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キッズ・ウォー5〜ざけんなよ〜 (TBS系月〜金曜13:30〜14:00)
製作著作/中部日本放送
プロデューサー/山本恵三、堀場正仁
脚本/畑嶺明
演出/小森耕太郎、西村信、松井智人、佐藤浩二
音楽/多田彰文
主題歌/『HANABI〜8月の日〜』未来―MIKU―
出演/今井春子…生稲晃子(写真)、今井大介…川野太郎(写真)、今井茜…井上真央、今井健一…小谷幸弘、今井里香…宮崎真汐、今井浩…金澤匠、浅利陽介、宇崎慧、小宮健吾、菊池隆則、上原風馬、麻津拓也、中村みづほ、、栗林栗子、多賀名将也、小松愛、沢井美優、中野史祥、小栗一将、椎葉えり、岸良一、杉浦麻美、伊藤奈美子、真夏竜、大門正明、今井友恵…島かおり
ほか

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第9週(9/22〜9/26放送)
☆☆
 内容以上に圧巻だったのが、最初から最後までクレジットのトップを

生稲晃子(写真)

で通したこと。最終回では回想の声でも出演。ってことは、

生稲晃子(写真&声)

にすべきだった?! 幽霊で出演のため“(写真)”の肩書きがとれた川野太郎は、とうとう天国の試験にパスしたかと思ったら、またもや般若化!あれっていったい何だったの?
 そして、いったん去ったはずの茜(井上真央)がみんなのもとに戻ってきての大団円。ラストっぽいっちゃ、ラストっぽいけど、その理由はさっぱりわからず。(麻生結一)


第8週(9/15〜9/19放送)
☆★
 毎度おなじみ、よくない行いのオンパレード。仇討ちに万引き、ノートにはカミソリがはさまってて、シカトされた腹いせに、すみれ(伊藤奈美子)は男に里香(宮崎真汐)を襲わせる。文太(多賀名将也)が引ったくりの容疑をかけられる次週へのひっぱりも含めて、また景気の悪い話ばかりを並べてくれるよ。景気がいいのは、番組の視聴率ぐらいか?!
 結局のところ、春子(生稲晃子)と大祐(川野太郎)とその末娘が交通事故で死んでしまってから、茜(井上真央)、健一(小谷幸弘)、里香(宮崎真汐)、浩(金沢匠)が総出で施設に行くことになる大前提から、さほどドラマは先に進んでいないことに気がつく。あそこで進みすぎた分、今バランスとってる?!(麻生結一)


第7週(9/8〜9/12放送)
☆★
 こと視聴率に関しては、TBSのゴールデンのドラマ、3本分(『ひと夏のパパへ』『愛するために愛されたい』『高原へいらっしゃい』)を1本で稼いでいるのだから、立派というほかない。まぁ、出来ばえは似たようなものだけど。
 家庭不破にノイローゼ気味の瀬島(菊池隆則)に同情が入った直後から、瀬島のキャラが一気にトーンダウンするあたりは、この手のドラマではありがちなところ。お父さん(宇崎慧)と千枝(中村みづほ)の結婚話もまた中途半端な。子供たちのエピソードは、ここしばらくをリピートするのみ。繰り返されるエピソードを白々と眺めるにつけに、視聴率の何たるかがいっそうわからなくなる。(麻生結一)


第6週(9/1〜9/5放送)
☆☆
 悪い行いはすべて出し切ってやろうとでもいうのか。恐喝、ホストクラブ、テレクラ、そしてガスの常習とずらりと並べて、やってる感は非常に高い。共感は薄いけど。
 第5シリーズのコメディパートは健一(小谷幸弘)が独占。ホストクラブで働いて、しかもモテモテって、そんなキャラじゃなかったはずなのに。父・大介(川野太郎)はいまだに天国に就職できないらしく、またまた幽霊として登場。このキャラクターを無理やり消し去った意味が、いっそうわからなくなる。(麻生結一)


第5週(8/25〜8/29放送)
☆★
 浩(金澤匠)の万引き、大山(小栗一将)の恫喝、そして引き続いての援交狩り。茜(井上真央)は監禁されそうになり、健一(小谷幸弘)は恋のジレンマに陥る。さらにはすみれ(伊藤奈美子)の失踪、自殺サイト、時計泥棒、瀬島(菊池隆則)の体罰などなど、今週もエピソードの物量攻めにはある意味感心させられたが、これがドラマのためのエピソードなのか、エピソードのためのドラマなのかと考えると、ちょっと考え込んでしまった。(麻生結一)


第4週(8/18〜8/22放送)
☆☆
 これまでクレジットの1番手「生稲晃子(写真)」、2番手「川野太郎(写真)」の在り処を追跡し続けてきたが、第4週目にしてとうとうその写真を発見!オープニングタイトルの集合写真、それしかないでしょ。ということは、最終回までこのクレジットは出続けるってこと?!
 何て思ってたら、な・な・なんと、川野太郎扮するお父さんが般若風の隈取りまでほどこして、幽霊として再登場。生前中のミスター・リストラの名に恥じず、天国からもリストラされて現世をさまよってるって、そこまでくるともう何でもありか、ちょっぴり『スカイハイ』風?!
 浩(金澤匠)と幸太郎(中野史祥)が男同士でくっついたと思ったら、今度は里香(宮崎真汐)がすみれ(伊藤奈美子)と女同士で急接近。援交狩り、ストーカー、はたまた文太(多賀名将也)が真紀(小松愛)に誤って刺されたりと、極端エピソードのオンパレードも、パート3に登場した一平(浅利陽介)があまりにも唐突に再登場したことで、ドラマはよかったころの活気を少し取り戻す。(麻生結一)


第3週(8/11〜8/15放送)
☆★
 出会い系に中学生の妊娠、性同一性障害といまどきの思春期ネタのてんこ盛りぶりは、過剰が売りのこのドラマらしいところ。いつか始終誰かに意見している茜(井上真央)の説教癖は、確かにあまりにもおっさん的。まぁ、それはいいとしても、

「車にでもひかれちまえ」by茜

などという悪態が、両親が高速道路の事故で亡くなったあとに可能だろうか?
 浩(金澤匠)は性同一性障害を自覚する幸太郎(中野史祥)といがみ合う中で、いつしか関係を深めていく。

「どういう関係なんだ?」by瀬島(菊池隆則)

体罰教師の瀬島が初めてまっとうな意見を言った!そんな小さな正しさに気を奪われていた隙に、浩と幸太郎は愛の逃避行へ。
 すがすがしかったのは、文太(多賀名将也)が茜のことを思って、中絶の手術費の足しにとCDを売って1万円つくってきたエピソード。昔は、こういうあったかいエピソードも随所にあったと記憶するんだけど。
 そしてとうとう、お父さん(川野太郎)が幽霊で出た!そんな驚愕の展開も、クレジットのトップに

生稲晃子(写真)
川野太郎(写真)

が居座り続けていることに比べれば、予想の範囲内だったか。目を凝らして見るも、いまだにどこに写真があるのかわからず。(麻生結一)


第2週(8/4〜8/8放送)
☆★
 主役の春子(生稲晃子)と大祐(川野太郎)を手段を選ばず消し去ってまで、ドラマの刷新を試みた効果てきめん。ケンカ三昧・いじめ三昧は毎度毎度のことなれど、施設という新シチュエーションのおかげで、ちょっと前のシリーズの元気一杯だったころのように見える。プロットはほとんど同じなのに。
 ただ、最大の驚きは、

生稲晃子(写真)
川野太郎(写真)

のクレジットが依然として一番手・二番手をはりつづけていること。大体、写真がどこに登場したのかさえも、もはやわからないっていうのに。だったら、この2人、生かしたままでもよかったのでは。(麻生結一)


第1週(7/28〜8/1放送)

 このドラマ、春子(生稲晃子)と大祐(川野太郎)の再婚をきっかけとして、ステップファミリーならではの連れ子同士の確執や教育制度の矛盾などといったさまざまな問題をコミカルに描いた、家族愛ドラマだったはずじゃ?
 デタラメなドラマには慣れっこになっているつもりだったが、この第5シリーズのオープニングには久々にビックリ仰天した。な・な・なんと、春子と大祐、さらには末娘の真理ちゃんまで、高速道路のフェンスに激突して死亡!しばし言葉を失う……。
 沈痛な面持ちで両親と妹の遺影を見つめる茜(井上真央)、健一(小谷幸弘)、里香(宮崎真汐)、浩(金沢匠)、そして祖母の友恵(島かおり)。瞬間、誰のスケジュールがあわなかったのかに思いをめぐらすも、この人気シリーズを蹴りたがるはずもなく。極端に走る作風に嫌気がさした?だったら、クレジットのトップから、

生稲晃子(写真)
川野太郎(写真)

と名前貸しするはずもなく。しかも1週間を通じての不変!第2週の最大の注目は、クレジットに「生稲晃子(写真) 川野太郎(写真)」が載っているか否か、だったりして。大体、ミスターリストラの名をほしいままにしていた大祐も、前妻とは死別の設定だったでしょ。となると、パート6でもきっと誰かが死んでるはず?!
 春子、大祐によって形成させてきたドラマの根幹を捨て去ってまでやろうとしていることとは?パート3をピークに、第4シリーズでは完全なねた切れ状態で、エピソードを再々リピートし続ける苦しい展開だったことは記憶に新しいわけだが、さらなる困難を主人公たちに与えようとしてるからって、ここまでドラスティックにやるかね。家にはローンが残っており、仕方なく一家全員で施設行き。これまで一つのパートに過ぎなかったフリースクールに、ドラマのすべてをぶち込んじゃった!大胆というか、節操がないというか。まったくやってくれるよなぁ。
 副題にもなっている「ざけんなよ」の決め台詞は、春子から茜に完全伝承されたってことか。もはや、ファミリードラマというよりも、世の不正に立ち向かう、任侠的世直しドラマという括りの方が相応しいでしょうね。(麻生結一)




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