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危険な関係 (フジテレビ系月〜金曜13:30〜14:00)
制作/東海テレビ放送、東宝株式会社
企画/鶴啓二郎
プロデューサー/風岡大、塚田泰浩、今村眞治
原作/ラクロ『危険な関係』より
脚本/金谷祐子、金井寛
演出/奥村正彦、牧時範、村松弘之、三木茂
音楽/岩本正樹
主題歌/『幻』柴田淳
出演/矢内(佐倉)柊子…高橋かおり、矢内(木崎・貝原)律…RIKIYA、矢内(若槻・加々美)美佐緒…松尾れい子、矢内貴久恵…水沢アキ、若槻政人…鈴木ユウジ、若槻和也…友井雄亮、小柴広行…細山田隆人、小柴(矢内)理沙…派谷恵美、日比野須磨子…北村昌子、三好タキ…上原恵子、針原滋、市原清彦、水谷ケイ、江口ナオ、長棟嘉道、川原麻裕子、高久ちぐさ、松永英晃、矢代…山口眞司、戸田…津村知与支、関口篤、勝倉けい子、園田江梨子…沖直未、佐倉保…朝倉伸二、佐倉早苗…池津祥子、相馬医師…木下浩之、高野完治…大塚幸太、佐倉良彦…小谷嘉一、佐倉啓太(幼少期)…浮洲凛太朗、佐倉啓太(少年期)…権藤彪冴、若槻にいな…相原鈴夏、佐倉森…海瀬叶、貝原房子…磯村千花子、シスター…前沢保美、隅野貞二、坂元貞美、林崎絵里加、小坂千鶴子、章文栄、遠藤たつお、三上瓔子、大村眞利枝、中村敦子、高谷智子、五十嵐有砂、横山美智代、祖父江進、伊藤忠、佐藤ひろ子、藤崎桐子、小川敏明、石山圭一、潮見勇輝、石丸ひろし、飯島豊久、宮崎則仁、吉村紗耶香、藤本至、高島広芳、秋山夏美、木村翠、南風佳子、田中桂一、芦澤弘、岡崎宏、石橋あゆみ、佐藤まゆみ、斉藤薫、岡西里奈、たきいみき、山崎千惠子、青山将斗、松田英治、菊地真之、田村三郎、岸本光正、吉田慎之介、黒瀬真二、美月麻帆、季未、黒川琉壱、天現寺竜、狩野謙、持田育恵、吉利治美、高見あゆみ、奥田由美、信田艶子…姿晴香、矢内康一郎…小野寺昭
ほか

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第13週(6/27〜7/1放送)
☆☆☆★
 森(海瀬叶)が自分の血を分けた存在だと未だ知らない律(RIKIYA)なれど、それでも森の父親となって一緒に暮らしたいと柊子に告げる。これまでなんだかんだと理由を付けては律の愛を拒絶してきた柊子(高橋かおり)も、今回ばかりはそれを望んだことで、物語は一気にクライマックスへと動き始めることに。ナイフで自分を刺せと迫る美佐緒(松尾れい子)と柊子のもみ合いあたりはまだ序の口。ついに初めて体を重ねた柊子と律が、三度目の駆け落ちを考え、ふるさとの山にある思い出の場所で落ち合うことにした後は、もう怒濤のごとく切なさが胸に迫る名場面だらけ!
 まず、矢内(小野寺昭)が柊子を自宅の書斎に監禁し、あたりにガソリンを巻いて柊子に再婚を承諾させようとするくだりがいい。あくまで拒み続ける柊子に矢内が言う、

矢内「私は、君とぶつかる度に、自分でも思わぬエネルギーが体の中からわき上がるのを感じていた。(中略)……お互いに憎み合い、もがき苦しむ中にこそ、見えてくる真実もあれば、愛もある」

との、反発しあえばこその愛の形もあるという言葉は、この男なりの究極の愛の告白。自ら書斎に火を放ち、しかし柊子だけは逃がすという最後の決断に至るまでのその心情が胸を打つ。
 柊子が火事で大怪我を負い、病院で目を覚ましたその頃、律はもうあの場所で柊子を待っていた。いわば三度目の柊子との待ち合わせ、しかしまたしても二人はすれ違うのか……と思いきや、艶子(姿晴香)に頼まれた相馬(木下浩之)が久しぶりに柊子の前に現れ、病院からの脱走を手助けする。相馬が、最後の最後でこんな重要な役割を担うとは。このシーンによって、柊子が体を売っていたことすら無意味ではなかったと感じさせて、まことにお見事。
 柊子がいなくなったことを知った美佐緒は森のもとへと向かう。ここでの、艶子と美佐緒の対決も大いに心に残ったところ。

艶子「かわいそうに、苦しんでるのね。そうよ、人を好きになるって、決して甘い感情ばかりじゃない。相手のことを愛していればいるほど、嫉妬や憎しみが、獣のように襲いかかることもある」

美佐緒「私もわかってるの。自分の中に、今どんなに醜い獣がいるのか。でも、どうすることもできないの」

艶子「でも、自分の中の獣と、しっかり向き合う覚悟がなきゃ、人は愛せない。恋を知った女が、強く優しくなるのは、多分そういうことなのよ」

といったやり取りの中で、美佐緒は“自分の中の獣”を認識する。艶子は実は矢内のことをずっと思っていたという事実をさらりと織り込むあたりがまたニクい。
 そして柊子は、律との待ち合わせ場所に現れ、ついに二人の約束は成就。逃げ込んだ温室の中で二人は体を寄せ合う。柊子は熱に浮かされ、律には逮捕状が出ているという極限の状態の中での、薔薇の香りに包まれた儚くも美しいひとときが、続く悲劇を予感させてゾクゾクする。案の定、翌朝二人は離ればなれに。律は若槻(鈴木ユウジ)に追いつめられ、柊子は美佐緒に行く手を邪魔されることになる。だが、現れた時には嫉妬を露わにしていた美佐緒が、柊子の

柊子「ここには私の魂があるの。まっすぐな気持ちで、律を愛した日のままの魂が、ここに。私はそれを、確かめに来たの」

という言葉に心を動かされ、柊子に肩を貸してともに律を探そうとするなんてシーンは、最終回ならではの感慨を覚えさせてくれた部分。下手にやると「最終回なのでみんないい人に」パターンをなぞっただけにしか見えないところだが、筋が通った台詞と、野生の蘭の美しさが、この美佐緒の心の変化さえも納得させてしまうあたりはいい意味でドラマ的。本当に敬服する。視聴者としては、何とかして柊子と律を再び一緒にと願わずにはいられないのだが、しかし律は、崖から落ちそうになった若槻を助けようとして自分が落下してしまうわけで……嗚呼!
 その後の柊子と律がどうなったかはここでは語るまい。ただ、哀しさと希望がないまぜになったそのラストは素晴らしいものだった、とだけ言っておこう。このドラマ、細かい台詞の説得力とそれによって立ち上がる登場人物の血の通った感じが絶妙で、さらに起伏のある展開が加わった密度の濃さには大いに楽しませてもらった。途中では若干の浮き沈みもあったものの、三ヶ月間それなりの時間をかけて見続けた甲斐を大いに感じられた作品だった。(櫻田もんがい)


第12週(6/20〜6/24放送)
☆☆★
 美佐緒(松尾れい子)が出した“条件”の無茶苦茶さに、山を売る話を自らご破算にした柊子(高橋かおり)はまったくもって土下座損。しかしそんなことにめげる柊子でもなく、今度は6000万の代わりに自分を買ってくれと若槻(鈴木ユウジ)に迫る。これまた無茶苦茶な、と一瞬思ったが、

柊子「あなたは私を苦しめたいが為に、(中略)私に無理難題を突きつけてるだけ。だったら、6000万の代わりに、私をどうにでもしたら。弄ぶのも痛めつけるのもあなたの自由」

と、理屈は通ってる。同じ無茶苦茶でもそれなりの筋があるかないかが、柊子と美佐緒の格の差なのかもなと思ったり。ともあれその申し出を呑んだ若槻は、律(RIKIYA)を破滅させる作戦の懐刀として柊子を使うついでに、エッチまでしちゃったりして(まあ当然か)。その“律を破滅させる”ネタは、律を養子にして遺産を残した貝原夫人の死に関する疑惑なわけだが、“律を訴えると言っている貝原夫人の甥”にしろ“貝原夫人と出会うきっかけをつかむため律が雇った男”にしろ“貝原夫人がハワイにいた頃の家政婦”にしろ、写真では出てきても実際に登場しないのはどうも話が遠いというか、本気で展開する気がないのが見え見えなのがちょっとねえ。案の定、水曜日のラストで理沙(派谷恵美)が突然帰国して以降は、理沙の子供をめぐるやり取りに話の軸足が完全に移り、「あれ?律が訴えられる話って、もう解決したんだっけ?」という気分にもなった。
 それでも、理沙の子供=柊子の息子・森(海瀬叶)をめぐって、さまざまな人のさまざまな感情が入り乱れる後半の展開にはなかなかの見応えがあったのは確か。小柴(細山田隆人)や貴久恵(水沢アキ)が理沙の告白で“理沙が子供を産んだ”という事実のみに衝撃を受けるのに対し、矢内(小野寺昭)は、森と律の髪の毛を採取するという素人離れした方法でその親子関係までを突き止める。そりゃ柊子ならずとも

柊子「そういえば、親子鑑定は昔からあなたのお得意だったものね」

と言いたくもなります。しかし意外だったのは、その事実を知り、さらに心臓の病が再発しはじめていることを感じた矢内が、柊子に再婚を申し出たこと。森という跡継ぎ欲しさかとも思うが、柊子への愛とも憎しみともつかない感情がそこには込められているような気もして。一方美佐緒も、理沙の子供の父親が律であることのみならず、その子供が森であることまでも立て続けに知れば、黙っているはずはない。森についての事実が次々と色々な方法で露呈する中、誰が何をどこまで知ってるのかには少々混乱もさせられたが、最終週への興味はうまくつないだ形。理沙、小柴、若槻、そして貴久恵あたりの脇役の心情までをきっちりすくい上げて、フィニッシュへの準備は整った。(櫻田もんがい)


第11週(6/13〜6/17放送)
☆☆☆
 あの律(RIKIYA)がついに「矢内」姓を名乗ることになるとは、いやはや、この枠ならではの流転の面白さをしみじみと感じるところ。そんな面白さは、柊子(高橋かおり)と美佐緒(松尾れい子)の関係性にも見て取れる。片や、富豪の妻という立場も、女盛りを謳歌することも捨てて、律の血を引く幼い息子・森(と書いてシンと読む)のために生きる決意をした柊子。一方美佐緒は富豪の娘となり、愛する男・律との結婚生活も手に入れたが、代わりに娘・にいなを諦めざるを得ない状況にある。数週間前とはまさに真逆。そんな柊子と美佐緒の再会は偶然であったとしても、それは必然的に柊子と律の再会をももたらすことに。心穏やかでない美佐緒は、艶子(姿晴香)の店(会員制フラワーサロン・アルテミスから、誰でも入れるティーサロン・セラヴィとなって新装開店)で働く柊子の前に、律を連れて現れたかと思いきや

美佐緒「(律は)あたしがいないと、お食事も出来ないのよ」

と、自分こそが「律の女」であることを見せつける。その後、律がずっと持っていた柊子の似顔絵を見つけて燃やさせるなんて行為も含め、やることがいちいち直情的でうざったいという、柊子のクールな悪女っぷりとは正反対のイヤな女っぷりは、ある意味お見事。
 さて、美佐緒が律を連れてやってきた時点では、まだ美佐緒に向かって

柊子「彼は決して、誰かの思い通りになるような男じゃないわ。(中略)自分の意のままに動かそうなんて、考えないことね」

なんて言える余裕のあった柊子だが、セラヴィで起きた乱闘事件がもとで常連客が心臓発作で亡くなったことをきっかけに雲行きが怪しくなる。遺族の代理人として現れた若槻(鈴木ユウジ)は、損害賠償として6000万円を請求してきた!…って、若槻の私怨込みの値段だってのはわかるんだけど、どう見ても柊子たちには何の落ち度もない話のような。あんな状況で本当に損害賠償を請求できるのかという現実的問題はさておいても、ドラマ的に何だか首をひねってしまったのは事実で、ここはもうちょっと巧く、柊子側が負い目を感じるような状況を作って欲しかった感じ。
 ともあれその6000万円を巡って、柊子と矢内(小野寺昭)、柊子と律の攻防が繰り広げられ、それに付随して律と矢内、律と美佐緒の関係もまたパワーゲームの趣に。金を出すという矢内と律の申し出を両方とも断った柊子が選んだのは、魂の居場所であるあの故郷の山を6000万で売ることだった。しかもそれを頼んだ相手は美佐緒。すると美佐緒はしてやったりとばかりに

美佐緒「でも柊子さん、それが人に物を頼む態度かしら?」

と言って柊子を跪かせ、ここに先週からの美佐緒の悲願は早くも成就。しかしそんな美佐緒もまた、若槻からは「娘の声だけ聞かせて会わせない」なんてイケズをされるわけで、人を呪わば何とやら、って感じでしょうか。そんな美佐緒が、娘にあげるはずだったドレスを握りしめながら考えついたのは、柊子の山を6000万で買う代わりに、柊子の息子を自分が引き取って育てるという条件を出すことだった!って、おいおい矛先違ってるじゃん、どうなってんの!?まぁ、柊子がそんな話を呑むわけがないと思いつつも、大いに気になる次週の展開。愛憎入り交じる人間関係はいい感じに混戦模様です。(櫻田もんがい)


第10週(6/6〜6/10放送)
☆☆☆
 来た来た、来ましたよ、盛り上がりが!アルテミスでの売春疑惑に巻き込まれてしまった美佐緒(松尾れい子)を助けるために、“三流詐欺師”律(RIKIYA)の考えたシナリオを柊子(高橋かおり)と矢内(小野寺昭)が共同して一芝居打つあたりの面白さはまだまだ序の口。最も盛り上がったのが水曜放送分で、律と自分の関係が柊子の仕掛けた“ゲーム”だったことを知った美佐緒が、唐突に柊子への逆襲を開始し、自分を娘として認知したければ柊子と離婚しろと矢内に迫る!ここでCMに行ったと思ったら、CM明けで柊子は離婚届にサイン済みという展開のスピーディさは、相変わらずながらやはり感服する。それにしても、矢内の自分への愛を利用するといういわば反則技を繰り出した美佐緒に対して、黙って離婚に応じた柊子は潔くカッコいい。

柊子「私の魂は、ふるさとのあの山に置いてきたの。あの山に花が咲き続ける限り、私の魂は決して誰にも侵されない」

とは、体を売り続けていることを律から咎められた柊子の台詞だが、この、自らの魂の拠り所をはっきりと認識しているという一点で柊子のあらゆる行動が納得できてしまうのは、なんとも巧みなところだ。
 矢内家を出て行こうとする柊子に、矢内と美佐緒は立て続けに「今、謝れば許してもいい」と言う。ちょっと聞くと同じように聞こえる矢内と美佐緒のその言葉の重心が、実はいささか異なっている(矢内は「許す」ことを、美佐緒は「謝る」ことを望んでいる)という行間の面白味を感じさせたのがココ。しかし柊子は、そんな言葉をあっさり拒絶し、

柊子「私はあなたに謝るどころか、むしろ感謝していただきたいぐらいだわ」

と言い切って美佐緒に背を向け、美佐緒は美佐緒で

美佐緒「いいわ、柊子さん……いつかきっと、あなたを私の前に跪かせてみせる」

なんて呟くわけで、さあコワイことになって参りました。
 時間は飛んで数ヶ月後、柊子の実家で極秘裡に出産を終えた理沙(派谷恵美)は、帰ってくる早々、貴久恵(水沢アキ)に無断で小柴(細山田隆人)との婚姻届を出す。若い二人の愛はかくして成就。一方美佐緒は、矢内の私財を使ってボランティアを支援する団体を作り、その理事長に就任する。その就任パーティに柊子までも強引に招待して何をやるかと思ったら、柊子をはじめゲストの目の前で、律との結婚宣言という次第。美佐緒さんてば、ついこの間まで聖女だったのに、着々と俗っぽい女になりつつあるようです。そんな二人すら笑顔で祝福して出て行く柊子だが、彼女の心の支えは、理沙が産んだ律の血を引く子供で……というところで次週。めまぐるしく変化する状況、そして人間関係が楽しく、まさにこの枠ならではのカタルシスを楽しめた週だった。(櫻田もんがい)


第9週(5/30〜6/3放送)
☆☆
 週前半は、これまでの復習編とでも言いたくなるような回想シーンの連打で、物語の方は幾分スローペース。これって、この数回は裏の新番組「ヤ・ク・ソ・ク」に寄り道をする人がいることを見越して……?ってのはうがった見方かしらん。もちろんその中でも、矢内(小野寺昭)が心臓を悪くして入院することになったり、その担当医がアルテミスでの柊子の常連・相馬(木下浩之)だったりというそれなりの展開はあるのだけど、要素の羅列って感じでドラマは今ひとつ高まらず、毎回きっちりと座して観ているこちらとしては、一体どうしちゃったのって気分になった。まあ昼ドラマをそんな見方してる人の方が少ないのかも知れないけどさ。
 その後、アルテミスでの初めての客として、第1週に柊子を押し倒そうとした高野(大塚幸太)が現れるあたりから、ようやくお話が動き始めたか。それにしても懐かしい憎まれキャラを出してきましたね。来週放送分のトラブルの元凶になるらしいが、週を持ち越すようなキャラでもないと思うんだけど。ついでに言うと、この高野の出現をきっかけに、柊子(高橋かおり)と律(RIKIYA)が昔のことを思い出して少々ノスタルジックな雰囲気になったりするのは悪くないのだが、それを美佐緒(松尾れい子)が目撃してどうなるかと思ったら、その後の針仕事で指を刺してしまうだけだったような。
 結局のところ今週見るべきだったのは、美佐緒が矢内と血が繋がっている事実を冒頭で若槻(鈴木ユウジ)が知り、さらにその数分後に美佐緒にまで伝わってしまった金曜放送分のみだったと言えそう。しかし若槻も、その事実を知っていきなり矢内の病室に殴り込むかね。たまたま病室の外にいた美佐緒がそれを聞くなんてなし崩しも、長々と引っ張った割にはもったいないシチュエーションで。
 ともあれ、さらにこの日は、美佐緒が柊子に言われて自分を“罪の子”だと認識し、葛藤して律の書いた自画像をビリビリに破いたりした挙げ句、矢内に向かって「父親とは認めない」と宣言するまでが描かれるというてんこ盛り加減で、これこそがこのドラマの本来の密度感とは言えるかも。木曜放送分まで今ひとつ冴えなかった柊子も、美佐緒のことを気遣うようでさりげな〜く

柊子「ええ、あなたは罪の子よ」

なんてしゃあしゃあと言っちゃうあたり、金曜日は本領を取り戻した感じだった。ということで決してドラマ自体が失速したとは思わないのだが、今週はエピソードの配分があまりにまずく感じられたが故に、少々厳しい点数にしておこう。(櫻田もんがい)


第8週(5/23〜5/27放送)
☆☆★
 愛する娘を捨てて離婚した美佐緒(松尾れい子)に、律(RIKIYA)は別れを切り出す。美佐緒は大きなショックを受け……と、柊子(高橋かおり)の筋書き通りの展開なのだが、柊子は浮かばれない。

艶子(姿晴香)「あなたは、律との愛を確かめたくて、そのために美佐緒さんを利用したんだわ。でもその結果、あなた自身が愛に復讐された」

と、艶子が視聴者に向けて解説してくれる(?)言葉のままに、愛するほどに敵対せざるを得ない状況に自分と律を追い込んでいく柊子の悲しさよ。律には

律「俺たちのゲームは終わりだ。これからは俺とお前の戦争だ。俺はお前の敵になる」

と宣戦布告され、さらに、美佐緒が倒れてしまったことをきっかけに、これまで静かだった矢内(小野寺昭)までも柊子に疑惑の目を向け始める。そのきっかけは、柊子がワープロソフトで書いて、律から美佐緒に送らせた別れの手紙だったわけだが、今週の展開で一番据わりが悪かったのがこの手紙に関する部分。いくら別れをお膳立てするにしても、柊子が自らわざわざ、あんなポエティックな手紙を書くかね?矢内が柊子を疑う理由を与えるための小道具にしか見えないのは、この作品にしては手薄な印象を受ける。
 ともあれ、柊子と律の関係が続いていると直感し、美佐緒の件が二人の共謀だと見抜く矢内だが、問いただされた律は柊子をかばい、プレッシャーをかけるために矢内が持ってきた毒薬を自ら飲み干す。毒にうなされる律が見るのは柊子の夢、しかし目を覚ますと隣にいるのは美佐緒、それを目撃した柊子は涙に暮れ……と、なかなかに切ない構図が浮かび上がった。
 毒薬がらみで、第2週の出来事が引用されるあたりは上手いところ。しかし矢内社長、それは「キジタリス」じゃなくて「ジキタリス」だと思うんですが……。(櫻田もんがい)


第7週(5/16〜5/20放送)
☆☆★
 先週末、美佐緒(松尾れい子)とキスにまで漕ぎ着けた律(RIKIYA)がそこでやめたのは、てっきり焦らす演技かと思ったら実はそうでもなかった?視聴者とほぼ同時に柊子(高橋かおり)も相変わらずの勘の良さでそれに気づき、律に釘を刺す。その後、若槻(鈴木ユウジ)の鞄から家の鍵を盗む&若槻を誘惑するフリをするなんて柊子のアシストもあって、律はついに美佐緒とベッドイン。だが翌朝の美佐緒は、罪の意識に悩むかと思いきや

美佐緒「あなた(律)と罪を分かち合うことができて、不思議と私の心は安らいでいるわ」

と、意外に明るい表情で。無垢であるが故の強さという意味では納得なのだが、美佐緒がこうもあっさりと自分の“罪”に開き直ったのは視聴者的には若干興ざめで、もうちょっとタメがあってもよかったんじゃないかと思ったりもした。しかしむしろここでは、律と美佐緒が愛し合っているまさにその時に、律の部屋にある美佐緒の肖像画にナイフを突き立てずにはおられない柊子のやりきれなさに注目すべきか。自分の思い通りになっているはずなのになぜか心休まらず、律に対して“美佐緒の心と体を奪った証拠”を持ってくるようにこだわる柊子が痛々しく見える。
 一方、理沙(派谷恵美)が妊娠していることが発覚。破談になったと思ったら実は続いていた若槻和也(友井雄亮)との婚約話をつぶすためには福音だが、父親は小柴(細山田隆人)ではなく、律だった!本人にとっては不本意とはいえ、自分が果たせなかったことを易々とやってしまった理沙に嫉妬じみた感情を抱く柊子が、ここでも悲しい。しかしそんな感情にもめげず、柊子は理沙に産むように進言。

柊子「これは、私へのプレゼントだと思ってるの。この世で実を結びたくても結べない私に、神様が天から授けてくださった、命の種。その種からどんな花が咲くか、私はこの目でしっかり見てみたいの」

と艶子(姿晴香)に語った言葉は本心なのだろう。今後のストーリーの鍵はこの、理沙が産む子供ということか。理沙がここまで重要キャラになるとは思わなかったなぁ。
 そして、数日間の逃避行を経て帰ってきた美佐緒は、一度は若槻とやり直そうとするも、若槻の暴力的な振る舞いをこらえきれず離婚を決意する。自分の意見をためらうことなく言う女となって、美佐緒の変貌も完了。本当の痛みを知るのはこれから、でしょうかね。(櫻田もんがい)


第6週(5/9〜5/13放送)
☆☆☆
 どうしようもない状況とどうしようもない心情によってドラマが転がっていくのがこの枠の面白さだとすれば、柊子(高橋かおり)と律(RIKIYA)、双方にとってあまり切実でない“ゲーム”を延々と続けられてもちょっと白けるなぁ、と思っていたら、ついに動きが。第1週において自殺した柊子の弟・良彦(小谷嘉一)が、死を選ぶほどに恋い焦がれていた相手は美佐緒(松尾れい子)だったことが判明する!って、1週目から見ていた者からすると「やっとそのネタが来たか〜っ」って感じですけどね。この事実が露呈する部分はもう少し丁寧にやってくれてもよかったような気もしていて、良彦のことを美佐緒が“名前も覚えていない”と言うシーンの柊子と美佐緒の温度差なんて、見てみたかったと思う(実際は柊子の台詞で語られたのみ)。
 ともあれその事実をもって、それまでの“ゲーム”は“新しいゲーム”へと方向転換。いや、柊子が律に

柊子「もし私の命が欲しいなら、あの女(=美佐緒)の肉体だけじゃなく、魂までも奪って踏みにじってやって」

とまで言うのだから、それはもはやゲームとは呼べないほどに激しい情念の所業。律が美佐緒に接近しようとするのを、それまでさんざん邪魔していた柊子が、打って変わって陰で糸を引き始めるという逆転の面白さがここに浮かび上がる。先週分をまるまる“ゲーム”に費やした意味もあるというもの。
 律は美佐緒に近づくために、最後に1枚だけ美佐緒の絵を描かせてほしいと言う。それを“終わったらもう二度と近づかない”という誓約書付きで呑んだ美佐緒は、絵にかける律の情熱をつぶさに見て、再び律を信じる気分に。絵がもう少しで完成するというときに、やはり美佐緒に思いを寄せる夫の弟・和也(友井雄亮)が踏み込んできて、律を刺す!そのタイミングで和也を踏み込ませたのはもちろん柊子。そうして約束はうやむやになり、美佐緒はやがて律の部屋へと足を踏み入れることに。そこに飾られた未完成の絵を見て

美佐緒「だから、心が……残ってしまいました」

との台詞で、一気に律へと堕ちていく美佐緒は、役者的には今作で最初の見せ場かも。その姿が純真な美しさを纏えば纏うほどに、視聴者としてはどこまで堕ちていくのかを見届けたくなる。
 一方、理沙(派谷恵美)の婚約は、理沙と小杉(細山田隆人)の恋仲が発覚し、さらに婚約相手の和也も理沙との結婚を望んでいなかったということで破談に。それに前後して、矢内家の財産を柊子から守ろうとする貴久恵(水沢アキ)らの工作も激しくなり、なんと美佐緒の夫・若槻(鈴木ユウジ)から律に、“柊子を誘惑して欲しい”という依頼が来るまでに。その話自体は小ネタで終わりそうだけれど、そろそろ矢内(小野寺昭)が物語から退場しそうだし、矢内家周辺も一波乱ある予感。

柊子「まだゲームは始まったばかり……本当の痛みを知るのは、これから……」

だそうですよ。(櫻田もんがい)


第5週(5/2〜5/6放送)
☆☆★
 柊子(高橋かおり)が理沙(派谷恵美)の婚約をつぶすのが先か、律(RIKIYA)が美佐緒(松尾れい子)を落とすのが先か、勝者は敗者の金でも命でも要求できるというゲームを始めた二人。柊子が「理沙が思いを寄せる小柴(細山田隆人)を誘惑して寸止め」やら「理沙に“恋は駆け引き”と悪女の英才教育」やらの技を繰り出す間、律は律で「美佐緒の目の前で着替えて肉体美見せびらかし」や「子供を金で釣ってわざとケンカさせ、それを美佐緒の目の前で仲裁」といった手練手管で美佐緒に接近。柊子が律に関する悪い噂(というか事実)を美佐緒に吹き込んで律を妨害すれば、対抗して律は理沙を誘惑しその肉体の虜にして、何やら企んでいる様子。金曜放送分終了時点では、双方それなりに歩を進めつつも決定打に欠けて痛み分けって感じ?
 美佐緒に対する愛の手紙を律が別の女の背中で書いてたりなんていう絵的な面白さも含め、楽しめるっちゃ楽しめるんだけど、まるまる1週間をこの“ゲーム”における攻防のみに費やされると、先週までのあのスピード感が失われた感じがしなくもない。ゴールデンウィークで見逃す人も多いだろうってことで、敢えてこのペースってことでしょうかね。それにしても矢内(小野寺昭)の存在感が薄すぎです。(櫻田もんがい)


第4週(4/25〜4/29放送)
☆☆☆
 時間がずれたため見損ねた人も多いであろう(実は自分もなのですが)月曜放送分だが、この1回(ドラマ中では3年)を境に、その属性をベビーからヒールへと華麗にチェンジした柊子(高橋かおり)の一挙手一投足が、面白すぎるぐらいに面白くなった第4週。艶子(姿晴香)の店で体を売るようになったことなど序の口で(ちなみに1回20万円のようです)、理沙(派谷恵美)の婚約を“ぶっつぶす”(by艶子)ために暗躍してみたり(ここで毒気たっぷりに繰り広げられる理沙相手の「マイ・フェア・レディ」状態も楽しい)、体を売っていることが矢内にばれても“捨てるものがない”女ならではの居直りで見事にやりこめたり。女が厚顔になるほどに、狡猾になるほどに際立つカタルシスに酔いしれる。ついでに言えば、矢内におねだりする車の「ホイールには柊子のTと彫って」なんてあたりの、いい意味で過剰なディティールも毎度のことながらお見事で。
 一方、3年の間にさらにジゴロぶりを増した律(RIKIYA)とも柊子は再会(って、ほぼ週1ペースで再会してますけど)。金で買える女=柊子にも、簡単に落ちる女=理沙にも興味がわかない律が次のターゲットに選んだのは、子持ちの聖女=美佐緒(松尾れい子)だった!それを知った柊子は、自分が理沙の婚約をつぶすのが先か、律が美佐緒を落とすのが先か競争しようと言い出す。その理由は美佐緒を案じてのことなのか、自分の意に反することばかりする律に冷や水をかけるのが目的なのか、それとも単に“人生を楽しむ”ためなのかはよくわからないが、かつて純粋な愛を誓った二人が、時を経て“同じ穴のムジナ”としてそのワルっぷりを競うのだから、とにかくなんだかすごいことになってきたのは事実。恒例にしてきた今週の功労者とかもうどうでもよくなっちゃうぐらいに、次回がただただ楽しみ。(櫻田もんがい)


第3週(4/18〜4/22放送)
☆☆★
 矢内家の嫁となった柊子(高橋かおり)への貴久恵(水沢アキ)たちによるイビリすら軽い準備運動といった感じで、一気に物語的仕掛けが動き始めた第3週。何か怪しいと見るや、ものすごい勢いで真実を明らかにしようとする柊子の行動力が展開を加速して、矢内(小野寺昭)が柊子に隠していたことが次々と白日の下に!上流階級向けフラワーサロンにして実は高級売春宿(ちなみに場所は「愛のソレア」における久我邸!?)を経営する謎の女・艶子(姿晴香)との関わり、続いて実は矢内がもう子供を作れない体だったことの告白と来て、極めつけは「美佐緒(松尾れい子)は実は矢内の不倫の子供だった」という事実の露呈。かくして、様々なことに失望したあげく、前週のラストとは比べものにならないほどに目の据わってしまった柊子が完成した!
 話を追う毎に純粋な娘らしさを失っていく柊子を的確に演じる高橋かおりにも敬服するが、今週めざましい進化を遂げたのが律を演じるRIKIYA。もとより、レディースコミックから抜け出てきたようなその容姿は全くこの作品にぴったりなのだが、感情を高ぶらせる演技にいささか難があって、前2週ではちょっとツライ部分も多かった。しかし今週のように、本音を隠した不敵な感じの表情が多くなると意外なほどにハマってくる。
 そして恒例・今週の功労賞は、貴久恵に進呈。柊子の妊娠が「想像妊娠」だったことが明らかになるシーンの、柊子への体当たり&押さえ込み&かかりつけのお医者様攻撃(どんなんだ)がかなり笑えたし、律にシャツをプレゼントしてその場で着替えさせようとする、いかにもおばちゃんらしいエッチさも愉快。その娘・理沙(派谷恵美)も頑張ってましたね。柊子に厳しく言われたことを恨みに思って(それにしても柊子も、貴久恵に対しては我慢してるくせに理沙には厳しいあたり、世渡り上手)、柊子と律の密会写真を矢内に届けるだけなら序の口だが、金曜放送分で柊子に対し「公園で会ってたあの男でしょ」なんて台詞が出るところを見ると、どうやら柊子の尾行はずっと続けていたらしい!?主人公から脇役に至るまで過剰な人だらけなのは、この枠としてはいい作品のバロメーターかも。(櫻田もんがい)


第2週(4/11〜4/15放送)
☆☆★
 律(RIKIYA)は改心し、佐倉花卉園で働き始める。柊子(高橋かおり)は、そんな律と駆け落ちして一緒になる約束をするが、援助するからフラワーアレンジメントの勉強をして欲しいと言う矢内(小野寺昭)の申し出に心を揺らす。それでも律との約束を果たそうとするがかなわず、その勢いのままに柊子は矢内と結婚することに。かくして柊子が矢内家に入って2ヶ月後、金持ちの婦人の養子となった律が現れ……。と、まことに盛りだくさんの起伏を、確かな手腕で捌いた第2週。
 ジキタリス中毒なんてネタをさりげな〜く差し挟んでみたりする、余裕綽々の語り口には敬服する。それが極まったのが木曜放送分で、CM前にはまだ矢内との結婚に迷っていた柊子が、CM明けではいきなりウェディングドレス姿!逃亡中のはずの律がいつの間にか後ろに立ってるのはさすがに唐突に感じたが、まあそれもアリかと思わせてしまう勢いがすでに出てきている。
 詐欺師の江梨子(沖直未)や矢内の妹・喜久恵(水沢アキ)といった“昼ドラ的に美味しいキャラ”も配置しつつ、それらに甘えずにきっちり物語を語ろうとする(騙ろうとする)姿勢には好感の持てるところ。ちなみに一番不穏なのはあらゆる言動が正しすぎる矢内という存在で、その非の打ち所のなさがかえって不気味。これまた今後の変化に注目か。しかし今週の功労者は、柊子の兄夫婦(朝倉伸二・池津祥子)かな。小心者の夫と楽天家の妻がいいコンビで、たくあんの切り方で妻の隠し事を見抜く夫、なんてシーンがいいガス抜きになっている。
 この安定感のままに話が順当に盛り上がっていけば、かなりの傑作が期待できるとも思われるが、さて。(櫻田もんがい)


第1週(4/4〜4/8放送)
☆☆★
 今までこの枠でやっていなかったことが不思議なくらいの、ラクロの名作「危険な関係」のドラマ化は、野の花を愛でるヒロイン・柊子(高橋かおり)の純真な姿で幕を開ける。

柊子「野に咲く花は、どれもみな美しい」

なんてえらく素朴なモノローグに聞き入っていたら、オープニングを待たずに唐突に高校時代の回想へ。ケンカっ早い律(RIKIYA)に思いを寄せる柊子だったが、母親が死んだことをきっかけに律は地元を去ってしまう。その後再三リピートされるその回想の大筋よりは、律の母親の死体(黒のスリップ姿)の胸元を這うカニという絵面にまずニヤリとさせられたりして。
 約10年後、律が柊子の前に姿を現して物語が動き出す。再会を喜ぶ柊子だったが、実は律は、柊子の家が所有する山の乗っ取りを企む女・江梨子(沖直未)の愛人で、その乗っ取りの手先としてやってきたのだった。かくして、柊子の「初恋の感激」(=ライラックの花言葉)が、やがて疑念に取って代わり、

柊子「あなたにここは渡さない。決してあなたにだけは」

と律に告げるまでが今週の流れ(って、えらい乱暴ですけど)。
 今週の功労者はなんと言っても詐欺師の江梨子。ベッドで律の隣に寝そべって、

江梨子「うまくやってよぉ〜」

とふてぶてしく煙草をふかす初登場に始まって、「エステの女社長」に扮した時の似非上品スマイル、さらには律の手柄を褒めて

江梨子「よくやったから、ご褒美あ・げ・る」

とガウンをはだける破廉恥まで、期待を裏切らない“メスブタ”(by律)っぷり。重要人物である矢内(小野寺昭)と美佐緒(松尾れい子)周辺がまだ伏線張りの最中だった今週は、この人の独壇場だったと言っても過言ではない。矢内の出戻りの妹・喜久恵(水沢アキ)も、わずかな出演時間なのにじゅうぶん印象に残る意地悪そうな存在感で、今後の爆発を期待させてくれますが。
 ちなみに今週のもう一人の功労者は柊子の弟・良彦(小谷嘉一)で、東京からふいに帰ってきてどう絡んで来るのかと思ったらいきなり自殺しちゃったよ、しかも頸動脈切って!残されていた愛の手紙は一体誰に宛てられたものだったのかが、今後のキーになりそうで。
 花のアレンジに悩む柊子に、律が我を忘れてアドバイスをする、なんてシーンは何気なく上手いところ。登場人物の「純粋さ」と「俗っぽさ」のバランスがなかなかに絶妙だ。主人公の柊子からして、真っ直ぐないい娘さんといった感じなのに、山を守るために“自分の体を金に換える”ことさえ厭わない意外性をその真っ直ぐさの延長線上で持っている。父親は名士だとうそぶく銀行員の高野(大塚幸太)に

柊子「あたしを抱きたければ、今すぐお父様に会わせて!」

とすごんでみせたりする、現在の状況下では“芯の強さ”と好意的に形容できそうなこの一面が、どのように変化していくのかが見どころかな。
 純白のウェディングドレスが血の滴で染まる、なんてビジュアル的ケレン味もきっちり織り込んでくれて、とても楽しめたのだけど、この枠でこの原作ならこの程度で終わるわけもないでしょう。今後の盛り上がりに大きな期待を抱きつつ。(櫻田もんがい)




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