山おんな壁おんな

第6回(2007年8月9日放送)


 バイヤー・松原(川田広樹)の隠し子騒動、棚卸し騒動、およびリカ(三浦理恵子)が男に逃げられた騒動、いずれもが単発でドラマとしての連なりなどはもはや放棄しているようにさえ思える。仮にまともなドラマを欲するならば、今は昼の帯を見るしか選択肢はない。(麻生結一)

第5回(2007年8月2日放送)


 青柳恵美(伊東美咲)は自分のせいで負傷した毬谷まりえ(深田恭子)の実家に赴いた際、鞠谷家の山的覚醒遺伝の法則を発見する?!、部長の田村(谷原章介)は子作りに励む妻・美由紀(岩橋道子)が作ったスッポンエキス入りコロッケに戦々恐々、はたまた社長・奥園五右衛門(若林豪)の元気の源は精力剤だったという結びに至るまで、ベースが下ネタのみで構成されるスタンスは毎度の如く不動。ただ、それらと肝心のサービスミシュランのエピソードがそれなりにでも結びついてこないのでは、さすがに困ってしまう。この手のテイストに難しいことを言うのも野暮とは思うけれど、点数は点数としてということで。ことごとく品のいい出演陣のがんばりのおかげで、見通すのに苦労することはない。(麻生結一)

第4回(2007年7月26日放送)

☆★
 売り上げ優秀者が参加した修善寺温泉旅行編。ただ、エピソード的にはデパートでの通常業務時とさほど変化はない。ミルフィーユ・パットねた、引っぱるなぁ。話も泥臭いが、演出も泥臭い。ただ、何となくほんわかと見られるのはキャスティングのおかげだろう。とりあえず、何も考えずに軽く見られる。(麻生結一)

第3回(2007年7月19日放送)

☆☆
 合コンで知り合ったIT社長・上野原(山中聡)から海に誘われた青柳恵美(伊東美咲)は意気込んでミルフィーユ・パッド仕様のピンクの水着を購入するも、そのミルフィーユ・パッドが店内を飛び交う展開はこれまでの持続的な泥臭さからすると予測は容易であった。ただ、夏の販売強化月間におけるバッグ売り上げのための各種裏技合戦はちょっとためになったりして。結局、売り上げのトップが恵美でも毬谷まりえ(深田恭子)でもなく、あまりにも遠い知り合いである人気モデル(長谷川潤)の力を使った大山遥(小池栄子)であった結末は、これまでとは違った余韻をドラマに与えていた。(麻生結一)

第2回(2007年7月12日放送)

☆★
 少なくとも丸越デパートのバッグ売り場では、青柳恵美(伊東美咲)=“壁おんな”、毬谷まりえ(深田恭子)=“山おんな”という呼び名は完全浸透した模様。ただ、その名付け親である井口昌平(西島秀俊)の出番は今回はなし。
 セクハラ講習会から合コン話を経て、まりえと1階フロア部長の田村(谷原章介)との不倫疑惑にいたるまで、第1話から引き続いての泥臭い笑いの路線は普遍だったも、キャストには品のいい人が並んでいるので程よく中和されていると言えなくもない。現状、恵美とまりえは同格ではなく、恵美目線のみでドラマは進行している。(麻生結一)

第1回(2007年7月5日放送)

☆★
 伊東美咲と深田恭子がそれぞれ“壁”と“山”に振り分けられたキャスティングが絶妙に思えたので、ちょっとやそっと設定がベタでも楽しめるのではと期待していたが、笑いの質がいかにも泥臭くて、スタート回は見進めるほどにトーンダウンしてしまった。三越の全面協力ぶりには大いに驚いたが、それがコテコテのコメディだったとしてもプロ意識に欠ける売り場のキャラクターたちはむしろイメージを下げかねないのではと心配になったりして。お品のいいドラマでなければいけないなんて思わないが、いかなるアプローチにおいてもセンスは問われるか。(麻生結一)

山おんな壁おんな

フジテレビ系木曜22:00〜22:54
制作著作:フジテレビ
プロデュース:保原賢一郎、塚田洋子
原作:『山おんな壁おんな』高倉あつこ
脚本:前川洋一
脚本協力:立見千香、五十嵐暁美、鈴木おさむ
演出:林徹、葉山浩樹
音楽:石田勝範
主題歌:『時の描片(かけら)〜トキノカケラ〜』EXILE
出演:青柳恵美…伊東美咲、毬谷まりえ…深田恭子、奥園雅之…及川光博、松原徹人…川田広樹、大山遥…小池栄子、黒板リカ…三浦理恵子、吉野加奈子…上原美佐、豊川みさと…矢沢心、長島真澄…河本麻希、森田吾郎…米原幸佑、桑田亮子…松岡佳音、毬谷栄太…笠原織人、鷲尾真知子、原田健次…徳井優、原田優子…鈴木砂羽、葛沼忠…温水洋一、奥園五右衛門…若林豪、田村剛彦…谷原章介、井口昌平…西島秀俊