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大好き!五つ子6 (TBS系月〜金曜13:00〜13:30)
愛の劇場
製作/DREAMAX TELEVISION、TBS
企画/山田康裕、植田博樹
プロデューサー/荒井光明、吉川厚志
脚本/浪江裕史、福田裕子
演出/荒井光明、森嶋正也、吉川厚志、山口祐司
音楽/旭純
主題歌/『雨上がりの急な坂道』little by little
出演/桜井桃子…森尾由美、桜井良介…新井康弘、拓也…谷野欧太、美穂…新穂えりか、慎吾…中野勇士、紀香…荒井千歩、剛…金澤翔太、桜井周平…見栄晴、桜井恵…長谷川真弓、岡村幸代…宝積有香、西園寺小百合…佐久間由枝、西園寺一…飯田基祐、立石真理子…伊藤さやか、男…小林けん太、生協の客…代田勝久、加藤美咲…前園りさ、竹内由佳…鈴木かすみ、西園寺樹里…平本亜夢、西園寺大輝…荒川澪音、桜井亜理紗…斉藤瑠花、桜井正広…中西凛太郎、翼…有馬花怜、満里奈…宮内彩花、松崎友広…上條誠、松崎栄美…日高里菜、直樹…永島謙二郎、キャシー…安西楓、福山翔太…城野真之介、立石耕治…伊藤拓也、中学生の小百合…武田りり、生協の客…松永玲子、坂下務…春海四方、工藤晴江…菊地幸代、竹内真紀子…あいはら友子、桜井良枝…岩本多代、楠健一…天田俊明、楠千絵子…茅島成美
ほか

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第7週(8/30〜9/3放送)
☆☆☆
 好調だった第6シリーズの有終の美にふさわしく、東京、鎌倉以外に飛び出しての北海道編がこれまた今までとは違ったスペシャルな感じ。月曜日は、樹里(平本亜夢)のために西園寺(飯田基祐)が滞在しているはずの北海道へ極秘裏に行く計画を立てるも資金不足だった五つ子たちが、由佳(鈴木かすみ)からお年玉6万円の無償提供を受けて大感激、というお話。行き道のことばかり考えてたら、帰るお金のことを忘れてたって、そんな無謀な。片道切符の旅の安堵感も、北海道に西園寺がいるという仮説の上に成り立っているだけに、見てるほうとしてはハラハラさせられそう。
 その計画が桃子(森尾由美)と良介(新井康弘)にバレそうになるたびに、夏休みの宿題をみんなに手伝わせようとしている美穂ネタにふられるあたりがかわいそう。

美穂「家事はベテランよ。明日にだって結婚できるわ」

とは、いつもながら頼もしいことです。
 火曜日は、ルールを破らなきゃならないときもある、と涙ながらに力説する美穂が感動的。帯広空港に着くなり、剛が(金澤翔太)がお金をなくしちゃった!この子にだけは経理担当させちゃダメでしょうに。慎吾(中野勇士)の機転で、旅館のマイクロバスに帯広駅までは乗せてもらうも、美穂のお色気ヒッチハイク作戦は不発。どんなに窮地に追い込まれようとも、紀香(荒井千歩)はお弁当のことだけはわすれない。
 驚かされたのは、五つ子プラスワンの北海道行きを知ってしまって放っておけなくなった唯一の大人な参加者、美咲(前園りさ)のまったくの無策ぶり。心配しているであろうと桜井家に電話するべく、美穂は美咲に携帯を貸してほしいと頼むも、美咲は水にぽちゃり。かなり間抜けキャラです。
 水曜日。公衆電話から無事の電話を桜井家にかけるも、

美咲「私が責任を持って、みんなを連れて行きますから。だからどうか心配しないでください」

って、心配だなぁ。結局、廃線になった幸福駅にある列車の中で野宿することに。なのに、美咲は野宿じゃないって言い張ってるし。食料は紀香のストック分で万全。紀香の食いじが思いもかけず役に立つあたりは、ピカレスクロマンでよくあるエキスパートのエピソードみたい。
 張本人である小百合(佐久間由枝)が弱気の虫から東京に残ると言い出すと、

桃子「逃げちゃダメよ」

と強烈な張り手を繰り出した桃子には深く納得。ただ、大人4人で北海道に行くとなると、出費もかさむでしょうに。千絵子(茅島成美)は留守番でもいいかと思ったが、無策な美咲の保護者という位置づけなんでしょうね。
 木曜日。足の負傷が悪化して、もはや先に進めないことを自覚して、自分を置いて行くようにと言い放つ美穂は見上げたものだが、

美咲「私も残るわ」

って、桃子たちとの約束は反故にする気?年齢は18歳のはずでしょ。まぁ、ここまで役立たずぶりを発揮してくれると、かえっていとおしくもなってくるけれども。
 第1回から話題にのぼっていた西園寺が、ついについに姿を現す。樹里との対面シーンと同じくらい、西園寺が見られたことに感激したりして。以前から思っていたのだが、短髪に無精ひげな感じだと飯田基祐はいっそうラウル・ブラボ(レアル・マドリード所属)にそっくり。ご確認ください。
 怒られるのを覚悟で樹里のために北海道行きを決断した五つ子たちに対しての、

良介「バカやろう」

の一言は温かみに満ち満ちている。自分たちのためじゃなく、誰かのためにルールを破った子供たちの成長にうれしがる良介と桃子にしみじみ。
 東京に帰ってきても北海道ボケが抜けず、ダラダラとなる五つ子男性陣とは対照的に、

美穂「人生が変わったのよ。何だってやれば出来るんだわ」

とパワーアップしている美穂が頼もしい。由佳の登場で途端に活気づくあたりは、おなじみのお笑いで。由佳に借りたお金の返済は、アルバイトができるようになった遠い将来、自分たちで働いたお金で返すことで締結。五つ子なんだから来年のお年玉を持ち寄れば完済出来そうなもの、との現実路線は取りませんか。
 金曜日。小百合はみんなに使わせてしまった分のお金を返すも、千絵子(茅島成美)の分だけは「ごめんなさい」って、そんなバカな。

小百合「私、この夏のみんなのこと、絶対忘れない」

の感動的な一言と足し引きすれば、プラマイゼロぐらい?! 千絵子が今は亡き夫・健一(天田俊明)と縁側で会話を交わす場面はマイナスなくいい。天田俊明は先週回と今回で2シーンに登場。
 アメリカンな悪ガキを遺憾なく発揮していた樹里の感謝の言葉を受けて、

美穂「今度は一緒にバーゲン行こうね」

とはいかにもらしい別れの言葉。ちなみに美穂の将来は、軽井沢の別荘と東京のマンションに住んで、作家とコーディネーターをやることでとりあえずは固まった模様です。
 小百合たちが去ったあと、五つ子たちは部屋を移動することを認められるも、あと10年もすればみんなバラバラになってしまうからこそ部屋は移らないとの決断は、『大好き!五つ子』に相応しい締めくくり。高校生になったら、あと5年もある、なんて言い出しそうだけど。昔の五つ子たちのイメージフラッシュも、美穂が一番長めでした。“See You Again”の言葉通り、来年以降も引き続きシリーズを継続していただいて、『天までとどけ』を追い越しちゃってください。(麻生結一)


第6週(8/23〜8/27放送)
☆☆★
 1話に1テーマプラス、第6シリーズの横糸である小百合(佐久間由枝)の離婚話に、由佳(鈴木かすみ)が新しいパパを受け入れられるかという週またぎのエピソードと、情報量の多さはもはやとどまるところを知らず。
 月曜日はおせっかいのお話。桃子(森尾由美)はスーパーで老人の荷物を持ってあげようとしておせっかいだと怒鳴られ、部屋に閉じこもる美穂(新穂えりか)の心配をしてまたまたおせっかいだとウザがられる。すっかり落ち込む桃子だったが、

「思いやり 人から見れば おせっかい」

との川柳などを交えつつ、おせっかいの開き直り方を千絵子(茅島成美)から伝授されて大復活。
 友達のアクセサリー選びをコーディネートしてあげたつもりが、おせっかいだと言われて美穂(新穂えりか)もまた実は落ち込んでいた、という二重構造がなかなかニクい。岡村(宝積有香)から桃子のおせっかいを絶賛されて、美穂が心からのおせっかいの美徳に目覚めるあたりのポジティブなまとめ上手ぶりは安定感抜群。一つ気になったのが、美穂を気づかったつもりがやはりおせっかいだと煙たがられ、逆ギレする紀香(荒井千歩)のこのところのキレやすさ。ちょっと怖いし。
 火曜日はちょっと妙なお話。ラーメン屋のチェーン店に出資した100万円が半分しか戻ってこなかったことを周平(見栄晴)から相談された良介(新井康弘)は、みんなには黙っていてくれと周平からのお願いを律儀に守るも、桃子から問い詰められて他人にはいいたくないこともあると言ってしまったものだがら桃子がカチンときて。千絵子から説教され、今は亡き桃子の父・健一(天田俊明)と桃子には絶対嘘をつかないとかつて約束したことを思い出した良介は、すべてをディスクローズしてめでたしめでたし、って約束を破られた周平の方はどうなるの?夫婦だからって隠しごとゼロ主義は極端だと思うけど。健一の回想シーンは昔の場面ではないはず。森尾さんの若づくりでバレる?! もちろん、大人の魅力は隠せないという意味で。
 中学校の先生と結婚することを報告に来た岡村(宝積有香)。そんな岡村との結婚を妄想する拓也(谷野欧太)、慎吾(中野勇士)、剛(金澤翔太)の三者三通りのベタさも楽しいけれど、

美穂「背が高くてカッコがよくて、半端じゃないお金持ちで、私を自由にしてくれて、私を心のそこから愛してくれる人!」

からはじまって、発言がことごとく無視される美穂がおかしくてかわいい。
 水曜日。再び就職試験に落ち、ウォーミングアップ気分で桃子と一緒にスーパーのパートをはじめた小百合(佐久間由枝)だったが、真紀子(あいはら友子)の客に喜んでもらうために献身さを目のあたりにして反省。生きてるって実感できる仕事を探している小百合にあこがれる美穂の将来の夢は、ミステリー作家?、ファッションコーディネーター?、それとも最年少で芥川賞受賞?その気の多さをつっこまれるも、マルチな夢はそれだけ可能性をひめてるとは、いかにも美穂的な発想。
 木曜日と金曜日は、小百合と樹里(平本亜夢)それぞれに西園寺(飯田基祐)から送られた手紙が巻き起こす波紋。ただ、いくら心のこもったバースデーカードだからって、送り主の写真付きってのは聞いたことがないけれど。せめて同封でしょうに。
 美穂は算数の宿題以外何も終わってないにもかかわらず、樹里を誕生日にパパと会わせるため、手紙の消印が帯広だったことを手がかりに北海道行きを画策する。持ち寄ったお金は最小の260円でも開き直って、

美穂「女の子とはお金がかかるのよ」

というわけで、最終週は北海道編になるのかな。(麻生結一)


第5週(8/16〜8/20放送)
☆☆☆
 このドラマの居心地のよさは何処にと思っていたのだが、第5シリーズの、しかも最終盤にしてついに発見?! 何かしらの過ちを犯したとしてもそれに気がつくなりすぐさま自分の行いを反省し、さらにはマイナス要素分を取り戻そうと一所懸命にがんばる桜井ファミリーの潔さにこそ尽きるでしょ。
 月曜日の、慎吾(中野勇士)と剛(金澤翔太)がサッカーの練習中にチームメイトの立石(伊藤拓也)とケンカになってしまった話にしても、剛の反省→謝罪に対して、テクニックに優れる立石も剛のチームの精神的支柱ぶりを認めざるを得ないとの展開の電光石火ぶりがいかにもらしい。
 火曜日、水曜日、木曜日の途中までは、母・真紀子(あいはら友子)の再婚を受け入れられず、家出する由佳(鈴木かすみ)のお話。美佳の落ち込みぶりを遠距離恋愛経験者である美穂(新穂えりか)は、北海道に好きな男の子がいると推理。公園で北海道と書かれた袋を男の子から受け取っていたという良介(新井康弘)の証言により、ずばり的中と思い込んで得意げにパイプもどきを加えた美穂がケッサク。本当は単なるいとこだったんだけど。

美穂「男って、何で美人に弱いのかしらね」

との名言にとどまらず、新しいパパなんていらないと美佳の気持ちを真紀子に代弁直談判するあたりの行動力もさすが。由佳だけではなく、母親(=真紀子)にも頼れる人が必要なのかも、といいながら晩酌する桃子(森尾由美)と良介の夫婦ぶりもいい感じ。
 木曜日の途中から金曜日は、子供が生まれて以来、映画もお芝居も見る機会がなくなったという桃子のために、五つ子たちが自主映画作りをするお話。『ローマの休日』を見て女王様の気分になった美穂は心から思う。

美穂「何で日本人に生まれてきちゃったのかしら。神様って残酷よね」

両親に映画をおごろうという意見にも、

美穂「私ね。お金がないと人にやさしくなれないたちなの」

とは何て現金な。
 その自主映画作りの主演に自らが立候補する美穂と男性陣がプッシュする由佳との主役争いも見もの。脚本家とカメラマンはどちらが偉い?との論争に、演出の概念が欠落しているあたりもそれっぽいなぁ。結局、シナリオも演技もカメラも最低で、ママを感動させる域ではないと判断された映画『ある夏の日』はある意味ケッサクでしょうに。もちろん、6シーズン分の積み重ねがにじみ出る日常の一コマを切り取った感謝メッセージつきの最高の名画には、桃子のみならず泣けてくるのだけれど。小百合(佐久間由枝)の就職活動はいまだに決まらないあたりの長期的な苦々しさも効いてる。(麻生結一)


第4週(8/9〜8/13放送)
☆☆★
 先週、今週と脚本が福田裕子に交代していてたが、ドラマのテイストはこれまでといっさい変わらず。ここまでキャラクター設定が出来上がっていると、ちょっとやそっとじゃ危うくなるようなこともないでしょうしね。
 というわけで、今週は恒例の鎌倉編。美穂(新穂えりか)はその日の気分で何を着たいかわからないのだからと多めに服をもっていこうとするところを桃子に摘発されてしまう出だしだからすこぶる好調の月曜日。永遠の美肌を手にするには若いころからガードしなくちゃと、日焼け止めクリームを持参する美穂の用意周到ぶりは期待通り。
 亜理沙(斉藤瑠花)は初登場しばらく総じて元気がないという法則は、この第6シリーズでも守られた?! 例年以上の暗く落ち込んでいたのは、大切にしていた自転車を盗まれたため、という話がこの第4週の横糸の1本。もう1本は、リフォーム計画の家族会議で盛り上がる一家団欒に水をさす、警察を辞めたいと切り出す周平(見栄晴)の男としてのチャレンジについて。東京で一人になった桃子の一人芝居ぶりが楽しい。
 火曜日。警察からラーメン屋への転職を決意した周平と、妻・恵(長谷川真弓)と母・良枝(岩本多代)が激突。夕飯の険悪な雰囲気には美穂でさえ口を挟めず。こりゃ、大変だ。その美穂は、自転車泥棒をとっ捕まえるべく、捜査会議を招集。
 水曜日、いよいよ自転車泥棒の捜索が開始された。まずは手始めに、害者の聞き込みからと美穂は意気込みも、普通に被害者って言えよと拓也(谷野欧太)から鋭いツッコミが。

「謎は解けたよ、ワトソン君」+ジャジャン

って、『ケイタイ刑事』シリーズと同じだと思ったら、先週から交代した脚本家は『ケイタイ刑事 銭形愛』の脚本も担当していました。最も得意なところだったのね。
 木曜日。実は会社を首になっていたことを桃子に告白する小百合(佐久間由枝)。ほんの数日で会社が新しく入った社員を首にするとちょっと考えづらいけれど、よほどのミスを犯したってこと?臨時雇いだったとしても、ちょっと苦しい展開では。
 「連続自転車とうなん事件捜査本部」の垂れ幕を前に、番地と町目の足し算が自転車が捨てられる日になるという数式をひらめいた捜査司令官の美穂。犯人を捕まえるまでは、2学期になろうが中学生になろうが東京に帰らないと宣言するあたりが何とも勇ましい。
 結局、周平もずっと自転車泥棒の聞き込みしていたということで名誉回復なるも、子供たちに先んじられるとはやっぱり「カッコ悪い」のでは。男にとって大切なのは、チャレンジする勇気じゃなくて、ひとつのことを続ける根気だって言われて、ますますつらい気持ちに?!
 金曜日。週はじめに男性陣が東京に残ると言い出したのは、もちろん桃子のことを心配してからではなく、由佳(鈴木かすみ)の誕生日を祝えなくなるから。良枝の許しをえて東京にとんぼ返りすると、間髪おかずに由佳の誕生日パーティになだれ込む。ケーキ作りのエピソードでは、例え由佳の母・真紀子(あいはら友子)の手作りケーキでなかろうと、由佳の誕生日は楽しい思い出に違いないと由佳に対して必要以上に気を使う男性陣に渇を入れる美穂の懐の深さにカンドウ。遊びの勉強のオンとオフをつけようと言うわりに、ずっとオフのままとはまたらしい感じ。(麻生結一)


第3週(8/2〜8/6放送)
☆☆☆
 1話1エピソード以上の盛りだくさんぶりには頭が下がるばかり。毎年話をリピートしてるだけなどと言ってはいけない。微妙なニュアンスの違いでこれだけ鮮度を落とさないのは大したものです。
 月曜日。慎吾(中野勇士)が足を擦りむいてサッカーの試合のスタメン落ち。代わりに剛(金澤翔太)がスタメンでフォワードに抜擢される。家族総出の応援ムードをぶち壊す慎吾の不可解な態度にちゃんと意味があったことは、桃子(森尾由美)の不安げな表情が察することができるというこのシリーズの十八番的展開。
 火曜日。美咲(前園りさ)が大学で児童心理学、とりわけ双子のシンクロニシティを研究したいと言っていたのを聞いた拓也(谷野欧太)は、何かとバラバラな桜井家の五つ子にもシンクロニシティがあると確信。夏休みの宿題をかけてじゃんけん実験をはじめるも、美穂(新穂えりか)がグー、チョキ、パーのいずれにも勝てるという“オールマイティー”なる三本指を突き立てる裏ワザを繰り出したことで実験は失敗に。宿題は当番制にするべきだという美穂の主張には誰も耳をかさず。
 実験の第2弾はNHK的な連想ゲーム。今一番人気がある犬とのお題にアイボ派とチワワ派に分かれて実験は完全に失敗かと思われるも、千絵子(茅島成美)の家でせんべいを食べ過ぎて腹痛を起こした拓也のもとにいっせいに家族全員が集まってきて、これもシンクロニシティかもというオチ。
 水曜日。美穂の

「ひらめいた!」

の一言で、着られなくなった洋服のガレージセールを開くことに。ところが、おままごと感覚でやるんだったらやめた方がいいと男性陣のアイドル・由佳(鈴木かすみ)に難癖をつけられたものだから、美穂がブチ切れ!由佳の母であり、桃子が勤める生協の店長でもある真紀子(あいはら友子)の提案により、生協の前に店開きしたガレージセールは大盛況だったけれど、美穂と由佳の女のバトルはおさまるどころか今後も大いに盛り上がりそうで楽しみ。桃子(森尾由美)と良介(新井康弘)のマッサージスキンシップはやはり定番中の定番です。
 木曜日。恒例の鎌倉行きに、良枝(岩本多代)と周平(見栄晴)に遅れて、恵(長谷川真弓)が初登場する。父親を恋しく思う樹里(平本亜夢)の気持ちをクローズアップしたメインストーリーは、この第6シーズンを通しての横糸。
 金曜日。鎌倉行きに剛が異議を唱えたのは、パートで忙しい桃子のお手伝いシフトを崩さないようにと考えた末だった。剛も随分大人になりました。というわけで、来週は鎌倉編。ところが、来週の金曜は由佳の誕生日で、このことに男性陣は大いに悩むことになりそう。女性陣は鎌倉の海に似つかわしいビキニ購入が受け入れられず、不満爆発?!(麻生結一)


第2週(7/26〜7/30放送)
☆☆★
 小百合(佐久間由枝)の離婚問題はさらに持ち越し。昼ドラらしからず1週間でエピソードが完結しないも、このシリーズの場合は手数自体が通常より多めですからね。
 月曜日は恒例の通知表チェックからスタート。こういう絶対的な型をもってるっていうのは強いよ。国語をがんばった美穂(新穂えりか)は18歳で史上最年少芥川賞受賞し、綿矢りさ越えを宣言。かつての夢もごっちゃにガラガラポンして、ミステリー好きの芥川賞作家のコーディネーターを目指す?! よく考えると、桜井家の五つ子たちもこれで小学生最後の夏休みなわけだから、そうなるとこのシリーズもこれでお終いなんだろうか。
 桃子(森尾由美)は生協でパートを開始。自給800円で1日4時間働いて3200円、週4日で12800円、1ヶ月で51200円、これを来年の4月まで続けたら40万9600円で、何かと物入りな子供たちの中学入学式にほぼピッタシで間に合う。そんな桃子をヘルプするためのリーダーに剛(金澤翔太)が就任。生まれてはじめてのリーダー格に舞い上がる剛の自己犠牲も、結局はみんながいいように剛を使っているだけと紀香(荒井千歩)が怒りを爆発させたおかげで、分担システムはどうにか起動することに。
 火曜日。今年の五つ子たちの夏休みは家事で終わってしまう?! 少なくとも美穂は芥川賞を狙う前に夏休みの読者感想文を仕上げるべきか。通知表がオール5だった拓也(谷野欧太)は駿台の夏期講習に行きたいのだけれど、桜井家の財政状況を思うと言い出せない。そこに再び紀香の激が飛び、私立中学受験を目指すことに。紀香の鶴の一声は今後の定番になっていくのかな。
 水曜日。桃子を評して、主婦は社会人の自覚が足りないとはいかにも美穂が言いそうなことで。そんな美穂は仙台のボーイフレンド・勇太(小池城太朗)からの手紙に女の子と一緒に写っている写真が同封されていることに激怒。男子の面々に言わせると、美穂こそが男の気持ちがわかってない=だからもてないとの評。
 北海道から上京してきて予備校に通っていたはずの美咲(前園りさ)は、恋する先輩がバイトしているモンスーンカフェで学校をサボってバイトしていたことがバレてしまう。そんな色っぽい理由で成績をさげられちゃ、東京の保護者である千絵子(茅島成美)も気が気じゃないはず。
 木曜日、桃子が勤める生協の店長・真紀子(あいはら友子)の娘・由佳(鈴木かすみ)登場し、何の前触れもなく美穂の天敵になる。男どもの注目の的となる由佳にライバル心をメラメラとさせる美穂がかわいい。進学塾についていけずに落ち込む拓也に対して、野球三昧だったこれまでだって決して無駄ではなかったと励ます桃子がいい。ここに拓也は野球も受験も両立宣言をする。
 金曜日。パパの夢を見て泣き出す樹里(平本亜夢)からはじまって、美穂が90パーセントの確立で小百合が離婚すると推測するまで。そのことを言おうとするも、紀香に力ずくで口をふさがれてしまうシーンは面白かったわりにはあんまり映ってなかったかな。(麻生結一)


第1週(7/19〜7/23放送)
☆☆☆
 夏休み限定昼ドラの定番もついに第6弾目。このシリーズの安定した面白さは折り紙つきだが、とりわけ序盤戦の出足のよさにはいつもながら感心させられる。どうしたことか、壊れるときにはいっぺんに壊れてしまうのが家電とばかりに、電子レンジ、洗濯機、さらにはシャワーまで壊れてしまってとかく物入りも、五つ子たちからは平均以下にとどまる600円のお小遣いをめぐって100円アップ交渉をされてしまったり、いつもながらに桃子(森尾由美)と良介(新井康弘)の仲良し夫婦はてんてこまいの日々。
 いつもだったら、桃子が諸々にがんばりすぎて倒れちゃったりする展開に連なるも、今回は妹の小百合(佐久間由枝)が娘の樹里(平本亜夢)と息子の大輝(荒川澪音)を連れてニューヨークから帰国するなり、夫の西園寺と離婚すると言い出したものだから母の千絵子(茅島成美)と大喧嘩。小百合は実家を飛び出して桜井家に居候することになるも、何も解決せぬままに次週へ。
 小百合の離婚話が序盤戦のメインになる模様も、分厚くエピソード満載に仕立ててくるあたりのボリューム感は相変わらずといった感じ。もちろん、今回も美穂(新穂えりか)の自己中ぶりは衰えを知らず。ボーイフレンドを家に呼ぶも、彼のお目当てが美穂じゃなくて桃子だったりして、母親に対して嫉妬心を燃やしてみたり、ニューヨークから送られてきた小百合の荷物を取りにいってるというのに、台車をひかずに台車に乗ってたり、やりたい放題ぶりがやっぱりキュートです。(麻生結一)




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