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ラジオドラマの芸術
【2000年放送分】

その後の断腸亭日乗〜津軽放浪〜 (NHK-FM:2000.12.16)
FMシアター
作/古川壬生
演出/川口泰典
音楽/佐野芳彦
出演/藤村俊二、岡崎友紀、大高洋夫、大輝ゆう、小須田康人、吉田鋼太郎、木野花

☆☆
 創作ラジオドラマ大賞作の続編。アカデミック趣味は相変わらずで抜群によく出来てるけど、ある意味では別に面白くもおかしくもない。頭で聴く作品。





幽界彷徨・桂木孝介の冒険 (NHK-FM:2000.12.2)
FMシアター
作/仲倉重郎
演出/川口泰典
音楽/タカミムロ
出演/東野英心、高橋長英、小林勝也、熊倉一雄、高嶺ふぶき、佐藤誓、絋美雪、大石継太、あづみれいか、恩田括

☆☆★
 虚実綯い交ぜの展開が楽しい。東野英心の遺作。シリーズ化できそうな話だったのに。合掌。





娘たちの庭 (NHK-FM:2000.11.23)
FMシアター:再放送(初回放送2000.9.16)
平成12年度文化庁芸術祭参加作品
作/長川千佳子
演出/保科義久
音楽/菱沼尚子
出演/斉藤由貴、江原真二郎、中原早苗、森田順平、石井トミコ、三村ゆうな、宇野あゆみ、長橋良枝、大谷朗

☆☆
 随分とストレートなトラウマ物。斉藤由貴主演で脇も豪華なんだけど、心象風景物としての話のつぎはぎはイマイチ。





バスで行く人 (NHK-FM:2000.11.18)
FMシアター:再放送(初回放送2000.6.3)
平成12年度文化庁芸術祭参加作品
制作/NHK徳島放送局
作/井出真理
演出/大久保篤
音楽/荻野清子
出演/中江有里、渡辺いっけい、岸野一彦、北村優、山下結穂、大原穣子、山崎海童、山口由紀子

☆☆☆
 小品としての居心地のよさを感じる作品。ほんの数時間の描写の中に、上手い具合にネタが盛り込まれていて、不自然さがまったくないのは立派です。主演の中江有里、渡辺いっけいも好演。





穴を掘る (NHK-FM:2000.10.21)
FMシアター:再放送(初回放送2000.4.8)
平成12年度文化庁芸術祭参加作品
作/鶉野昭彦
演出/江澤俊彦
音楽/都留教博

出演/塩見三省、山像かおり、山野史人、藤岡琢也、小林泉、絵沢萌子、路井恵美子

☆☆
 放送禁止用語連発の姥捨てもの。映像でやればそれなりの強烈さが伝わってきたかもしれないけど、音だけで聴くと単に気分が悪くなった。確かに芸祭向きかもなぁ。





青いカナリア (NHK-FM:2000.10.14)
FMシアター:再放送(初回放送2000.3.18)
平成12年度文化庁芸術祭参加作品
「劇作家シリーズ(5)」
作/福田善之
演出/藤井靖
音楽/西村勝行
出演/山本學、今井朋彦、森村冬子

☆☆★
 時間軸に妙なところもあるけど、そのあたりは本人が本人に再会する話の宿命か。山本學の含蓄が作品を救う。





ゴースト・ライター (NHK-FM:2000.9.30)
FMシアター
作/浪江裕史
演出/今井洋一
出演/國村隼、中島ひろ子、桜井ゆう子、伊沢勉、宮島千栄、山本恭史、柾木卓、川本貴浩

☆★
『大好き!五つ子』シリーズではまとめ上手振りを遺憾なく発揮している浪江裕史の作品だが、ここでのエピソードは随所に不自然にスウィートで、無理矢理に話を作って結び付けたという印象を否めない。





九月の微笑 (NHK-FM:2000.9.23)
FMシアター
作/西山務
演出/江澤俊彦
音楽/藤家渓子
出演/名古屋章、今井朋彦、高田敏江、高橋長英、円谷文彦、長克巳、沢柳迪子、神田時枝、依田英助、小澤浩明

☆☆★
 ラジオドラマの定番、老人との交流ものだけど、これは出来がいいほう。もうテレビでは見られなくなったような人情ドラマで、その古めかしさが逆に新鮮だったりもする。





お父ちゃんの金の斧 (NHK-FM:2000.7.29)
FMシアター
制作/NHK大阪放送局
作/森脇京子
演出/宮崎純
出演/加納幸和、佐藤綾、三田篤子、茂山逸平、田畑猛雄

☆★
 BK制作らしい、泥臭い人生再考ドラマ。早送りせずに聴き通すのに苦労した。





夢見る機械 (NHK-FM:2000.7.15)
FMシアター
制作/NHK仙台放送局
原作/諸星大二郎 脚色/山崎和俊
演出/山崎啓明
出演/松田洋治、渡辺菜生子、柴田秀勝、前田優作

☆★
 原作物らしいのですが、テーマの古さに驚かされる近未来物です。前半の退屈さにも若干の意味があったことが、後半の展開でわかるわけですが、それでもテーマの古さは如何ともし難く、困り果てた次第です。





その後の断腸亭日乗 (NHK-FM:2000.6.24)
FMシアター:第28回創作ラジオドラマ脚本懸賞募集佳作
作/古川壬生
演出/川口泰典
出演/藤村俊二、加納幸和、姿晴香、上月佐知子、大高洋夫、絋美雪、青山勝

☆☆☆
 その博学さに驚嘆する作品。その博識のひけらかしが、少々鼻についたりもしましたが…。まぁ、そう感じてしまうのも、博学じゃない人間の嫉妬心からかもしれません。





春の翼 (NHK-FM:2000.4.1)
FMシアター
作/玉井恵子
演出/保科義久
音楽/北爪道夫
出演/広瀬彩、遠藤雅、内山森彦、牧野和子、うえだ峻、しみず霧子、秋本紀子、角間進、巴三枝

☆☆
 失語症の治療士が主人公なのですが、そこの話はサブ・ストーリーで、テーマは孤独。この話が定石通りでつまらない。治療士としての展開がもっとあれば、話に厚みが出たでしょうけど、結局は嘘っぽい話になってしまっている。





ネオ・ファウスト (NHK-FM:2000.3.20)
再放送:『ガラスの地球を救え〜手塚治虫のラストメッセージ』(2000.12.29、30放送)より
原作/手塚治虫
脚本/富永智紀
演出/吉田努
音楽/長谷部徹
ナレーション/大平透
出演/白島靖代、増田未亜、田中智也、納谷悟朗、明石良、水澤心吾、沢りつお

☆☆★
 年末放送分より90分短いのは、中井貴一メインのトーク部分を全部カットして、ドラマ部分だけを抜き出して再編集したため。確かにこの作品、未完だけにドラマ部分だけではちと厳しいか。何しろ、恐ろしく中途半端に終わってしまいますから。トークあり版では、そのへんをフォローするような補足説明があったりしたんでしょうねぇ。
 そんな90分間カットの代償を払ったとしても、超セクシー“白島靖代”メフィストは聴く価値あり。魂ならぬ、90分を売り渡した甲斐があったというものだ。思わず、「この世は美しい」と呟きたくなる。手塚版『ネオ・ファウスト』のメフィストは、ホントにこんなセクシーな設定なのでしょうか?
 そういえば、『蒲生邸事件』(ラジオ版)でも白島靖代と林泰文は共演してましたよね。この二人がセットだったとは。だったら『カバチタレ!』も、高木りなじゃなくて白島靖代だったのでは?!



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