プロポーズ大作戦

第1回（2007年4月21日放送）

☆☆
　過去に戻ってやり直すというモチーフ自体は使い古されたものであるだけに、どうやって面白く見せるかはかなりハードルの高い部分だとは思われるが、この初回を見る限りでは、そのハードルを跳び越えられたかどうかはまだ評価を保留したいところ。“実際の過去”を描いた上で“やり直した過去”が提示されるわけではないためか、健（山下智久）が三塁で留まらずホームまで走ったことと、写真の中の礼（長澤まさみ）が泣き顔から笑顔になったということの因果関係がいまひとつピンと来ない。それともこの二つに因果関係があるべきと思うのが間違いなのだろうか？
　過去に戻るというところに主眼があるのではなく、ちょっと変則的な青春ものと考えることもできなくはないが、そちらのほうの面白味も現状ではそこまで突出したものではないように思える（かなり丁寧に作られている印象ではあるけれど）。主役の美男美女ぶりがあればこそ１時間見通せるという意味では、『孤独の賭け』といささか似ていたかもしれない。あちらよりはずいぶん見やすかったようには思うけれど。
　蛇足だが、応援席の吹奏楽団が演奏する「なんでだろー」を聞いて過去だと認識するあたりは若者の時間軸という感じでリアル。オジサン的には「あれ、そんなに昔のことだっけ？」って感じですから。（桜川正太）