ブスの瞳に恋してる

第2回(2006年4月18日放送)

☆☆
 「ズバット×ズバット」略してズバズバへの起爆剤としてどうしても美幸(村上知子)を起用したいが故にどすこいラーメンに通い詰めるおさむ(稲垣吾郎)と、受付嬢をやっている翔子(MEGUMI)の周囲に出没するストーカーが重なる構成はそれなりに楽しいが、オモシロだオモシロだと繰り返されるほどには美幸自身がオモシロに見えてこないのは相変わらず。先に片が付いたのは翔子のストーカー騒ぎのほうだが、隣に座っているもう一人の受付嬢目当てだったとは、こりゃまたちっともオモシロ味のないオチですこと。そもそもストーカーが「秋葉系」の一言で表現されるのも安易なら、そのストーカーが「秋葉系」というよりは単なるキモイ男であるあたりもあまりに適当で、こういったあたりにこそ作り手の馬脚が見えてしまってる感がある。ルックスにとらわれない恋をテーマとするのなら、こういう部分にこそ心配りがあってもいいと思うのだが。
 メインエピソードたる美幸とおさむの関係の深まりはそれなりに描写されているものの、実は出来レースだった美幸のオーディションにおさむが駆けつけて彼女の魅力を説くシーンなども、言ってることは悪くないだけにドラマとしてはもう少し見せ方を考えていただきたいところ。それでも、オモシロではなく笑顔の素敵さゆえに美幸が評価されるという流れになったおかげで、ずいぶん見やすくなってきたようには思う。(安川正吾)

第1回(2006年4月11日放送)

☆★
 「山口おさむ 当然このドラマの主人公」「太田美幸 何と!このドラマのヒロイン」なんて、工夫のかけらもないテロップが冒頭で出る時点で、ドラマとしての期待感はほとんど皆無になってしまう。さらに、山口(稲垣吾郎)が「磨く必要のないダイヤモンド」級の“ブス”・美幸(村上知子)をパーティで笑いものにして傷つけてしまったことを謝りに行くというこのエピソードの終盤でさえ、“ブス”の価値を“面白いから”だと言ってはばからない主人公のどこに共感を見出せばいいのかは悩まされるところ。まあ、構成作家としては“面白い”ことが一つの価値であることは分かるのだが、それを結論にするのだとすれば、もう少し別の話にするべきだったのではないだろうか。
 まあそういった部分は静観するとしても、現状における一番の問題は、ヒロインの美幸が、体型的にはともかく存在感的には決してそこまで爆発力のある“ブス”ではないということ。会議室に現れるだけで爆笑されたり、主人公が「まだまだ俺の知らないオモシロはあったな」とまで言ったりすることに全く説得力が生まれていない。そのあたりを鑑みると、“ブス”という記号を弄ぶだけのドラマに終始する可能性も大いにあるか。(安川正吾)

ブスの瞳に恋してる

フジテレビ系火曜22:00〜22:54
制作著作:関西テレビ
制作協力:ホリプロ
プロデューサー:重松圭一、平部隆明
原作:鈴木おさむ『ブスの瞳に恋してる』
脚本:マギー
演出:三宅喜重(1、2、3、6、9、12)、本橋圭太(4、5、8、10、11)、阿部雄一(7)
音楽:住友紀人
主題歌:『恋のつぼみ』倖田來未
挿入歌:『ビューティフル・マインド』MIYU
出演:山口おさむ…稲垣吾郎、太田美幸…村上知子、蛯原友美…蛯原友里、竹田武…大森南朋、佐々木翔子…MEGUMI、松本良二…忍成修吾、寺島弥生…滝沢沙織、清水浩太…加藤成亮、斎藤三郎…相島一之、井之頭宏…佐藤二朗、上島聡…松重豊、藤原美也子…井川遥、柏木雅人…林泰文、日野陽仁…日野陽仁、村田元子(B2)…黒沢宗子、沢木峰子(B2)…久保田磨希、太田絵里…大沢あかね、佐藤一恵…矢松亜由美、吉田幸佑…米原幸佑、ジューシー中島…中島ヒロト、ソナ…ユンソナ、バイク便の男…山本浩司、マチコ…藤本静、ザビエル・ガブリエル…Tony Crosbie、モデル…堀内葉子、ヘアメイク…山咲トオル、コンドル真弓…北斗晶、ミセス熊岡…清水ミチコ、住職…山本小鉄、マスター…マイク真木、社長…岡まゆみ、警備員…長州小力、MIYU…MIYU、クミ…倖田來未、司会者…石井正則・石塚義之、タクシー運転手…マギー、森本…徳井優、司会者…高樹千佳子、倉澤…鈴木ヒロミツ、上条…山下真司、山口恵美子…朝丘雪路、太田義男…渡辺哲、太田さと子…高橋ひとみ、小田島彬…船越英一郎、里中花子…室井滋