その男、副署長〜京都河原町署事件ファイル

第6回(2007年5月31日放送)

☆★
 いかにも京都枠的な趣の人情話。初老の男・細川(梅野泰晴)の死に関わるタクシーの運転手・千代丘(布川敏和)とバスガイド・あおい(国分佐智子)が実は兄妹だったというからくりが、副署長・池永清美(船越英一郎)と妹・佳子(田中美里)の関係性にもきちっと絡んできて、不満のない展開になっていた。新味もないけれど。(麻生結一)

第3回(2007年5月10日放送)

☆☆
 この第3回は「週刊タイムス」の記者・島(的場浩司)をキャストに加えたおかげで、副署長・池永清美(船越英一郎)が人情に訴えかけるだけのディテクティヴ未満には終わっていなかった。赤ちゃんの取り違えがトピックだったときには昼ドラ的なものが臭ったけれど、今をときめくカリスマ主婦・御子柴かほる(未來貴子)と殺された主婦・大橋悦子(橘ゆかり)の接点である「母性の違和感」の真相が明らかになると、苦々しい思いがこみ上げてくる。
 それにしても、副署長の妹・佳子(田中美里)はあんながさつキャラである必要があるんだろうか?(麻生結一)

第2回(2007年5月3日放送)


 やはり気の利いた捜査などやらないのは規定路線のようで、第2回にしてすでに毎度おなじみとばかりに副署長・池永清美(船越英一郎)がいよいよ我慢ならぬと職務をほっぽり出して人情裁きに大活躍となる。皆々を自首へと導く強引さは、そこまでやるかという感じだが、今後そんな自首へのこだわりが功を奏する話もあるかもしれない。定食屋従業員役に丘みつ子、その店の常連に綿引勝彦とキャストは豪華。(麻生結一)

第1回(2007年4月26日放送)

☆★
 今回の京都枠の新シリーズは船越英一郎の初連ドラ主演ドラマとのことだが、土ワイにしろ京都枠にしろ、相当数に出演されている船越さんにつき、そこに何らかのフレッシュがあるわけではない。京都・河原町署の副署長である池永清美(船越英一郎)がいよいよ我慢ならぬと副署長としての職務をほっぽり出して、捜査に乗り出す展開は今後のパターンになるのだろう。
 同居していた男を殺した加賀みどり(床嶋佳子)がクーラーボックスを抱えて逃亡し続ける、という設定はちょっと面白かった。副署長は今後も気の利いた捜査などはやらないのだろう。みどりと死んでしまった子供との思い出がつまった公園で寝泊りしてひたすらにみどりを待つ副署長の心意気は、早々人情に厚いシリーズを打ち出してくる。この調子で今後もいつもの安定したこの枠のドラマらしいドラマが期待できそうな気がする。(麻生結一)

その男、副署長〜京都河原町署事件ファイル

テレビ朝日系木曜20:00〜20:54
制作:tv asahi、東映
チーフプロデューサー:井土隆
プロデューサー:井上千尋、目黒正之、島田薫
脚本:塩田千種(1、4、7)、岩下悠子(2、6)、櫻井武晴(3、8)、福田卓郎(5)
監督:石川一郎(1、2)、猪原達三(3、4)、森本浩史(5、6)、藤岡浩二郎(7、8)
音楽:小六禮次郎
主題歌:『君に・・・・・』川嶋あい
出演:池永清美…船越英一郎、池永佳子…田中美里、平松純平…宇梶剛士、上田聡…鈴木一真、野沢健作…石丸謙二郎、鈴木豊…酒井敏也、池永はるか…永井杏、藤原拓海…春山幹介、梶原勇…大月秀幸、花村一彦…坂本卓也、島英明…的場浩司、近藤時男…本田博太郎、藤原あきら…萬田久子、【以下ゲスト:第1回】加賀みどり…床嶋佳子、清水焼のおばちゃん…三島ゆり子、君塚貴…日野陽仁、【第2回】大内比佐子…丘みつ子、辻康則…綿引勝彦、柏木静江…正司花江、橋場…丸岡奨詞、池永滝子…那須佐代子、蔵元光雄…峰蘭太郎、【第3回】御子柴かほる…未來貴子、大橋悦子…橘ゆかり、御子柴徹…篠塚勝、大橋由紀夫…加藤満、【第4回】横山忠…大和田伸也、神田政子…工藤明子、留置場担当官…児玉貴志、【第5回】藤島真理…あめくみちこ、辻本義幸…蟷螂襲、根本シゲ…楠本光子、シンポジウム主催者…林摩理子、【第6回】千代丘あおい…国分佐智子、千代丘雅也…布川敏和、細川常之…梅野泰靖、【第7回】稲本祐二…西村和彦、牧圭子…仁藤優子、小池隆子…植松真美、工藤洋次…萬雅之、武田春樹…柴田善行、高井典子…一谷真由美、坂田由美…まつむら眞弓、【第8回】白井恭一…潮哲也、藁谷哲夫…大石吾朗、白井穂奈美…井村空美、藁谷努…小野寺拓海、藁谷市子…大原真理子