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恋する京都 (NHK総合月曜21:15〜21:58)
月曜ドラマシリーズ
制作・著作/NHK大阪
制作統括/小見山佳典
作/伴一彦
演出/笠浦友愛(1、2、5)、谷口卓敬(3、4)
音楽/岩代太郎
主題歌/『恋する京都』神野美伽
出演/沢井志乃…鶴田真由、佐竹圭吾…村上淳、沢井太郎…永澤俊矢、桃香…北川智子、沢井晶…村崎真彩、中井秀輝…小阪風真、福原恭子…雛形あきこ、立花修…豊原功補、福原歳男…結城市朗、深川高子…鈴木紗理奈、後藤丈治…村田充、鈴木先生…中川浩三、バーの店長…まついきよし、見合い写真の男…牛丸祐司、クラブのバーテン…家永稔之、従業員…笹岡勇貴、斉藤菊…淡島千景、西村晴雄…寺下貞信、焼物店の女主人…東山千恵子、中井良美…愛華みれ、工藤…蟷螂襲、奈緒子…松尾れい子、秀輝の祖母…中村節子、主婦…桃山みつる、料理教室の生徒…藤川真由美・西村桜、書道教室の生徒…高橋侑也、沢井耕造…犬塚弘、遊心…山本陽子
ほか

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第3回「鹿ケ谷かぼちゃは初恋のときめき」(3/1放送)
☆☆
 50年前にたった1日だけ京都を訪れた菊(淡島千景)が、そのときに京都を案内してくれた思い出の男性を捜すのを志乃(鶴田真由)がお手伝いする第3話。手がかりが少なすぎる大昔の恋の相手だって、先斗町のお客さん情報のおかげですんなり見つかる。ところが、その相手だと思われた焼き物店の主人・晴雄(寺下貞信)は、菊(淡島千景)のことをまったく覚えていなかった。落胆する菊だったが、圭吾(村上淳)を見てビックリ。実は圭吾の祖父こそが菊が探す晴雄だったのだ。
 晴雄の死を菊に伝えるか否かでもめる志乃と圭吾に、志乃の亡くなった夫・太郎(永澤俊夫)が絡むあたりは教科書通り。それなりらしい京都のクリスマスに、圭吾が鹿ケ谷かぼちゃと50年前に菊が渡した手作りのしおりをプレゼントする締めもきれい。
 八坂神社の湧き水を飲むと美人になるといううんちく。

「うちもようけ飲みました」by志乃

だから私は美人なのとも受け取れる発言。まぁ、正しいんですけどね。全般的にまったり調でドラマが長く感じてしまうのも、『恋する京都』というタイトルにはふさわしいのかも。(麻生結一)


第1回「京にんじんは恋の味」(2/16放送)
☆☆
 京都の夏のクライマックスは五山の送り火。決して大文字焼きとは呼ばないで、なんてNRから京都の風情満点。送り火の消し炭を玄関先につるすと厄除けになるなんて話も風流。おせっかい好きのことを京都では「かまい」というらしいですよ。
 舞台は加茂川そばの先斗町。芸妓の志乃(鶴田真由)は男女の恋の橋渡しが何よりの楽しみな「かまい」。志乃当人は世界中の仏像の写真を撮っていた夫・太郎(永澤俊矢)を10年前に事故で亡くして以来、色恋には縁遠かった。そんな志乃の草履の鼻緒が切れて、そこに偶然通りがかった京野菜農家の圭吾(村上淳)が志乃をお姫様だっこしたのがきっかけに恋に落ちるだなんて、何とまぁ古風なお話だこと。追い討ちをかけるように、京野菜の畑で転びそうになった志乃にキスする圭吾。実は太郎と出会ったのも鼻緒切れ&お姫様だっこのフルコースから。志乃は太郎と結婚したときにも、断髪して愛の逃避行に踏み切ったほどの御仁ですから、こういうロマンティックの極みはお手の物というわけか。見てるほうは、随分と恥ずかしいんだけど。
 京人形店の一人娘の恭子(雛形あきこ)と大学でイルカやくじらの研究をしている学者・立花(豊原功補)との恋が1話内で完結したところを見ると、どうやらこのドラマは志乃と圭吾の恋愛を横糸に、1話につき1組のカップル誕生を目指す模様。地唄「黒髪」になぞらえて、恭子の一途な思いを語るあたりは奥ゆかしくていいんだけど、遠距離恋愛という妥協案なんて、誰だって思いつくだろうに。
 遊心(山本陽子)を呼ぶ「庵主さん」との言葉を聞くと、『ほんまもん』の悪夢が蘇ってきて思わず身震い。

「ほんまもんの遠距離恋愛どす」by志乃

やっぱり台詞にも「ほんまもん」が含まれてよ。伴一彦脚本、岩代太郎音楽と聞くと、反射的に『WITH LOVE』を思い出してしまいます。BK制作の月曜ドラマシリーズって、『悪意』以来でしょうか?いやはやあのドラマは面白かった。再放送してほしいです。(麻生結一)




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