TV DRAMA REVIEW HOME

ザ・ホワイトハウス2 (NHK総合土曜23:10〜24:00)
制作総指揮/アーロン・ソーキン、ジョン・ウェルズ、トーマス・シュラム
制作/ジョン・ウェルズ・プロダクションズ、ワーナー・ブラザース・テレビジョン
出演/ジェド・バートレット大統領…マーティン・シーン(声:小林薫)、
サム・シーボーン広報部次長…ロブ・ロウ(声:吉田栄作)、
CJ・クレッグ報道官…アリソン・ジャニー(声:夏木マリ)、
レオ・マクギャリー首席補佐官…ジョン・スペンサー(声:佐々木敏)、
トビー・ジーグラー広報部長…リチャード・シフ(声:佐々木勝彦)、
ジョシュ・ライマン次席補佐官…ブラッドリー・ウィットフォード(声:石塚運昇)、
チャーリー・ヤング私設秘書…デュレ・ヒル(声:鈴木祐二)、
ドナ・モス(ジョシュの秘書)…ジャネル・モロニー(声:八十川真由野)
ほか

>>公式サイト


第11回(12/20放送)
☆☆☆
 煙突のない暖炉に火をくべるオープニングから、いつもにもましておバカなオープニング。新年の朝食会の座席順決めに7時間半もかかるとは、国に限らず無駄な力が注がれるよと思うも、これがとんでもない発端に。そこでの話し合いに関する事前交渉が、共和党サイドからリークされたとこによって、レオとトビーが一挙に選挙戦に向けての再選委員会を結成するにいたるまでの話運びの上手ぶりといったら、いつもながらに感心させられっぱなし。
 サイドストーリー、レオがカレン・ケーヒル(この人物は何らかの影響力を持った人らしい)の靴を冷やかしたことを謝りに行ってほしいと頼まれたサムが、カザフスタンとキルギスタンを言い間違えたとこを訂正してきてくれとドナ・モスに頼み、そのドナ・モスがカレンの前で下着を落としたことに関して、性的な意味はなかったということを訂正してきてほしいと、ついにはバートレット大統領のところまで行き着く失態のたすきリレーが、軽快妙味でしゃれてる。(麻生結一)


第10回(12/13放送)
☆☆☆
 これまでにもあの手この手の技で見せてくれたこのドラマだが、今回はいつもにもまして手が込んでいた。3週間前から言動がおかしくなったジョシュを、クリスマスイブにトラウマ被害者協会のキーワース医師が診察する中で、ジョシュが銃撃事件の後遺症によるフラッシュバックを無自覚にか、悟られまいとする気持ちを絡めて、現在と過去が入り組んだ形で描かれる。
 立派なのは、ここまで複雑な構成をとりながら、見進める際にはちっともまどろっこしくならないところ。ジョシュの苦悩に対し、自身もアルコール依存症のレオがたとえ話を持ち出して声をかけるシーンが感動的。冷静に考えると、ここのホワイトハウスは大丈夫なのかと思えてくるけど。実は大統領自身も病気を隠してるわけだし。
 ホワイトハウス内のクリスマスのパーティで、ヨーヨー・マがバッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」を演奏するおまけつき。寝言のように「ヨーヨー・マ」と言っていたドナは今話もコメディ・ロールかと思わせといて、実はジョシュの手のケガの嘘を見破っていていたというオチにも、しんみりとさせられた。(麻生結一)


第9回(12/6放送)
☆☆★
 NASAの広報部のライターにサムがケチをつけるオープニングがケッサク。直されたドラマティックな原稿は、お見事というしかない。火星探査船ガリレオ5号の火星到着は、火星探査車スピリットが話題の今、タイムリーな放映になった。
 バートレットは、火星について子供たちの質問に答えるテレビ番組は大いに楽しみにしているのだが、アイスランド大使との会談を中止した埋め合わせに行かなければならなくなったレイキャビク交響楽団のコンサートには気乗りがしない。1860年以降の作品は音楽じゃないと言い放つバートレットがとってもお茶目で、大統領もやはり人の子と思わせる。ロシアのミサイル基地で爆発事故というサブエピソードはあったが、このドラマにしては比較的平穏な回だった?!(麻生結一)


第8回(11/29放送)
☆☆☆
 感謝祭を前にして、何かと騒々しいホワイトハウス(もちろん、ここは感謝祭じゃなくてもコンスタントに騒々しいんだけど)。サンディエゴ湾で発見された不審なコンテナ船に、中国からの難民が83人乗っていたとの一報が入る。宗教的な迫害から逃れるために密航してきたキリスト教徒との主張の真偽を確かめるために、バートレットが用いたいのが「試し言葉」を意味する「シボレテ」が言えるか否かのテスト。そんな不確定さにアメリカ大統領の判断がゆだねられるとも思えないのだが、その敬虔さに貫かれた判断のおかげで丸く収まるあたりの度量の広さ(?!)はこのドラマならではの知的さかな。
 ある朝、CJのオフィスに七面鳥が2羽のサブエピソードがケッサク。特赦を与える七面鳥を選ぶのに、写真のフラッシュテストをやるCJがおかしくて。肉きりナイフ選びに振り回されるチャーリーが独立戦争以来、バートレット家に受け継がれてきたなんでも鑑定団級のナイフを譲られるエピソードがいい。感謝祭というキーワードで巧みに締めくくったエンディングまで、毎度のごとく名人芸を見せられているかのよう。(麻生結一)


第7回(11/22放送)
☆☆★
 遊説先のオレゴン州ポートランドへ向かうエアフォース・ワン内でのバートレット大統領とスタッフたちの奮闘を描いた異色篇。普段は留守番専門のCJは、バートレット大統領の母校であるノートルダム大学をからかってしてしまった罰(?!)として、今回は同乗することに。切れ者のサムがスピーチ原稿を書けずに大苦戦。自分が書いた原稿に満足できず、同行記者団に配布した下書きを回収してくれるようにCJに頼むのだが、ダニーだけは返そうとしない。
 言い回しが格調高いからという理由で、サムが『毛沢東語録』から引用しているのには笑った。ダニーもまたノートルダム大学出身者だったというオチも気が利いてる。CJもダニーの出身校ぐらい知ってそうなものだけど。ドナがデートのたびにドレスを返品していることが判明する。なるほど、その手があったか。(麻生結一)


第6回(11/15放送)
☆☆☆
 核実験禁止条約を議会で承認にまでこぎつけようと、ありとあらゆる手で根回しをするホワイトハウスの面々のそれぞれのエピソードが、つきつ離れずドラマにかかってくるあたりの手際のよさは、まるで名人芸を見ているかのよう。ウクライナの議員が、酔っ払って大統領に会いにくるどうでもいいようなサブストーリーも、ドラマにきちっと入れ込んでしまっているのだから大したもの。
 面白かったのは、大統領に提出する意見書の要約をエインズリーに頼んだサムが、まったく正反対の要約をしたエインズリーの意見に影響されて、自分の意見を翻意するくだり。その柔軟性は節操がないとも言えるが、何でもありというフットワークの軽さにはうらやましさも感じた。(麻生結一)


第5回(11/8放送)
☆☆★
 エインズリー・ヘイズ(レギュラーになって、ファースト・ネイムで呼ばれ始める)の初仕事にまつわる悲喜交々。さげすみの言葉が書かれたカードを添えて、花束が届けられる陰湿ないじめが出てきたりもするが、気のいい仲間たちのフォローのおかげで何とかやっていけそうな雰囲気かな。びっくりパーティ風にエインズリーを迎えるラストが清々しい。
 興味深かったのは、サブエピソードで横糸となる大統領のラジオ演説の収録がいつとり終わるのかというお話。ちなみに、サムは大学時代にオペレッタ同好会に所属していたことが判明する。(麻生結一)


第4回(11/1放送)
☆☆★
 サムが若い子にやり込められる篇?! テレビの討論番組で野党共和党の女性アナリスト、ヘイズにサムは無残にも言い負かされて、それを見たバートレットが彼女をホワイトハウスに雇いたいと言い出す。内部の軋轢は描かれていても、野党サイドの主張はこれまでほとんど描かれていなかったような。実際、共和党支持者はこのドラマを楽しめるのだろうか?
 情報を外部に漏らしたことを気に病むCJとヘイズとの会話が面白い。エイズ治療薬の交渉のために訪米していたアフリカのニンバラ大統領が、クーデターが勃発した祖国に戻り、即処刑されたニュースが入るエンディングにやるせなさが残る。(麻生結一)


第3回(10/25放送)
☆☆☆
 はためく星条旗をバックに、

「エミー賞最優秀ドラマシリーズ賞 四年連続受賞作品」

のテロップがまぶしいオープニング。この四年連続とは、偉大な大記録なのだ。過去には『ヒル・ストリート・ブルース』と『LA・ロー』しか達成していない金字塔。確かにこのドラマ、よくできており、けなす箇所はほとんど見つからない。ただ、『ヒル・ストリート・ブルース』の記録に並ぶほどのドラマだろうか。毎度深く感心しつつも、それほどに乗り切れないというのが、この作品への正直な印象。確かにアメリカ人にとっては、これほど興味深いドラマもなかなかないのかもしれないけど。
 ドラマは冒頭のCJの定期会見から絶好調。銃撃事件の追い風の中にあって、大統領の81パーセントの支持率は低すぎる?! この機に乗じて、極右団体を叩こうとするトビー・シーグラー広報部長。バートレットは中間選挙の情勢よりも、かつて下院選で争った旧敵が地元の教育委員長に立候補したことのほうが気になと見える。
 忌まわしい銃撃事件を引きずって、人間臭さを見せる登場人物たちの心理描写は見事としか言いようがない。ジョシュを囲んでビールで乾杯するエピローグも見事で、☆☆☆★級の出来栄えと感嘆するも、

「アメリカ〜」

と声を合わせる場面で、急になえてしまった。やはりこのドラマに心から感動できるのはアメリカ人だけかもしれない。
 冒頭にあらかじめストーリーを言ってしまうのはいかなるものか。一瞬、1話飛ばしちゃったのかと思ったよ。話がわかりづらいとの意見が殺到している様は、ドラマを見進めるほどに理解できる。(麻生結一)


第2回「正義は死なない(後編)」(10/18放送)
☆☆☆
 なぜバートレット大統領が銃で狙われたのか、という真相が衝撃的。そして第1話と同様、もしくはそれ以上に巧みに、バートレットの大統領選出馬からチームが団結するに至る回想が、巧みに盛り込まれている。
 手弁当状態での選挙戦とはいえ、広報が意外にも給料が安いことを知る。ドナ・モスが押しかけ秘書だった秘話も秀逸。事件の経過を記者に問いただされる会見の場で、同日に起きたほかの銃事件についても言及するCJの会見がクレバーにしてお見事。
 もっとも感動的だったのが、ジョシュの父親が亡くなったとき、亡骸の元に急ぐジョシュに空港で、バートレッドがこれまでの感謝を述べる場面。そしてここはジョシュの回想だったという構成の妙よ。

「次は何だ」

というバートレットの口癖を意識を取り戻したジョシュがまず口にするオチまで、隙なくよくできている。(麻生結一)


第1回「正義は死なない(前編)」(10/11放送)
☆☆☆
 銃撃事件で大統領のバートレットが撃たれるところからはじまるシリーズ第2弾。重症をおった次席補佐官のジョシュ(ブラッドリー・ウィットフォード)の一進一退の状況と、バートレットの大統領選出馬にともなうチーム集結秘話の回想を交えるあたりの語り口のうまさは、お見事としか言いようがない。(麻生結一)




Copyright© 2003-2004 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.