アンフェア

第11回(2006年3月21日放送)

☆☆
 (最終回ですので、ネタバレ全開です、念のため)
 雪平(篠原涼子)が佐藤(香川照之)を射殺……?というところで週をまたぎ、そして今回の冒頭でその「1日前」に戻るという語り口は、なかなかに意外で身を乗り出した部分。実はこの射殺が、真犯人をおびき出すために佐藤が仕組んだものだったことが明らかになる。

佐藤「夏見。俺を撃て。俺を射殺した後に、最初に現れる人間が、黒幕だ」

 とは、いかにもドラマ的ではあるが、悪くない仕掛け。果たしてその狂言射殺直後に現れたのは……安藤(瑛太)だった!と、ここまでだったら、このところずっと☆☆だったのを★分プラスしてもいいかと思える展開だった。
 しかしどうにも奮わないのがこの後。要するに、雪平がかつて射殺した殺人犯、ユタカ(三浦春馬)と安藤は同じ施設で育った兄弟同然の関係で、そんなユタカを殺した雪平に安藤は復讐を企てた……ということなんだけど、そこで語られるユタカと安藤の過去にまず興ざめ。あまりに紋切り型なのはまあいいとしても、ユタカの犯行にしろ、安藤の犯行にしろ、正当化できるほどのことが何も起きていない。その後、安藤が雪平に撃たれるクライマックスも、予定調和感の方が先に立ってしまい、前半が良かっただけに逆にここでの緊張感のなさが際立つ。結局このドラマを引っ張ってきたのは「誰が黒幕か」という謎解き的興味だけであって、その他の部分は決して平均以上の出来映えではなかったが故に、安藤が黒幕だと認めた時点でドラマ的興味の糸は完全に切れてしまった。ラストにビデオレターで独白する安藤というのもいかにも退屈でいただけない。
 とはいえ、ミステリーとしてあまりにつらかった「推理小説編」を思えば、「募金誘拐編」「バツマーク殺人編」では、少なくともドラマとしてそれなりに見どころのあるものになっていたあたりは評価したい。ツッコミどころだらけではあったものの、「輪舞曲」のように大作ぶらないB級テイストであったが故に、最終的な印象はずいぶん良くなっているわけだから、ドラマって本当に何が幸いするかわからない。(安川正吾)

第10回(2006年3月14日放送)

☆☆
 状況的にどんどんと佐藤(香川照之)が怪しくなっていくのは悪くない展開だし、一方でおそらくは佐藤がホンボシでないことを思えば、「糸を引いてるのはあいつか、それともあいつか?」と見る側に思わせる趣向も、ここまで事態が煮詰まってくると楽しめる感じ。しかし、入院している蓮見(濱田マリ)を囮に使って犯人を待ち伏せるくだりで、ちゃちな発煙筒と火災報知器の音によって蓮見を見張るべき刑事達が蜘蛛の子を散らすように騒いでは一体何のための作戦かとがっかりさせられる。一瞬意識を取り戻したらしい蓮見が、いきなりサイトのURLを言うってのも、ちょっと説得力に欠けるような。もっともそのシーンを写さないことから察するに、それを見せてしまうと説得力のなさが際立ってしまうことは作り手もわかっているのだろうけど。さらに言えば、パスワード入力画面と事件関係者名の列記、そして管理人への送信フォームしかない(少なくとも見る側にはそれだけしか提示されてない)あの“復讐サイト”の管理人が佐藤だったからと言って、即「佐藤和夫を指名手配」ってことになるのかもちっともわからない(任意同行ならともかく)。これまでもそうだったが、こういった細部のラフさが、このドラマをどうしても素直に「面白い」と言わせてくれない最大の要因になっている。(安川正吾)

第9回(2006年3月7日放送)

☆☆
 牧村(木村多江)が恨みを抱いていた広田(伊藤洋三郎)が、そして佐藤(香川照之)の上司だった竹田編集長(大河内浩)が立て続けに殺され、その手の甲にバッテンが書いてあるという「バツマーク連続殺人」編に突入。しかし話を盛り上げるのはもっぱら、自分の犯罪が露見しないよう美央(向井地美音)の命を狙う蓮見(濱田マリ)で、まずは佐藤邸に入り込んで美央を狙う……にしても、ハイヒールの音カツカツ鳴らして部屋の中を歩きまわるのって、隠密行動としてはどうなのか。ちなみにこの襲撃は、美央が別の場所にいたために不発に終わるわけだが、それにしたって今や手垢のついた感じのものになりつつあるあんな見せ方を使われては、視聴者的にも今ひとつ盛り上がれない。
 それにもめげず蓮見2回目の襲撃。美央が雪平の家に移動し、安藤(瑛太)とともにいることを知った蓮見はまず安藤を外に誘い出し、そして自分は雪平のマンションへ。まんまと雪平の部屋に侵入し、美央、あわや見つかる寸前……というところで安藤から電話が入り、蓮見「チッ」と舌打ちして外へ……って、これまたえらく尻すぼみなオチだなぁ。このあたりの、いわば「虚仮威し的シークエンス」が、本当に虚仮威しにしかなってないあたりがこのドラマの本当に残念なところで、ここでもう少し作り手が本気で視聴者をハラハラさせようとする展開や演出(と言うか、やる気)があれば、全体の評価も底上げされると思うのだが。「ここで美央が蓮見に見つかってしまうかも」という可能性を、作り手からして誰一人信じていない感じがする。それでは観客をノセることはできないだろう。
 ともあれその蓮見が「バツマーク連続殺人」の3人目の犠牲者となるのだが、佐藤を犯人だと思うべきなのか単なるミスリードなのか見分けがたいあたりはそれなりに楽しめる印象になってきたか。(安川正吾)

第8回(2006年2月28日放送)

☆☆
 今回をもって「募金誘拐」編は終了のようだが、その最終盤で「安藤(瑛太)を死んだと見せかける」なんていういかにもドラマ的なカラクリが効いたこともあって、やはり「推理小説」編よりは楽しめた印象。「警察署の地下2階に監禁されていた美央(向井地美音)や牧村(木村多江)は、トイレとかどうしてたのよ?」なんてツッコミをしはじめればきりがないのだけど、ドラマとしての面白さがそれを上回れば、まあその程度は度外視してもいいかという気持ちにもなってくるわけで。クライマックスは「推理小説」編のそれと同じく、人を殺めようとする犯人に銃口を向ける雪平(篠原涼子)なれど、その顛末が異なるあたりの面白味もあったと言えそうだ。まあしかし、ドラマが盛り上がってきたというところで必ず流れる、ディスティニー・チャイルドの曲には、毎回大いに話の腰を折られる気分。これ、流さなきゃダメなものなんですかねやっぱり。
 それにしても、キーパーソン蓮見を演じる濱田マリさんは、もちろん十分にお美しい女優さんだとは思うのだけど、それでも「シャワー浴びたてのガウン姿で山路(寺島進)にしなだれかかるの図」は、ちょっとテレビ的にギリギリだったような気が。まあこういう人に主人公を裏切る難役をぶつけるあたりこそ、キャスティングの妙といえばそうなのだけど。(安川正吾)

第7回(2006年2月21日放送)

☆☆
 誘拐犯人がどうやら「仕手戦」によって株で一儲けを企んでいるらしいという冒頭から、意外にもスリリングさが持続。共犯関係にあると見えた牧村紀世子(木村多江)と黒ずくめが実は異なる目的で動いていたという描写を経て、さらにその黒ずくめが実はあの人で、牧村らが監禁されていた場所が実はあの場所だったという事実の露呈に至るまで、今回はドラマ的には楽しめる要素てんこ盛り状態だった。この「募金誘拐」編になってから、少なくとも「仕掛け」的な部分では、「推理小説」編より遙かに見応えが出てきたようだ。ツッコミどころがあるとすれば、削除された調書のデータが端末の「ハードディスク」からサルベージされるあたりなのだが(普通はサーバーに置いてあるでしょう、そういうデータは……)、まぁセキュリティの甘い組織だったら未だそういうこともあり得るかもしれないので、あまり言うまい。
 しかし、前回イチャモンをつけた、黒ずくめがいとも簡単に募金の口座をのぞけているという部分が、まさか伏線であったとは。黒ずくめがあの人だったら、確かに可能ですもんね。大変失礼いたしました。これに懲りて、揚げ足取りのようなことは書かないようにしよう……と思いつつもラストの、あまりにも不審な警備員姿で雪平(篠原涼子)の横を通り過ぎていく牧村という部分にはやっぱりツッコミを入れたくなる。いや、もしかしたらあの仮装感アリアリな姿が実は次回への伏線に……。なんてことはまさか、ないでしょうけど。(安川正吾)

第6回(2006年2月14日放送)

☆★
 後半になって牧村紀世子(木村多江)がらみで一気に物語が動き、最後に「集まった募金で株を買え」と犯人に指示されるあたりはそれなりに面白味も感じられた部分。それにしたって、雪平(篠原涼子)が子供を産んだ時のカットがほとんど意味もなく挿入されるような前半のスカスカぶりはどうにかしてよって感じだし、佐藤(香川照之)からの電話をイライラしながら切った後で犯人からの電話に「何!?」と出ちゃう雪平、なんて隙だらけのシーンには心からうんざりさせられる。だいたい同じようなネタ、3話目でやったでしょうに。
 すでに数日は人質になってるはずの雪平の娘と紀世子が、食べ物はおろか飲み物さえ与えられていないようで、ついでにトイレにも行ってないように見えるのは大いに気になるところなのだが、それ以上に驚いたのは、犯人が自分のパソコンで、募金の集まり具合をリアルタイムで見られていたこと。それができるんなら、横取りだって簡単にできそうなものだけど。先週「犯人はネット事情に詳しい」みたいな描写があったから、もしかしたらハッキングか何かで覗いてるってことなのかもしれないが、それならそれでちゃんとそのように描写してくれないと。視聴者としては単純に、作り手がそういうことに気が回ってないのかなと思うしかないのだけど。(安川正吾)

第5回(2006年2月7日放送)

☆★
 娘が誘拐され、事件に対して絶対的な存在で居られなくなったがために、雪平(篠原涼子)の表情に切実さが出てきたのは良い兆候。それだけでもドラマはぐっと引き締まる。加えてここへきて、蓮見(濱田マリ)、三上(加藤雅也)、安本(志賀廣太郎)といった脇役にも血が通ってきた感じで(あとの二人は、コスプレ効果が大きい?)、刑事物としてそれなりに見られる雰囲気になってきたか。最後で提示される「募金型誘拐」というコンセプトもなかなか興味深い。ここまでなら、☆2つはあげられたところ。
 しかし細部に関してはやはり首を傾げる部分もあって、例えば佐藤(香川照之)との約束を一瞬で反故にして誘拐事件を“スクープ”しようとする編集長(大河内浩)のエピソードなどは、相変わらず繊細さに欠ける。“マスコミのモラル欠如”にしろ、前回までさんざん触れられていた“出版社の功利主義”にしろ、そういう事象は単純ならざる構造の上に成立しているわけで、それを“悪い単発キャラ”を出すだけで描いたつもりになっているあたりが薄っぺらい。雪平に対して何度となく浴びせられる報道陣のぶしつけな質問にしてもそうで、ああいう描写によって逆説的に、主人公(と主人公側の人物)が“絶対的正義”だという印象を与えてしまいかねないことに、この作品はあまりにも無頓着だ。そんな“自己中心的”ならぬ“主人公中心的”描写が、物語をぶち壊しにしている。まさかそういう作品だから「アンフェア」ってタイトルなわけでもあるまいが……。(安川正吾)

第4回(2006年1月31日放送)


 「か弱き者」が雪平(篠原涼子)の娘ではなかったとしておいて、また別の事件の発端にするあたりの展開はまあよいとして。意外にあっさり片が付いた「推理小説」事件の犯人があの人だったとは、よりによって一番つまらないところに落とし込みましたねぇ。犯人はクライマックスで嘘をつかない、あるいは最初の容疑者は犯人ではない、といういわば推理小説の鉄則の裏をかいたということなのかもしれないけれど、今時の観客をこの程度の語り口で騙せると思っていたのか、それともハナから騙す気なんてなかったのか。
 それにしても、雪平が情報を外部にリークして、各ビルの警備員が自ら屋上をチェックし始めた途端に、蓮見(濱田マリ)の端末の「残りビル数」を示すカウンターが下がっていたけど、一体どういう仕組みなんですかアレは。加えて検死官の三上(加藤雅也)が音声分析までやっちゃうとなると、あまりにムチャクチャすぎてため息が出る。おまけに、平井(眞島秀和)が久留米(井上順)のゴーストライターだったって事実だけで、いきなり「久留米を確保だ!」って走り出す小久保(阿部サダヲ)たちってのもなんだかなぁ。極めつけは平井が理恵子(小林麻央)を殺したように真犯人が見せかけた“からくり”が明らかにされる部分で、

三上「平井を理恵子殺しの犯人と見せかけるために、泥酔したまま連れ帰り……」

小久保「監禁した後、屋上で殺した!」

……ってそれ、からくりでも何でもないですから。とりあえずミステリーとして真面目に付き合うべきドラマでないことだけは、この4話分でよーくわかった。ツッコミどころの多さを楽しむ「anego刑事」として見ておくぐらいでいいのかも。(安川正吾)

第3回(2006年1月24日放送)

☆★
 同僚刑事が逆探知の準備をして犯人からの電話を待っている最中にその電話にかけてしまう安藤(瑛太)ってシーンはまだ笑えないギャグってことでいいとしても(それにしても、どうして普段の行動範囲ではないはずの岩崎書房の固定電話にかけたのかは全く謎ですが)、その後にかかってきた電話にその同僚刑事が「おい安藤、いいかげんに……」なんて言って出てしまったらそれは犯人からでした、ってシーンには呆れた。この緊迫した状態でそんな使い古されたやり取りを入れる意図は何?そういう細部の気の効かなさ故に、物語から切実さが失われていることにもっと敏感になるべきでは。このシーンだけなら重箱の隅だけれども、一事が万事で、このドラマはそういう「物語以前の問題」が目に付きすぎる。すでにハードボイルド感皆無で、ちょっと気むずかしい(けどイイ男には甘い?)キャリアウーマンぐらいにしか見えない雪平(篠原涼子)が、事件の関係者である瀬崎(西島秀俊)とあっさり寝てしまうあたりの隙ありまくり感には別の意味で呆れたけれど。犯人の言う「か弱き者」がほかでもない雪平の娘であると示唆するラストシーンだったが、虚仮威しでないことを心から祈る。(安川正吾)

第2回(2006年1月17日放送)

☆★
 正義のためなら人を殺すことも厭わないハードボイルドな女刑事……かと思いきや、随所に“おなじみの篠原涼子”が顔を出し、どっちかっつーと「anego刑事」と呼びたくなるキャラクターになってきつつあるような。素っ裸で寝てるって設定も、それでこの主人公の何かが象徴されるわけでもなければ、たいして目の保養にもなってないというアイデア倒れ状態。別に主人公一人の話ではなくて、役者は揃っているのに全体としてハーモニーを奏でてないのがなんとももったいない感じ。
 お話のほうに目を向ければ、平井(眞島秀和)が犯人ではないかと疑い、体を張って調べに行く理恵子(小林麻央)……って、前回、後ろから足音がしただけで夏見(篠原涼子)に電話した人と同一人物とは思えない大胆さ。しかも相手は元彼とはいえ、一度襲われてるんだから、やるならやるでもっと事前に夏見に相談しておくでしょうに、留守電に入れておしまいなんて変でしょう(というか、そもそも不審なメールが来た時点で夏見に言わないのがおかしいんだけど)。その留守電に長時間気づかない夏見もちょっとどうかとは思うけど(最近は、通話中に着信があった場合、通話が終わるとすぐに知らせてくれたりしますしね)、それ以上におかしいのが瀬崎(西島秀俊)。理恵子が「平井のパソコンを調べに行く」と言っても止めもしない上に、それを夏見に伝えるタイミングも全くずれてるし(まあこれは、もしかしたら瀬崎が真犯人であることを示す伏線という可能性もあるわけだが……)。ドラマ的にはこの手の「すれ違いの結果の悲劇」は王道だけど、だからこそ、その過程でこの説得力のなさは致命的。
 ともあれ、劇中で平井の小説を評して瀬崎が言った「アンフェアな展開」を地で行ってるように見えるのは、もしかして視聴者にそう思わせるべく意図したものなんだろうか。「アンフェアなのは誰か?」の答えは「このドラマの作り手でした」ってオチなんじゃないかと本気で心配になってきた。(安川正吾)

第1回(2006年1月10日放送)

☆☆
 このドラマは秦建日子脚本作だろうと思い込んでいるも、よく見ると原作が秦さんで、脚本は別の人とちょっとこんがらがってしまったが、内容の方はいたって正統派のハードボイルドもののよう。無軌道で破天荒、犯人逮捕のためならば手段を選ばず、それでいて心には闇を抱えていて、というタイプのディテクティブ物の主人公はこれでもかというほどに見せられてきたし、それがヒロインの物語であったとしても、また同じ紋切り型かと食傷気味に思えたのだけれど、このドラマの目新しいところはその雪平役を、ここのところOL役で安定感抜群の篠原涼子が演じているところ。初回を見た限りではまだ何とも言えない、ややマイナスよりか。
 小説で殺人が予告され、というお話の方も何となくかつてどこかで見てしまっているような設定ではあるが、これも話の作り方如何ではいくらでも面白くなりそうでもあり、やはり何とも言えないというしかない。もちろん、面白くなってほしいのだけれど、新米刑事の安藤(瑛太)が雪平を迎えに行くシーンのお決まり調を見せられると、あまり大きな期待を持ってはいけないような気もしてくる。(麻生結一)

アンフェア

フジテレビ系火曜22:00〜22:54
制作:関西テレビ、共同テレビ
プロデューサー:吉條英希、稲田秀樹
原作:秦建日子『推理小説』
脚本:佐藤嗣麻子
演出:小林義則(1、2、4、6、9、11)、植田泰史(3)、高橋伸之(5、8、10)、根本和政(7)
音楽:住友紀人
主題歌:『Faith』伊藤由奈
出演:雪平夏見…篠原涼子、安藤一之…瑛太、小久保祐二…阿部サダヲ、蓮見杏奈…濱田マリ、志賀廣太郎、大高洋夫、小林麻央、有坂来瞳、入江雅人、眞島秀和、松永京子、大河内浩、伊藤洋三郎、榊英雄、向井地美音、清田正浩、鈴木祐二、三上薫…加藤雅也、上野太、佐野元哉、城元大輔、金時むすこ、高橋則彦、与古田康夫、古本誠一郎、黒瀬真二、西尾浩行、溝手真喜子、久留米隆一郎…井上順、牧村紀世子…木村多江、山路哲夫…寺島進、佐藤和夫…香川照之、瀬崎一郎…西島秀俊