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ハコイリムスメ! (フジテレビ系火曜22:00〜22:54)
制作/関西テレビ、共同テレビ
プロデューサー/三宅喜重、井口喜一
脚本/中園ミホ
演出/木下高男(1、2、4、6、8、10)、都築淳一(3、5、7、9)
音楽/中西俊博
主題歌/『My last fight』LOVE PSYCHEDELICO
オープニング曲/『Portrait』Tasty Jam
出演/古森花…飯島直子、古森灯…深田恭子、高村徹郎…吉沢悠、小泉純平…玉山鉄二、田久保健…勝村政信、高村一成…袴田吉彦、湯江健幸、キース・コーベット…マーク・コンドン、堀越のり、藤井彩香、石田香奈、玉木千尋、丸居沙矢香、高橋賢人、山田十郎太…古田新太、大家由祐子、佐々木蔵之介、山口美也子、鹿内孝、古森朝子…吉田日出子、古森吉太郎…地井武男
ほか

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第10回(12/9放送)
☆☆
 無駄にも思える変則回想を交えて、花(飯島直子)が健(勝村政信)とキース(マーク・コンドン)の間で振ったり振られたりという最終回。確かに花のイメージからすれば、白無垢の神前結婚式よりも、和やかムードのホームパーティ風ウェディングの方が数段似つかわしかったかな。
 アメリカに帰ったはずも、会社を辞めて花に会いに来たキースに、今さら“ノコノコ”という日本語は難し過ぎた模様。いまさらながらに、日本語の難しさを省みたりして。繰り返される灯(深田恭子)が花に張り手を浴びせるシーンには、第1話を見たときにかぶった『ファイティングガール』のことを再び思い出させた。飯島直子>深田恭子の分量には疑問も残るが、何はともあれ全ハッピーエンドにいい気分で見納められたことは間違いない。(麻生結一)


第9回(12/2放送)
☆☆
 キース(マーク・コンドン)はニューヨークに去り、花(飯島直子)は一人そばを打つ。献身的なつくしようで、急激に株を上げたのが健(勝村政信)。最初の入院は花と健をくっつける作戦だった吉太郎(地井武男)も、二度目は本当に倒れちゃって、いきなりのやつれぶり。
 引っかかったのは、健にプロポーズした花のあまりの変わり身の早さ。キースと別れて、幾日も経ってないはずだけど、何を急いでいるのだろう(ドラマの終わりを急いでいるのか)。
 灯(深田恭子)はますます傍観者的になってきてる。どうしても花の話に重きがあるので、致し方ないところか。(麻生結一)


第8回(11/25放送)
☆☆
 花(飯島直子)がキース(マーク・コンドン)と恋人宣言したのも束の間、キースはニューヨークに転勤することになってしまった。ただ、いくら吉太郎(地井武男)の気持ちを思いやってのこととはいえ、キースが黙って花のもとから去ってしまうあたりはあまりにもドラマ的というか。これまでのキースのキャラクターを裏切らないとするならば、相談ぐらいするだろうに(途中、キースのそばアレルギーが発覚!)。
 そんな奇妙さはあるにしろ、、このドラマのほんわかムードにはやっぱり心惹かれるものが。まぁ、前のドラマの反動かもしれないけど。一方、すっかり味が薄くなってしまった灯(深田恭子)は、純平(玉山鉄二)から告白され、徹郎(吉沢悠)からもまた会ってほしいと頼まれるモテモテ状態に。なかなかうまくいきませんね。(麻生結一)


第7回(11/18放送)
☆☆★
 花(飯島直子)の流産ですっかり落ち込んでしまった吉太郎(地井武男)をはじめとする高尾山の面々だったが、当の本人は明るく振る舞ってみせていた。しかしある朝突然、そんな花が家から姿を消してしまって……。
 気丈にも涙を見せない花に、キース(マーク・コンドン)が英語の教訓で優しくなぐさめるバッティングセンターでのシーンにはホロリとさせられた。このドラマの見どころに絡むのは、常にキース!
 純平(玉山鉄二)と徹郎(吉沢悠)が、それぞれに花の流産は自分が突き飛ばしたからだと責任を感じるエピソードも、暗くならずにあっさりと和解してしまうあたり、いかにもこのドラマらしい。灯(深田恭子)と徹郎(吉沢悠)も何だか雪解けムードだったりする。(麻生結一)


第6回(11/11放送)
☆☆★
 花(飯島直子)と灯(深田恭子)が直面する事態はいっそう深刻なものになるも、全体的なのんびりとした雰囲気には随所に救われる思い。これも自然豊かな高尾山のなせる業かな。住人に悪い人は一人もいないし。
 それだけに、赤ちゃんが助からなかったラストは悲痛だ。そんな花を助けるキース(マーク・コンドン)のやさしさは、もはや底なしの域に。滝に打たれてる様もあまりにキュートで。(麻生結一)


第5回(11/4放送)
☆☆★
 花(飯島直子)のかつての恋人でおなかの子の本当の父親、西谷役で登場した佐々木蔵之介は、同枠の『クニミツの政』からの連投。他にもいろいろ出てらっしゃいますし(『白い巨塔』『独身3』)、売れっ子ですね。この西谷、かなりの悪人かと思いきや、随分いい人でしたね。どうやらこのドラマでは高尾山に登ってくる人に、悪い人はいないらしい。
 手切れ金を渡されたにもかかわらず、灯(深田恭子)は徹郎(吉沢悠)のために古風にもお百度を踏む。終始泣きそうな深田恭子の表情が、共感をさそう。(麻生結一)


第4回(10/28放送)
☆☆★
 せつなさアップで、ドラマへの共感度は先週の2倍増。花(飯島直子)と灯(深田恭子)のそれぞれのギリギリの境遇が、やさしさに包まれて描かれている。
 とりわけつらいのが、逆行性健忘症ですっかり性格が変わってしまった徹郎(吉沢悠)に冷たくされる灯(深田恭子)の立場。うっとうしいとまで言われてしまっては、ひたすら悲しみにくれるしかない。さすがに今話中での、その肉体を誇示する場面はなし。
 同じく状況は深刻も、赤ちゃんの父親だと吉太郎(地井武男)に宣言したキース(マーク・コンドン)のミラクルいい人のおかげか、花の話はむしろほのぼの調。だんご屋にだんごのお土産をもっていくあたりも、善良の塊としかいいようがない。ただ、このキースがどうしてここまでいい人なのかはまったくの謎で、そのあたりのことを考えているうちにドラマはエンディングをむかえてしまった。(麻生結一)


第3回(10/21放送)
☆☆
 よく考えればヒロイン2人は深刻な状況に立たされているわけだが、演出のタッチは軽快なので、スルスルと見通せてしまう。交通事故にあい、昏睡状態の徹郎(吉沢悠)を寝ずに見守り続ける灯(深田恭子)に花(飯島直子)が電話で一言。

「灯、体力だけは人並み以上だし……」by花

って、またまた深田恭子の役どころは肉体最強を謳われちゃってるよ。
 セーターを背中にはおる吉太郎(地井武男)は確かに石田純一風!美術展に行った直後に似顔絵を描いてあげるその度胸に胸をうたれたか(?!)、キース(マーク・コンドン)が花の子供もパパ宣言し、ドラマは本格的に盛り上がってくる。(麻生結一)


第2回(10/14放送)
☆☆
 深田恭子のキャラクターには、時折『ファイティングガール』をほうふつとさせるところが。

「灯(深田恭子)、怒るとドラえもんそっくり!」by花(飯島直子)

『ファイティングガール』では女子プロと間違われていた流れを考えると、何気に人から罵倒されるキャラが深田恭子の持ち味だったりして。ドラえもんの指摘にも妙に納得してしまう。彼女だったら、どんな困難にだって耐えられるという安心感があるし?!
 というわけで、せっかく高尾山出身であることを打ち明けられたのに、徹郎(吉沢悠)は交通事故にあってしまい、という新たなる試練が灯にふりかかる。ただ、作品自体は、テイストも脇もという意味で随所に甘め。高層ビルから下を歩く花を見つけてしまうキース(マーク・コンドン)の眼力にはちょっとびっくり。(麻生結一)


第1回(10/7放送)
☆☆★
 木下高男演出、中西俊博音楽、深田恭子主演、勝村政信共演と聞くと、傑作『ファイティングガール』を思い出さずにはいられないが、このドラマはそういった個性的なタイプのドラマではなさそう。飯島直子と深田恭子の姉妹役ということでは『おとうさん』があったが、あれほど手垢のついた感じのお話でもなさそう。その語り口に変な癖がない分、今後の姉妹それぞれの自分探しの行方に素直に期待したくなる。
 東京からの距離感が近くて遠い高尾山の茶屋という舞台設定のおかげで、花(飯島直子)が山に帰り、逆に灯(深田恭子)が山を降りるというすれ違いの構図がよりきれいに決まっていたと思う。都会に疲れ、人生に落胆する姉役と、都会での生活にこそ何かがあると憧れを持つ妹役だったら、仮に『オヤジぃ。』と『おとうさん』のキャストをシャッフルして考えても、飯島直子と深田恭子の組み合わせこそがベストの配役ということになるだろう。
 クラシックのオフ会の優雅さは、ステレオタイプなイメージ通り。恋人で医大生の徹郎(吉沢悠)に灯が、住んでる場所を高尾山じゃなくて高井戸と偽る挿話には笑った。結局“高”しか一致してないんだけど。高尾山のケーブルの最終って、18:45なんですね。さすがは、ムササビが飛んでるぐらいの場所だけのことはある。(麻生結一)




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