夜王

第2回(2006年1月20日放送)

☆★
 ホストにはまって風俗に身を落としそうになった千春(星野真里)は遼介(松岡昌宏)の体を張っての説教でそれを思いとどまって田舎に帰ることにし、遼介は千春を救えたことで自分のやり方に自信を覚えて、聖也(北村一輝)派に対抗して“遼介派”を立ち上げることを決意する……ってことだとは思うんだけど、どちらの話にしてもメリハリがなく、何が各々の変化のきっかけとなったのかちっともわからない。やっぱり“なし崩し”にまとめている感じがしてしまう。近くにいるのに携帯で話す遼介と千春というクライマックスシーンにおいて繁華街でのロケを果敢にやっていたのは買うけれど、そのシチュエーションがなんの象徴的意味も持ってないあたりがもったいない。
 今のところ熱血で直球なことだけが売りの遼介を、ある種の変化の兆しではあっても正しいものというわけではないとする、麗美(かたせ梨乃)や矢島(内藤剛志)の目線の確かさが話全体を救っているとは言えそう。(安川正吾)

第1回(2006年1月13日放送)

☆☆
 遼介(松岡昌宏)らアウトローホスト4人組のキャラクターをはじめとして、ホストクラブ「ロミオ」の面子に関しては、そのキャラクター造型がいい意味で王道だし、キャスティングのハマり具合もいい感じ。この第1回の前半はそれでうまく引っ張った形。しかしメインのエピソードたる、エステの女社長・水前寺紅子(南野陽子)とその長年の仲間である弥生(伊藤かずえ)のトラブルに遼介が絡む部分は、この2人の女優の顔合わせの妙を考慮に入れても、おざなりな出来としか言いようがない。正面切って紅子に説教する主人公の芸のなさは仕方ないとしても、最後に何となく丸く収まったように見える割には、遼介がどのように役に立ったのかが全くわからない。あれなら、遼介が口を出さなくても結果は同じだったんじゃないの?繰り返しになるがキャラクターはいいだけに、こういう“なし崩し人情話”の繰り返しにならないことを切に願う。(安川正吾)

夜王

TBS系金曜22:00〜22:54
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
チーフプロデューサー:貴島誠一郎
プロデューサー:加藤章一
原作:『夜王』作・倉科遼/画・井上紀良
脚本:いずみ吉紘(1、2、4、6、7、9、11)、渡辺啓(2、3、5、8、10)
脚本スタッフ:渡辺啓(11)、千葉美鈴(11)
演出:酒井聖博(1、4、7、11)、倉貫健二郎(2、5、8、10)、堀英樹(3、6、9)
主題歌:『Mr.Traveling Man』TOKIO
出演:的場遼介…松岡昌宏、聖也…北村一輝、斉藤祭…香里奈、夏輝…石垣佑磨、蓮…須賀貴匡、大河…青木伸輔、光…忍成修吾、金四郎…佐藤二朗、斉藤慎吾…荒川良々、結花…岩佐真悠子、奈々子…小川奈那、及川宏美…中島史恵、勇作…水谷百輔、琢郎…三田村瞬、晴彦…加藤厚成、水前寺紅子…南野陽子、国枝弥生…伊藤かずえ、メロン…小野真弓、遠山千春…星野真里、矢島輝彦…内藤剛志、クラリス…ベッキー、坂下友美…黒田福美、水谷操…佐藤めぐみ、哲也…松田悟志、赤城達也…保阪尚希、沢村慎吾…岡田浩暉、一ノ瀬優…金子昇、津田綾子…古手川祐子、揚羽…佐田真由美、小蝶…梅宮万紗子、繭華…吉井怜、蛍…加藤美佳、ゆり…西野妙子、チェリー…小向美奈子、マリン…及川奈央、遠山祥子…木内晶子、平本珠希…純名りさ、医者…木村祐一、金四郎の客…ゴリエ、仮矢崎悦子…土屋久美子、二階堂フジ子…杉本彩、修…要潤、佐々木篤…矢島健一、加納麗美…かたせ梨乃