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総評
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バラエティに富んだ優秀作が揃ったこの秋のクールは、ここ数年では記憶にないほどに豊作だった。
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| 作品賞 |
テレビドラマ越えを試みた勇気ある作品が2本。中でも、前世探しの旅を足がかりに、まったく別次元にまで突き抜けていく『深く潜れ』は意表をつく面白さに満ちていた。前半の難解さがたたってか、視聴率が超低空飛行となったのは残念だったが、激戦の末、作品賞に輝いた。
チャレンジ度では『ラブコンプレックス』も負けていない。初回からの暴走ぶりに最初心配したが、後半になるにしたがって、ナンセンスとシリアスの配分が一層絶妙になっていって、その仕組まれた罠にまんまとはまってしまった。
王道系もヒット作が2本出た。ホームドラマの王道『オヤジぃ。』は、平成の『破れ太鼓』を狙ってまんまとあてた。脚本は少々乱暴だったが、田村正和の妙演によってすべてが救われた。『深く潜れ』に続いて次点だったのが、ラブコメの王道『やまとなでしこ』。ウェルメイド度では今クールダントツの一番で、久々の月9ヒットとなった。
その知性があだとなって視聴率的には平凡だが、朝ドラ『オードリー』も見ごたえのあるドラマ。ただあと3ヶ月続くので、結論は次のクールに持ち越したい。
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| 脚本賞 |
全編にわたってチャレンジし続けた『深く潜れ』の神山由美子、『ラブコンプレックス』の君塚良一の仕事は、テレビの枠からはみ出していた。それだけにスリリングだったと言える。とりわけ『深く潜れ』のはみだしぶりは爽快だった。枠内でいい仕事をしたのが中園ミホ。この3作品の脚本は他からは頭一つ抜けていた。地味な題材ながら、『幸福の明日』も優秀。小さい話の積み重ねがうむ大きな効果を思い知らされた。
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| 主演女優賞 |
主演女優賞は満票で松嶋菜々子。出世作『ひまわり』以来ののびのびキャラがはまっていた。実はシリアスよりコメディの方が向いてるのでは。次点の鈴木あみは新人賞もの。意外に(?)できるところを見せてくれた。いっそのこと、女優に転向したほうがいいのでは。
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| 主演男優賞 |
おしくも満票は逃したが、松嶋菜々子以上に見事だったのが主演男優賞の唐沢寿明。まぁ、NODA
MAPの彼を考えれば、あれぐらい出来て当然なのかもしれないが、やはり『ラブコンプレックス』での彼には、凄いという言葉以外当てはまる言葉がない。悪ノリ転じて狂気化していく様は圧巻だった。
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| 助演女優賞 |
助演女優賞は大激戦。いきなり演技派開眼のりょうが鼻の差勝利。ひたすらかわいくて、最後かわいそうだった『やまとなでしこ』の矢田亜希子と、もうけ役で強烈なインパクトを残した『深く潜れ』の小西真奈美が次点。りょうとともに『ラブコンプレックス』の狂気を支えた江波杏子、難役で懐の深いところを見せた若林しほも印象的。選外になった『オードリー』三人衆(大竹しのぶ、賀来千賀子、藤山直美)も含めて、このカテゴリーは充実していた。
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| 助演男優賞 |
ビックリ怪演のテリー伊藤がぶっちぎり。役作り以前の問題で素の個性が見事にはまった。ある意味、『深く潜れ』の影の主役は彼だった。『オードリー』と『ラブコンプレックス』でまったく違うキャラクターも演じた段田安則も素晴らしかったが、職業俳優とは別の地平にいたテリー伊藤の強烈さには及ばなかった。
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