レビュー：ひと夏のパパへ

ひと夏のパパへ

（TBS系水曜22：00～22：54）

製作/Ｊｏｋｅｒ、ＴＢＳ
プロデューサー/大川博史
脚本/樫田正剛
監督/廣木隆一（1、2、5）、吉村達矢（3）、松永洋一（4、6、9）、五木田亮一（7）、唐木希浩（8、10）
音楽/川口大輔
主題歌/『感傷』上戸彩
出演/望月まりも…上戸彩、井上麻美…桜井幸子、桐嶋薪平…北村一輝、外古葉修二…小日向文世、岡本章介…柳沢慎吾、寺沢タマミ…江波杏子、佐戸井秀樹…渡辺いっけい、小成大五狼…小林稔侍、松重豊、安西わか菜…北川弘美、ラン…つぐみ、松田悟志、小林千晴、山中聡、金原泰成、津乃村真子、豊川栄順、平沼紀久、大沢樹生、市原隼人、広岡由里子、菅田俊、光石研、宮田早苗、夏八木勲、Mr.オクレ、森下能幸、羽田実加、積圭祐、濱本康輔、堺雅人、林泰文、小林美佳、沢尻エリカ、臼田あさ美、豊原功補、山崎一、芦川よしみ、松本莉緒ほか

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第10回（9/3放送）
☆☆
　いっときの収拾不能状態にしてみれば、非常に美しく締めくくったなという印象。薪平（北村一輝）がいったん死にかける風も、あまりにもありきたりだが、ハッピーエンドを至上命令とした気持ちはよくわかる。
　繰り返しになるが、まりも（上戸彩）と薪平の話にもう少しうまみがあれば、といううらみも残る。まぁ、北村一輝のクレジットが３番手の時点で、ドラマに微妙なひずみが生じていたわけだけど。（麻生結一）

第9回（8/27放送）
☆★
　外古葉（小日向文世）と娘・陽子（松本莉緒）の関係性をサンプルに、複数人で責めて責められる熱（苦し）いドラマが展開。

「俺、何やっていいんだか、わかんないっすよ」by薪平（北村一輝）

この台詞は、ドラマ自身としての叫びにも聞こえる。父親としての新平のみならず、ドラマもちょっと背伸びしすぎたかな。（麻生結一）

第8回（8/20放送）
☆★
　オープニングからミュージカルのオーディションに一致団結するまねき猫の面々の空騒ぎじゃ、まりも（上戸彩）と薪平（北村一輝）ならずともひくわ。１回打ち切りもいたしかたなしか（むしろ１回ですんでよかった?!）。まりも（上戸彩）の浴衣姿はかわいいも、あの父娘はお金なかったんじゃ?!

「あっそう、夏した！」

って、あっそうおばば（江波杏子）は今話も絶好調も、耳の検査はやってなかった?!　外古葉（小日向文世）の娘・陽子役で登場した松本莉緒は『STAND UP!!』と掛け持ち。『ウルルン滞在記』ではスペインのムルシア地方でレモン摘みしてたし、すっかりＴＢＳ女優に変貌をとげた模様。（麻生結一）

第7回（8/13放送）
☆★
　来週にも終わりそうな思わせぶりが続いているここ数回だが、視聴率が視聴率だけに、もしかしていきなりに、という緊迫感もある?!

「私たちはかなり調子に乗っていました。それは今考えれば、最後の晩餐のようなもので」byまりも（上戸彩）

確かに、陰に向かう躁は、はためには調子に乗ってるとしか映らない。

「がんばってください！」byまりも

「がんばってるよ。がんばってるやつにがんばれなんて言うな」by佐戸井（渡辺いっけい）

このドラマもがんばってるのにね。ただ、やっぱりまねき猫の話がメインになると、極端にドラマの共感が落ちる。薄暗いというか、湿っぽいというか、空に騒ぐのみというか。

「偉いなぁ、そんな無理な夢追っかけて」まりも

弁護士になる夢は無理だったと、唐突に佐戸井がアウト。渡辺いっけいは『京都地検の女』の方がお忙しいとみた。あっちじゃすでに、地方検察庁の事務官だしね。
　「いっぱいいっぱい」が「おっぱいおっぱい」に聞こえる“あっそうおばば”（江波杏子）には、耳の検査が必要との麻美（桜井幸子）の診断。来週耳の検査やってたら、笑えるんだけど。（麻生結一）

第6回（8/6放送）
☆☆
　いろいろと面白いことをやろうとしてる意気込みはわかるし、見せ方の工夫も随所に見受けられるんだけど、如何せん質より量が徹底されすぎており、エピソードの詰め放題がドラマを明らかな飽和状態にしてしまっている。「神様はいじめっ子」byまりも（上戸彩）？このドラマこそ、視聴者を相当いじめてるって。
　刑事役の嶋大輔が出てきた途端に殺される！笑っちゃいけないシチュエーションなんだけど思わず。おまわりさん＝細野（松重豊）が探偵＝薪平（北村一輝）に事件の真相を依頼するドラマっていうのも、なかなか珍しいのでは。
　恋の三角関係をめぐる、まりも（上戸彩）v.s.麻美（桜井幸子）の構図を引っ張れれば、桜井幸子もクレジット２番目の面目を果たせたのに。江波杏子の“あっそうおばば”は、このドラマ中では最強の存在になりつつある。情報屋を演じるつぐみを連ドラで見たのって、『直子センセの診察日記』以来？
　車のナンバー思い出すのに、解像度あげるってそんな邪道。ウィンクのモールス信号には笑ったけど。

「強引な！」byまりも

ちゃんと自覚はあったか。さつき（沢尻エリカ）が燐太郎（市原隼人）とつきあっていたのが１週間だったというオチは、いかにも今っぽい感じ。
　これまで水増し続けられてきたまねき猫が休業だった分、話が分散されなかった点で、これまでの回よりもまとまりがあってよかった。今週の反動で、来週はまねき猫漬けにされそうで怖いけど。（麻生結一）

第5回（7/30放送）
☆☆
　我慢か？外道か？の選択に悩むまりも（上戸彩）、17歳の夏。麻美（桜井幸子）がラテン？女王？まぁ、どっちかというと、コンサバじゃないの?!
　麻美の医療ミスで息子が死んだと逆恨みしている石倉（堺雅人）がまりもを誘拐！、ってまた無理のあるエピソードを捻出したものよ。ただ、話がそこに集中していた分、分散気味だったここのところよりはまとまっていた印象。感想がやや好意的になるのも、すべてはデタラメの極点！『キッズ・ウォー５』を見せられてるせいもあるんだけど。あれに比べれば、このドラマなんてまだまだヒヨコみたいもの?! もちろん、

「疲れるっつうの」byまりも

とのコメントが視聴者の代弁であることには変わりないんだけど。
　麻美（桜井幸子）の元婚約者の宇都宮（林泰文）のエピソードを来週に引っ張ったんだから、当然桜井幸子はクレジット二番手にふさわしい露出をするんでしょうね?!
　再三にわたって使われたリゲティの『ムジカ・リチェルカータ』は好きな曲なので、怖い場面にばかり流れるのには大いに抵抗があった。（麻生結一）

第4回（7/23放送）
☆★
　エピソードの粒立ちの悪さが目立つ。岡本（柳沢慎吾）が店長を務めるショーパブ・まねきねこで売上金がなくなった横糸も、裏切りのないオチが用意されているのみで、あまりにも芸がなさすぎる。
　この豪華キャストを生かしきれないつらさよ。騒々しいドラマに食傷気味という以上に、魅力が薄い。薪平（北村一輝）が銀行に口座を作りにいって強盗に間違われてしまうメインストーリーだって、見せ方の慌しさに比べれば展開は非常にのんびりしていて、巻き込まれ型のよさがまったく出ていない。あとは北村一輝の腹芸に頼るのみだもんね。

「勘弁してよ」

とは、まさにそりゃこっちの台詞。

「レヴェル低い！」

って、一応自覚はあるんだ。
　ここまで引っ張っといて、薪平（北村一輝）が本格的な探偵じゃなかったことが判明するオチは気が利いてて○。（麻生結一）

第3回（7/16放送）
☆★
　このひと夏、ちょっと暑苦しすぎない?! いろんなことをやろうとしてるんだけど、何一つとしてしゃきっと決まってこないのは、登場人物が多すぎるせいか。薪平（北村一輝）とまりも（上戸彩）の関係を描きたいのか、まねきねこの面々を描きたいのか、どちらも中途半端でどこを見ていいのか困ってしまう。はさまれる上戸彩主演「家庭教師のトライ」のCMのほうが面白いってのも、どうなんだろう。
　元暴力団組員“暴れ馬の仙キチ”役の夏八木勲は、『ショコラ』でもやくざなケーキ屋さんを演じて役作りいらずか。（麻生結一）

第2回（7/9放送）
☆☆
　ハードボイルドの色付けのつもりが、バラエティ色をいっそう強めることに。裁判で証言することになっている海老原（大沢樹生）を、死んでも守ると高らかに宣言する薪平（北村一輝）がちょっと気持ち悪い?! 男の友情の描き方は難しいねぇ?!
　どうしても気になるのが、桜井幸子と北村一輝のクレジットの順番。だって、『ひと夏のパパへ』でしょ。だったら、桜井幸子はトメでいいんじゃないの？（麻生結一）

第1回（7/2放送）
☆☆
　物語は一つのパターン通りにドラマは推移するも、少なくとも同脚本家の『ホットマン』よりはちゃんとしてそうで、とりあえずはホッ。また、そうじゃなきゃ困るんだけど。
　娘役に上戸彩、父親役に北村一輝の配役はなかなかいい雰囲気。あれ？クレジットは北村一輝よりも桜井幸子の方が先なんだ！顔が濃いことを指摘されたからか、いつもより北村一輝の顔が濃いような。渡辺いっけいは危うく同枠連続でダンサー役のところだった?!（麻生結一）