神はサイコロを振らない

第1回(2006年1月18日放送)

☆☆
 今クールのラインナップを見渡して、これが誠実作の最右翼かと思ったけれど、この第1回を見た限りではどこを着地点として目指そうとしているのか、今一歩伝わってこなかった。旅客機が姿を消す場面のいかさまっぽい感じは、そこを狙っているわけではないのだろうから、思わせぶりなあれでもいいのかもしれない。だた、ヤス子(小林聡美)と亜紀(ともさかりえ)が再会するくだりはどうだろう。 亜紀がヤス子の老け具合にプチビックリするところはクスっとくるが、ヤス子の方の冷静沈着ぶりにはかなり拍子抜けした。それともそれが第2回以降の含みになっていくのだろうか。
 ただ、初回の流れだと、ヤス子が真っ当に更生しそうなのだけれど。あのすかしたコミカルなトーンとドタバタとうるさい感じが相容れない印象を持ったが、心の会話にはおかし味があったので、これはもっと使ってほしい気がする。ヤス子の態度に腹を立てる亜紀にヤス子が投げかける、「18歳から28歳までの10年と28歳から38歳までの10年は違う」という台詞は切実にして何とも重い。こういう示唆的な言葉がいっぱい聞きたいドラマだけに、第2回以降の復調を祈るような気持ちだ。(麻生結一)

神はサイコロを振らない

日本テレビ系水曜22:00〜22:54
製作著作:日本テレビ
制作協力:オフィスクレッシェンド
プロデューサー:櫨山裕子、内山雅博
原作:大石英司『神はサイコロを振らない』
脚本:水橋文美江
演出:佐藤東弥(1、2、5、7、9)、南雲聖一(3、4、6、8)
音楽:仲西匡、吉川慶
主題歌:『onelove』Ryohei feat.VERBAL(m-flo)
出演:黛ヤス子…小林聡美、竹林亜紀…ともさかりえ、木内哲也…山本太郎、黛菊介…武田真治、後藤瑠璃子…成海璃子、浜砂柚子…市川実和子、神蔵弘美…遠山景織子、甲斐航星…中村友也、霧島藍…矢沢心、日向啓太…丸山智己、中武昇子…明星真由美、浜砂藤吉…片桐仁、早川真澄…石橋祐、黒木亮…小清水一揮、浜砂桃子…佐々木麻緒、根岸元…瀬戸寛、小島貴之…河野安郎、山口和俊…滝直希、豊田…山根和馬、綾瀬翔一(子供時代)…藤田ライアン、柿ノ坂南…中村良平、長崎支店長…丸岡奨詞、綾田俊樹、仲條友彪、もたいまさこ、甲斐陽介…尾美としのり、黒木弥生…杏子、高木雅史…長谷川朝晴、綾瀬翔一…城田優、神蔵英子…大川栄子、神蔵竜蔵…ベンガル、後藤杏子…高橋惠子、黒木誉…鶴見辰吾、坂倉将…升毅、加藤久彦…大杉漣、大屋健三…岸部一徳