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曲がり角の彼女 (フジテレビ系火曜22:00〜22:54)
制作/関西テレビ、MMJ
プロデューサー/吉條英希、遠田孝一、安藤和久
脚本/後藤法子
演出/新城毅彦(1、2、5、8、11)、池添博(3、4、7、10)、二宮浩行(6、9)
音楽/大島ミチル
主題歌/『Dear my friends』shela
挿入歌/『明日笑えるように』SunSet Swish
出演/大島千春…稲森いずみ、三原なつみ…釈由美子、甲本一樹…要潤、川岸えり子…青木さやか、甲本椿…石川亜沙美、三宅修二…金子貴俊、真鍋健蔵…佐戸井けん太、岡田栄太郎…梅野泰靖、倉田ミホ…木野花、三原敏江…石井苗子、島村健一…袴田吉彦、大島秋子…大森暁美、大島清…小野武彦、谷村誠…高知東生、堀内夕子…三浦理恵子、一条杏子…川島なお美、堀内正光…伊原剛志
ほか

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第3回(5/3放送)
☆☆
 空き巣に入られた千春(稲森いずみ)にグランフォートホテルトーキョーのスウィートルームをワインつきで用意してくれた一樹(要潤)は棘を失ったかのようなキャラ換えぶり。実際には千春とその朝を一緒のベッドでむかえたのは堀内(伊原剛志)だったのだが、そこに落ちていた堀内の靴下を一樹のものだと杏子(川島なお美)が勘違いして、といういかにもラブコメらしい小物を使った仕掛けも、横糸としてはその扱いがいかにもザツ。
 一時的に社員寮に入ることになった千春は、なつみ(釈由美子)と相部屋になる。千春となつみのジェネレーションバトルがこのドラマの見どころの一つだとばかり思っていたが、若干のつばぜり合いの末に一緒に酒を飲んでくれるやつと認知され、結局は女の友情話になっちゃった?!
 千春と堀内が一緒にいたところを一樹とちなつに見られてしまう場面など、コントレベルで流れていく感じにやっぱりそういうドラマかと思ってみたりもして。千春を演じる稲森いずみのコメディエンヌぶりはコンスタントに楽しいけれど。ここまでほとんど見せ場のないえり子(青木さやか)も、秩父から通ってる情報は相当なインパクト。(麻生結一)


第2回(4/26放送)
☆☆★
 合コン話から入るあたりは『anego』第1回の後追い風で、もうちょっと違った切り口はないのかとうんざりさせられるも、あせったりいきり立ったり落ち込んだりしつつ、どうにか幸せを模索しようとする千春(稲森いずみ)の空回りながらもがんばる姿は好感が持てるところ。この千春のキャラクターが随所におかし味を発揮し始めてくれたおかげで、第1回よりも俄然面白く見られたが、千春を取り巻くなつみ(釈由美子)、椿(石川亜沙美)、えり子(青木さやか)あたりは今のところ添え物的な印象しかない。
 30代以上の独身女には漏れなく結婚相談所のご案内が、20代の女性社員には結婚式場のパンフが届くって、ビジネスとしてのあまりの正しいあり様に妙に感心してしまったが、千春が勤めるフランフォートホテルの業務内容とも若干かぶってない?! 合コンで年齢詐称したり、小さい頃にはまったアニメで足がついたりするあたりはこの手の定番中の定番ながら、コメディのノリとしては必要な部分か。
 会ったその日に久々男の隣で目覚めたえり子がその自称フリーターの的場(志ガヤ一馬)にスーツ代といって10万円を渡すエピソードもいかにもありきたりだが、それにしてもATMの傍らで札束をひるがえしてる図はあまりにリアリティがない。演者のイメージに引っ張られて、こんな感じにしてしまったのかな?! 合コンでひっかかった男に契約書まで書かせようとする計算高いなつみが、母親からお金の無心をされている後ろ暗いところもあったりする部分と、いっぺんに捌こうとした意図はわかるんだけど。
 何だかマイナスポイントばかりを書き連ねてしまったが、「そろそろ結婚をまじめに考える」との幸せになるためのルールを追加するも、その字はどう見てもふざけてるようにしか見えない千春の、というか稲森いずみのコメディエンヌぶりが楽しいので、ドラマ全体の印象は悪くない。副社長の一樹(要潤)に接待につきあってほしいと頼まれたのがなつみではなく自分だったことに誇らしくなる千春。ところが実際にはお見合い潰しの道具として使われただけだったというエピソードなどは、その際に赴いた店が不倫相手の堀内(伊原剛志)がオーナーシェフを務めるラ・フェルモだったりして、必然的に千春、一樹、堀内がいっぺんに絡むことに。30代v.s.20代といった構図はさほど盛り上がらないも、こういうラブコメの王道ぶりはそれなりに決まってる。
 おせっかいをやいて、友達と言い合いになって、結局はやけ食い。はたまた一人カラオケで「津軽海峡冬景色」の熱唱に金八が混入?ちょっと前になりますけど、『願い流星』という番組でカール工場とミスタードーナツで働きたいという二つの大願を見事成就させる稲森いずみも相当喜ばしかったけれど、これにもその余波がある?!
 かと思えば、結婚にあせるというよりも、どんな恋してどんな結婚したいのか、この先どうしたいのか、33歳にもなってそんなこともわからない自分にはあせる、なんて言葉になかなかの含蓄がこもってたりもする。10年見てきた元上司・谷村(高知東生)ならずとも、全然ひどくないと言いたくなるところだが、今の千春の状況でそんなこといわれたら、涙もろくなくても涙も出るでしょうね。(麻生結一)


第1回(4/19放送)
☆☆
 負け犬のキーワードを出すのも早々いまさらという気もしつつ、こうも似たようなドラマが乱立してしまうと、エピソードがかぶってきてどれがどれだかわからなくなるのがちょっと困る。後輩のために一肌脱ぐのはこのドラマではないけれど、厄払いに躍起になるのは全ドラマ共通?!
 ガードルか、Tバックかの二者択一を自らに課す33歳、独身、不倫中のキャリアウーマン・千春(稲森いずみ)が重力には逆らえないヒップの緩みに愕然とするあたりは、スレンダーな稲森いずみが演じると逆にいやみなのでは。試着中にカーテンから首だけ出す画には、『パンチDEデート』を思い出してしまったけれど。
 後輩であるなつみ(釈由美子)からの突き上げがあるとはいえ、勤め先のホテルでは企画営業部の主任をまかされてるわけだし(いったんは降格させられるも)、不倫関係とはいえシェフの堀内(伊原剛志)は優しそうだしと、主人公にはさほど問題がないように見えるのだけれど、それではドラマにならないので、 アメリカ帰りの副社長・甲本一樹(要潤)が何かにつけて千春にいちゃもんをつけてきたり、堀内の妻が優雅にホテル住まいする人気エッセイスト・一条杏子(川島なお美)の妹・夕子(三浦理恵子)だったりするハードルも設けられていたりする。
 ちょっと面白いのは、千春がノートに書き付ける幸せになるためのメモ。ここから共感やらおかし味やらで変化をつけていくのだろう。ただ、基本的にはベーシックなラブコメから逸脱する風ではなく、『anego』に比べれば身につまされる感じは狙ってないみたい。(麻生結一)




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