レビュー：ああ探偵事務所

ああ探偵事務所

（テレビ朝日系金曜23：15～0：10）

制作/tv asahi、ＭＭＪ
チーフプロデューサー/黒田徹也
プロデューサー/杉山登、遠田孝一
原作/『ああ探偵事務所』関崎俊三
脚本/高山直也（1、3、4、8、9、11）、田辺満（2、6、10）、旺季志ずか（5、7）
演出/今井和久（1、2、5、11）、小松隆志（3、4、7、9）、田村直己（6、8、10）
音楽/SUPER SONIQ.inc.
主題歌/『夕焼けファルセット』175Ｒ
出演/妻木…永井大、井上涼子…酒井若菜、森野泉…辺見えみり、曽根慎太郎…金児憲史、スケアクロウ…阿南健治、さくら…牛尾田恭代、半海一晃、大西武志、左近香澄、菅原舞、鮎川あみ、戲武尊、古田新太、七枝実、村松保利、小村民生、中澤愛美、斉藤ルイ、篠田伸一、根本はるみ、石井希和、土田晃之、坂田聡、六角慎司、猫田直、辻修、小林滋央、小林美江、伊藤幸純、光宣、市川しんぺー、かわいかおり、横山華、岩戸大星、依田悠希、深澤嵐、須永慶、亜南、松川真之介、花原照子、今永瑠衣、しのへけい子、ウエンツ瑛士、矢部美穂、すほうれいこ、久保晶、宮内順子、亀山助清、羽野敦子、大山裕子、金子昇、山川恵里佳、森次晃嗣、山田明郷、野仲功、まいど豊、竹匠、立花さおり、広瀬謙二、高樹マリア、団時朗、斉藤陽一郎、大城美和、夏目ナナ、顔田顔彦、山崎潤、市川勇、瀬戸陽一朗、やべけんじ、不二子、唐橋充、伊藤修子、京極圭、沢村一樹、遊井亮子、嘉門洋子、堀越のり、羽野敦子、鈴木美恵子、島ひろ子、藤本浩二、岩崎ひろみ、上原美佐、マギー、菊池均也、牧トオル、首藤健祐、森沢早苗、神保悟志、小向美奈子、岡本舞、久野真紀子、中村綾、乃木椋介、野添義弘、中根徹、山中聡、中村育二、深水三章、滝沢沙織、井澤健、寺田農、桜庭博道、中村祐樹、門利眞吾、伊方勝、大橋寛展、黒澤愛、瀬戸準、椎名実果、広井あくあ、相川みなみ、杉本彩、井田國彦、大高洋夫、斉藤暁、赤星昇一郎、田中景花、日野原きみ、香取廣美、三国由奈、細川智三、みやけみつる、角谷翠里、田村麻美、平川愛、川島史奈紋、川島小小夏、高橋克典、松本康介…東幹久、藤島薫…川島なお美ほか

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第11回（9/17放送）
☆☆
　元アイドルにして今や低俗なラジオの深夜番組のDJ・マリモ（杉本彩）に対するストーキングに便乗して、マリモを愛するがあまりにマネージャー・塚田（井田國彦）が脅迫状を送っていた真相自体は大して面白くないが、永井大も助演していた『特命係長・只野仁』の只野（高橋克典）が意味もなく特別出演するパートと、監禁されたマリモのピンチヒッターとして元ミスDJの川島なお美演じる薫が声のフェロモンを奮発するオチにはニンマリ。そういえば、ああ探偵事務所の新代表となった涼子（酒井若菜）に味噌汁ぐらいは作ってもらったかもしれない松本役の東幹久も、『只野仁』ではカミソリの竜として裸になってましたよね。もはや東幹久はこっちの路線の方が本流になりつつあるけれども。（麻生結一）

第10回（9/10放送）
☆☆
　金曜ナイトドラマの常連がズラリと揃ってのデジャ・ヴ的ドッペルゲンガー物だが、永井大が演じる二役の合成以上の面白みはなかったか。大黒組の跡取り息子・健（永井大＝二役）を組から開放すべく、仕立てた影武者の妻木（永井大）を身代わりに殺そうとする大黒組幹部・竹田（中村育二）の忠誠心が浅はかに思えてしまっては、どうにも具合が悪い。
　永井大＝滝沢沙織ラインは『アットホーム・ダッド』『純愛果実』他多数。キャバクラのシーンにトップレス三昧って、こういう絶滅寸前のテレ朝テイストが保全されてるのって、この枠ぐらいでしょうね。（麻生結一）

第7回（8/20放送）
☆☆★
　「遊ばれたナース！白装束女の呪い」のおどろおどろしい副題をそのままに体現するナースにして占いサークルのリーダー・英子（岩崎ひろみ）と、英子の助言により丑の刻参りでわら人形を打ちつける美和（上原美佐）の復讐の化身ぶりは毒々しいも、占いサークルに飛び入りする涼子（酒井若菜）のガス抜きっぷりでおちゃらけ加減も混ざり合っていい案配に。
　泉（辺見えみり）が調査していた失踪事件と看護師寮が取り壊される話がリンクして、殺害したかつての恋人を掘り起こしている英子の様はなかなかに強烈。それにしても、女たらしの医師・中島役がなぜにマギー?!（麻生結一）

第6回（8/13放送）
☆☆☆
　最近なかなかチケットが手に入らないほど人気がある劇団常磐線（「劇団」と「常磐線」の間に入るのは、☆じゃなくて太陽マーク！）に対する数々の嫌がらせを暴くべく、妻木（永井大）が研修生として稽古場に潜入する際のコスチュームが、舞台の演目『シャーロックホームズの事件簿行列の出来る殺人事件』にあわせてホームズ風だったりといったお気楽脱力ぶりとお得意の小ネタ満載に加え、バックステージ物の面白みも合わさってなかなか充実した出来栄えとなった第6回。この劇団が上演してきた代表作として、『熱海よい風呂殺人事件』『センター城の踊り子』『朝日のような夕日はまぶしい』との列挙には、小劇場ファン限定でうけたかも?!
　演出家のミケランジェロ松戸（沢村一樹）はブレイク後も居酒屋でバイトして初心を忘れないって、ドラマとあんまり関係ない設定もひねってきてて楽しい。看板女優、我孫子香織（嘉門洋子）はペンキかぶったり自転車ごと川に落ちたりと、意味もなく体張ってる感じが涙ぐましいし。
　ホームズ、金田一、コロンボ、家政婦の揃い踏みが見てみたい『行列の出来る殺人事件』のゲネプロで、犯人だった助手の原ノ町真紀（遊井亮子）に涼子（酒井若菜）が助手の悲哀をオーバーラップさせるあたりにはしみじみ。ギャランティとしての現物支給の卵をハードボイルドしておけばよかったとのオチもおあとがよろしいようで。（麻生結一）

第4回（7/30放送）
☆☆
　失踪した婚約者を探してほしいという美智子（山川恵里佳）からの依頼に、妻木（永井大）が繰り広げる緩い七変化ぶりが見どころといえば見どころ。顔を変えたホストのキヨヒロ（金子昇）こそがその婚約者も、ざっくりとくくれば人間は顔じゃないよという結論?! CXのディビジョン１よりもむしろBテイストなところが、これまたらしいといえばらしい。（麻生結一）

第3回（7/23放送）
☆☆
　緩さに味がある典型的な深夜ドラマ的探偵モノなので、その遊びの自由度にこそ魅力があるが、探偵モノらしいキャラクター設定にもパロディ的な面白さがある。
　絵文字ならぬ、英語をよく似た日本語に置き換えてメッセージを書いていた雄介（ウエンツ瑛士）が、かつて愛し、そして裏切られた（と思い込んでいる）塾講師・真希（矢部美穂）への思いを、年上の女性への復讐心として捻じ曲げていくお話の中で、その動機が明かされる舞台として岸壁が選ばれているあたりも確信犯的で楽しい。
　泉（辺見えみり）がおとり捜査で試みる別れさせ屋的なるものって、ちょっと前に日テレでそういうドラマもやってましたね。涼子（酒井若菜）の女子高生コスプレつき。（麻生結一）