TV DRAMA REVIEW HOME

古代史ドラマスペシャル・大化改新 (NHK総合2005.01.03)
制作・著作/NHK大阪
制作統括/一井久司、片岡敬司
作/池端俊策
演出/片岡敬司
音楽/大島ミチル
語り/窪田等
出演/中臣鎌足…岡田准一、蘇我入鹿…渡部篤郎、車持与志古…木村佳乃、山背大兄皇子…山口祐一郎、中大兄皇子…小栗旬、石川麻呂…伊武雅刀、御者の老人&中臣国子(二役)…大杉漣、軽皇子…吹越満、強頚…六平直政、蘇我日向…山口馬木也、漢直…大八木淳史、船恵尺…呉汝倭、巨勢徳太…伊藤敏八、舒明帝…螢雪次朗、宝皇女…高島礼子、蘇我毛人…原田芳雄、南淵請安…仲代達矢
ほか



☆☆☆
 『聖徳太子』に引き続いての古代史ドラマスペシャル。これはNHKが毎年恒例として制作している正月時代劇とは別物のようで、そうなるとNHKは2005年、正月用の時代劇を作らなかったということになる。これまた恒例の現代劇の方もない。そういえば、秋の芸祭向けのドラマだって1本程度だったような。
 NHKはもはや単発のドラマを制作する気がないのだろうか。それともそのノウハウを失ってしまったのだろうか。どうにもおかしい。このドラマとは関係ない話を長々としても仕方がないのだが、NHKの単発ドラマを楽しみにしていた側としては、これほど悲しいことはないし、残念としか言いようがない。詳しい内情はわからないが、何かが変わらなければ、何も変わらないだろうということだけはわかる。
 というわけで、気分を変えてこの池端俊策シリーズ(?)の方について。策士のおじいさんとのイメージが強い中臣鎌足(岡田准一)が若々しく正義感に燃えていたり、超極悪人のイメージの蘇我入鹿(渡部篤郎)が苦悩する為政者だったりするあたりの新解釈(?!)が実に大胆だったのが功を奏して、興味深く最後まで見通せたのは意外な収穫だった。脚本家のイメージからいっても、妖術的な難しいドラマになっているのではと想像していたのだが、実際にはまぶしいほどの青春群像が全編にはじけるように描かれていてビックリ。
 ここでおなじみのステレオタイプを見せてられても仕方がないので、これが史実に忠実であるか否かはさほど重要ではないだろう。それにしても、鎌足と入鹿を私塾で机を並べた親友の設定にしてしまうとはね。これがありだったら、あらゆる史実を読みかえられるじゃないのと思ってもみたり。最近では、近藤勇と坂本龍馬が仲良しなんてドラマもありましたが(『新撰組!』)。
 『大化改新』と銘打っておいて、ここまで中大兄皇子(小栗旬)を脇役にしてしまうあたりにも苦笑してしまったが、現実路線を選んだはずの中臣鎌足が最後まで青春していたのには若干の違和感も。これぞ大化の改新というべき蘇我入鹿が討たれる場面の緊迫感は最上級だったし、入鹿の亡がらを鎌足が泣きながら抱きかかえるあたりのメロドラマ風もいいのだけれど、そんな人=鎌足が反蘇我のリーダーとして認められるとは到底思えないし。いっそ入鹿を主人公として描いた方が、この設定であればいっそうのれたかもしれない。
 個人的には、無性に小学館のまんが日本の歴史を読み返したくなりました。入鹿が討たれる場面なんか、まんまだったのでは。即確認できる幸せな方がうらやましい。(麻生結一)




Copyright© 2005 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.