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コスメの魔法 (TBS系月〜金曜13:00〜13:30)
愛の劇場35周年特別企画
制作/カズモ、TBS
企画/木村理津、津留正明
プロデュース/小澤俊夫
原作/あいかわももこ
脚本/梶本惠美、瀧川晃代
演出/中村金太、山田あかね、小澤俊夫
主題歌/『believe』光永亮太
出演/高樹礼子…萬田久子、奥田源二郎…大鶴義丹、水野まゆみ…小野真弓、鈴木隆…高杉瑞穂、中俣みのり…渡辺真起子、蜂谷範子…金久美子、柴田美鈴…木村理恵、長谷川福美…比佐廉、中村正子(管理人)…大島蓉子、北川マスター…潮哲也、大野社長…斉藤暁、杉原部長…野仲功、松田カネ子…北村魚、細川ゆり子…三浦伸子、山口元子…梶村ともみ、佐伯浩二…坂元貞美、佐伯道子…大西多摩恵、佐伯芳美…日高ひとみ、柴田孝之…久保山知洋、柴田俊之…田中匡志、柴田智子…弓恵子、上野聡…来須修二、一条小百合…小山田みずき、神崎巧…原昇、銀行員…野村信次、早川雪乃…三上瓔子、増田のぞみ…松坂わかこ、山下キク…五月晴子、荒木啓子…上村依子、伊藤淡水…山口河童、中谷明彦…海部剛史、松本支店長…須永慶、佐野亜紀…松本梨菜、佐野慎平…吉野容臣、田中ヒロシ…市村直樹、医師…沼崎悠・澤山薫、東山松江…工藤明子、東山和弘…安村和之、東山信弘…加世幸市、中村幸子…もたい陽子、中村桓次郎…不破万作、中川祥子…加藤忍、筒井圭一郎…岩田純、竹中みどり…鳥居しのぶ、竹中彩…中村綾、伊丹達彦…冨家規政、佐藤祐子…近藤結宥花、佐野美奈代…細川ふみえ、長谷川恭子…宇津宮雅代、山田加寿子…佐々木すみ江
ほか

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第8週「Magic.8〜永遠の愛」(2/23〜2/27放送)
☆☆
 礼子(萬田久子)がほどこすコスメの魔法によって、女性たちが自分のキレイを発見していくというこれまでの展開から大きく離れて、この最終週では礼子が住むマンションの管理人である恒次郎(不破万作)と正子(大島蓉子)の夫婦の絆がストレートに描かれていた。娘・幸子(もたい陽子)の結婚式で、まゆみ(小野真弓)がブライダルメイクに挑戦する話は完全なるサブストーリーに。
 幸子の婚約者である和弘(安村和之)の誠実な態度には、筋が通らないとつむじを曲げていた恒次郎もすっかり感心。ついに幸子の結婚が認められるも、恒次郎が倒れて白血病であることが判明する。恒次郎が回復するまで結婚式を延期しようと幸子と和弘は考えるが、何があっても予定通り式を挙げるようにと恒次郎は懇願する。
 結婚式当日、見違えるようにきれいになった正子を見るにつけ、やっぱり最後までコスメ主導の話が見たかったという気になった。蘭丸(高杉瑞穂)の母親が化粧品をまったく持っていなかったという話も何だか空々しくて。ジュリアン奥田(大鶴義丹)がぶーちゃんと呼ばれていた奥田造園での幼少時代の回想がケッサクだっただけに、ほとんど出番がなかったのが残念でした。(麻生結一)


第7週「Magic.7〜明日へのメイク」(2/16〜2/20放送)
☆☆★
 礼子(萬田久子)の友人シリーズの第2弾も、友人である心療内科医の範子(金久美子)ではなく、範子の患者で交通事故で顔に傷を負った祥子(加藤忍)のリハビリメイクのお話がメインなのがミソ。深刻なテーマを扱ってるんだけど、楽しいテイストはそのままというあたりが立派です。
 自らを全否定する祥子にとっての本当のキレイが、礼子の内側からのキレイを引き出すメイク指導、外側から攻めて作り出すジュリアン奥田(大鶴義丹)のリハビリメイクのテクニック指導、そして範子による心のケアの三人四脚によって引き出される過程には、清々しい感動がある。事故後に連絡を断って、リハビリメイクで外見の美しさを取り戻してからもお別れをするために会うだなんて悲しすぎることを言っていた祥子の恋人、筒井圭一郎(岩田純)と礼子が偶然に遭遇するなんてファンタジーも、ちっとも嫌味にならないところが不思議なところ。
 それにしても、ジュリアンがハリウッドで特殊メイクを習得していたとは。大鶴義丹の過ちスレスレの演技が逆にジュリアンにハマってきて、大いに笑わせてくれる。礼子はジュリアンの隠れた技能に今回ばかりは感服するも、ジュリアンはジュリアンで礼子に感化されて2週間のメークレッスンを課すあたりにも、らしい収まりのよさがあった。ワンポイントで登場した交通事故で足を失ったマ・ベールの常連、みなと(久保麻衣子)の存在も大きかった。彼女の言葉、

「私のきれいは前進するための勇気」

こそが今週のすべてだったようにも思える。ついには素顔の自分を自らで引き受けた祥子が圭一郎と対面するパッピーエンドにほろり。範子のショートカットもかわいかったです。
 愛の劇場35周年特別企画と銘打ったわりにこの出来ばえはどうなんだろうと最初は大いに心配したが、ようやく本格的に調子が出てきたみたい。この枠でエンジンのかかりの遅いことは、『またのお越しを』現象と呼びます?!(麻生結一)


第6週「Magic.6〜私の真実」(2/9〜2/13放送)
☆☆★
 礼子(萬田久子)の親友、美鈴(木村理恵)がメインで、ドラマはいきなりに不倫物の様相。子育てに家事に疲れた美鈴が、陶芸教室で出会った離婚歴はあるが独身の上野(来須修二)にときめいて、礼子(萬田久子)のコスメレッスンに通いまじめると、マ・ベールのナチュラルメイクで自他共に認める美しさを獲得。恋のフェロモンはどんな美容液にも勝るとはまさに。
 犬の散歩中に上野に出会い、はじめての屋台にはじめての寄り道といった偶然も不思議と嫌味じゃないのは、地味な日常もバランスよく描かれているためか。陶芸の窯元を訪ねるバスツアーには子供がお腹をこわし、姑はのどを痛めたため行けなくなるも、美鈴の上野への思いは募るばかり。しかし、離婚した妻が浮気していたのは親友で、いっぺんに2人を失ってしまったと苦々しい過去を上野が語るにつけ、すべては元のサヤに収まる。
 日々の出来事の中のきれいを見落とさないで、とはいかにも礼子が言いそうな有難いお言葉。そんな礼子が完全に狂言回しになって、ドラマは随分とちゃんとしてきた。(麻生結一)


第5週「Magic.5〜裏切らないファンデーション」(2/2〜2/6放送)
☆☆
 食器売り場の祐子(近藤結宥花)は呉服店の社長・伊丹(冨家規政)に恋しているが、所詮はすむ世界が違うとあきらめてきたが、礼子(萬田久子)のコスメレッスンに通って自信を持ち、思い切って告白すると、伊丹も祐子を好きだと逆告白され、結婚にまで話は進む。着物の展示会のモデルを頼まれた祐子に対し、礼子はまゆみ(小野真弓)を担当につける。
 感覚の違いに戸惑ったり、達彦のいとこで意地悪な小百合(小山田みずき)が登場したり、会社の倒産騒動で結婚が白紙に戻ったりするも、最後は必殺のコスメの魔法ですべてが丸く収まる展開は、これまでで一番充実したもの。祐子にしろ小百合にしろもともとがおきれいだから、なんて言ってしまっては元も子もないんだけど。
 今週は本当のきれいが素直に受け止められたのも、礼子が脇に回ったからか。率直に言えば、礼子がピタッときてないということなんだけど。コスメバトルで敗れて以来、完全なスランプに陥った奥田(大鶴義丹)がすっかり礼子に感化されちゃって、というその微妙さはちょっぴりおかしかったり。まゆみが入社1ヶ月で常連のお客がいないのは、そんなの普通だとも思ったけど。まゆみのお見合い相手は、あの大根は金賞をとった模様。(麻生結一)


第4週「Magic.4〜贖罪の口紅」(1/26〜1/30放送)
☆★
 この枠の記念ドラマとしては、リハビリメイクにまつわるちょっといい話を扱ったこの第4週などの方が、これまでの美容なんだかドタバタなんだかよくわからないような感じよりも、テイストが合っている気がした。礼子(萬田久子)がリハビリメイクのボランティアで通う養護施設に入っている加寿子(佐々木すみ江)が、幼いころにひどい仕打ちをしたままに離れ離れになっていた娘の野村礼子(蜷川みほ)と会うために、きれいになろうと奮闘し、ついには2人が分かり合うまでを描く。引っかかったのは、加寿子の回想シーン。あの安っぽい舞台劇チックはどう考えればいいんだろう。(麻生結一)


第3週「Magic.3〜コスメバトル」(1/19〜1/23放送)
☆★
 姉妹のコンプレックスというお話はテーマに相応しいと思うが、展開にいっさいの裏切りがないのは先週とまったく同じ。ライバル店、ジュリア・ビューティー・コム開店以来、マ・ベールは閑散としたもの。にもかかわらず、礼子(萬田久子)は依然として余裕綽々としてものだ。そんな礼子にジュリア・ビューティー・コムのジュリアン奥田(大鶴義丹)はコスメバトルを申し入れる。コスメは競争ではないと最初は断る礼子だったが、奥田が負けたら蘭丸(高杉瑞穂)と一緒にタンゴを踊ることを条件に勝負することに。奥田が雑誌編集者にして派手な彩(中村綾)をモデルに選んだのに対して、礼子はその姉で地味なみどり(鳥居しのぶ)を選ぶ。対決の時、奥田は派手なメイクで勝負するも、礼子はマッサージ中心のナチュラルメイクで仕上げ、会場の観客である審査員たちの満場一致で礼子が勝利する。
 話にいっさいのひねりがないのはまだ許されるとしても、おしゃれを扱ったドラマがおしゃれじゃないって、これは致命的なのでは。ホッとしたのは、コスメカウンターの美容部員として、礼子は年齢オーバーだという自覚があったこと。そんな礼子の説明によると、色は心と関係があるも、詳しく説明すると物理学の領域だそうですよ。(麻生結一)


第2週「Magic.2〜瞳は心の窓」(1/12〜1/16放送)
☆★
 物語が始まった瞬間に、1週間の筋立てがすべて見えてしまうのではやはり具合が悪かろう。マ・ベールの常連、恭子(宇都宮雅代)と福美(比佐廉)の母娘が、コスメによってお互いの精神的自立を果たす展開は、誰が考えたってこうにしかならないだろうけれども、一から十まで予想を覆してくれなかったとなると、あとはがっかりするしかない。確かに礼子のコスメ話は、科学的でも論理的でもない、まさに魔法なんだけど。
 とりあえずは、週に1人の美容的ターゲットが基本ラインみたい。真向かいに外資系コスメが入ってくるなんて、今風の話でドラマは続く。(麻生結一)


第1週「Magic.1〜母性を包むネイル」(1/5〜1/9放送)
☆☆
 愛の劇場35周年特別企画ということで、オープニングも久々に衣替え(猫が戯れる旧バージョンって、随分長く続きましたよね)。

「きれいを怠るのは犯罪です!」

を合言葉に、デパートのコーナーを構える化粧品会社「マ・ベール」のカリスマ美容部員、礼子(萬田久子)がメークのみならず、トータルなライフスタイルを通じて女性たちの悩みを解決していくドラマ。第1週では、化粧っけのない子供連れの美奈代(細川ふみえ)、勤め先の化粧品店が倒産した上、恋人との仲もうまくいかないまゆみ(小野真弓)の2人がコスメ的に更生するまでが描かれている。
 カリスマのイメージなのかもしれないけど、礼子役の萬田久子はかなりコワめ。見た目はむしろ魔女ちっくか。まぁ、この枠では慣れると楽しめるようになるドラマも多いので、もう少し様子見ということで。メイクテクニックを含む美容のミニ情報つきに、『はなまるマーケット』のワンコーナーを見ている気分にも。(麻生結一)




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