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初恋.com (日本テレビ系)
製作著作/日本テレビ
制作協力/オフィスクレッシェンド
チーフプロデューサー/梅原幹
プロデューサー/櫨山裕子、内山雅博
原案/小原信治
脚本/江頭美智留(1、2、4)、小原信治(3)
演出/山崎貴
音楽/吉川慶
音楽プロデュース/仲西匡
主題歌/綾戸智絵『Silent Night(きよしこの夜)』
出演/桜井遥…加藤あい、足立美咲…市川実日子、川瀬菜摘子…大塚寧々、遠山圭介…金子統昭、水島浩平…瑛太、本田純一…大倉孝二、神谷隆史…木村剛、比留間丈二…佐藤タイジ、橘俊彦…八木橋修、桜井望…倉沢桃子、藤村ちか、工事現場の男…忌野清志郎、安藤章…うじきつよし
ほか



総合評価
☆☆
 通信販売会社で働く3人の女性が、初恋ドットコムというインターネットのサイトで初恋の相手を捜し出して……、というクリスマス用のスペシャル連ドラ。


第一夜(12/22放送)
☆☆
 通信販売会社に入社して間もない遥(加藤あい)は、電話で客から暗いと言われて以来、苦情の電話が怖くてでられなくなってしまい、副社長の菜摘子(大塚寧々)に早々辞めたいと申し出る。遥を元気づけるようにと菜摘子から1万円を授かった教育係の美咲(市川実日子)は、遥を飲みに誘う。酔っ払った勢いで、遥は中学時代にデートをした浩平(瑛太)からミニスカの私服よりも制服の方がかわいいといわれ、それがトラウマになって暗くて地味な人間になってしまったことを告白する。妹から聞いた初恋の相手を捜せるネットのサイトに面白がって登録してみると、その浩平も遥を捜していたことが分かる。
 カタログの撮影でモデルが足りず、一見パッとしない遥に代役が回ってきてメイクしてみたら、びっくりモデル以上に輝かしくて、ってこういうパターンってやっぱり普遍なんでしょうね。実際、加藤あいが演じているわけだから、彼女よりも美しい人もそうそういないだろうけど。遥の誕生日に浩平と会うことになった遥は、社員割引ながら高額の服を買い込んでおしゃれして出かけるも、浩平から誘われた店は何と行列が出来てる立ち食いラーメン屋。渋る遥をいぶかしげに見る浩平って、こんな無神経な男と遥みたいなきれいな子が一緒にいる必要もないのに、なんてじりじりして見てしまっているあたりが、いかにもクリスマス向けなドラマにのせられちゃってるというか。タイトルバックは日テレ汐留社屋前のデコレーション。電光掲示でサイトのURLが出てたりするあたりもいかにもといった感じ。


第二夜(12/23放送)
☆☆
 遥(加藤あい)をちゃかして登録させていた初恋ドットコムに、実は美咲(市川実日子)も登録していた。しかし、高校時代の恋人の登録はない(って、これが普通でしょう)。フリーターでプロのカメラマンを目指す年下の圭介(金子統昭)と同せい中も、稼ぎの少ない彼との考え方の違いは深まる一方で。そんな時、初恋ドットコム経由で元カレの隆史(木村剛)からメールが届く。隆史(長野県在住)が出張で東京に出て来てた機会に、美咲と会うことに。昔見たあの映画(?!)を見て、昔食べたおでんを食べて、いきなりキス。そこ現場を偶然見ていた圭介に問い詰められた勢いで、別れ話を切り出す。
 偶然が幾重にも重なって、というプロットだけ見るとげんなりしてしまいそうなお話も、市川実日子がうまいので快適に見通せた。風景しか撮らないと宣言していた圭介の置き土産(?!)、美咲の寝姿の写真が大量に出てくるエンディングも余韻がある。また忌野清志郎が出てるのにはビックリ。今クール3本目(『ライオン先生』『マンハッタンラブストーリー』)でしょ。


第三夜(12/24放送)
☆☆★
 白馬の王子様を夢みていた学生時代から時は流れて、ここまで引っ張ったら、中途半端な相手じゃ納得できないとおでんの屋台でぼやくこんな34歳、菜摘子(大塚寧々)。12年前に恋した相手はギターが得意な比留間(佐藤タイジ)。ご多分に漏れず、菜摘子も初恋ドットコムを利用してみると、またまた引っかかりました。職業はジャズギタリスト。住んでる場所はニューヨーク。このサイトって、国境を越えて流行ってるみたいですね。即デートの約束をしておしゃれして出かけてみると、そこにいたのは比留間の隣でサックスを吹いていた本田(大倉孝二)だった。すべては本田が仕組んだこととわかり、最初菜摘子は大いに落ち込むも、本田の告白に結婚を決意する。
 ところが実は本田、勤めていたはずの一流銀行もすでにリストラされていて、今やぼろアパートに住む貧乏暮らし。これまでの2話と比較しても年の功を越えた苦々しい話で、クリスマスに見る感じじゃないところが素敵。


第四夜(12/25放送)
☆☆
 元カレに対して、新しいカレのことは新カレって言うのか。会社の忘年会は屋形船から観覧車へのはしご。その観覧車でサンタの格好をして写真を撮るバイトをしていたもはや元カレの圭介(金子統昭)を見つけた美咲(市川実日子)は、遥(加藤あい)と菜摘子(大塚寧々)と本体からは離れて、飲み直しに行く。
 そしてそれぞれのクリスマスイヴの夜。美咲は隆史(木村剛)に指輪買ってもらっといてやっぱりもらえないって、そりゃないでしょ。圭介を選んだら、間違いなく旧の木阿弥なのに。見合い相手の橘(八木橋修)と結婚することを決めたはずの菜摘子(大塚寧々)は、橘の前でねこまんまをやらかして(?!)、いきなりの婚約解消。汐留のクリスマス・デコレーションの前で待ちぼうけの本田(大倉孝二)のもとに走って駆け寄って、「私のダイヤモンドになってよ」との殺し文句を放つ。苦々しい第3夜がご破算に。そのままの遥でいてくれと熱烈告白する浩平(瑛太)は、クリスマス・デコレーションのための照明の足場にのぼって絶叫。

「恥ずかしいでしょ」by遥

って、それは見てるほうの台詞だ!イヴ明けにみなさん、すっきりした顔で出社してめでたしめでたし。綾戸智絵の生歌がエンディングに流れる。真冬の真夜中に、ご苦労様でした。(麻生結一)




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