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めだか (フジテレビ系火曜21:00〜21:54)
制作/フジテレビ、共同テレビ
企画/石原隆、杉尾敦弘
プロデューサー/高橋萬彦
脚本/相沢友子
演出/木下高男(1、2、4、6、9、11)、植田泰史(3、5、8)、都築淳一(7、10)
音楽/住友紀人
主題歌/『正夢』スピッツ
出演/目黒たか子…ミムラ、椎名亮介…原田泰造、桜木拓…瑛太、川原由布子…須藤理彩、矢部弘紀…山本太郎、川嶋多英…木内晶子、高杉順平…平岡祐太、吉住明日香…黒木メイサ、武井康…加藤康起、山本えり…朝比奈えり、小松愛、刈谷六郎…泉谷しげる、根本ゆうや…遠藤雄弥、山方隆士、関鐘美、小山田修…山崎樹範、目黒みず江…市毛良枝、種田直文…小日向文世、国見祥子…浅野ゆう子、森本正治…林隆三、尾上寛之、半海一晃、手塚理美、末永遥、四方堂亘、景山仁美、升毅、山田明郷、郭智博、酒井若菜、山口馬木也、山口美也子、佐々木勝彦、大林丈史、内野謙太、中山仁、佐藤めぐみ、伊藤正之
ほか

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第11回(12/14放送)

 担当者から口止めされていたにもかかわらず、せっかく高まった小山田(山崎樹範)と由布子(須藤理彩)の結婚話を流してはならじと、その就職試験の結果をさも決定したかのように、しかもクラスみんなの前で伝えてしまうたか子(ミムラ)はやはり教師向きではないと、最終回の11回目にして改めて確認した次第。それは、教師としてあるまじき行為です。
 ご都合主義の展開は更にエスカレート。小山田が就職試験に落ちたからって、会社に直談判ですか。「もう少しで貴重な人材を逃すところだった」って、それで採用しちゃう会社も会社だけれど。
 卒業写真こそがタイトルバックだったというわけで、最後には吉住(黒木メイサ)までも理由が判然としないままに復活。このヒロイン、ミムラのキャラクターにあった役ではなかったとはいえないんだけど、パート2は何卒勘弁していただきたい。視聴率の惨敗ぶりからそれはないでしょうけど。(麻生結一)


第8回(11/23放送)
☆☆
 何とか育英基金を取り付けようと奔走するたか子(ミムラ)のがんばりもむなしく、結局家族で夜逃げしてしまう明日香(黒木メイサ)。このドラマに欠落している余韻のようなものがこの第8回にはあった点はいいんだけど、それ以上に問題点も気になった。
 連ドラの、しかも学園ものであるならば、結論に対する伏線はそれまでに刷り込まれているものであればあるほどに効果も高いはずだが、『めだか』の場合にはまるで1話読みきりのように伏線の距離が短い。明日香が椎名(原田泰造)のネクタイを気にするエピソードにしても、第1話からだって登場させられたはずなのに。
 その椎名が背負っているかつての教え子の死という過去についても、ここでいきなりに登場して解決してしまうのではいかにも底が浅い。ただ、原田泰造はやはりこういう苦々しい役のほうが柄に合っていると思う。(麻生結一)


第7回(11/16放送)
☆★
 メインストーリーは、娘・景子(酒井若菜)の婚約者(山口馬木也)に会おうとしなかった刈谷(泉谷しげる)の話。刈谷がなぜ定時制高校に通おうとしたかのきっかけを語る部分は素朴でいいのだが、いくら刈谷が会おうとしないといっても、家を飛ばして景子が学校に会いにくる段取りにはどうしても違和感があった。もちろん、他の生徒たちとも絡めなければいけないからなんだけれど。って、本当に他の生徒たちと絡めなきゃいけないんだろうか?
 職業訓練校に通う大人の生徒たちを描いた映画『学校V』のフランス映画みたいなタッチと比べれるのは酷かもしれないが、それにしてもこのドラマのひねりのなさには見るたびにがっかりさせられる。
 由布子(須藤理彩)と息子・数馬(佐藤和也)に由布子に思いを寄せる小山田(山崎樹範)を絡めた継続的なサブストーリーならばなおさら、ここまでわかりいい話にする必要があるんだろうか。(麻生結一)


第6回(11/9放送)
☆★
 たか子(ミムラ)と恩師である森村先生(林隆三)との関係性をもっと丹念に描いてたら、きっと感動的なエピソードになっていたはずなのだが……。病院と学校位置関係はご近所ってことは何となくわかるんだけど、学校の先生まで病院に勢ぞろいしちゃうってのもどうなんだろう。
 以前通っていた高校のクラスメートにして教育省高等教育局の局長の息子にいじめられている高杉(平岡祐太)を助けようとして窮地に追い込まれるたか子(ミムラ)の擁護側に、理事会の全権をゆだねられた国見(浅野ゆう子)が回るオチも予想通り。(麻生結一)


第5回(11/2放送)
☆★
 種田(小日向文世)は同じ高校の全日制に通う息子・清春(尾上寛之)と学内で親子だとバレたら即退学との約束をしていたために、いったんは学校をやめることを決意。最初はまったくやる気を見せなかったクラスメートたちがそんな種田のために大結束し、文化祭のマジックショーを大成功させる。
 つじつま合わせのあとだし的なエピソードが多いのには、毎度のことながら興ざめさせられる。肝心のアシスタント決めのエピソードをあっさりと省略するあたりももったいない。マジックショーに激怒する清春だけれど、去年もやったんじゃ?
 清春がクラスメートを侮辱したことを一喝する種田は父親の威厳を見せた?! 何としても清春をいい子にしなきゃいけなかったのはわかるんだけど。進学塾に転身することをやめる矢部(山本太郎)の動機も弱い。(麻生結一)


第4回(10/26放送)
☆★
 これまで口を利こうとしなかった高杉(平岡祐太)が話をしたことをきっかけに更なる一歩を踏み出させようと躍起になるたか子(ミムラ)は、「どうして?」「がんばれ」「親に心配かけるな」「男でしょ」などなど、不登校児に言っちゃいけないすべてを言っちゃったものだから、高杉はまたまた不登校に逆戻り。そんな軽率な発言を国見(浅野ゆう子)から非難されて落ち込むたか子だったが、末永遥扮する全日制に通うフェンシング部の女の子としゃべったことをきっかけに、高杉は途端に元気に。刈谷(泉谷しげる)による金も地位も名誉も女にもてたいがためにがんばる男論こそが正しかったという、高杉が抱えてる問題が恐ろしく単純化されたことでめでたしめでたし。最初、末永遥が登場したときには、ミムラの妹役なのかと思った。(麻生結一)


第3回(10/19放送)
☆★
 全日制に通う優等生・小峯(柳澤貴彦)が、たか子のクラスの小山田(山崎樹範)にカツアゲされたと告発。事件があった時刻のアリバイを探せ、とばかりにその同時間に買い物したレシート探すべく学校中のゴミをひっくり返して……。こういう使い古された展開のリピートを見るたびに、テレビドラマを見る価値そのものについて考えさせられたり。子供が熱を出して家に帰らなきゃいけなくなった由布子(須藤理彩)の代わりにたか子(ミムラ)がキャバクラでバイトって、こういう三流コメディ的なネタは脚本家の本意じゃないと思いたいところ。『エ・アロール』がとてもよかっただけに、群像劇はお得意なのかなとこのドラマにもちょっぴり期待してたんだけどなぁ。種田(小日向文世)がカツアゲされているのが実の息子である裏は見るからにわかってしまうし。(麻生結一)


第2回(10/12放送)
☆☆
 生徒たちが遅刻せず、授業態度もまじめに一変すれば、これは間違いなく第1回のラストにブチきれたたか子(ミムラ)の一喝が効果テキメンとなったからに違いないと思うも、実際は中間テストが近づく毎度のことでしかなく、というオープニングには意表ついた面白さがあってなかなか気が利いてると思ったが、気が利いていたのは残念ながらあまりにも短いここまで。
 工務店に勤める桜木(瑛太)が中間テストを受けに現れなかったのは、たか子と小学校時代の同級生であったことがバレてしまったからだとたか子は責任を感じるも、実際には自らの発注ミスによって一人でさばかなければならなくなった仕事が発生したためだった。さらには追試も受けられそうにないところを教師としてではなく人として何かをトコトンやったことがない、限界がわからないたか子が連日手伝って万事うまくいく、とのワンテーマで1時間を乗り切るのはちょっときつい気がする。みんなで手伝って、といかないあたりが定時制部を舞台にしている制約となっているわけだが、この調子でいって最後までに余剰人員を使いきれる?!
 相談したいことがあるとのいつもの手でまたまた約束をすっぽかし続ける明日香(黒木メイサ)に負けじと律儀に待ち合わせ場所のカフェに通いつめた挙句に、

「今日のご注文は……」

とウェイトレスに言われてしまうところにはクスッとくる。(麻生結一)


第1回(10/5放送)
☆☆★
 「でもしか先生」なる言葉にリアリティがあったのは随分前のお話で今は限りなく狭き門と聞くが、定時制高校の場合だったら状況が違っているとも思えないだけに、リストラされたOLがたまたま先生になるお話にいかほどの説得力があるのかに関してはいささか疑問。また、定時制高校が舞台のネタならば、NHKかTBSでやるのなららしい気もするが、CXだと角がとれたお話で落ち着いてしまうのではとの先入観もあってあまり期待せずに見はじめたが、ドラマは予想外のシリアステイストも含みつつ、ちょっといい予感を漂わせる。
 目黒たか子は略すと「めだか」じゃなくて「めたか」では?、などと最初は意地悪く模様眺めしていたが、小学校のクラス会で恩師の森村(林隆三)と再会するあたりからドラマは段々面白くなってくる。そして、虚偽性障害の生徒・明日香(黒木メイサ)のウソに振り回されるに、校内音楽会でピアノの伴奏の大役を任されるも失敗することを恐れて仮病を使って逃げ出してしまった小学生のころの忌まわしい想い出が蘇るにつけ、すべての怒りの矛先が己の独白に向かうラストはなるほどと思わせた。
 環境や条件に恵まれなかったとしても、その気になって努力さえすればみんなと同じスタートラインに立てるとの最終目標は定まっているだけに、あとはたか子とそれぞれの生徒たちとの関わりでどれだけの面白みを出してくれるかにかかってくるか。授業中に携帯で子供と話すにつけ、教師の授業を逆にうるさいと切れるシングルマザー・由布子(須藤理彩)、うちのクラスの子は小学校時代の同級生だった拓(瑛太)、どう見ても先生然としたサラリーマン生徒・種田(小日向文世)とキャラクターは揃っているし、明るい役はさっぱりも苦々しい役をやるとハマる原田泰造演じる学年主任の椎名もらしい感じでいい(ちょっと若すぎる気もするけど)。
 相沢友子脚本作への拒絶症状が『エ・アロール』で払拭されたことに確信を持てるような展開を大いに期待したい。ミムラは『離婚弁護士』の小気味よさが新鮮だっただけに、もう少しはつらつとしてくれてもいいと思ったけれど、ラストの啖呵とのギャップはなかなか効果的だった。(麻生結一)




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