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Mの悲劇 (TBS系日曜21:00〜21:54)
日曜劇場
製作著作/TBS
制作/TBSテレビ
プロデューサー/伊佐野英樹、瀬戸口克陽
脚本/橋本裕志
演出/土井裕泰(1、2、6、10)、石井康晴(3、4、8)、山室大輔(5、9)、川嶋龍太郎(7)
音楽/菅野祐悟
主題歌/『Night and Day』Sister Q
出演/安藤衛…稲垣吾郎、相原美沙…長谷川京子、久保明…佐々木蔵之介、島谷有紀…岡本綾、中西瞳…吉岡美穂、相原亘…柏原収史、尾崎雄介…大西滝次郎、安藤愛子…浅見れいな、高山真治…井澤健、大川刑事…佐藤二朗、奥田達士、下柳晃一…成宮寛貴、デビット伊東、岩本多代、小林隆、菊池均也、福本伸一、長谷川朝晴、ラサール石井、曽我廼家文童、安藤礼子…吉行和子、島谷隆太郎…伊武雅刀
ほか

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第4回(2/6放送)
☆☆
 死んだ婚約者の亘が密かに準備していたウェディングドレスを抱きしめ、涙する美沙(長谷川京子)。しかし、いくら哀れな女を演じても、立派なまでにイヤな女はイヤな女だ。ここまでの展開を見てきて、あのシーンに感情移入する視聴者はまずいないだろう。また、この機に乗じて出世した友人の明(佐々木蔵之介)は、役に立たないわりになにかと衛(稲垣吾郎)の面倒を見るのだが、これは単に長丁場の連ドラを繋ぐための安易な設定だったか。下柳(成宮寛貴)の役回りもまたしかり。美沙と有紀(岡本綾)の直接対決シーンが、唯一スリルを感じさせてくれる。(佐)


第3回(1/30放送)
☆☆
 人間は自分が知らないうちに他人を傷つけていることがある、という「教訓」とともに、登場人物の人間関係や設定の輪郭が明らかになってきた。なかでも、主人公・衛の同僚であり友人の明(佐々木蔵之介)の立ち位置が怪しく描かれており、今後の展開に含みをもたせるが、果たして……。衛(稲垣吾郎)という男に常識的な勘や気配りなどカケラもないことはわかったが、そのうえ強度の健忘症だったことも判明。何年も前の話じゃあるまいし、事件のことをあそこまできれいサッパリ忘れてしまうとは。可哀想な境遇が加味されたにもかかわらず「イヤな女」ぶりがどんどん増幅する美沙(長谷川京子)の頑張りで、前回までより多少緊張感は生まれてきた。(佐)


第2回(1/23放送)
☆★
 このドラマは、サスペンス色よりも美沙(長谷川京子)と衛(稲垣吾郎)のSM関係を前面に打ち出そうという意図が見えてきた。これほど罠という罠にスッポリはまり続ける男も珍しい。なぜ、携帯電話を放置してシャワールームへ向かうのか。ここまでくると、もはや間抜けの域を超えている。「自分の身は自分で守る」をモットーにしているなら、イジメ女との攻防戦があってもよさそうだが、それは終盤にとっておこうということか。美沙の友人役で吉岡美穂登場も、せっかく長谷川京子がたった一人でドラマに「毒」を盛り込もうと奮闘しているのに、その緊張感をアッという間に緩ませている。クセのない伊武雅刀の親父ぶりも食い足りない。(佐)


第1回(1/16放送)
☆★
 主人公・衛の原体験から人物紹介に至る流れ(その後の夢オチ部分なども含む)がコミカルすぎたせいか、なかなか「悲劇」的な気分にたどり着けないのは、第1回目として致命的に痛い。稲垣吾郎は、『ヨイショの男』以来となる日曜劇場主演作。どうも前作のキャラを引きずっているように見えてしかたない。それにしても、異常なまでに用心深いとする男が痴漢を撃退しに立ち上がるとも思えず、「見知らぬ女」と酒を飲むなどありえない話ではないか。ただ、間抜けな男をもてあそぶ長谷川京子(美沙)の「イヤな女」っぷりには期待がもてる。その他、さまざまな人物が現れるけれど、その言動が伏線と思っていたら後でガックリなんてことに……なりそうな予感がしてならない。ともかく、「悲劇」の導入にしては主人公同様、脇が甘すぎる。(佐)




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