花嫁は厄年ッ!

第9回(2006年8月31日放送)

☆★
 明子(篠原涼子)の嘘がバレる前もバレた後も、あまり話に変化がないように思えるのだが……。一郎(矢部浩之)が明子を思う気持ちも、幸恵(岩下志麻)との確執絡みにつき、宙ぶらりんのままなのだが、だからといってその間に安土農園の人々を描き分けるでも(第8話でからくも桃子(佐藤仁美)の話がクローズアップされたが)、テレビ局内の混乱が語られるわけでもなく(単なるおバカさんの集団にしか見えない!)、物語自体が迷路で行き止まりになっているようにさえ見える。(麻生結一)

第5回(2006年8月3日放送)


 あまりにも笑えないところが笑えたりというパラドックスが押し寄せてくる(『下北サンデーズ』の劇中劇じゃあるまいし)、この不条理についていけるか否かの問題に差し掛かってきているか。何のとりえもなく、常に一郎(矢部浩之)の後塵を拝していた次郎(小山慶一郎)が、約束を守る人という一点で最後の最後、幸恵(岩下志麻)に褒められるという展開も、別に褒められたものではない。(麻生結一)

第4回(2006年7月27日放送)


 一郎(矢部浩之)と証言が食い違う美乃(映美くらら)の妊娠騒ぎですったもんだするも、結局は幸恵(岩下志麻)には全部お見通しでしたというお話。その根拠はいずれにもなく、ひたすらに岩下志麻の神通力頼りになるのも岩下さんにも気の毒な気がするし(そのわりには出番が少ない)、肝心の明子(篠原涼子)にも早々見せ場がなく、すでにどこを見ればいいのかよくわからないドラマになっている。(麻生結一)

第3回(2006年7月20日放送)


 一郎(矢部浩之)と幸恵(岩下志麻)の反目の理由にもがっかりしたが、それ以上に困るのは、演出と脚本の意図がまったくかみ合っていないかの如く、随所にハズしている印象を受けること。改善されることを期待したいが……。(麻生結一)

第2回(2006年7月13日放送)


 唐突に一郎(矢部浩之)の母・幸恵(岩下志麻)の許可が下りて、いよいよ明子(篠原涼子)は花嫁修業を騙った安土家潜入取材を敢行する運びとなったわけだが、ここまでリアリティがないお話だと、見ていて引っ掛かりを探すのにも一苦労である。安土家の人々も数がいるわりには誰も印象残ってこないのはあまりにつらい。(麻生結一)

第1回(2006年7月6日放送)

☆★
 5年ほど前に『嫁はミツボシ。』という悪夢のような出来ばえの同局制作のコメディがあったが、似ているのはタイトルだけにしていただきたいところ。
 人気アナウンサー・武富明子(篠原涼子)が彼氏には逃げられるは、ニュース番組のメインキャスターは下ろされるはで、32歳厄年真っ只中という大前提は了解するとして、そんなトップキャスターが(この単語に妙な胡散臭さを感じてしまうのは言わずもがな!)アナウンサー契約を打ち切られて倉庫係にという脅しもさることながら、だったらバラエティ番組の農家の嫁体験取材に挑んでしまえという乱暴な展開には、あまりにもリアリティがない(それが社会的事件を起した人だったりすると、逆にリアリティを醸し出し過ぎる恐れがあるが)。
 そんな明子を待ち受ける一郎(矢部浩之)の母・幸恵(岩下志麻)の設定は『本家のヨメ』の設定を思い出されるだけに、ここにも更なる不安材料が。福島県の一郎の実家で待ち受けていた一人、いとこの香里(小沢真珠)は“歩く火曜サスペンス”というキャッチフレーズだが、誰もがそれを言うなら“歩く東海テレビの昼ドラ”だろうとつっこんだに違いない。(麻生結一)

花嫁は厄年ッ!

TBS系木曜22:00〜22:54
製作:The icon、TBS
プロデューサー:志村彰、三田真奈美
企画原案:『奥さまは毒舌』青月ぱそる
脚本:秦建日子
脚本協力:エム・エー フィールド
演出:池添博、谷川功
音楽:SUEMITSU&THE SUEMITH
主題歌:『Astaire』SUEMITSU&THE SUEMITH
出演:竹富明子…篠原涼子、安土一郎…矢部浩之、本村希美…松嶋尚美、安土香里…小沢真珠、安土次郎…小山慶一郎、片桐桃子…佐藤仁美、東海林潤…平山広行、川端竜太、工藤里紗、澤田俊輔、黒瀬友美、藤岡麻美、はるの、高橋浩…宇梶剛士、蛭子能収、映美くらら、綾田俊樹、剛たつひと、稲葉徹…沢村一樹、安土文代…銀粉蝶、安土孝二…笹野高史、安土幸恵…岩下志麻