レビュー：御宿かわせみ第三章

御宿かわせみ第三章

（NHK総合金曜21：15～21：58）

金曜時代劇
制作・著作/ＮＨＫ
共同制作/NHKエンタープライズ
技術協力/NHKテクニカルサービス
美術協力/NHKアート
制作統括/菅野高至、古川法一郎（1～8）、吉田雅夫（9～）
原作/平岩弓枝
脚本/斎藤樹実子（1、5、9、12）、相原かさね（2、8）、山本むつみ（3、4、6、10、11）、梶本惠美（7）
演出/大原誠（1、2、3、6、7、11、12）、岡田健（4、5、9、10）、陸田元一（8）
音楽/大島ミチル
主題歌/『悲しい歌はきらいですか』田川寿美
出演/庄司るい…高島礼子、畝源三郎…沢村一樹、お吉…鷲尾真知子、長助…螢雪次朗、小林吉蔵…園岡新太郎、おきみ…日高ひとみ、おさと…久保内亜紀、辰…武井秀哲、お栄…杉本彩、畝千絵…小西美帆、五井兵馬（回想）…佐々木蔵之介、村野政太郎…大塚幸太、村野政次郎…上原風馬、五井和世…有森也実、松本伊太郎…生田斗真、吉田織部…並樹史朗、多江…小野沢知子、佐助…小門真也、喜八…渡辺宏行、小雪…渋谷琴乃、岡本彦四郎…大沢健、笹川道林…隆大介、六助…代田勝久、お由…幸田直子、宗七…松田洋治、おいそ…大西結花、鉄五郎…船木誠勝、おくみ…村井美樹、金六…清水宏、堂守…久保晶、伊之助…岡田義徳、浄心…鷲生功、伊之助（幼少）…小杉彩人、吉太郎（少年）…田中匡志、長屋の少年…堀口良太、長屋の母（声）…矢代朝子、天野宗伯…津嘉山正種、今大路宗二郎…阪本浩之、天野宗三郎…中泉英雄、岡崎半次郎…京本政樹、お久麻…遠山景織子、おその…愛川裕子、おえい…駒塚由衣、中田五郎右衛門…仲野文梧、丑松…山西惇、滝夜叉…寺田千穂、大吉…池田晃信、おまさ…奥貫薫、おみや…西尾まり、清太郎…川口貴弘、おえい…新海百合子、重兵衛…森下哲夫、池田甲斐守…大林丈史、長太郎…東根作寿英、住職…大門伍朗、おきぬ…沢田亜矢子、おたか…山田麻衣子、鶴田典庵…樋浦勉、加女…大島蓉子、おさだ…黒田福美、辰巳屋利兵衛…針原滋、久松…岡田圓、おみつ…松永香織、進藤数馬…植田健、松浦方斎…神山繁、松本庄右衛門…益岡徹、麻生（天野）宗太郎…鈴木一真、麻生七重…吉本多香美、神林香苗…仁科亜季子、麻生源右衛門…井川比佐志、嘉助…小野武彦、神林通之進…草刈正雄、神林東吾…中村橋之助ほか

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第2回「千鳥が啼いた」（5/20放送）
☆☆☆★
　「真の親子関係」を情感あふれるタッチで描いた好編。全シリーズを通しても屈指の出来栄え。まずは、絶妙の演出に拍手を送りたい。
　武士の子として生まれながら、妾腹ゆえに旗本の実父と離れ、名主である育ての親の元で成長した伊太郎（生田斗真）。その葛藤ゆえに、やがて武家奉公の道へとさまよい始めるのだが……。
　「迷い、揺れてこそ見えてくる道がある」──ラスト近く、橋の上で伊太郎を諭するい（高島礼子）の台詞には、武家を継ぐより日陰の身を貫くことを選んだ彼女の覚悟、そして人生の哀歓がこもっている。東吾（中村橋之助）のオーバーアクトも、るいの美しさの前では些細な傷に感じられた。（佐）

第1回「花御堂の決闘」（5/13放送）
☆☆
　1年ぶりにシリーズ第3弾がスタート。しっとりとした人情味を台なしにしてくれる中村橋之助の演技過剰ぶりを「突っ込みどころ」としてある意味楽しみにしていたのだが、初回を見るかぎり、そのワット数は適当な照度を保っていた。それよりも、畝源三郎役が宍戸開から沢村一樹に代わったことに違和感を覚える。過去2シーズン、宍戸は仕事一筋で生真面目な役柄を息づまるような芝居で演じきっただけに、その印象が強すぎて、沢村のどこか洗練された雰囲気がしっくりこないのだ。その他のレギュラー陣では、前シリーズから登場し、橋之助の「ガス抜き」的な役割を担っていた天野宗太郎（鈴木一真）が、さらに存在感を増していきそうである。
　今回は、第1シリーズで斬殺された五井兵馬（佐々木蔵之介）の元恋人一味による東吾への仇討ち話。セクシー官能女優・杉本彩の妖気が橋之助の「やりすぎ感」を中和してくれたようにも思える。（佐）