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桜咲くまで (TBS系月〜金曜13:30〜14:00)
製作著作/毎日放送
制作協力/松竹芸能、東通企画
制作/山田尚
プロデューサー/登坂琢磨、木村正人
脚本/倉沢左知代
演出/大垣一穂、登坂琢磨、竹園元、本多繁勝
音楽/長谷部徹
主題歌/『桜咲くまで』茉樹代
出演/若林道子…市毛良枝、若林仁…渡辺裕之、若林菜穂子…沢尻エリカ、若林孝文…小松拓也、西本昭一…古本新之輔、若林信子…立石凉子、本多良介…蛭子能収、河合律子…増子倭文江、田上千鶴…吉田真希子、沢野良子…大塚良重、浅井晴海…上原由恵、小山啓太…森本亮治、浅井里香…木南晴夏、明子…もたい陽子、田上航平…高橋快聖、津島秋代…鶴間エリ、小西茜…藤澤志帆、持田麻子…安田良子、数馬…田付貴彦、若林智…岡本富士太、三浦直之…国広富之、若林ハナ…丹阿弥谷津子
ほか

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第9週(3/22〜3/26放送)
☆☆☆
 最後はお行儀よくまとめすぎた感もあるが、家族旅行のエピソードがあまりにも素晴らしく感動的だったので、点数は据え置きにした。まるで磁石に吸い寄せられるかのように、ハナ(丹阿弥谷津子)に寄り添うことで再生していく家族たちがいとおしくてたまらない。病院から帰ったハナへの家族総出の気遣いも温かさにあふれたもの。にぎやかで楽しげな節分が泣けてくるのは、ハナの死期を感じてしまうからだろうか。
 湯島天神のお守りを3つ託された菜穂子(沢尻エリカ)の第一志望は中央大の文学部。まぁ、兄・孝文(小松拓也)は東大出身なんだし、もともとの潜在能力はあったんだろうけど、それにしても設定が妙にリアルだななどと思っていたら、中大は中大でも昭和中央大学でしたよ。ハナが菜穂子の受験の日に作ったおみおつけがとてもおいしそうで。
 結局、大学の前までは行くも、菜穂子は受験しなかった。目標も何もない今は受験すべきではないという自己判断はちょっときれいごと過ぎるようにも思えたが、受験しれてば合格したかもしれないのにと愚痴りながらも、大人になった菜穂子にホロリとくる仁(渡辺裕之)の父心にこそホロリとくる。
 ひな祭りが誕生日の80歳のお祝いにハナがリクエストしたのは、生まれ故郷である韮崎への旅行だった。雰囲気のいいタイトルバックは韮崎だったんですね。ハナが教鞭をとった小学校はすでに廃校に。しかし、当時の木造校舎は取り壊されずに残っていた。その場にはじめてきたはずなのに、菜穂子が懐かしいとの感想を持つのもわかる気がするほどに、ノスタルジーがたちこめてくる。
 車椅子から立ち上がり、黒板の前で出席をとるハナの姿は、涙なしには見られなかった。昔々の遠い昔、ハナのラブストーリーのはじまりだった見事な枝ぶりの桜の巨木のロングショットが絶品。これから芽吹く前のこの桜こそが、ハナにとっての教え子たちだったか。教師という職業の素晴らしさについてしみじみと語るハナの有り様にまたまたしみじみ。代用教員から訓導の資格を受けた昔話などなど、それはまるでアルバムのページを一枚一枚めくっていくかのよう。
 韮崎に行った翌日、すっかり元気になったように見えたハナだったが、その日の夕食後にまるで眠るように天国に行ってしまう。その残されたほんのわずかな時間の中で、菜穂子、孝文、はたまた風林火山に出向いて昭一に惜別の思いをこめて贈った言葉が実に味わい深い。丹阿弥さんの存在なくして、その含蓄は生まれようもなかっただろうけれど。お葬式を飛ばして初七日を持ってきたのは、家族だけの時間で描きたかったからかな。いつの間にか作ってあった道子(市毛良枝)と仁のための綿入れのはんてん。昭一が八十路のプレゼントに買っていた「赤い靴」のオルゴールの音色が悲しい。
 人の役に立つ仕事がしたいと思った菜穂子は、看護学科がある国立大学を目指すことになるのはいいとしても、バイトと受験勉強に加えて、老人ホームでのボランティアまではじめちゃう大車輪の活躍とはちょっとやりすぎでは。仁が家を出るのは2回目、という円環の構図はきれいに決まっていただけに、ここをメインでドラマを締めくくってくれればよかったのに、駄目押し的に連打された回想は丸ごと必要ないように思えた。さりげなさこそが、このドラマの身上だったわけだし。死の直前にハナが言った言葉が、家族が帰って来る場所があれば、そこがふるさとになるというテーマにかかっていく。
 裏(『牡丹と薔薇』)とはまったくと言っていいほど正反対のドラマだったけれども、週を重ねるごとにむしろこちらの家族ドラマのほうに惹かれていった。とりわけ第4週以降、つまりは丹阿弥さん登場後が充実。(麻生結一)


第8週(3/15〜3/19放送)
☆☆☆
 あっさり味が何とも居心地をよくしてくれる雰囲気を依然として持続。道子(市毛良枝)と三浦(国広富之)にしても、仁(渡辺裕之)と千鶴(吉田真希子)にしても、そして菜穂子(沢尻エリカ)と啓太(森本亮治)にしても、いづれもの別れが清々しくてベタついたところがない。だからといって、描きこみに過不足もないのがこのドラマの立派なところ。もちろん、それらすべてはハナ(丹阿弥谷津子)の包容力のおかげさまで成り立っていることを忘れてはならない。
 それだけにクリスマスに熱海の温泉へ出かけたハナ(丹阿弥谷津子)が、一緒に行った昭一(古本新之輔)におぶわれて帰ってくる週明け冒頭に、悲しい予感とともに居たたまれない思いになる。そんなハナの体調にみんなが気をとられていたおかげで、クリスマスイヴを啓太と過ごした菜穂子のささやかな秘密は追求を免れることに。こういう微妙なニュアンスをさりげなく表現するナレーションのさし方も上手い。
 ハナが家族と昭一へのクリスマスプレゼントとして作った綿入れのはんてんがとっても暖かそう。屋久島で音楽をやっていくといって東京をあとにした啓太との別れを契機に、菜穂子はセンター試験も受ける決意をする。仁によろしくと頭を下げる菜穂子の姿に、驚くべきほどの成長のあとが。
 智(岡本富士太)が上海の中華料理店で働く女性と仲良くなったと嫉妬して、道子のマンションに転がり込んでくる信子(立石凉子)も、迎えにきた智の説得でこれまた清々しくベタつかずに仲直り。黒豆、金団、昆布巻きといった手作りのおせち料理も百人一首も、じわじわと増殖し続けて6人にまで達した大人数の家族にこそ映えるというもの。そこには昔懐かしいお正月がいっぱい。例年、2万円のおせちとはそれまたそれで豪勢だけれども。
 風庵を辞めることを決心した道子がハナとの同居を切り出す決断も、これまでの地道な積み重ねのおかげで、ちっとも唐突な印象を与えない。律子(増子倭文江)の紹介でモラキルトの教室を開くことも決まった道子だったが、そんなおりにハナが倒れて緊急入院することに。
 ハナが入院中に自らが撮った写真を入れた家族のアルバムを見る場面がとてもいい。まったく関係ないけれども、仁が講師をつとめる進学塾の塾長を演じている蛭子さんの演技が、やや性格性を帯びてきているあたりにはちょっと驚く。(麻生結一)


第7週(3/8〜3/12放送)
☆☆☆
 誰が悪いというわけでもなく、お互いが知らないうちにそうなってしまった道子(市毛良枝)、三浦(国広富之)、良子(大塚良重)の三角関係がついに明るみに。視聴者には知らされていた事実なので、ドラマ的な驚きはほとんどないわけだが、ことあるたびに結婚願望を道子に相談してとんだピエロになっていた良子が受けた衝撃はやはり痛切。
 ただこのドラマのよさは、むしろハナ(丹阿弥谷津子)がらみの話にあることは今にはじまったことでもない。別れた夫の母と暮らして、心が落ち着く道子の気持ちも納得のハナの包容力に、見るものまでもが包まれるかのよう。確かにあの時代の女性は、料理したり、縫い物をしたり、何かしらしてるものですよね。風林火山の昭一(古本新之輔)がアルバイト明子(もたい陽子)にふられた末に、熱海への1泊旅行にハナを誘うくだりはかなりユートピア的。
 怒鳴りあってつかみ合って別れた道子と仁(渡辺裕之)の元夫婦が、結局2人だけでクリスマスイヴを送ることになるなりゆきも、しっとりと描いてしまうあたりがいかにもこのドラマらしいところ。のっぴきならない三角関係のただなかにあって、これ以上三浦と一緒に働けないとの思いを打ち明けられる唯一の相手が元夫とはね。
 そんな両親のことなどお構いなしに、菜穂子(沢尻エリカ)は菜穂子のクリスマスイブに夢中!故郷である屋久島に帰ってしまう啓太(森本亮治)へ道子から教わって手作りしたビーズの携帯ストラップを送る場面なども、変にはしゃいだ感じがないのがいい。ゴールデンのドラマでどうしてこれができないんでしょう。特にTBS。いっそ、夜の一枠をMBS制作でやってほしいぐらい。(麻生結一)


第6週(3/1〜3/5放送)
☆☆★
 菜穂子(沢尻エリカ)の親友・里香(木南晴夏)曰く、

「何かこのうちって、めちゃくちゃ普通!」

この台詞に、普通になっていけばいくほど普通ではなくなっていく家族の微妙な関係性が集約されている。過剰を至上命令とする裏(『牡丹と薔薇』)などには期待できない味わい。もう一言、里香の率直発言を借りるなら、

「お兄様(=孝文)って、ワイルド!」

にも思わず納得。ホストをやめて解体屋で日雇いのバイトをはじめた孝文(小松拓也)は、家で匍匐前進を強いられるほどにクタクタの日々。啓太(森本亮治)から故郷の屋久島に帰ることを打ち明けられた菜穂子(沢尻エリカ)は、これが自分だと思えることを探すべく大いに悩んで、仁(渡辺裕之)と一緒に早朝ランニングをはじめたばかりか、塾にも行くようになる。前向きな姿勢が清々しい。これまた裏には望めないような味わい。
 親友の良子(大塚良重)が道子(市毛良枝)に仕事先を教えていないのはどう考えてもおかしいと思っていたが、この2人はお互いのことをよく知らないからこそ親友でいられたという説明。家族全員を温かい目で俯瞰するハナ役の丹阿弥谷津子がますます抜群になってきた。その物腰の品のよさ、台詞の説得力にはただただ感嘆させられます。(麻生結一)


第5週(2/23〜2/27放送)
☆☆☆
 ハナ(丹阿弥谷津子)、家出してフリーターになる!アルバイトを募集していた風林火山の昭一(古本新之輔)のところにハナが転がり込む展開は世界が狭すぎるとも思えるけれど、そんな不満点も丹阿弥谷津子の名演がカバー。皿はわるはオーダーは間違えるはで、あまり役に立たずもそのにじみ出る温かさに触れるにつけ、仁(渡辺裕之)に連れられて戻ってしまったハナをしみじみと思い出す昭一の気持ちもよくわかるところ。まぁ、泣くことはないと思うけど。
 立ち直ったかに見えた菜穂子(沢尻エリカ)は依然欠席や早退を繰り返し、受験どころか留年の可能性も高くなってきた模様。仁に自分のことを言い訳に使うのはやめてという菜穂子もまた、仁を言い訳にして前を向こうとしない。沢尻エリカは最初から比べると、かなり役に入ってきている感じでなかなかいいのでは。
 泣かせたのが、孝文(小松拓也)がいだくキャバクラ経営の野望に出資者を紹介するとの美鈴(福澄美緒)の話が、実はライバルホスト・数馬(田付貴彦)も絡んでのウソだったというエピソード。ただ、一方的に殴られ、世の中の世知辛さを思い知らされた孝文に泣けたのではなく、ハナにもらった手作りのちらし寿司で借りを作ったと語る悪女・美鈴の方に泣けた。食べ物は捨てられないとの貧乏人の性にしみじみ。洗ったタッパーを返しに来るいい人ぶりもいい。三浦(国広富之)が言うように、バラバラだった家族が全員が揃った形で次週につづく。『牡丹と薔薇』のでたらめな感じはどうもという方には、ぜひこちらをお勧めしたい。ゴールデンの連ドラを含めても、しっとりした感じでは一番でしょう。(麻生結一)


第4週(2/16〜2/20放送)
☆☆☆
 『牡丹と薔薇』は面白すぎるほどに面白すぎるし、『コスメの魔法』も楽しいテイストが安定している。どう考えても、このクールは低調な夜の連ドラを見るよりも、昼の帯ドラを録画して夜見た方がいいように思える。そんな中でももっとも充実していると思えるのがこれ。
 仁(渡辺裕之)が菜穂子(沢尻エリカ)の受験が終わるまでという約束で、道子(市毛良枝)のマンションに出戻り(?!)してくるだけでも発想が面白いと思ったが、上海に転勤になった仁の兄・智(岡本富士太)が仁と道子がよりが戻ったと勘違いしたせいで、若林家に79歳になる仁の母親・ハナ(丹阿弥谷津子)までもが加わって、いっそうドラマに俄然厚みが出てきた。
 菜穂子をサポートするために仁は引っ越してきたはずなのに、これじゃ問題背負って現われたようなもの?! それでも、ハナが家族に加わったことで、瞬間的に戻る家族に笑顔。仁が作ったときには誰も食べなかった朝食を囲む家族の記念写真のシーンなどには、こみ上げてくるものが。
 啓太(森本亮治)が故郷である屋久島の縄文杉の話をするところをみると、最後は家族みんなで屋久島に行くんだろうなぁ。出来ることなら、違うことを考えてほしいけど。(麻生結一)


第3週(2/9〜2/13放送)
☆☆★
 ほのぼの調のタイトルバックからは遠く離れて、第3週はかなりハードな内容だったが、裏(『牡丹と薔薇』と比較すると、そのケレン味のない語り口が非常に際立った(それとも、裏がケレン味だらけだけなだけ?!)。菜穂子(沢尻エリカ)が仁(渡辺裕之)と会っていたことを知って家を飛び出した道子(市毛良枝)は、仁(渡辺裕之)と再会してもう菜穂子とは会わないように頼む。菜穂子は仁からメールが来なくなったことを心配して仁のアパートを訪ねると、そこでは千鶴(吉田真希子)と彼女の息子が仁と仲むつまじくしていた。大いにショックを受けた菜穂子はその夜家に帰らなかった。
 必死で菜穂子を探す道子の元に、菜穂子が万引きしたと警察から連絡が入る。評判の悪いワタル(伊藤友樹)にそそのかされてやったことらしい。責任を感じた仁は道子に菜穂子の力になりたいと申し出るが、いまさら口出しされたくないと拒絶。翌日、菜穂子は手首をカッターで切る。菜穂子がリストカットしたとの連絡を受けた仁は、孝文から父親としての責任を問われ、離婚して依頼の同居を申し出る。
 離婚した夫婦が娘のために条件付きで再び同じ屋根の下で生活するとは、なかなかに凝った設定。これまでほとんど出番がなかった仁の母・ハナ(丹阿弥谷津子)がチラッと登場した。タイトルバックの大活躍ぶりからいくと、彼女もこの歪な家族の構成員になるのかな。
 菜穂子が入り浸っている渋谷のカラオケボックスの名前が「どれみそら」と聞いて、黒谷友香が主演した同じ枠の同名ドラマを思い出した。(麻生結一)


第2週(2/2〜2/6放送)
☆☆★
 道子(市毛良枝)が孝文(小松拓也)の犯行ではないかと不安に思っていた通り魔の犯人は程なく逮捕された。しかし、翌朝帰宅した孝文からは何の説明もなく、そんな孝文を道子は思わず叩いてしまう。追い討ちをかけるかのように、道子は社長の良子(大塚良重)からリストラを宣告されてしまう。
 菜穂子(沢尻エリカ)は父・仁(渡辺裕之)と6年ぶりの再会を果たして以来、頻繁に会うようになる。そして仁と食事をした帰りに、ホストとして店の客を見送る孝文を目撃する。
 菜穂子は予備校の授業料滞納通知を道子に発見されるが、すでに菜穂子は父が英語を教える予備校に通い始めていた。孝文は、道子にカマをかけられ、ホストクラブの仕事についてしゃべってしまう。2人の子供たちに裏切られた思いの道子は家を飛び出す。
 同じわけありの家族を描いたドラマでも、裏とはここまで違うものかと思わせる落ち着きぶり。今どきの悪い娘なのかと思わせた菜穂子は、父親と再会するとますますいい娘になっていく。菜穂子がホストクラブに潜入するエピソードは、このドラマ的には大冒険の部類。バンコクから道子に電話をかけてくる三浦役は国広富之がやっているわけだから、今後はもっと登場するんでしょうね。仁から菜穂子へのプレゼントはワーズワースの詩集。確かに、こういう父親だったら、娘もいやにならないかも。(麻生結一)


第1週(1/26〜1/30放送)
☆☆
 ここのところ、連ドラでのお母さん役の第一人者になった感のある市毛良枝が、『いばらの償い』以来に昼ドラで主演するドラマ。6年前に夫の仁(渡辺裕之)と離婚した道子(市毛良枝)は、短大時代の同級生・沢野良子(大塚良重)が経営するアパレル会社に勤めるも、言いつけられるのは雑用ばかり。10年ぶりの高校のクラス会では、長男の孝文(小松拓也)は東大から一流企業に入社し、長女の菜穂子(沢尻エリカ)も名門女子高・百合華女学園に通うことを話すと、旧友たちからは羨望のまなざし。ところが実際には、孝文は入ったばかりの会社をやめ、2ヶ月前から引きこもりに。大学受験を控える菜穂子は予備校をサボって、カラオケボックスで友達とたむろする毎日を送っていた。クラス会に遅れてやってきた同じ演劇部だった三浦(国広富之)にも、離婚を隠して幸せな主婦を装うも、三浦は3年前に離婚したことを道子に告白する。教師を辞め、日雇いで暮らしていた仁は、居酒屋を営むかつての教え子・昭一(古本新之輔)の紹介で進学塾の英語教師になる。そんな仁を偶然にも菜穂子が6年ぶりに目撃。あとをつけた菜穂子は、授業をする父親の姿を携帯のデジカメで撮るのだった。
 裏(『牡丹と薔薇』)の大爆発ぶりに比べて、何たるつつましさでしょう。昔の知り合いの下で、取るに足りない仕事ばかりやらされる専業主婦だった主人公という構図は『そして、突然、嵐のように』とまったく同じだが、リアリティはこちらの方がはるかに上。高校時代のクラスメートに理想の人生とうらやましがられる道子の虚栄心を、見も蓋もないまでに罵倒する孝文の言葉が痛い。タイトルが『桜咲くまで』というからには、この苦々しい状況も最後には雪解けするんでしょうか。(麻生結一)




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