小早川伸木の恋

第1回(2006年1月12日放送)

☆☆★
 嫉妬深い妻・妙子(片瀬那奈)だけならともかく、後輩の沼津(大泉洋)までもがのっけから暑苦しい偏執狂的キャラなのにはちょっとげんなりしたし、いきなりエプロンをはだけて「私の体見てください」なんて趣味の悪い冗談を言うカナ(紺野まひる)も、普通に見れば伸木(唐沢寿明)への下心アリアリな「やばい女」ふうで好感度が高いとは言い難い。こういったキャラの立たせ方はいかにも柴門ふみという感じはするものの、もう少し実写作品としてのチューニングがあってもよかったと感じられるところ。
 とは言え、そのあたりを超越して、キャラクターの配置や無駄のないプロットの運びに「これぞ日本の連続ドラマ」と言いたくなる“古き良きドラマらしさ”を感じられるのもまた事実。それこそが柴門ふみの漫画が何年かに1度は必ずドラマ化される理由でもあるのだろう。まあ、ドラマの代名詞である月9がドラマらしさを完全に捨て、別枠の漫画原作作品にこそそれがあるってのも皮肉な話だけど。(安川正吾)

小早川伸木の恋

フジテレビ系木曜22:00〜22:54
制作著作:フジテレビ
プロデュース:喜多麗子、古屋建自
原作:柴門ふみ『小早川伸木の恋』
脚本:武藤将吾(1、2、3、4、5、7、8、9、10、11)、平林幸恵(6、11)
演出:武内英樹(1、2、5、6、9、11)、松山博昭(3、4、7)、谷村政樹(8、10)
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:『くるりくるり』ナナムジカ
挿入歌:『ユア・ビューティフル』ジェイムス・ブラント
出演:小早川伸木…唐沢寿明、仁志恭介…藤木直人、小早川妙子…片瀬那奈、沼津壮太…大泉洋、作田カナ…紺野まひる、直江…勝村政信、大熊ヨネ…白石加代子、鯵澤惣介…神山繁、市原菜月…持田真樹、鹿浜匠子…原田夏希、調停委員・深沢…中丸新将、金井潤…山口翔悟、松金響子…高橋かおり、伊橋琴子…宍戸美和公、看護師・涼子…吉瀬美智子、看護師・奈緒美…東原亜希、看護師・仁美…野口聖古、看護師・志穂…福岡サヤカ、看護師・絵梨…飯田理彩、医師…大西武志、看護師・千夏…桜井千寿、谷村医師…出口結美子、小早川みすず…北村一葉、越智学…田山涼成、添田さより…市毛良枝、大物プロレスラー…小川直也、石田依子…かとうかず子、渋谷琴乃、竹松金響子…高橋かおり、竹林隼人…谷原章介、美村浩一…古谷一行