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| 弟 | (テレビ朝日系) |
| 制作/tv asahi、石原プロモーション 企画/早河洋、小林正彦 チーフプロデューサー/五十嵐文郎 プロデューサー/西河喜美子、大川武宏、福原昇 原作/石原慎太郎『弟』 脚本/ジェームス三木 監督/若松節朗 音楽/住友紀人 出演/ 【第1夜】 渡哲也、長瀬智也、徳重聡、萩原聖人、酒井法子、渡辺いっけい、名倉潤、国分佐智子、鈴木宗太郎(幼年期・慎太郎)、萩原竜之介(幼年期・裕次郎)、久保海晴(少年期・慎太郎)、富岡涼(少年期・裕次郎)、渡邉邦門(高校生・慎太郎)、武田航平(中学生・裕次郎)、中江智子、舟木幸、崎山凛、町田健一郎、中根大樹、金井竜翔、貞方徹、鈴木湧太、大浦詩由、渡辺宜嗣、伊東美咲、西村雅彦、萩本欽一、高島礼子ほか 【第2夜】 渡哲也、長瀬智也、徳重聡、仲間由紀恵、加藤あい、渡辺いっけい、名倉潤、田中美里、布施博、升毅、海東健、松田悟志、菅田俊、高杉瑞穂、嶋尾康史、工藤俊作、中根徹、西村淳二、桜井真由美、来須修二、高橋弥生、MARK、江畑浩規、岩間天嗣、平敷慶吾、黄川田将也、星野源、渡辺宜嗣、余貴美子、久本雅美、井上順、江角マキコ、高島礼子ほか 【第3夜】 渡哲也、長瀬智也、徳重聡、仲間由紀恵、加藤あい、東幹久、石原良純、石倉三郎、えなりかずき、中山秀征、布施博、石黒賢、佐戸井けん太、相島一之、佐藤二朗、山田辰夫、菅田俊、宮下裕治、池田努、嶋尾康史、福井晋、中根徹、桜井真由美、中村美沙子、小林恵美、相川やすし、渡邉泰人、研ナオコ、井上順、江角マキコ、小林稔侍、木梨憲武、高島礼子ほか 【第4夜】 渡哲也、三浦友和、長瀬智也、徳重聡、松坂慶子、仲間由紀恵、中田喜子、加藤あい、大杉漣、東幹久、石原良純、深江卓次、武田大和、菅原卓磨、木村昇、池田努、金児憲史、渡辺宜嗣、高杉航大、佐藤誓、田中豊、SAWACO、砂川政人、古屋海夏、小林亮太、北川晃、鈴木颯人、山下規介、中山忍、坂口憲二、佐藤B作、中村嘉葎雄、寺尾聰、神田正輝、舘ひろし、高島礼子、池内淳子ほか 【第5夜】 渡哲也、三浦友和、松坂慶子、中田喜子、大杉漣、東幹久、深江卓次、武田大和、菅原卓磨、木村昇、池田努、永山たかし、川村陽介、高杉航大、佐藤誓、内田尋子、秋元紀子、田中豊、山下規介、中山忍、坂口憲二、中村嘉葎雄、中村玉緒、舘ひろし、池内淳子ほか |
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第5夜(11/21放送) ☆☆☆ 解離性大動脈瘤の手術から奇跡の生還をとげたあとも、病魔に蝕まれ続けた裕次郎(三浦友和)の、闘病生活の最期の最期までを入念に描いた最終夜。マスコミの取材攻勢をかわすべく屋上から手を振った有名エピソードにいたった舞台裏や、続けざまに発病した肝臓ガンを本人には伏せておこうとする、裕次郎を取り巻く人間たちが神経を使うあたりも丁寧にすくい上げられている。とりわけ、告知しないしないという決断に、妻であり女である以上に女優であることを小林(大杉漣)から突きつけられるまき子(松坂慶子)の苦悩が切実で、そのあたりの単なる英雄の生涯伝にのみ終着せず、普遍的なホームドラマ化していくあたりにも好感が持てる。 まき子(仲間由紀恵→松坂慶子)、典子(加藤あい→中田喜子)、光子(高島礼子→池内淳子)の女性キャストは軒並みスムーズな移行だった。つまりは美形から美形へとのバトンタッチだったわけ。婦長役は中村“いのちの現場から”玉緒だけに安定感抜群。第四夜では一言も言葉を発しなかった向井千秋役が中山忍。 病気療養のために訪れたハワイで、裕次郎、まき子、渡哲也がスリーショットになるところでは、同時期に松坂慶子の息子役を演じている坂口憲二(『マザー&ラヴァー』)が渡哲也役だけに大いに違和感があった。慎太郎(渡哲也)が渡哲也(もちろん坂口憲二)と対面する場面はその構図自体はちょっと面白かったけれど。坂口憲二がやるのであれば若いころの渡哲也の方だったのでは。ただ一人、時を経ても役を演じ続けた金宇役の東幹久だけが白髪になっていたのには笑ってしまったけれど。人が変わってなくて何もやらないってわけにもいかなかったんでしょうね。 ヘンリー・フォンダの『黄昏』みたいな役がやりたかいという裕次郎の台詞にはホロッとくる。ぜひやっていただきたかったですね。享年52歳。父・潔と同じ歳で亡くなったというのも何か運命的なものを感じさせる。若気の至り、お互いのためにやってきたこと等々を慎太郎と裕次郎で交互に言い合う臨終前の場面がいい。お互いでお互いを補い合って人生を培ってきたその時々が蘇ってきて感動的。骨を海に返すラストも余韻があっていい。(麻生結一) 第4夜(11/20放送) ☆☆★ 『黒部の太陽』にすべてをかける裕次郎(徳重聡)の熱い思いに打たれ、慎太郎(長瀬智也)も乗り出しての久々のタッグマッチが功を奏して、五社協定を打ち破って三船敏郎のキャスティングに成功。ここで三船を誰が演じるのかを楽しみにしたが、結局物語には登場しなかった。改めて見直すと、『太平洋ひとりぼっち』と『黒部の太陽』が石原裕次郎主演映画の中では二大ベスト。このドラマから鑑みるに、それはご本人の意気込みとも一致するもののよう。著者(=石原慎太郎)の見解かもしれないけれど。 しかし、『栄光への5000キロ』以降はヒットに恵まれず、会社の屋台骨は揺らぐ。嫌々ながらにテレビ界に進出すると、ここで『太陽にほえろ』『西部警察』を連続ヒットさせて見事に再生。北原三枝改めまき子夫人(仲間由紀恵)が裕次郎に『太陽にほえろ』の出演を促す際、ファンも歳をとってるのにあなただけ青春送ってたらおかしいじゃない、と言い放つ、その的を得た見解には笑ってしまいました。 ところが、度重なるケガと病気の末に、『西部警察』の撮影中に昏倒して一時は生死をさまよう。手術が成功する可能性は3パーセントと担当医(舘ひろし)から言われるも、持ち前の生命力を発揮して奇跡の生還を遂げるところまでが第4話。 途中からキャストが時を経ただけのベテラン勢に総スライド。作家生活だけに飽きたらず、政界に打って出た慎太郎役は渡哲也になる。第1夜での父親役には当然のごとくまったく違和感がなかったのだが、渡哲也(坂口憲二)が隣にいるのに、本当の渡哲也は初老の慎太郎とは、頭ではわかってるんだけど、どうしても混乱してしまう。っていうか、渡哲也役がむしろ若返ったために(=坂口憲二)、いっそう小さく混乱してしまうんだけど。徳重聡の裕次郎に比べると随分寸足らずなれど、さすがに本当の近しい人だっただけあって、三浦友和の晩年の裕次郎は雰囲気をつかんでいる。それにしても、どうして金宇満司(東幹久)だけが老け役にならなかったの?髪を洗うシーンはいかなるドラマにおいても名シーンになるものだが、このドラマも例外ではなく、退院後の裕次郎の髪をまき子(松坂慶子)が優しく洗ってあげるシーンが感動的だ。 この第4話の裏白眉は、宝酒造のCMの再現かな。宇野重吉役でその息子・寺尾聰が登場。そのシーンのあと、松竹梅の実際のCMにかつてのバージョンが流されるのが洒落っ気があっていい。それにしても、宇野重吉と寺尾聰、似てるなぁ。っていうか、生き写しです。通りで寺尾さんはうまいはずです。(麻生結一) 第3夜(11/19放送) ☆☆☆ 『太陽の季節』のプロデューサー・水の江滝子(あまりにもはまり役な江角マキコ)のアドバイザー兼助演男優として映画初出演を果たす裕次郎(徳重聡)がフレームに写るなり、レンズを覗き込んだカメラマンは「阪妻がいる!」と叫ぶ。このスター誕生の瞬間から女優・北原三枝(仲間由紀恵)との運命の出会い、愛の逃避行を経ての結婚。さらには石原プロモーション設立までがこの第3話で、第2話とはうって変わって裕次郎がメインである。 最盛期を迎えていた日本映画のその時代と風俗が活気に満ち満ちて描かれているあたりには、大いにワクワクとさせられる。慎太郎役の長瀬智也は軟派かつスター然としているだけにむしろ裕次郎役にふさわしいと思うが、そうもいかなかった理由もよくわかる。徳重聡の歌に雰囲気が出てないのが残念。(麻生結一) 第2夜(11/18放送) ☆☆★ 父・潔(渡哲也)が急死し、慎太郎(長瀬智也)と裕次郎(徳重聡)がくっきりと違った生き方を歩み始めるあたりから、ドラマが本格的に躍動してくる。この第2話の中心は、まじめ一本やりで過ごしていた大学在学中の昭和30年、『太陽の季節』で芥川賞を受賞した慎太郎の話の方。野放図でしたたかな弟・裕次郎の生き方こそがペンを取らせたとの慎太郎の告白通り、父亡き後家計がひっ迫する中でも遊興三昧だった裕次郎の方向転換もまた、『太陽の季節』の映画化によるものだったとの相乗効果的相互関係が、ピタッと決まっている。そのクライマックスは、映画化の契約金の交渉を兄弟のタッグマッチで有利に進めるあたりだが、むしろ何気ない日常的な生活模様の方にしみじみとしてしまったりもする。その日常のパートでは兄弟の絆を育むのにヨットを買ってもらったりするのだから、庶民感覚からはすでに非日常なのだけれど。 最近お亡くなりになった小森のおばちゃま(久本雅美)が、『理由なき反抗』に関する慎太郎のコメントをとろうと自宅に押しかけるエピソードが笑わせてくれる。(麻生結一) 第1夜(11/17放送) ☆☆ 石原慎太郎が弟・裕次郎を描いた同名小説を、全5夜にわたってスケール壮大にドラマ化。このフレキシブルな時間割は「ニュースステーション」の時代からはちょっと想像できないのでは。ドラマのことだけを考えるならば、「報ステ」の方がありがたい番組ということになるか。もちろん、ドラマのことばっかり考えてるわけにもいかないわけだが。 この第1夜では昭和12年から25年までの戦争をはさんだ時代を、舞台を小樽から逗子に移しながら、父・潔(渡哲也)の男っぽい生き方を中心に描かれている。兄弟的叙事詩のオープニングだけにドラマとしてはまだ温まっていない感じだが、兄弟で模型飛行機を飛ばすシーンなどの印象深いシーンもある。 坂道を自転車で走っていて、勢いあまって転んでしまった裕次郎を見て、将来兄が弟を見送ることになることを悟るくだりや、弟を称して孤高の雰囲気と言いきってしまうあたりの思いっきりのよさには驚かされるも、不思議とてらいを感じさせないあたりは、伝説的兄弟の物語ならではか。とりわけ、2人の関係性、距離間はなかなか興味深い。(麻生結一) |
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