レビュー：結婚のカタチ

結婚のカタチ

（NHK総合月～木曜23：00～23：15）

連続ドラマ
制作・著作/ＮＨＫ
共同制作/NHKエンタープライズ21
技術協力/NHKテクニカルサービス
美術協力/NHKアート
制作統括/内藤愼介、若泉久朗
作/青柳祐美子
演出/小松隆（1、2、6）、山下白（3、4）、高橋陽一郎（5）
音楽/千住明
主題歌/『大好きだよ。』大塚愛
出演/相馬有里…藤原紀香、中原大介…葛山信吾、高見沢恭子…紺野まひる、大庭薫…鈴木砂羽、徳永卓哉…白井晃、大庭正和…田中哲司、相馬俊一…井之上チャル、相馬佐奈…椎名法子、加川守…冨家規政、横倉隆志…井澤健、伊藤部長…丸岡奨詞、山田実…藏内秀樹、高見沢都子…夏木マリ、相馬和子…市毛良枝、沢井良夫…竜雷太ほか

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最終週「新しい旅立ち」（11/8～11/11放送）
☆★
　恭子（紺野まひる）メインで進めていたころはハラハラさせられるところもあったが、恭子が寝付いて以降＝善良性を見せはじめて以降はすっかり都合のいいドラマに成り下がった。都子（夏木マリ）の気分一つで、大介（葛山信吾）の会社も有里（藤原紀香）の会社も傾いたり持ち直したりって、そんなグズグズな設定があろうか。
　有里が完璧じゃなかったからめちゃくちゃにしてやりたかったと意味不明のことを口走る恭子は、どの面下げて相馬家に家庭訪問するかいな。冷静に考えると、一貫して壊れてたってことなんだけど。上海帰りに相馬家に行くのを忘れてた大介（葛山信吾）のボケっぷりも、意図のありなしで迷うところ?! 結局、前半戦の恭子のみが最高のドラマでした。（麻生結一）

第5週「絆が試されるとき」（11/1～11/4放送）
☆☆
　恭子（紺野まひる）は実は妊娠していなかったという展開はある意味予想通りも、その後恭子がベッドにはりつきっていうのはいただけませんね。繰り返しになるかもしれませんが、このドラマのキモは恭子なので、彼女が臥せっていたのではドラマが盛り上がるはずがない。独断的な恭子の母・都子（夏木マリ）のキャラクターも今一歩定まっていない印象。唯一ビリッとしたのは勝手に病院から出て行った良夫（竜雷太）に和子（市毛良枝）が愛情いっぱいの渾身の張り手をお見舞いするシーンぐらいか。
　それにしても、大介（葛山信吾）は何をどうしたいんでしょうね。（麻生結一）

第4週「ピリオドのない別れ」（10/25～10/28放送）
☆☆
　恭子（紺野まひる）が悪玉ぶり全開に有里（藤原紀香）を圧倒して大介（葛山信吾）を陥落させるまでに至った先週に引き続き、第4週の序盤は絶好調だった恭子。妊娠検査薬をポロリとさせることで有里に傾きかけていた大介の引き留め工作に成功し、さらには相馬家にまで押しかけて妊娠宣言の猿芝居をうつや、もう一人じゃないんだなんて言い放つ始末。
　まったくこの女はとせっかくうれしくなっていたところだったのに、母・都子（夏木マリ）が出張ってくるなりいきなりしおらしくなっちゃって、若干トーンダウンの印象。もちろん、このドラマの主役は有里なのだから、それはそれでいいのかもしれないけれど、やっぱり恭子の存在こそが面白いので。（麻生結一）

第3週「天使の素顔」（10/18～10/21放送）
☆☆★
　前週からさらに有里（藤原紀香）よりも恭子（紺野まひる）が大いに目立ってきて、ドラマの面白みもアップ。その最高潮は、大介（葛山信吾）が見ている前で、有里から突き落とされた風に階段から落ちる恭子の転がりっぷりか。しかも、あれだけの転落にしてまったくの無傷とは、恭子恐るべし！何食わぬ顔でサロン・ド・高見沢に行っちゃったし。俊一（井之上チャル）を車でケガさせたのも恭子って、何たる早技か。『ホームドラマ！』という一つのドラマ内での薄幸役からコメディロールへの転身もビックリだったけれど、今回の紺野まひるはさらに強力だ。（麻生結一）

第2週「愛は戦い」（10/11～10/14放送）
☆☆
　有里（藤原紀香）と大介（葛山信吾）の揺らぐ事実婚のカタチが、20年前に蒸発した有里の父親・良夫（竜雷太）の緊急入院に際しても仕事を優先させる有里の姿勢によっていっそう顕著になる。

有里「私はあなたの何なの？」

の一言がこのドラマのすべてを物語っているか。

大庭（田中哲司）「せめてフリだけでもいいからさ、有里ちゃんは大事にしないと」

との台詞は男の会話としてはリアリティがないけど。何はともあれ、有里は恭子（紺野まひる）にやられっぱなしです。（麻生結一）

第1週「事実婚のふたり」（10/4～10/7放送）
☆☆★
　34歳になる同時通訳の相馬有里（藤原紀香）は、広告デザイナーの中原大介（葛山信吾）と一緒に住んではいるけれども籍は入れていない事実婚の関係。事実婚3年目にして有里は大介に女の影を感じる……。
　その女こそが妹・佐奈（椎名法子）の高校時代の同級生にして、大介のクライアントであるサロン・ド・高見沢の跡取り娘・恭子（紺野まひる）で、恭子にとって有里は憧れの人とのおまけつき。そのドロドロの入り組み具合はちょっとした昼ドラ風。“事実婚”とのキーワードからしてほのぼの調を予想するも、実際は『ブルーもしくはブルー』と『昔の男』を足して2で割ったような路線だったか。青柳祐美子脚本作としては、すでに『こころ』は超えてる?!（麻生結一）