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ドールハウス (TBS系木曜22:00〜22:54)
制作著作/TBS
制作/TBS ENTERTAINMENT
制作協力/ダブルス
プロデュース/大賀文子、両沢和幸、石丸彰彦
脚本/両沢和幸(1、3、5、8、10)、高橋留美(2、4、6、7、9)
演出/両沢和幸(1、2、10)、石井康晴(3、4、7)、加藤新(5、6、9)、松川嵩史(8)
音楽/Tokyo Grand Orchestra
主題歌/『I WANNA BE LOVED BY YOU』Tokyo Grand Orchestra feat.bebe
出演/神崎礼子…松下由樹、綾小路ミカ…安達祐実、夏希…小池栄子、佐伯慎二…賀集利樹、あゆみ…野波麻帆、薫…一戸奈未、由香里…春日井静奈、リサ…中江ゆきこ、大西武志、恩田括、平田一郎…田口浩正、咲輝、升毅、斉藤祥太、橋本さとし、中丸新将、斉藤陽一郎、戸田恵子、中丸新将、岡田浩暉、佐藤康恵、遊井亮子、大河内浩、中尾ミエ、モト冬樹、デビット伊東、田中要次、曽根英樹、宮崎吐夢、二橋進、イアン・ムーア、サミュエル・ポップ・エニング、ケヴィン・ヴィルキンス、大浦龍宇一、清水紘治、中丸新将、津川健太郎…益岡徹、田崎署長…佐野史郎、桜内雅子…吉行和子
ほか

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第10回(3/18放送)

 『奥様は魔女』もそうだけれど、このドラマも何が悪いって、テンポの出ないその演出には泣きたくなるほど。『奥様は魔女』との違いは、オリジナルの脚本にすがることもできず、話もボロボロだったというところか。
 親子3人が銃殺された事件と拳銃の線状痕が同じだったという手がかりから、10年前にミカ(安達祐実)の家族を殺した犯人が、警視庁の長官である大久保(清水絋治)がめかけに産ませた子・正男(大浦龍宇一)と判明するのだが、アメリカ帰りの正男はこの銃を10年間、どこに保管してたんでしょうね。あらゆる設定に無理があるため、何かが起こるたびに???となってしまって。ミカにいたっては、警察に殴りこみをかけて、警官に向かって銃を発砲する無軌道ぶり。そんなミカを救出するために、ドールハウスの面々は変装して警察にもぐりこむも、結局一人一人が誰だか最後までわからず。見せ場のあった礼子(松下由樹)、ミカ、夏希(小池栄子)、あゆみ(野波麻帆)に加えて、薫(一戸奈未)まではわかるんだけど、あとの2人になると心もとない。メンバーとして成り立たせる気があるのなら、ほったらかしはひどいでしょ。最後に復活した津川(益岡徹)が北海道に飛ばされてた意味も?(麻生結一)


第9回(3/11放送)

 アキ子外務大臣(中尾ミエ)は、文春の差し止め問題で渦中の人、田中真紀子氏がモデルなんでしょうね。乱暴というか、なんと言うか。ここまで安っぽく作られちゃうと、見る側も早々にあきらめるしか手立てがない。妻であるアキ子の命を殺し屋に狙わせる妻の七光りな夫にモト冬樹、殺し屋にデビット伊東と田中要次。これだけキャストが揃ってるんだったら、いくらでもこれ以外のことが出来たろうに。(麻生結一)


第8回(3/4放送)
☆★
 『彼女が死んじゃった。』に引き続いてかつての恋人役を演じた岡田浩暉。かげりのある感じが、そういうイメージなんでしょうね。その岡田浩暉が演じる隆一が大量破壊兵器絡みの犯罪をやらかしてる大風呂敷ぶりはとりあえずおいておいて、迷惑顔のミカ(安達祐実)の部屋にドールハウスメンバー全員が集合して、礼子(松下由樹)と隆一の関係を噂する場面では『ちゅらさん』のゆんたくを思い出す。そういえば『ちゅらさん』の第3シリーズやるらしいですね。もはやネタはつきてる気がするんだけど。
 前話の松下由樹v.s.戸田恵子に引き続き、またまた銃口を向け合っての対決シーンがクライマックスに。ミカが真理(遊井亮子)を殺しに来た隆一に気がつくくだりあたりも、もう少しうまくやってほしいところ。(麻生結一)


第7回(2/26放送)
☆★
 桜内(吉行和子)が狙撃されようと、まったく緊張感がわかないあたりは、いかにもこのドラマらしいところ。かつての部下で12年前、桜内の命令を無視して犯人を射殺して逮捕された怨みをを晴らすべく、桜内を撃ったスナイパー・古仲タエ(戸田恵子)と礼子(松下由樹)との対決シーンで羽毛が飛び交う中でのアクションを見ていたら、『女と男の名誉』のクライマックスを思い出した。まぁ、比べるのも申し訳ないぐらいなんだけど。
 未来戦隊タイムレンジャー(『砂の器』の永井大)と仮面ライダー(賀集利樹)といったヒーロー物出身の若手が、ベテラン俳優と刑事役でコンビを組むのが、今クールのTBSドラマのやり方みたいです。(麻生結一)


第6回(2/19放送)
☆★
 なるほど、あゆみ(野波麻帆)は目が見えなくなったから、耳が研ぎ澄まされたわけか。タンカーの汽笛と単線の線路の踏み切りの警報音が同時に聞こえるところで、東南アジア風の風鈴がなっている場所を言い当ててしまうとは、その研ぎ澄まされ方は偽金作り団のエピソードも吹っ飛ぶほどに尋常じゃない。
 ところが、その原因がストレス性の仮性近視だったとはあまりにも拍子抜け。復活後、あの研ぎ澄まされた耳は保全されたままなんだろうか?この手のドラマはこうやって、その道のエキスパートを生んでいくものなんだけど。
 津川(益岡徹)が旭川に飛ばされる展開もデタラメだな。益岡徹は他のお仕事でお忙しかったんでしょうか。いまさら言っても仕様がないけど、ダンスシーンはもう少しかっこよく見せてあげないと、踊ってる皆さんが気の毒な感じがして。(麻生結一)


第5回(2/12放送)

 フォークをふりかざしたミカ(安達祐実)と夏希(小池栄子)の大ケンカの原因がマンゴープリンだったのはいいとしても、買出しのついでにマンゴープリンを万引きしたミカを佐伯(賀集利樹)が助けて無罪放免ってどういうこと?完全な職権乱用でしょう。警察署長の田崎(佐野史郎)が一日所長をつとめたタレントのみどりちゃんに拳銃を見せてあげようとするもドタキャンされ、ヤケ酒を飲んで拳銃の置き引きにあったために、佐伯がその罪をかぶることになる。拳銃紛失のテレビ報道で、盗まれた警官の顔写真を出すのはあまりに不自然でしょう。その拳銃を使った犯罪が、一家惨殺事件とはあまりにも唐突。ミカの過去を見せるためだろうけど、それにしてもちょっと重過ぎる。
 じゃんけんで出動組と店番組を分けることになって、これはドールハウスの面々を自己紹介させる絶好の機会だと思ったが、もはやその気もなしか。張り込みしてるのに、大声で「警察官なんだぜ」と叫ぶ佐伯もヘン。アクションの見せ方にももう少し切れがあれば。(麻生結一)


第4回(2/5放送)
☆★
 どうやらこのドラマには、ドールハウスの個々のメンバーを説明する気はないらしい。名も知らぬ登場人物たちにどうやって共感していくかが、これからドラマを見続けていく上でのポイントになる?!
 夏希(小池栄子)のもとに、弟分・純一(斉藤祥太)がけがをして逃げ込んでくる。夏希は礼子(松下由樹)に内証で純一をかくまうも、ほどなくして見つかってしまう。純一が現金輸送車を襲撃した犯人の一味で、警察からも犯人からも追われているに感づいた礼子は、犯人を一網打尽にすることを思いつく。
 隠れていたことがバレた純一は大人気。個々が大問題で、ドールハウスのメンバーはかわいい男の子を前に大ハシャギするのだが、やはり誰が誰だかさっぱりわからない。この手のドラマの場合は、それぞれがそれぞれのエキスパートだったりすると覚えやすい。これもありがちな手だけれども、わからないよりいいでしょ。誕生日のプレゼントにぬいぐるみを買いに行くのに、女装する純一は気持ち悪かわいい感じ?! ショーに見せかけた銃撃戦はこの手のドラマの定番中の定番だけれども、スケール盛大じゃない低予算ぶりが微笑ましくもある。(麻生結一)


第3回(1/29放送)
☆★
 無差別狙撃犯から要求された2億円の受け渡し役に指名されたのは津川(益岡徹)って、『ダーティハリー』のまんまパクリで何のひねりもなし。現金を入れたバッグには、最初から発信機はおくべきでは。それほどに間抜けという意味?! 礼子(松下由樹)と津川の掛け合いはほとんど『ナースのお仕事』だから、時々ニヤニヤさせられるんだけど、肝心要のドールハウスのメンバーは仕事放棄したため、いっそう誰が誰だかわからず。負傷して入院中の佐伯(賀集利樹)は、ミカ(安達祐実)から捜査秘密を聞いておいて、なぜに何も怪しまない?まぁ、そんなことを突っ込んじゃいけないタイプのドラマなんでしょうか。元刑事の犯人・白石役は升毅。(麻生結一)


第2回(1/22放送)
☆★
 せっかくドールハウスのメンバーに入れてもらったというのに、ミカ(安達祐実)は依然として反抗的な態度に終始。女子高校生が遺体で発見された事件に大臣の娘が関係しているらしいという指令を受けた礼子(松下由樹)は、事件の捜査に乗り出すも、その大臣の娘こそミカの不良仲間・メイ(芦名星)だった。
 こういう類のドラマの宿命か、必要以上にチープになっている印象。ストーリーにひねりがないのに加えて、ドールハウスのメンバーがいっこうにキャラ立ちしてこないところもつらい。いまだに、誰が誰だかさっぱりわからないのは、さすがにまずいでしょう。ケンカに明け暮れる前に、それぞれをちゃんと説明してくれないと。探知機がハートマークだったりするあたりはらしいかな。びっくりしたのは、あゆみ(野波麻帆)が女子高生コスプレでおとり捜査に乗り出すも、敵をあっさりと引っかけたと思ったら、すでに正体を見破られていたというからくり。1時間の制約もあるわけだけど、だったらやる必要ある?! とりあえずはコスプレを見せたかっただけか。(麻生結一)


第1回(1/15放送)
☆☆
 表向きはクラブ「ドールハウス」のダンサー、実際は悪に立ち向かう女性だけの特命捜査班「ドールズ」のメンバーたちによる大活躍ぶりを描いた無国籍風の活劇ドラマ。ショットガンで武装した綾小路ミカ(安達祐実)は仲間を引きつれ銀行を襲撃するが、警察に包囲されてしまう。ドールズのリーダー、神崎礼子(松下由樹)へ桜内(吉行和子)から銀行強盗が起こったとの連絡が入り、ショーのリハーサルをやっていた夏希(小池栄子)、あゆみ(野波麻帆)、薫(一戸奈未)、由香里(春日井静奈)、リサ(中江ゆきこ)の6人は現場に急行。何もできない警察を尻目に、見事にミカたち強盗団を取り押さえる。ところが、刑事の佐伯(賀集利樹)のミスによって逃走したミカは、黒幕である大河原(咲輝)たちと次の犯行に及ぶことに。犯行計画を密告すれば、これまでの罪については見逃してやるとミカに約束していた礼子だったが、次は宝石店を襲うとのミカからの連絡は嘘。しかし、礼子はその嘘をすでに見破っており、実際に襲撃された銀行で待ち伏せし、一網打尽に強盗団を捕まえる。
 みたところ、『シカゴ』と『チャーリーズ・エンジェル』をくっつけたようなドラマだが、出来ばえに関しては、せめて『ひと夏のパパへ』よりは上にいってほしいと願うのみ。両沢和幸脚本でズラズラっと並んだキャストを眺めるに、『ナースのお仕事』組がCXからTBSに移籍してきたような趣。吉行和子と一戸奈未は『エ・アロール』からの木曜日のドラマの連投。ミカは取調べ中の津川(益岡徹)に噛み付きプレイを披露するも、『共犯者』の三上博史で免疫がついている方にしてみれば、何もなかったかのよう。

「お前さんの身分じゃ、一生来れないような店」by署長の田崎(佐野史郎)

って、『ひと夏のパパへ』のショーパブと大して変わりなかったように思えたけど。何はともあれ、松下由樹の踊りと腕っぷしは一級品でした。(麻生結一)




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