惑する羽純(国分佐智子)が、1話に1回以上流すひたすらの涙。
 上記のように書き連ねると、さぞや味の濃いドラマのようにも思えるが、癖っぽい役者がまったく出ていないためか、実際にはその薄味ぶりはさわやかでさえあり、その点が驚異的と言えばそう言えなくもない。(麻生結一)


第3、4週(12/20〜12/24、12/27〜12/28放送)
☆☆
 年末の第4週は2回しか放送されなかったため、第3週とまとめて。というか、ここ7回は似たような展開が繰り返され続けているので、そうじゃなくてもまとめて十分といった感じ。
 明(村上幸平)への思いを断ち切れない羽純(国分佐智子)、そんな羽純をいじめはじめる華菜(菅原禄弥)、何だか釈然としない明と、この3人の組んず解れつは金太郎飴的になってきているので、この間を見逃した方でも容易にドラマの流れに追いつけるはず。
 羽純には背中に羽のアザ!同時にパリ生まれであったことも判明し、容子(かとうかずこ)の実の娘であったという流れもあまりにもこの手のドラマの定石通りといった感じ。唯一の驚きは、明がいなくなった年の冬に映画『タイタニック』を羽純が見たとすれば、あの第1週のタイタニックポーズがパクリじゃなくて、むしろオリジナルだったという設定ぐらいか。何はともあれ、美男美女しか出てないドラマです。(麻生結一)


第2週(12/13〜12/17放送)
☆☆
 7年後の設定が本格化したので、人物関係を整理しよう。羽純(国分佐智子)は憧れのデザイナー・容子(かとうかずこ)のもとで働きはじめている。羽純が勤める「IHARA」チーフデザイナーが容子の娘・華菜(菅原禄弥)で、華菜は新しくやってきる事業部長の恋人。その恋人こそが羽純の運命の人・明(村上幸平)なれど、華菜に紹介されるなり、「はじめまして」なんて言われちゃうものだから羽純も動揺。やはりおせっかいキャラだった奈緒(梅宮万紗子)が明が復活したことを浩志(原田篤)に話しちゃったものだから、当然浩志は明のもとを訪れるも、偶然にも羽純と明が会ってたりするものだから、待ってましたとばかりに話がこじれ始める。
 そのこじれ方があまりにもシンプルで裏がないために、物語的にはすでに興ざめしてしまったり。火災発生時に明が助けに来るまで自発的に逃げようとしない羽純などはその典型で、突っ込みどころとしてもインパクト薄。ただ、美男美女の運命的なこんがらがり方にこそ眼目があるわけだから、あまり細かいことを言っても仕方がないか。何はともあれ、めったに更新されない非公式コラムでも取り上げた

>> 非公式コラム

23時台ドラマの女王(?!)、国分佐智子が13時30分のドラマでがんばっている様ははなかなかに新鮮です。(麻生結一)



第1週(12/6〜12/10放送)
☆★
 韓流路線のドラマであることを隠そうとしない潔さはよしとしても、障害物競走的な展開と純愛物という欠かせない基本ラインを盛り込むための、物語の大前提としてのみしか機能しないような第1週ゆえに、ドラマ的な喜びとはちょっと遠いところにあるような。ただ、この手のドラマはその大前提後こそに眼目があるので、この第1週はあくまでも序章的な位置づけと考えれば、早々に脱落する理由もないかもしれない。
 羽純(国分佐智子)と明(村上幸平)が交通事故を通してお近づきになるのが1997年夏。ここに羽純の幼なじみにして、明の義弟・浩志(原田篤)が絡んできて、強引に三角関係を成立させてしまうあたりは、今は釈然とするはずがないも、時期に慣れてくるのかも。いきなり浩志の母・志保(石野真子)が死んじゃう展開で揺さぶりをかけてくるも、この3ヶ月ほど裏の方(『愛のソレア』)で散々揺さぶられてきてるので、この程度ではもはや驚けない。『ラストクリスマス』で否定的オマージュをささげられた『タイタニック』もどきポーズもどうしたことでしょうね。正確にはタイタニックじゃなくて白い鳥らしいけれど。
 というわけで、それから7年後の2004年に話が飛ぶ本筋の方に期待しましょうか。羽純の親友・奈緒(梅宮万紗子)は韓流ドラマでは欠かせないようなおせっかいキャラなのかな。(麻生結一)




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