レビュー：愛と友情のブギウギ

愛と友情のブギウギ

（NHK総合月～木曜23：00～23：15）

連続ドラマ
制作・著作/ＮＨＫ、ケイファクトリー
共同制作/NHKエンタープライズ21
制作統括/大津山潮、若泉久朗
プロデューサー/千葉行利
作/藤本有紀
演出/国本雅広（1、2、3、6）、日名子雅彦（4、5）
音楽/MOKA
主題歌/『アカペラ』ハウンドドッグ
出演/紅谷あかり…片平なぎさ、紅谷至…石黒賢、水野葵…麻生祐未、水野光彦…羽場裕一、大月黄菜子…河合美智子、大月拓郎…柳沢慎吾、桜井桃江…広岡由里子、桜井武男…京本政樹、野々草ミドリ…岩崎ひろみ、野々草正宗…小林隆、黒岩美佐子…五大路子、黒岩一馬…田中要次、山根二郎…阿南健治、紅谷美歌…西田奈津美、紅谷剣太…小杉彩人、野々草舞…岡本奈月、水野涼…小倉史也、常磐寺…左右田一平、虹子…五月晴子、金子社長…キラーカン、菅原…志賀廣太郎、駐在…モト冬樹、十文字教官…橋本さとし、久保嘉奈子、西野光希、加藤清史郎、保里小百合、篠崎はるく、高橋美穂、福地香代、アライタカシ、桐山靖、山崎豆僧、伊藤正博、佐々木征史、鈴木舞花、安田洋子、笠原華子、猪野剛太郎、斉川一夫、江良潤、岡田正、宮吉康夫、林孝一、神田時枝、山崎画大、西田征史、小林暁、内山翔人、用貝一仁、加藤晃良、岩田丸、田谷亘司、足立学、柳田豊、小野敦子、野崎数馬、小休暁、水野智則、瀬戸将哉、京極歩、河合亜美、伊藤瞭、真鍋卓也、村上諭、大宮司亘、藏内秀樹、橋沢進一、大月仙太郎…梅津栄、紅谷墨子…白川由美、大空宇多江…淡島千景ほか

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最終週「主婦、旅立つ」（5/2～5/5放送）
☆☆
　それぞれの家庭にそれぞれの昇進異動転職懐妊などの諸問題が噴出して、ブギウギ５が存続のピンチを迎える最終週。もともとお話の丁重さなどは狙っていなかったようなので、にぎやかしく締めくくってくれたあたりはこのドラマらしかったといえばらしかったか。アカペラそのものの楽しみで押していくのであれば、いかにも定番揃いのお話じゃなくてもよかった気もするのだが。（麻生結一）

第5週「主婦、尽くす」（4/25～4/28放送）
☆☆
　素っ頓狂でやることはゾンザイでデタラメな、まるであかり（片平なぎさ）のような人だったらしい舞（岡本奈月）の亡くなった母親の、よりによって思い出の品だったというＹシャツを、ミドリ（岩崎ひろみ）が舞台衣裳に変形させてしまったことをきっかけにこじれた継母と義娘の関係が修復させるまでが主筋の１本目。新作タイヤのキャンペーンのためにもはや兄弟みたいな“中庭の5バカ”が企画した、キャンペーンガールにブギウギ5を起用する話が主筋の2本目。この二つの平行するストーリーに、墨子（白川由美）によるスパゲティナポリタンのちょっといい話あたりが挟まってくるあたりで幅を持たせた第5週。
　5週目にしてつくづく思うのは、空回り風でもあった5家族の面々の絡みがいよいよ密になってきていることで、ちょっとした舞台のコメディをみてるような気分にもなってくる。見る側が慣れたせいもあるんだけど。
　それにしても、“中庭の5バカ”という呼び名を自らで使っちゃう男性軍って。いよいよ社宅からの引越しの話になりそうな気配も、千歳烏山3LDK88000円は安すぎていかにもワケありっぽい。（麻生結一）

第4週「主婦、図に乗る」（4/18～4/21放送）
☆☆
　ブギウギ5の活動が新聞で連載されることになり、5人はちょっとした有名人に。ライブ活動が忙しくなりつれ、家庭のことを省みなくなって、という展開はまったくの意外性ゼロだが、オリジナルソングまでやるようになった歌の方は実際にもかなり上達しているのでは。
　社員旅行の宴会に余興として登場するも、早々酔っ払いたちとケンカになって、夜中にバイクで帰るはめになるも、ミドリ（岩崎ひろみ）のバイクがパンクしたために無人のガソリンスタンドで立ち往生。若い女の暴走族と勘違いしてそこに現れる駐在所の警察官（モト冬樹）の、今は亡き妻へのささげるブギウギ5の熱唱はこのドラマにしては珍しくしみじみとした感じ。
　次週は、暗闇の中の一筋の光には敏感と真っ先にガソリンスタンドを発見したミドリにもスポットが当たりそう。（麻生結一）

第3週「主婦、バイクに乗る」（4/11～4/14放送）
☆☆
　今は亡き大空会長（淡島千景）から贈られたビンテージバイクに大空グループの教習所の教習料も商品として含まれていたものだから、晴れて教習所に通えることになったブギウギファイブの面々。これまでまったくスポットが当たっていなかった葵（麻生祐未）が、運動神経の鈍さで教習を挫折しそうになったり、夫・武男（京本政樹）の妨害工作によって桃江（広岡由里子）が教習所から退学扱いになってしまったり（退学手続きしたのは浮世離れしたきれいな顔の男＝武男）といった紆余曲折に加えて、武男が勝手に売りはらった桃江のバイクの、免許取得第一号となったあかり（片平なぎさ）による奪還劇といったにぎやかしいエピソードも挟みつつ、主婦への応援歌風のテイストをより推し進めて、ドラマはいっそうわかりやすく展開する。ここまでひねらないとむしろそれこそがひねりなのかもと勘ぐってしまうほどのストレートなドラマの運びは、こうなったら最後まで貫いてほしい。（麻生結一）

第2週「主婦、奔走する」（4/4～4/7放送）
☆☆
　社宅撤廃は誰かの陰謀かと思いきや、そういう昼ドラテイストでもないらしい。黄菜子（河合美智子）が「ブギウギファイブ」を抜けると言い出したものだからいったんは「ブギウギフォー」になるも、さすがにメインボーカルが抜けると音もとれずにガタガタとなり、他のメンバーが幼稚園の送り迎えに友情を発揮して早々ファイブに復活。老人ホームでの初ライブに「ケ・セラ・セラ」を披露するとお年寄りは大喜びで、それ以来毎日曜日にライブの依頼が舞い込むようになったものだからやる気満々になるも、今度は夫・桜井（京本政樹）のご機嫌とりのために桃江（広岡由里子）がライブをドタキャンしてしまう。とっさのあかり（片平なぎさ）による即興コントは不発に終わるのだが、むしろこれが面白かったと思うんだけど。
　5家族入り乱れてのてんやわんやの大騒ぎの最中に、大空会長（淡島千景）からパーティの最優秀賞のプレゼントとして5台のバイクが届く。約束していた剣太（小杉彩人）の剣道の試合に間に合うためにあかりはタクシーに乗るも、渋滞に巻き込まれて結局間に合わなかったその前に、タクシーの横をバイクがスイスイと走り抜けていくのを見る前ふりが次週につながるというわけか。
　お話自体はどれも奇抜なものなのだが、展開に意外性を感じないのは奇抜づくしで埋もれてしまうからか。（麻生結一）

第1週「主婦、ハモる」（3/28～3/31放送）
☆☆
　それぞれにうだつの上がらない夫を持つダメ主婦5人組が、雨乞いの儀式、どこの宗派のお経、ついには殺人兵器呼ばわりされようとも、アカペラグループとして結成されたブギウギ５で大奮闘。きっかけは黒岩宣伝部長（田中要次）の昇進のパーティの出し物に歌った「買い物ブギ」。続いてはグループの会長（淡島千景）の退院パーティで披露した「東京ブギウギ」。やっぱりあかり（片平なぎさ）はブギチェチ?! 葵（麻生祐未）、黄菜子（河合美智子）、桃江（広岡由里子）、ミドリ（岩崎ひろみ）と揃いも揃った自虐キャラたちの個性にはちょっと期待したい。（麻生結一）