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帰ってきたロッカーのハナコさん (NHK総合月〜木曜23:00〜23:15)
連続ドラマ
制作・著作/NHK
制作統括/鈴木圭
原作/石井まゆみ『ロッカーのハナコさん』より
脚本/戸田山雅司
演出/柴田岳志(1)、井上剛(2、4、5)、三鬼一希(3)
音楽/本間勇輔
主題歌/『元気を出して』島谷ひとみ
出演/北浦華子…ともさかりえ、小嶺瑠布子…吹石一恵、御厨みそら…平山綾、長野かける…田丸麻紀、安野来未…小西美帆、二光慎也…須賀貴匡、三井野ゆり…田村たがめ、木幡杏子…平岩紙、押野久子…小川奈那、和津野しほ…藤村ちか、飯野滝江…菅原禄弥、葉山千枝子…三崎千香、桂木彰洋…松永博史、市倉仁士…斉藤洋介、緒園理子…国分佐智子、生田目主税…徳井優、福武副社長…団時朗、椎名俊輔…松重豊、緒園隆文…勝村政信、仁科和実…鈴木砂羽、羽根田小春…香川京子、中務公宣…草刈正雄、坂口重則…風間杜夫
ほか

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最終週「ハナコさん 永遠に!」(11/3〜11/6放送)
☆☆★
 ハナコさん(ともさかりえ)にとって、車の事故による唯一の後遺症が、グッジョブ中務(草刈正雄)が元恋人だったという事実をすっかり忘れていたことだったとは。オポンチの化身、みそら(平山あや)にまでも「意外にオポンチ」呼ばわりされた日にゃ、さすがのハナコさん(ともさかりえ)も成仏もしたくなったのかと思いきや、ロッカーがいったん閉ざされてしまったのは、単に扉の立て付けが悪かっただけとは、いかにもこのドラマらしい肩透かしぶり。
 合併計画が議事に上る株主総会で、白紙の原稿をハナコから渡された瑠布子(吹石一恵)が自力で演説する場面は最終週の一番の見せ所だが、ここはその内容よりも好感度で点数をかせいだ感じ。あの程度の主張であっさりと合併話を翻意するやさしそうな先代社長夫人役で、香川京子が登場。やはりこのドラマ、キャスティングが豪華です。
 みそら(平山あや)と椎名(松重豊)の結婚式というおまけエピローグも楽しげ。ここに初めて、理子役の“生”国分佐智子が登場!23時の連続ドラマ出演記録更新が、ここに正式に受理される?!
 この第2シリーズは、それぞれのキャラクターが一人歩きし続けていたおかげで安心してみていられた反面、せつなさやハラハラ度ではパート1よりも共感が薄かった。ハナコズチルドレンのにぎやかしさこそが、一番の眼目だったかな。(麻生結一)


第4週「北浦華子 苦戦する!」(10/27〜10/30放送)
☆☆☆
 つばさ商事との合併話を進めるために、アメリカ資本のファンタスマ・グループの全権を担って先乗りでやってきた合併担当役員、グッ・ジョブ中務(草刈正雄)がいきなりに強烈。感嘆にして簡単な英語を連発するキャラは、草刈正雄ならではのテイストだ。『ツーハンマン』とも微妙にかぶってたりもするんだけど。

「グッ・ジョブ」

の連呼には、

「グーッド グーッド」

と連呼してた『盲導犬クイールの一生』の多和田(うじきつよし)に通じるものを感じたりもして。
 外国人社員づくしによる英語の質問攻めを夢想して、絶叫する瑠布子(吹石一恵)はこの絶好のシチュエーションにいっそうのボケキャラぶりを発揮するのかと思いきや、意外にも中務ブームに踊らされることもなく、ハナコ(ともさかりえ)と一緒に真相を探るナイスアシストぶりを発揮。警備室のモニターをキュルキュルと3年後の未来に進めてしまったりするSFチックなトリックがらしくて楽しい。
 ポケットチーフしてる男は、腹に一物隠してる?! 確かに。そして、ハナコさんが見えるクラブはハナコズ・チルドレンに名前を改称する?!(麻生結一)


第3週「北浦華子 しくじる!?」(10/20〜10/23放送)
☆☆★
 ハナコさん(ともさかりえ)が見えるクラブ会員ナンバー6番にして週に1度ぐらいしか登場しなかった地味な役員秘書の杏子(平岩紙)が、第2シリーズの第3週目にして初メイン。よって、ドラマ自体もいつもより地味目の印象も、恋愛オンチだと言われて奮闘するハナコさんが新鮮にうつる。ハナコさんに頼らずに自分で恋愛の問題を解決しようとする瑠布子(吹石一恵)に対し、いい教え子になったとハナコが語る場面に見ている方も思わずしみじみとする。福武副社長(団時朗)というゴロが何となく気持ちよかったりして。(麻生結一)


第2週「北浦華子 ムキになる!」(10/13〜10/16放送)
☆☆☆
 ハナコさんの死活問題に、幽霊だけに死亡動機?!

「何だか面白くなってきたみたいね」byハナコ(ともさかりえ)

まったくです。カウンセリングルームを開設し、社員の悩みをたちまち言い当ててしまう元人事課の社員、和実(鈴木砂羽)とハナコとの対決は見ごたえたっぷり。『金曜かきこみTV』で大活躍中の藤村ちかが悩めるOL役でちょっぴり登場。(麻生結一)


第1週「北浦華子 ひと肌脱ぐ!」(10/6〜10/9放送)
☆☆★
 大いに楽しませてもらった『ロッカーのハナコさん』のシリーズ第2弾は『ウルトラマン』ばりに“帰ってきた”の冠!第1シリーズからのレギュラー組で欠けているのは、23時ドラマの帝王、鳥羽潤ぐらいか。鳥羽潤の好敵手、23時ドラマの女王、国分佐智子は緒園チーフ(勝村政信)の妻の座におさまって、記録の更新が危ぶまれるも(?!)、携帯電話の動画で鮮明に瞬間登場し、23時ドラマ出演記録を4に伸ばす。これで再び、鳥羽潤の記録に並ぶ格好に。2人ともがんばって!
 再放送で第1シリーズを見直して、よくできてるなと改めて感心させられた直後だからか、この第1週にはお約束なプロットの安直さが気になった。それでも、それぞれのキャラクターはすでに出来上がっているので、見進めるに安心感はある。
 ストーリーはありきたりでも、随所にちりばめられた小ネタで稼げるところがこの作品の強いところ。坂口常務(風間杜夫)と生田目取締役(徳井優)は、ハナコ(ともさかりえ)をめぐる元祖と総本家になる。そんなハナコは2人を二股でランチタイム。汚名は返上、挽回するのは名誉、晴らすのは濡れ衣か。勉強になります。ただ、ゆり(田村たがめ)&来未(小西美帆)の狂言回しコンビの露出は、前作ぐらいの方がバランスよかったのでは。
 第2週にはハナコさんのライバルが登場して、いっそう面白くなりそう。(麻生結一)




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