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アタックbP (テレビ朝日系木曜21:00〜21:54)
制作著作/tv asahi
企画/佐藤涼一
プロデュース/三輪祐見子
原作/『アタックbP』浦野千賀子
シリーズ構成/両沢和幸
脚本/両沢和幸(1)、サタケミキオ(1、2、4、5、6、7、8、9、10、11)、高山直也(3)
演出/猪原達三(1、2、3、6、9、11)、徳市敏之(4、8)、田村直己(5、7、10)
音楽/super soniQ inc.
オープニングテーマ/『アタックbP 2005』福田沙紀
エンディングテーマ/『夢のチカラ』上戸彩
バレーボール監修/大林素子
出演/鮎原こずえ…上戸彩、早川みどり…酒井彩名、八木沢香…宮地真緒、三条美智留…遠野凪子、吉村さとみ…加藤夏希、石松真理…森田彩華、大沼みゆき…大友みなみ、中原淳子…久保田磨希、須賀いずみ…仲村瑠璃亜、垣之内良子…秋山エリサ、馬場千登勢…高橋亜里沙、友近瑞穂…清岡祐斐、深江卓次、菊池均也、永田恵悟、杉田吉平、飯島ぽぽぽ、鮎原亮子…岡江久美子、八木沢昌子…大林素子、堀真弓、月本エリ、武澤なつみ、近野成美、小島彩乃、石塚義之、ふかわりょう、藤川一歩、里村孝雄、柴田義之、井上翔輝、中込佐知子、矢端吏結、ヨーコ ゼッターランド、全日本高校選抜…折原ゆう・西秋愛菜・山口由香里・渡部彩・早坂美緒・湧澤未来、富士見学院バレーボール部…雨宮祐貴子・江口沙織・岸路泉・北村梨恵・鈴木恵里香・鈴木睦実・滝川彩乃・豊嶋詩穂・中尾仁美・野口美穂・松村映理子・山越梢恵、持田医師…神保悟志、富士見学院校長…小林幸子、早川波子…朝加真由美、柴田広之…池田政典、一ノ瀬努…松尾敏伸、三田村裕次…森本亮治、鮎原良夫…清水章吾、一ノ瀬新平…竜雷太、本郷俊介…中村俊介、猪野熊大吾…船越英一郎
ほか

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第8回(6/2放送)
☆☆
 けが人が出た途端に人が変わったようにモティベーションを上げて、見事大阪寺堂院を破ったこずえ(上戸彩)は、もはや猪野熊(船越英一郎)好みの選手に成長。八木沢(宮地真緒)から優勝を託されたこずえは、その後も準々決勝で垣之内(秋山エリサ)率いる福岡文化学院を破った。
 見ものは試合後のこずえと猪野熊の激突。ここで決して柴田(池田政典)に勝てなかった本郷(中村俊介)を引き合いに出して、こずえ(上戸彩)とみどり(酒井彩名)はどっちが本郷でどっちが柴田かと問いかけるあたりに、最初期の禅問答ぶりが久々に復活してくれた。努(松尾敏伸)とその仲間たちから新平(竜雷太)の手術の成功の有無をじらされる感じの悪い展開が、ここで帳消しになったわけではないけれど。
 猪野熊(船越英一郎)の活躍は続く。被害者に掛け合って、大沼(大友みなみ)の復帰に尽力。選手登録もOKって、もはや何でもありかいな。せっかくの戦力アップも、足首の骨にヒビが入った馬場(高橋亜里沙)が離脱。その直前にメンバーにお守りを配った気配りが効いたのか、チームのことを一番思ってたのは馬場と突然位置づけするこずえもまったくの意味不明でしょ。
 準決勝の対戦相手は吉村(加藤夏希)率いる明法女子学園も、『仔犬のワルツ』でもクライマックス前の敗退で美学を示した加藤夏希演じるキャラクターがここで勝利できるはずもなく、それどころかそのすばらしい戦いぶりは馬場が松葉杖で病院で抜け出して会場まで駆けつけた描写に代用されてしまう。
 決勝戦はみどりというよりも、三条(遠野凪子)率いる神奈川実践だが、それにしても三条(遠野凪子)のプレーのぎこちなさは笑みを誘います。ハイタッチからすでに変だもん。(麻生結一)


第7回(5/26放送)
☆☆
 富士見学院はインターハイの1回戦で、いきなりに優勝候補の大阪寺堂院と対戦することに。前半は1年生ながらレシーブ力をかわれてメンバーに抜擢された真理(森田彩華)が厳しい練習から脱落しそうになるも、こずえ(上戸彩)らに激励されて真のレギュラーになるまで。ちょっと面白かったは、「ゴリ」と呼ばれる真理を見守る新平(竜雷太)の不機嫌そうな表情。実際には具合が悪い設定だろうが、これは楽屋落ち的な部分でしょう。「ゴリさん」は竜雷太で相場は決まってるわけだし。
 大沼(大友みなみ)が部から追われる原因になった酔っ払いのオヤジと接触するくだりで、久々に猪野熊(船越英一郎)がクローズアップ。かつての柴田(池田政典)の死も、むしろ猪野熊は柴田に期待をかけていたことが猪野熊の回想によって明るみに。やはり猪野熊が登場すると、ドラマが俄然派手になる。
 それにしても、長女・香(宮地真緒)を中心とした八木沢三姉妹が繰り出す恐怖の速攻、三位一体攻撃は強力。そんな八木沢三姉妹の母・八木沢前監督(大林素子)はすでに亡くなられている模様で残念。その監督ぶりをコートで見せてほしかったのに。(麻生結一)


第6回(5/19放送)
☆☆
 猪野熊(船越英一郎)ばりの鬼コーチと化した本郷(中村俊介)は、いずみ(仲村瑠璃亜)を体育館からつまみ出すパフォーマンスまでも模倣。実際には勝ったら本郷が顧問を外れると約束した練習試合に登場する実業団チームにわざと負けてもらって、こずえ(上戸彩)たちに自信をつけさせようとした相当のアマちゃんだったか。一番面白かったのは、その実業団チーム・NBCのエースとしてヨーコ ゼッターランドが登場したところ。そりゃ、わざとでもなければ勝てませんよ。(麻生結一)


第5回(5/12放送)
☆★
 酔っ払いにケガをさせたのはこずえ(上戸彩)も、実際にバレー部をやめさせられたのはキャプテンの大沼(大友みなみ)という、わかったようでわからない話。さらには協会から廃部を免れるためには勝ち続けて全国制覇するしかないって、それって厳しいのか寛大なのか、これまたよくわからない。それでも楽観主義を貫き通すこずえも温かいのか悪魔的なのか。すったもんだの末にキャプテンに就任しちゃってるし。インターハイの予選に突入しちゃって、こずえと猪野熊(船越英一郎)の禅問答ぶりからは遠ざかるばかりか。(麻生結一)


第4回(5/5放送)
☆☆
 選抜の合宿から帰されたことにより、こずえ(上戸彩)と猪野熊(船越英一郎)の禅問答的な対決が見られなくなったのは残念?! 富士見に戻ったこずえは、先輩たちからの風当たりも強く、ついにはバレーをせずに努(松尾敏伸)のラーメン屋に入り浸る日々に。
 選抜で出し抜かれたばかりか、幼馴染の努までこずえに持っていかれちゃって面白くないみどり(酒井彩名)は、先輩たちに絡んでいた酔っ払いに体当たりして撃退した犯人がこずえであることを告げ口。友達の裏切りに加えて、今度はみどりが選抜に呼ばれたことを知ったこずえはダブルショックを受ける。このあたりは『ファイト』にもかぶるが、その葛藤の深遠さは雲泥。もちろん『ファイト』が雲だけれど。(麻生結一)


第3回(4/28放送)
☆☆
 選抜チームと富士見バレー部の練習試合、富士見側が1年生ばかりを出してきたのは“様子を見るため”だったって、あまりにも普通な。富士見が押しているように見せて、こずえ(上戸彩)の

こずえ「勝った……」

の一言で選抜チームが勝ったことになってるのもなんか納得いかない。
 その後、選抜チーム内では、選手の一人が猪野熊(船越栄一郎)の娘らしいという噂が立つ……って、そんな、猪野熊自身が口にしない限り洩れそうにない噂がいったいどこから?しかもこずえがその娘ではないかと疑われるって、選手内ではともかく視聴者的には全くサスペンスのない展開だなぁ。そんな疑惑の勃発も唐突なら真実の露呈も唐突で、その娘とは三条(遠野凪子)だったということが、猪野熊の部屋にこれ見よがしに置いてあった昔の写真であっという間に明らかに。ドラマ的にはオイシイはずの設定なのに、タメがない故に今ひとつ盛り上がりに欠けるのが惜しいところ。ラスト、またしても選手をふるい落とせと命じた猪野熊に逆らって、キャプテンとしてチームをまとめ始めたはずのこずえは突然猪野熊に辞めさせられる……という次回への引っ張りの上手さは相変わらずながら、どうにも“決められたあらすじ”をなぞっているようにしか感じられないのがじれったい。
 今回、一人気を吐いていたのが三条役の遠野凪子。夜のコートで一人ボールを打つときの、般若さながらの表情たるや!今回をもってこずえと和解してしまったようなので、もうあの表情が見られないと思うと残念です。(櫻田もんがい)


第2回(4/21放送)
☆☆★
 鬼監督・猪野熊(船越栄一郎)は、Aチーム、Bチームといういわば“ベンチ入り”の面子の選抜までをこずえ(上戸彩)にやらせる!どんどん険悪ムードになっていく全日本選抜チームに対し、こずえの母校にして来る練習試合の相手である富士見学院バレー部はまことに和気藹々でやる気十分。この対比はなかなかに効果的。しかし富士見の皆さん、克服するための目標なら「完全燃焼」とかじゃなくってもっと具体的なことを書いた方がいいですよ。
 メンチの切り方が堂に入りすぎてる三条(遠野凪子)との間は相変わらずギスギスしたまま、こずえは他のメンバーからも総スカンを食らうことに。そんな中、こずえに壁を作らない数少ないメンバー、八木沢(宮地真緒)は、母親の病気が原因であっさりドロップアウト。これはちょっと意外で驚いた。どんどんと四面楚歌になっていくこずえの姿に何ともやりきれない気分になるが、母親(岡江久美子)との電話でちょっと泣いちゃったりはしても、それ以上に落ち込んでくよくよしたりしないのが本作のヒロインのいいところ。見る側としても救われた気分になる。
 練習試合を前に、富士見に負けたらそのまま帰れと猪野熊はこずえに言うが、こずえの親友であるみどり(酒井彩名)も、選抜チームに負けたらバレーをやめろと母親(朝加真由美)に言われる。どちらにも負けられない理由があるのはいいけれど、みどりの母親の存在や言い分が唐突なのは減点対象。だいたい、こずえが選抜されてから随分経ってるはずなのに、みどりに今更「今回、選抜、選ばれなかったんだって?」って台詞はないでしょう。
 ともあれその練習試合、富士見側が出してきた選手はなんと全員1年生。富士見に秘策あり、か?というところで次週へ。大筋としては順当に盛り上げてくれるけれど、語り口が大味で細部の面白さを今ひとつ感じられないのが☆3つにできない理由。「エースをねらえ!」と違ってCG処理の少ない試合シーンには感心するし、若い女優たちの頑張りもとても清々しいのだが。(櫻田もんがい)


第1回(4/14放送)
☆☆★
 昨年の「エースをねらえ!」に続く、あまりにわかりやすい柳の下のドジョウ2匹目。しかしそう思われるのは想定内とばかりに「エースを〜」出演者3人のシーンから始まるのが逆に潔い!?それにしてもここで出てきた3人、全員名前に「彩」って字が付くんですね(上戸彩、酒井彩名、森田彩華)。
 てな小ネタはおいといて、本編行きましょう。静岡・富士見学院の2年生でバレー部の鮎原こずえ(上戸彩)は、選手としては中の上といったレベル。そんなこずえが、自分より選手として評価されている親友・早川みどり(酒井彩名)や3年の先輩たちをさしおいて全日本選抜の合宿に呼ばれることから物語は始まる。選抜の監督・猪野熊(船越栄一郎)と富士見のコーチ・本郷(中村俊介)の間には何やらいわくありげで、こずえの抜擢は選手としての実力を買われた故ではないような様子も。しかし猪野熊はこずえを選抜チームのキャプテンに指定し、来るべき富士見高校バレー部との練習試合に向けて練習メニューを組み立てるように言い渡す。
 主人公が予期せぬ大抜擢を受けて頑張る羽目になるという展開は「エースを〜」にも通じるけれど、岡ひろみに比べると前向きで物怖じせず、それでいて暑苦しくはない今作のヒロイン像がなかなかに魅力的で、見ていて心地よい。猪野熊のルックスあたりにはマンガっぽさを残しつつ(若干、小出監督っぽかった気もするけど)、全体としては意外に手堅い作りで、しっかりと「青春ドラマ」しているところもいい。
 ちなみにライバル・三条美智留役の遠野凪子は、「冬の輪舞」において善人であり続けた鬱憤を発散するかのような意地悪役。こっちのほうが役柄的にはオイシイ感じですね、16歳という設定にはさすがに無理を感じるものの。(櫻田もんがい)




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