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元カレ (TBS系日曜21:00〜21:54)
製作著作/TBS
制作/TBS ENTERTAINMENT
プロデューサー/伊藤一尋
脚本/小松江里子
演出/今井夏木(1、2、3、7、8)、三城真一(4、5、9、10)、片山修(6)
音楽/十川知司
主題歌/『薄荷キャンディー』KinKi Kids
挿入曲/『テコのテーマ』デヴィッド・フォスターwithニタ・ウェティカ
出演/柏葉東次…堂本剛、佐伯真琴…広末涼子、早川菜央…内山理名、千蔵一…天野ひろゆき、仁科弘枝…ソニン、藤枝徹…佐々木蔵之介、篠田満男…金田明夫、中原丈雄、柏葉裕二…斉藤祥太、長谷川朝晴、蒲生純一、今井陽子、氏家恵、石橋奈美、俵木藤汰、後川佳織、木下明水、大島蓉子、橋沢進一、草村礼子、岡まゆみ、柄沢次郎、津村鷹志、高橋長英、山崎一、小市慢太郎、柄沢次郎、市毛良枝、角野卓造
ほか

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第10回(9/14放送)
☆☆
 元のさやにおさまる成り行き自体は予想通りだったが、そこまでの過程はもう少しうまくやってくれるのではと期待してたのに。菜央(内山理名)の手を切ってしまうほどの体をはったアピールは、結局何だったの?もちろん、この手のドラマはそのじりじりとした過程をこそ楽しむものだけれど。まぁ、終始お行儀のよさは際立っていたわけだが。(麻生結一)


第9回(9/7放送)
☆☆★
 実際の三角関係はすでに崩壊し、元カレ=東次(堂本剛)と元カノ=真琴(広末涼子)の両思いに、今カノ=菜央(内山理名)の片思い状態と整理された格好。それだったら当然、菜央の方がせつなく見えてくるはずなのに、菜央への秋桜の花束を手にする東次に声をかけるのをやめる真琴(広末涼子)の方がせつなくて、しゃけ一匹さばいたのを皮切りに、東次(堂本剛)に連続的に結婚のプレッシャーをかける菜央(内山理名)の方は、ひたすらに脅迫じみて見えるよ。
 弘枝(ソニン)に中途半端な態度した取れない千歳(天野ひろゆき)は、自分のことを棚に上げ、東次に説教たれるも、どう考えても千歳の方が弘枝に不誠実でしょ。じりじり三昧で、いよいよ盛り上がってきた。(麻生結一)


第8回(8/24放送)
☆☆★
 今やTBSドラマの希望の星的存在。このドラマがなかったら、TBSのドラマはどうなってたんだろう?! 修羅場へのカウントダウンにつれて、クレジットは同列ながら真琴(広末涼子)がさらにクローズアップされることにより、タイトルは『元カレ』というよりも『元カノ』の様相に。
 父親代わりの伯父(山崎一)に会わせたり、新潟の実家に誘ったりと、結婚への外堀をわかりやすく埋めはじめる菜央(内山理名)。今カノ=菜央が外堀を埋めるほどに、カレ=東次(堂本剛)のやけぼっくりはいっそうに元カノ=真琴(広末涼子)に向かう法則も、カップルで注文した場合、大盛りが女ではなく男の方に配られてしまう法則も、同等にもあるあるって感じかな。
 いくら先輩でも、人の机の上の弁当は食べないだろう。東次のおごりならなおさら、真琴は菜央に殴られた店はセレクトしないだろう。こっちはないない集。そんな共感も矛盾も飲み込んで、この優柔不断が身上のドラマは、ますます古典的なテイストを突き進む。ところで、東次のナレーションは昔から過去形でしたっけ?(麻生結一)


第7回(8/17放送)
☆☆☆
 コツコツと仕事し続ける登場人物たちも納得なほどに、ドラマも作りも実に手堅い。花火をやってる子供たちが

「だったら俺は二刀流だ!」

って言ってたの、『武蔵 MUSASHI』へのオマージュ?とりわけ今回は、広末涼子のゲスト出演回だったわけだし。それにしても、どうしてこの枠と大河との掛け持ちって、多いんですかね。(麻生結一)


第6回(8/10放送)
☆☆☆
 やけぼっくりに火がついた、とはまさにこのこと。菜央(内山理名)に今カノであることの優位を見せ付けられればられるほど、元カノである真琴(広末涼子)が積極性をエスカレートさせていくあたりの地味な盛り上げぶりで、見飽きさせないドラマになっている。じりじりした感じが、正調ならではのよさかな。
 態度をはっきりさせていたはずなのに、いつの間にか今カノと元カノの間でジレンマに陥ってしまっている東次を、堂本剛が等身大で好演。東次と菜央の別れ際のキスが、妙に他人行儀だったりする演出のディテールも冴えてる。真琴が書類を届けると、東次の父親(角野卓三)が都合よく鍋をふかしてしまうあたりも、日曜劇場っぽいといえばぽいでしょ?! それにしても、ここまで共感の薄い父親も久々でしょ。妻(市毛良“江”)の名前を書き違えた時点でアウト(劇中では弓“江”が正しいところを“枝”と間違える)。

「千歳(天野ひろゆき)、カッコいいから!」by弘枝(ソニン)

基本的にこういうほのぼの系のカップルって、別れるの早いんだよなぁ、なんて思ってたら、早くも不穏な空気が。
 朝のあいさつ練習に、エレガの配列の妙を見る。不思議と内山理名が目立つようになってるあたり、職人的だなぁ。(麻生結一)


第5回(8/3放送)
☆☆☆
 元カノは、今カノがいると盛り上がる?! そんな恋愛マニュアルからの弘枝(ソニン)情報が正しかったことが証明されるかのように、真琴(広末涼子)は東次(堂本剛)への思いの再燃を菜央(内山理名)に宣言する。最初の3ショットではさばけたふりをするも、次第に堂々巡りがドロドロとなっていく過程がなかなかに楽しい。

「仕事と私とどっちが大事なのよ」by菜央(内山理名)

その昔、東次が元カノ・真琴に言った言葉が、そのままに今カノ・菜央に言われてしまうあたりも、逆転の図式が思いっきりわかりやすくていい。愛美(石橋奈美)は、東次が真琴と楽しげに仕事していることを告げ口して、意地悪に初めての存在感を示す。
 真琴と菜央のつばぜり合いは、公では社員食堂、一対一ではエレベーターで使い分けているあたりはなかなかにうまい。楽しみにしていた温泉旅行をドタキャンされ、その腹いせに参加した合コンの現場を真琴に目撃された末に口論になり、菜央は酔った勢いで真琴に張り手一発!まさに元カノv.s.今カノの様相。
 広末涼子の出来る大人の女ぶりがなかなかにはまってる。これまでのグズグズぶりよりも数段、こっちのほうがいいのでは。藤枝(佐々木蔵之介)との関係を既成事実にされている肩身の狭さから一転、東次にチョッカイ出すときの真琴のうれしそうな感じといったら。
 それにしてもデパートで働く人たちって、ここまでサービス残業の嵐なんですかね。(麻生結一)


第4回(7/27放送)
☆☆☆
 こういう真っ向勝負の古典的な恋愛ドラマって、随分久しぶりの印象。好感が持てるのは、攻め手の地味さと微妙にじめっとしているあたり。
 元カノ・真琴(広末涼子)と今カノ・菜央(内山理名)のつばぜり合いは、つばぜり合いでは終わらなくなる?! いわくつきのストラップをいまだに使っている真琴にやはりひっかかりつつ、

「悪気はないんじゃない?」by菜央

いやぁ、大ありでしたね。っていうか、むしろ真琴の方が今話に関しては未練たらたら。ラーメンフェスタの大成功で、打ち解ける東次(堂本剛)と真琴だったが、そこに無邪気に割ってはいる菜央のここしかないというタイミング。東次と食べようと思って、黒兵衛のおやじさん(高野長英)に頼んで作ってもらったラーメンを結局、暗がりで一人ですする真琴の図もわかりやすくていいが、そのあと東次が菜央を黒兵衛に連れて行った先で、真琴の思いを駄目押しでほのめかすあたりも、なかなかに分厚い。真琴の東次への気持ちをまんまと見透かす藤枝(佐々木蔵之介)が、次第に存在感をしめしはじめる。
 千蔵(天野ひろゆき)は弘枝(ソニン)に袖を握られ、10歳の年の差恋愛に犯罪に近い喜びをしつこくあふれさせるも、そんな心の緩みをつれて押しかけ女房されるはめに。今、若い女の子の不法侵入ってはやってるの?(=『僕だけのマドンナ』のするみ)。それにしても、また随分と惚れられたものよ。そこには何らかの狙いが?! そういうドラマじゃないか。(麻生結一)


第3回(7/20放送)
☆☆☆
 なるほど!ストラップは真琴(広末涼子)が東次(堂本剛)をゆする(?!)アイテムとして、また少なからず未練を引きずる2人の過去を映し出す小道具として使うことになってたのか。
 ここのところ、おっとり役やだらだら調が常になっていた広末涼子が出来る女を演じるのって、かなり珍しいのでは。振られる前に振るタイプのプライドの塊、真琴の方に見る側の共感がいくのは、共感がいきづらいせつなく待つ女、菜央(内山理名)の方に今のところ100パーセントの気持ちが向いている感じの東次のこれからを考えると、第3話的には理想的なトライアングルになっているのでは。
 笑えたのは、『ラブストーリー』に登場した紀の善の目と鼻の先、ラーメン屋黒兵衛でのストラップのなすりつけあい。堂本と広末は共演回数の多さだけあって、さすがに息が合ってる。数クール前までは女子高生(『高校教師』)だったソニンは、一足飛びに予備校の事務員に。メガネからコンタクトに変わり、いっそう千(天野ひろゆき)の妹風になる。
 ラスト、おぶられた真琴を東次が見てしまう偶然にげんなり。テレビドラマって、こういう凡庸さで来週のひきを作ろうとするんだよなぁ。無理やり遭遇させることに、何の意味が?とりあえずは、今回の日曜劇場はちゃんとしてていいですよ。前作なんか、感想の持ちようがなかったもんね。(麻生結一)


第2回(7/13放送)
☆☆★
 東次(堂本剛)と真琴(広末涼子)は半年しか付き合ってなかったって、また中途半端な設定だなぁ。天野ひろゆきとソニンは兄妹役かと思った?!

「ラジオつけていい?」by真琴

が「ブラジャーつけていい?」に聞こえ、一瞬ドキッとする。美しい思い出は、常にサザン頼みってことね。別れてからだいぶ経ってるのに、お揃いの携帯ストラップつけるかね?! 仙台からのまさに産地直送和菓子を運ぶのに、途中上司に電話の一本ぐらい入れるのでは?!
 「気軽に声かけないで欲しいんだよね」とは、ふった元カノへのふられた元カレのマックスな逆襲。最後の最後でもつれて絡み合って、ちょっと面白そうにはなってくる。(麻生結一)


第1回(7/6放送)
☆☆★
 少なくとも、『笑顔の法則』に比べれば断然面白い!っていうか、どこもかしこもちゃんとしてる。っていうか、安心してみていられる。つまりは『笑顔の法則』がひどすぎたってことなんだけど。
 ドラマは『夢のカリフォルニア』の続編の様相。そう思わせるのも、東次を演じる堂本剛の意外なほどの個性の強さゆえかもしれない。大人の役を演じるのはもしかして今回が初めて?! 俳優としてのターニングポイントになるほどの好演を期待したい。(麻生結一)




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