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あなたの隣に誰かいる (フジテレビ系火曜21:00〜21:54)
制作著作/フジテレビ
プロデュース/鈴木吉弘
脚本/坂元裕二
演出/林徹(1、2、4、7、9、10)、成田岳(3、5、8)、葉山浩樹(6)
音楽/石田勝範
主題歌/『アラクレ』B'z
挿入歌/『勝手にしやがれ』TAK MATSUMOTO featuring 稲葉浩志、『異邦人』TAK MATSUMOTO featuring ZARD
出演/松本梓…夏川結衣、松本欧太郎…ユースケ・サンタマリア、澤村数馬…北村一輝、澤村愛子…白石美帆、柏木里美…佐藤藍子、網川睦子…鷲尾真知子、三好文子…山口香緒里、三好卓朗…木下ほうか、車田美佐江…久保田磨希、車田真子…石田未来、星野智嗣…柏原崇、濱口琴音…高樹マリア、松本鈴…山田夏海、刑事…本田博太郎、有島樹里…戸田菜穂、藤城正毅…高知東生、車田行生…火野正平、松本志摩子…梶芽衣子、草間五郎…いかりや長介
ほか

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第10回(12/9放送)

 数馬(北村一輝)はこの1話分だけでも何回殺されて、何回よみがえったことか。その数はもはや測定不能なほど。ここまで気軽に死なれちゃうと、ガラスの破片で自らの身体を切り刻もうが、竹が体を貫こうが、一斉射撃で蜂の巣にされようが、もはや痛そうでも何でもなくなって、むしろ変なおかし味さえ生まれてきたりする。
 密かに数馬に真っ向勝負を挑んでたのは、愛子(白石美帆)だけだったか。しかも、互角どころか愛子の方が優勢だった気もしたりして。そんな数馬キラーぶりは最後の最後まで存分に発揮される。素早く数馬に手錠をかけるや、大声で笑い飛ばす余裕綽々。しかし、油断した隙に秒殺で首をしめられちゃった。救急車で搬送されたって言ってたけど、もしかしてあれって死んでなかったの?! だったらいっそのこと彼女も不死身の設定にして、おしどり不死身蟲夫婦ぐらい結成してほしかった気分。
 面白かったのは随所に登場するベタな小道具で、名前つきの棺おけもわかりやす過ぎたけど、蟲切丸の箱の裏書も言葉に貫禄なさ過ぎて笑った。ラストのお隣さん役で役所広司がカメオ出演。欧太郎(ユースケサンタマリア)&梓(夏川結衣)の松本さんちのお話よりも、お隣さんの方が随所に面白かったこのドラマらしく、お隣さんの名前は稲葉さんだったというB’sオチで締めくくるわけね。『愛するために愛されたい』に比べれば足元にも及ばないも、これはこれなりにとんでもなかったかな。(麻生結一)


第9回(12/2放送)

 立てこもり犯は車田(火野正平)じゃなかった!、ってそんなバカな。車田の妻(久保田磨希)と子供たちとの関係をいまさら持ち出されても、いったい何のことやら。とどめは、数馬(北村一輝)は毒マスク!、ってこのドラマはコメディだったんですね。

「どうしてこんなことするの?」by梓(夏川結衣)

「君はもう知ってるはずだよ」by数馬(北村一輝)

その質問にこんな答えをするなんて、数馬の人間じゃない説も説得力あるよ。それらしいスプリットスクリーンも含めて、笑いどころはいっぱい。もはや「勝手にしやがれ」というメッセージか。いかりやさんの声がかなり心配です。(麻生結一)


第8回(11/25放送)
☆★
 蟲姫物語続編。恋に破れ、踏み殺された蟲は、再び人間の姿に戻りました。しかし……。ドラマの前半は家族の再生を描いて、後半は梓(夏川結衣)が地下室を探検するオカルト調に。その地下室には、まっとうな暮らしの痕跡。そして棺の中にはミイラがいっぱい。
 燃やされたはずの数馬(北村一樹)の遺体は、予想通り埋められた場所には存在せず。そのことに愕然とする愛子(白石美帆)の顔も怖かったけど、首筋にはさみが突き刺さった樹里(戸田菜穂)はさらにショッキング(っていうか、この人の場合はその一挙手一投足がダイナミックに怖かったわけだけど)。ようやく話の要領が見えてきたと思ったら、棺のふたに「平成十五年 梓」って、今度はわかりやすすぎるぞ!(麻生結一)


第7回(11/18放送)
☆★
 欧太郎(ユースケサンタマリア)が鈴(山田夏海)にアップルパイを作ってあげたときのBGMは『3分間クッキング』風。壁の落書きは、『天才バカボン』のほっぺたの渦風。あの3億円事件の犯人が欧太郎(ユースケサンタマリア)の父親? 今度は昭和史を引っ張り出してきたか。姫を愛しすぎた男が虫になる民話とはまた唐突な。そして数馬(北村一輝)は、鈴の父親宣言するなり愛子(白石美帆)に燃やされてしまう。

「地獄に落ちろ」by愛子

って、またベタなこと言っちゃって。死体を埋める戦法は『共犯者』と微妙にかぶってる?!
 ここでクレジット3番手の北村一輝が消えるとは考えずらいので、おそらく復活するんだろうなぁ、などと、本筋とは違う部分でドラマを邪推したりして。月もちょっと大きめに出している模様。(麻生結一)


第6回(11/11放送)
☆★
 今まで散らかりっぱなしだったエピソード群も、家の怨霊モノという定番路線で丸く収まってきた模様。唐突に家族崩壊劇があったりするのも、締めくくりでの円満解決を目指してのことだろう。
 今話の白眉は草間(いかりや長介)の

「そんなバカな!」

発言。ための効いた台詞の言い回しに絶品のビブラートがかかっていて、そのケレン味は無尽蔵に深い。間髪おかずに爆笑してしまった。その台詞をそのままこのドラマにお返ししたいところ。(麻生結一)


第5回(11/4放送)
☆★
 ドラマ自体は書き手作り手の悦がいっそうに深まりすぎて、ますます何が何だかわからない状態になるも、ようやく出番が回ってきた樹里を演じる戸田菜穂の恐怖演技が見られただけでも、第5回の価値はあった?! 定番の手すり落ちやシャンデリア落下なんかが出てくると、やってる感はそれなりに高まってくる。(麻生結一)


第4回(10/28放送)
☆★
 ホテルカリフォルニアのマッチ、琴音(高樹マリア)が加入していた「まごころの泉の会」とそのマーク。鈴(山田夏海)の真上で沸いていたはずのやかんは、遠くに散乱?!、猟奇事件の容疑者に浮上したバスの運転手の失踪。そしてまたまた3本に折られたマッチ。欧太郎(ユースケサンタマリア)と琴音の隠し撮りしたツーショット写真、お色気担当の愛子(白石美帆)。真実味の薄い精神科医、藤城(高知東生)の真実味の薄い診察。一歩間違えると、『アリー』風にもなりうる姿なき男の子が姿。ホテルカリフォルニアの同室に泊まる草間(いかりや長介)と里美(佐藤藍子)って、この人たち誰よ?その草間までも幻の男を見る。文子(山口香緒里)はあんな事件を起こしておいて、まだ松本家に遊びに来るのかい。

「何か怖い〜っ。松本さん、おかしいですよ」by文子

ベリーショートからズラに? 確かに今話の梓(夏川結衣)もかなりおかしかったが、文子のおかしさに比べれば、まだまだ序の口!ホテルカリフォルニアの廊下で、梓と草間がとうとうニアミス。もったいつけてるわけには、結局何も起こらず。いい加減、しびれが切れてきた。
 エンディングに流れる『異邦人』と言えば、先日オリジナルを歌っていた久保田早紀改め、クリスチャン・アーティストとなった久米小百合が、庄野真代と一緒に『公園通りで会いましょう』で歌っていらっしゃいました。(麻生結一)


第3回(10/21放送)
☆☆★
 ドラマの前半は普段のショッキング効果は控えめに、地道な家族模様でわかりやすく見ていられた。琴音(高樹マリア)が殺されるシャワーシーンは『サイコ』を思わせるも、スパナ(またも!)が振り下ろされる瞬間から血が飛び散るところが白黒になる効果は抜群。血だらけのシャワールームを欧太郎(ユースケサンタマリア)が発見する場面もショッキングだが、スプリットスクリーンであおるやり方はちょいやり過ぎか。「勝手にしやがれ」をBGMに(?!)、欧太郎が証拠隠滅する場面にはどうしても笑ってしまったけれど。(麻生結一)


第2回(10/14放送)
☆☆
 謎が謎を本当によんでいるのかも謎?! 回想、幻想、空想、妄想入り乱れて、梓(夏川結衣)が恐怖のリアクションを大放出。駿介(北村一輝)の血しぶきも出血大サービス状態。怖いという感想もちらほら聞くも、どうしても笑ってしまうことの方が多くて。欧太郎(ユースケサンタマリア)と愛子(白石美帆)の蛇口系の絡みとか。
 何はさておき、第2話で一番怖かったのは三好(山口香緒里)でしょう。そして、なぜ唐突にベリーショート? その謎が単なるおざなりだったりするのは勘弁してもらいたいんだけど。(麻生結一)


第1回(10/7放送)
☆★
 なぜか秋のクールにホラードラマ。テレビ局に投稿された3通の手紙とビデオテープを元にドラマ化されているということだが、3通の手紙とビデオテープが送られてきた行為自体のほうが怪奇だったりして。まぁ、どこに元ネタがあるにしても、脚色次第で素材は生きも死にもするわけだが。
 夏川結衣とユースケサンタマリアのコンビといえば、すぐさま『結婚前夜』を思い出す。初っ端から、夏川結衣の恐怖演技は見ごたえ十分も、ユースケサンタマリアはコメディとエロパートの専門?! びっくりシーンに「勝手にしやがれ」とは、その選曲の方にもっとびっくり。今後もあれは多用されるんだろうか?毎回笑っちゃいそうなんだけど。
 初回を見た限りでは、何をどうしたいのかさっぱりわからなかったが、とりあえずは梶芽衣子と火野正平の存在そのものの方はかなり怖かったです。(麻生結一)




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