だめんず・うぉ〜か〜

第8回(2006年12月7日放送)

☆☆
 先週に引き続き今週のだめんずも「没落男」。証拠不十分で釈放された小山内(田辺誠一)を自宅でかくまうまりあ(藤原紀香)。しかし執拗なマスコミに居所を突き止められ、出社するのも一苦労。そんなとき、まりあにアメリカ支社異動の打診が来る。一ツ橋(宮迫博之)とまりあがスーパーで楽しそうに買い物をしている姿を偶然目撃した小山内はまりあの本当の気持ちに気づき、「自分の気持ちに素直になってください」と言い残してまりあ宅を出る。たこ焼き屋として一から再出発しようとする小山内に心動かされたナツ(山田優)は、退職し小山内を手伝うことを決意する。一方、実は最愛の女性に裏切られ女性不信だった一ツ橋はまりあに告白をするが「信じて裏切られるのが怖い」とまりあに拒否される。まりあの渡米する日、空港でまりあはナイフを持った暴漢に襲われそうになる。まりあを狙ったナイフから身を挺して守ったのはなんと一ツ橋だった。息も絶え絶えの一ツ橋に思わず「ダメ男とわかってるけどあなたのことがずっと大好きだった」と本音を漏らし泣き崩れるまりあ。と、その瞬間「やったね!」と立ち上がる一ツ橋。すべては一ツ橋の仕組んだ芝居だったのだ。その後渡米を断り、一ツ橋との交際を始めたまりあ。「世の中は様々なカップルであふれている。しかし、たとえ選んだのがダメな男でも、愛して、寄り添って、一緒に生きていける相手ならそれでいい」とまりあは確信する。
 オチは大抵想像できたものであったうえに、少しはしょった感のするストーリー展開だったのが残念。しかし、全体的にシンプルで期待を裏切らないドラマだったと言い換えることもできるだろう。ダメ男と知りながらも寄り添って人生を歩もうとする女性たちのけなげさとたくましさが巧みに描かれてた。現代ではいささか陳腐に聞こえるが、何よりも愛が大事と謳ったこのドラマは、押し付けがましさも感じさせず素直に心に染みてくる大人のおとぎ話だった。(仲村英一郎)

第7回(2006年11月30日放送)

☆☆
 今回のだめんずは「没落男」。まりあ(藤原紀香)の同僚・虻川(島谷ひとみ)は西園寺コンツェルンの御曹司・圭介(細川茂樹)との結婚式を控え幸せの絶頂だった。しかし結婚式の当日、西園寺グループが倒産。セレブになり損ねた虻川だったが、「こういうときだからこそ支えあうのが人生のパートナー」と言い、圭介との再出発を決意する。そんな虻川をまりあは心強く思うのだった。一方、西園寺グループの倒産にからみ、小山内(田辺誠一)の右腕だった二宮(レッド吉田)が不正取引の容疑で東京地検特捜部に連行される騒動が。二宮は社長である小山内に責任を押し付け、小山内の経営するサイバーマジェスティック社は窮地に立たされる。追い詰められて逃げ場を失った小山内はまりあに励まされようやく自分を取り戻し、勇気を振り絞って謝罪会見に臨む。しかし、謝罪会見の直後、小山内は特捜部に連行される…。
 来週はいよいよ最終話。口では「セレブ以外には興味がない」と言い放つナツ(山田優)の没落男・小山内への密かな恋心が一波乱巻き起こしそう。一ツ橋(宮迫博之)のまりあへの忠告、「同情と愛情をお前はすぐにごっちゃにしてしまう」というセリフも最終話への伏線として非常に気になる。まりあが選ぶのは小山内か、一ツ橋か。(仲村英一郎)

第6回(2006年11月23日放送)

☆☆
 今回のだめんずは「見栄っ張り男」。合コン会場で高校時代の友人ゆり子(さとう珠緒)と偶然に再会したまりあ(藤原紀香)。ゆり子は早乙女コンツェルンの御曹司・龍太郎(津田寛治)と結婚してセレブなシロガネーゼになっていた。ある日ゆり子夫妻にゴルフに誘われたまりあは、ゴルフ場で小山内(田辺誠一)とばったり会う。実はゆり子はまりあに小山内を紹介するためにゴルフに誘ったのだった。その帰り道、まりあは小山内からプロポーズされる。しかし、嬉しいはずのプロポーズが逆に小山内にときめかない自分を気づかせてしまう。プロポーズの返事をする日、待ち合わせたレストランで見知らぬ女が小山内に掴みかかり、「私にプロポーズしておきながら最低!」と罵る。動揺したまりあが店を出ると、その女が一ツ橋(宮迫博之)と楽しそうに話をしていた。全ては一ツ橋の仕組んだことだったと気づいたまりあは一ツ橋の頬を引っぱたく。
 小山内のプロポーズに激しく動揺して下手な芝居まで打った一ツ橋。まりあをめぐって二人の男が本格的に争う展開となった。果たしてまりあの心はどちらに傾くのか。今回見栄っ張り男に振り回されたナツ(山田優)はお金が結婚を成功させると信じて疑わなかったが、「お金だけじゃない。やっぱり愛がないと」というまりあの一言に心を動かされる。使い古された言葉ではあるが、なぜか説得力を感じたのが不思議だ。演技と演出の妙であろうか。原作者の倉田真由美が、ゆり子の友人のシロガネーゼとしてゲスト出演していたが、こういう遊び心ある演出もなかなか楽しい。(仲村英一郎)

第5回(2006年11月16日放送)

☆☆
 今回のだめんずは「ナルシスト男」。ナルシスト系ホストのケント(須賀貴匡)にすっかり入れ込んでしまったナツ(山田優)にまりあ(藤原紀香)は気が気でない。一方、このところ積極的になってきた小山内(田辺誠一)はまりあを食事に何度も誘うが、その度にまりあに緊急事態が発生し中座され、まりあにとっての自分の優先順位が低いのでは、と気にし始める。結局まりあの活躍でケントに騙されていたことがわかり、さくら(三浦理恵子)の店のカラオケボックスで一人熱唱するナツ。カウンターで、「思ってくれる人とときめかせてくれる人、どっちと付き合うのが幸せになれるんだろう」と一人つぶやくまりあ。小山内と一ツ橋(宮迫博之)の間で微妙に心が揺れ始めた。
 だめんずのエピソードを巧妙に織り交ぜつつも、しっかりと、まりあを中心に小山内と一ツ橋との恋物語が描かれており、まりあがどちらを選ぶことになるのか、目が離せない。密かに小山内に恋心を抱いているナツの動きも気になるところ。
 毎回だめんずがまりあとナツに騒動を起こすが、最後はまりあがだめんずの頬を引っぱたいて斬り捨てるというお決まりの展開は、マンネリ化したものでなく視聴者の期待に見事に応えている。前回も書いたが、やはり侮れないドラマだ。(仲村英一郎)

第4回(2006年11月9日放送)

☆☆
 今回のだめんずは「嘘つき男」。まりあ(藤原紀香)の友人であり、最強のだめんず・うぉ〜か〜友子(青木さやか)を軸にストーリーが展開する。知子は、小説家志望の芥川弘樹(高知東生)に熱をあげていた。しかし芥川は巧みなウソを駆使して知子を翻弄するだめんずだった。そんな芥川のウソを知りつつも友子は芥川と別れられず、ついには結婚宣言までする事態に。大反対のまりあだったが「私だけでも信じてあげなかったら、彼はもっとダメ男になってしまう」と訴える友子に折れ、二人の結婚を祝福することに決めた。しかし結婚式当日に、芥川は離婚協議中の身であることが発覚、今度ばかりは友子も別れる決意をする。が、数日後には「やっぱりやり直すことにした」と無邪気な笑顔で語る友子。まりあは呆れつつも友子に笑顔でこたえるのだった。
 小山内(田辺誠一)がまりあに急接近してきた。そんな小山内に複雑な心境を隠せないナツ(山田優)。ナツは小山内への気持を断ち切れないままだった。さらに一ツ橋(宮迫博之)もまりあを意識し始めて、この四人の恋愛模様はさらに複雑に。
 高知東生が優柔不断でいつもウソをついて友子を困らせる演技をうまくこなしていた。青木さやかも憎めないだめんず・うぉ〜か〜を好演。一見ドタバタ劇のようで、最後はしっかりまとめてくるこのドラマ、意外にあなどれない。(仲村英一郎)

第3回(2006年11月2日放送)

☆☆
 今回のだめんずは「優柔不断男」。まりあ(藤原紀香)は「サイバーマジェスティック」社長の小山内(田辺誠一)に、ナツ(山田優)はカリスマ美容師・朝倉ヒデキ(大浦龍宇一)にひっかかってしまい、その優柔不断さに翻弄される。
 まりあは朝倉の優柔不断さにあきれ果ててしまい、別れを叩きつける。一方、小山内はまりあの天敵・一ツ橋(宮迫博之)に恋愛指南を受けていた。まりあは小山内にどこか不自然さを感じていたが、彼のひたむきさに心が揺れる。小山内の恋の指南役が一ツ橋だったことを知ってしまい動揺したまりあだったが、自分の行動に反省した小山内の「僕はあなたをあきらめます」という言葉に心を動かされ、「今度は本当に小山内さんが好きなところへ連れて行ってください」と答えてしまう。そしてまりあは小山内と付き合うことを決心するのだが、それを聞いた一ツ橋の心境は何故か複雑に・・・。
 やはり、まりあへの恋心を感じ始めた一ツ橋の今後の動向が気になるところ。一方、純粋にまりあに恋を感じ始めた小山内との関係はどう発展していくのか。まだ第3話であるが、まりあを中心に小山内、一ツ橋が回り始めた。果たしてまりあの心はどちらがつかむのか?(仲村英一郎)

第2回(2006年10月19日放送)

☆☆
 今回も、まりあ(藤原紀香)とナツ(山田優)、二人のだめんず・うぉ〜か〜が大活躍。今度のだめんずのジャンルは「マザコン男」。まりあはブルースこと一ツ橋(宮迫博之)の学生時代の先輩、大河内(大鶴義丹)に、そしてナツは「サイバーマジェスティック」社長の小山内(田辺誠一)にひっかかってしまう。二人とも冒頭からマザコンの臭いをプンプンとさせていて、結局は二人とも破局に。小山内の方は、マザコンかとミスリードさせておいて実は違った、というオチに持ってくるかと思いきや、正真正銘のマザコンであった。
 どうやらこの作品は、気持ちいいくらいの直球勝負でのぞむようだ。凝ったひねりも複雑な関係性もなく、毎回、まりあ・ナツという二人のだめんず・うぉ〜か〜の実らない恋愛模様を描いていくのだろうと思われる、そのシンプルさ・ストレートさは、近来のドラマには珍しいのではないだろうか。視聴者は、二人のだめんず・うぉ〜か〜ぶりを茶の間で安心して共感しつつ、TVの前で楽しめるようにできている。
 伏線らしい香りがするのは、小山内が、まりあの事を気にしていると思われるシーンが多く挿入されていること。また、まりあの悪友的存在となったブルースの存在も気にかかる。最後にまりあと結ばれる(?)のは、小山内なのかブルースなのか?今後、気になるところだ。(仲村英一郎)

第1回(2006年10月12日放送)

☆★
 原作は「週刊SPA!」に連載中の倉田真由美の同名エッセイコミック。そのエッセイコミックを連続ドラマ仕立てにしたのが本作品。だめんず(=ダメ男たち)にはまってしまう「だめんず・うぉ〜か〜」体質の大泉まりあ(藤原紀香)と高見ナツ(山田優)を中心に据えてドラマが展開する。
 手痛い恋に破れたまりあは、恋に臆病になっていた。と、ともにだめんずに次々とハマってしまうナツが危なかしくって見ていられない。そんなときに合コンで一ツ橋(宮迫博之)と出会い、彼の誠実さ・ひたむきさに、長い間忘れていた恋のときめきを思い出す。しかしそれもつかの間、実は一ツ橋は名うてのだめんずだったことが発覚。まりあは、また一つ苦い涙を流す羽目に・・・。
 初回のあらすじはこの通り。ストーリーにはひねりもなく、ラブコメの王道をあえて踏襲した形か。伝説のだめんず、「ブルース」が一ツ橋であることは、おそらく視聴者の誰もが早いうちに気づいたはず。このひねりの無さ、直球勝負が表と出るか裏と出るかはこれから次第だが、少々不安なのも事実。
 それでも、だめんずにしか恋心を抱けないという、まりあの切ない女心はよく伝わってきた。この人なら、と一ツ橋を信じかけたまりあが一ツ橋の真実の姿に気づいた時の悲しみは心に刺さった。これが脚本によるものなのか、藤原の演技によるものなのかはよく分からなかったが、いずれにしても今後に期待したいところ。
 来週からは、新たなだめんず・うぉ〜か〜・岩城知子(青木さやか)も参戦する。だめんず・うぉ〜か〜たちの活躍(?)に期待したい。(仲村英一郎)

だめんず・うぉ〜か〜

テレビ朝日系木曜21:00〜21:54
制作著作:tv asahi
チーフプロデューサー:五十嵐文郎
プロデューサー:川島保男、横地郁英
原作:倉田真由美『だめんず・うぉ〜か〜』
脚本:田辺満(1、4)、吉田玲子(2、3、4、6、8)高橋ナツコ(5、7)
演出:片山修(1、2、4)、小松隆志(3)、麻生学(5、7)、田村直己(6、8)
音楽:Audio Highs、福島祐子
音楽プロデューサー:志田博英
主題歌:『夢のうた』倖田來未
挿入歌:『Trans winter〜冬のむこう側』SHOWTA.
出演:大泉まりあ…藤原紀香、高見ナツ…山田優、一ツ橋信…宮迫博之、宮下さくら…三浦理恵子、虻川久美…島谷ひとみ、二宮利生…レッド吉田、福山一郎…和田正人、蜂谷留美…眞野裕子、鈴来直人…上山竜司、園井ツバキ…山岸舞彩、姫野香織…高橋京子、若井花…愛実、泊克己…柳沢慎吾、前田耕陽、田辺伸之助、押切もえ、賀集利樹、松浦晃一…永井大、大河内浩、花原照子、銀粉蝶、大鶴義丹、福下恵美、津乃村真子、大浦龍宇一、中島ひろ子、高知東生、須賀貴匡、倉田真由美、津田寛治、さとう珠緒、細川茂樹、永末英一郎…西岡徳馬、岩城友子…青木さやか、小山内静…田辺誠一