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銀座まんまんなか! (TBS系月〜金曜13:00〜13:30)
製作/カノックス、TBS
編成担当/木村理津
プロデューサー/高橋史典、小林由紀子
脚本/東多江子、扇澤延男
演出/猪原達三、釜谷正一郎
音楽/塚山エリコ
主題歌/『ビリーヴァー』星村麻衣
出演/高村うさぎ…奥貫薫、高村亮介…坂上忍、都築幸恵…伊藤榮子、寺田圭…若林志穂、倉岡(都築)雄一郎…飯田基祐、倉岡彩子…宮本裕子、田所完治…久保晶、井上浩一…吉満涼太、井上浩太…藤間宇宙、高村美里…鈴木舞花、高村望…中曽根康太、平田課長…松澤一之、佐藤由香子…猫田直、長谷川志織…朝倉円夏、吉田真理子…かんの梨果、大路三千緒、倉岡信吉…高橋元太郎、久田キヨ…樋田慶子、村中八重…馬渕晴子、都築寛…市川左團次
ほか

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第6週(12/22〜12/26放送)
☆☆★
 もう終わっちゃうの、といった感じの最終週。兎月堂に亮介(坂上忍)が勤める丸越デパートからデパ地下出店の話が。亮介の仲介にうさぎ(奥貫薫)は大いに乗り気も、職長の完治(久保晶)や八重(馬渕晴子)は反対する。雄一郎(飯田基祐)と彩子(宮本裕子)夫婦に相談するも、二人の意見もまったく正反対で、兎はいっそう悩むことに。店の10年後を考えるようにという父・寛(市川左團次)からのアドバイスを受け、亮介(坂上忍)とのパワー・ブレックファーストでうさぎはテパート出店の依頼を断る。
 時を同じくして、うさぎ(奥貫薫)が兎月堂の当主になってはじめての春の新作菓子を機に、世代交代の意味合いから完治が引退すると言い出す。実際は、腕が落ちたのを他人に気づかれる前にやめたいという、完治の職人気質からの言動だった。当主としてのうさぎの門出に、そして和菓子職人としての最後の置き土産として、完治は伝統の兎饅頭の背中に子ウサギをのせた親子兎を作る。
 そしていよいようさぎは兎月堂の4代目を襲名することに、って、ここから話は盛り上がっていくんじゃないの。ここまで余力を残して終わるドラマも珍しい。早々のパート2を勘ぐりたくなる。大なり小なりとんとん拍子のうさぎに対して、ひたすらにかわいそうだったのが圭(若林志穂)。クリスマス限定のワインつきのアレンジで挽回をはかるも、ときすでに遅しか、フラワーショップ ケイ&エムはあえなく閉店に追い込まれる。うさぎの襲名披露のその日に閉店後の後始末だなんて、つらすぎるよ。アメリカに経済の勉強に行っちゃう設定だと、パート2には登場しなそう。(麻生結一)


第5週(12/15〜12/19放送)
☆☆★
 うさぎ(奥貫薫)の母・幸恵(伊藤榮子)が突然倒れるも、原因はストレスで重病ではなかった。次々に登場人物が死んでしまっている30分後にはじまるドラマ(『真実一路』)とは真逆に、これはこれで昼ドラらしいというか(あっちはあっちで昼ドラらしいんだけど)。うさぎの夫・亮介(坂上忍)の得意先の建設会社から、兎月堂にイベント用の記念品の大量注文が入る。当主見習いとして幸先のいいスタートを切ったうさぎは、その勢いに乗って若者に和菓子のよさを知らせるべく、和菓子バイキングを企画する。雑誌に取り上げられたこともあり、バイキングの期間中は大盛況だったのだが、その代わりに古い常客を失うことに。うさぎの和菓子屋修行もいっそう多忙になったため、卒園まであと半年というところで、息子の望(中曽根康太)は銀座の幼稚園に転園することになる。ところが、うさぎはあまりの忙しさのために、望にクレヨンを買ってあげるという約束をすっかり忘れてしまって……。
 これまでの明るい展開では気がつかないんだけど、暗い場面になると昼ドラにあるまじきほどにとことん暗くなるのは、奥貫薫と坂上忍が夫婦を演じているならではの味わいか?! 何の前触れもなくナレーションが過去形になってのちのちの失敗が暗示されるあたりには、やや唐突な印象(ってことは、これまでのすべてが過去形だったってこと?)。回を追うごとに調子に乗っていくうさぎにいまいち共感が薄いのとは反対に、斜陽を極めるフラワーショップケイ&エムの圭(若林志穂)には思わず同情。財産なげうって勝負に出ている圭に比べれば、うさぎのがんばりも所詮は老舗の娘さんのそれって感じで。もちろん、切実度を競い合うドラマではないわけだけど。(麻生結一)


第4週(12/8〜12/12放送)
☆☆★
 うさぎ(奥貫薫)の兄・雄一郎(飯田基祐)が兎月堂の番頭・八重(馬渕晴子)と寛(市川左團次)の父との間に生まれた子だったとは、何とも生々しいお話で。圭(若林志穂)はうさぎの裏切りにより、フラワーショップ ケイ&ラビットの名称をケイ&エムに変更。エムは美里(鈴木舞花)のエム。普段は薄幸を極めた役でならしている奥貫薫と若林志穂が並んで明るい役をやってるのが楽しかったんだけど、やはり長くは続かなかったか。
 ここからは、修行と子育ての両立は可能?、の問いがテーマになっていく模様です。(麻生結一)


第3週(12/1〜12/5放送)
☆☆★
 うさぎ(奥貫薫)が兎月堂の4代目を襲名することになり、ドラマは事実上の『月島まんまんなか』からいよいよ文字通りの『銀座まんまんなか』に。しかしその決断は、フラワーショップ・ケイ&ラビットを一緒に立ち上げた圭(若林志穂)と兎月堂の4代目に立候補していた美里(鈴木舞花)を大いに傷つけることに。
 当て馬を自覚して号泣する美里(鈴木舞花)はまだいいとしても、圭にとってこれは背信以外の何ものでもないでしょう。うさぎの裏切りを責める圭に大いに同情。3年以内に銀座で花屋を開いて、ラビット=うさぎを打ち負かす、って明るく言ってたけど、目が真っ赤に充血したのは意図的な演出?! こういう役をやると、若林志穂ははまります。逆に奥貫薫も一瞬、慣れ親しんだ責められ役モードに?!
 宮崎から来たという老婦人のために、寛(市川左団次)が手際よくうさぎ饅頭を作る過程は見物。

「人がお菓子を作る様は美しい」byうさぎ

ここで店を継ぐ決心を固める流れが納得がいくところ。(麻生結一)


第2週(11/24〜11/28放送)
☆☆★
 生花店を開店させたうさぎ(奥貫薫)は、何とかお店を軌道に乗せようと張り切るのだが、息子・望(中曽根康太)の幼稚園へのお迎えを忘れてしまったり、食事は冷凍物に様変わり、洗濯もため放題と家事もおろそかになってしまい……。

「こうして妻は手抜きになっていくのであった」by亮介(坂上忍)

最初、協力的だった夫・亮介ともギクシャクしはじめ、父・寛(市川左団次)と母・幸恵(伊藤栄子)からは、実家の老舗和菓子店をを継ぐようあらためてせっつかれるし。
 そんな悪戦苦闘の連続も、うさぎがめっぽう打たれ強いので、ドラマのトーンがいっさい暗くならないところがいい。『幼稚園ゲーム』のパート1でもそうでしたけど、奥貫薫は意外にもこういうめげないキャラにピタッとくる(ゴールデンのドラマなどでは薄幸の化身のようなイメージがありますけど)。
 何かって言うと缶ビールで乾杯するうさぎ(奥貫薫)、圭(若林志穂)、そして美里(鈴木舞花)が楽しげ。主婦の感覚を生かして、お花バイキングや700円のブーケを発案したあたりまではよかったけれど、金曜の夜にサラリーマンターゲットで花束を1000円で売り出す案は大ごけ。うさぎと圭が花を持ってサラリーマンに詰め寄る姿はまさに、

「何かひねた花売り娘みたい。微妙な感じ」by圭(若林志穂)

確かに。亮介(坂上忍)がサクラの真似をさせられる駄目押しがおかしい(しかも3回も!)。(麻生結一)


第1週(11/17〜11/21放送)
☆☆★
 月島に住む専業主婦のうさぎ(奥貫薫)は、大学時代の親友・圭(若林志穂)から一緒に花屋をやりたいと切り出され、そこに主婦仲間の由香子(猫田直)が加わって、夢が現実になりかけるも、あっという間に由香子が一抜けて……。
 まさに銀座のまんまんなかを舞台にした主婦の奮闘ドラマ。『幼稚園ゲーム』の第1シリーズでの好演が記憶に新しい奥貫薫が、ここでも三十路前に新たなる人生にチャレンジする主婦役を嫌味なく演じている。ゴールデンのドラマでは薄幸キャラのイメージが強いが、彼女の本領はむしろこっちなのでは。スーパーに出店するにあたって、150万円の保証金を肩代わりして女気を見せる圭役で、若林志穂が愛の劇場枠に復活してくれたのもうれしい。
 キャラクターがおかれている状況、設定に関する不自然な説明台詞は、いかにも第1週らしいマイナスポイント。パンにあんこを入れてアンパンを発明した銀座のお店って、木村屋ですよね。あれは絶品です。(麻生結一)




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