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きみはペット (TBS系水曜22:00〜22:54)
製作著作/TBS
制作/TBS ENTERTAINMENT
プロデューサー/鈴木早苗、濱田明子
原作/『きみはペット』小川彌生
脚本/大森美香
演出/金子文紀(1、2、5、6)、加藤新(3、4、7、10)、高成麻畝子(8)、大森美香(9)
音楽/bice
主題歌/『Darling』V6
出演/巌谷スミレ…小雪、合田武志(モモ)…松本潤、蓮實滋人…田辺誠一、福島紫織…酒井若菜、堀部順平…瑛太、倉木真弓…上原美佐、澁澤ルミ…石原さとみ、栗本春香…乙葉、星野茂…光石研、瓜山信行…マギー、石田裕太…佐藤隆太、浜崎外報部長…団時朗、吉田勇治…長野博、オーナー…千うらら、エリカ…佐藤康恵、プロレスラー…橋本真也、合田好恵…夏木マリ、白妙信一…寺脇康文、大石みのり…山下真司、清水栄吉…渡辺いっけい、白妙ユリ…鈴木紗理奈、浅野哲史…長塚京三
ほか

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第10回(6/18放送)
☆☆
 一つの季節が終わり、また新しい季節が始まるだけ。リアルタイムの3ヶ月の成り行きが美しくまとまった最終回。ペットはひもじゃなくて毛布とはうまいこというね。写真撮影に「ハンブルガーSV」とは、またタイムリーな。でも、モモが行くのはフランクフルトでしょ? ドイツのイメージはビール、ベ−トーヴェン、オリバー・カーンとは、またここにもサッカーが絡むのか。
 モモ(松本潤)とスミレ(小雪)の半端の持続は想像の範囲以内。スミレから聞いていたモモ情報から、浅野(長塚京三)が本人と判別するくだりはなかなかうまい。ただ、むしろ面白かったのは、紫織(酒井若菜)が蓮實(田辺誠一)を追いかけてリオに行く口実だったり、清水(渡辺いっけい)がクラシックからモダンに転向してたり、といった小ねたの方だった。(結)


第9回(6/11放送)
☆☆
 スミレ(小雪)、ペット・モモ(松本潤)の真実を語るの巻。女性には大いに受けるも、男性にはもう一歩というこのドラマの立ち位置、よくわかるなぁ。紫織(酒井若菜)がこのまま普通の人になってしまうってのもありえない?! 春香(乙葉)が東京大学文学部の学生であったことが判明。(結)


第8回(6/4放送)
☆☆
 スミレ(小雪)が「マンモスうれぴー」こそ最上級の喜び表現だと思っている世代であることを確認する。毎回のお楽しみ、浅野(長塚京三)のメンタルクリニックも、今話は当たり前すぎて不発。いつもの思いっきり主観な読みこそが楽しいのに。モモの母親役に夏木マリとは、いかにも高名なダンサーっぽくて、雰囲気出てたね。
 スミレと蓮實(田辺誠一)の関係性がカメの歩みなのは、毎度のことながらジレてしまうところ。蓮實のキャラクターが薄っぺらいので、どう天秤にかけてみてもモモ(松本潤)の方が魅力的に思えてしまう。だからこそ、スミレも迷ってしまうわけだけど。モモがドイツ行きを宣言し、というつなぎ方は来週見ねばという気にさせる。(結)


第7回(5/28放送)
☆☆★
 これまで謎だったいろんなことがいろいろと判明した回。なぜ武志(松本潤)がモモとしてダンボールで拾われたかの一部始終が、清水(渡辺いっけい)の想像の範囲内で白日の下に。このあたりの話はどうでもいいとみえて、ひたすらおバカに徹してくれたおかげで、これはこれで笑える話になっていた。スミレ(小雪)の料理の腕前は、元カレ吉田(長野博)にカレ知れずがんばってたことの蓄積だったか。
 それにしてもユリ(鈴木紗理奈)、あんたは正しい!エリートの彼氏には好かれたいし、若くてかわいいペットには癒されたいって、そんなわがままいっぱいな贅沢病はさとされるべきとのドラマ的自覚はあったか。その直後から、正しくないスミレ(小雪)がいきなりみんなから責められ続けるあたりは、ドラマ的な見せ方を大いに心得ているところ。
 モモは紫織(酒井若菜)相手に自身を凧に例えて哲学を醸す。その“ひも”の論理に到達できたのも、ひとえに甘くて苦いペット生活のおかげかね。(結)


第6回(5/21放送)
☆☆★
 付き合ってることが周知のスミレ(小雪)と蓮実(田辺誠一)が、なぜ社員旅行ごときであそこまで振り回されるのか、という大前提に疑問は沸くが、バーベキュー界で女性を見極める極意話には笑った。食う人、焼く人、焼いてもないのに配る人、そして切る人の分類が絶妙。焼く人と焼いてもないのに配る人の判断がつきにくいとは、含蓄あるお言葉。確実に★分はかせいだね。(結)


第5回(5/14放送)
☆☆☆
 今まででは一番面白かった。見かけより筋肉ついてて重いスミレ(小雪)の足が肝心のベットでつってしまうという一席は、まぁ、あの程度だったら数秒で直りそうなものだけど、ロフトにパスト熊川・モモ(松本潤)が隠れていたのには意表をつかれた。畳み掛けて、相次ぐ落下物で追い討ちをかけるあたりもうまい。

「いってらっしゃい」

と蓮見(田辺誠一)をかわいく見送るも、

「疲れた」

と気疲れするほどのかわいい女を装うとする様と、その直後のミラクル脱力系と化すイライラ女ぶりの対比が極端であればあるほどに、楽しさが増していく。タバコふかしてモモのえさ作りってるときのカッコよさこそが本性というおかしみを、小雪がイメージのままに好演。
 恋人は優しいし、仕事は順調だし、何も不満はないのにチクチクとひっかかる何かを昨日食べたさばの骨に当てるあたりの言い回しなんかは、ならではのうまさかな。紫織(酒井若菜)の嫌がらせにも凄みが出てきた。劣位になるのは怖いけど、一人では生きられないジレンマに苦しむ浅野(長塚京三)が、もっとも『アリー』的なキャラだったりして。(結)


第4回(5/7放送)
☆☆
 スミレ(小雪)、モモ(松本潤)と一緒の場合、もしくは滋人(田辺誠一)と一緒の場合の大いなる違いの比較。基本的にはここしばらくドラマが動いてない。そんなこと気にせずに、微妙なドラマの機微を楽しむべきなんだろうけど、機微があるほどの含みもない。幸せすぎるスミレをかわいいと思えるかどうかで、ドラマを楽しめる度合いが違ってくるのかな。紫織(酒井若菜)のわかりやすい邪魔も、いまのところ大して面白くない。(結)


第3回(4/30放送)
☆☆
 マサ斉藤の引退試合のテープに国会中継が上から録画されていたのには爆笑。ただ、第1回のようなおかしみ具合はどんどんと減退していき、普通のドラマになっていってる。スミレ(小雪)とカウンセラー・浅野(長塚京三)とのダイアローグの飛ばし具合は、『アリー』第5シリーズのそれに似ている。(結)


第2回(4/23放送)
☆☆★
 170チョイの大きい人(小雪)にはあれしかないか、クマンボ君!眼球の位置が微妙に違うのは、見た目どおりのおとぼけキャラよ。確かに、着ぐるみを着てるときには、常に動いてないとおかしいんですね。着ぐるみの頭だけつけて帰ってくるショック演出(?!)には、笑って即、しみじみする。その日常的傷心が共感を呼ぶ場面。
 ところで、「グローバルレヴェル」って、そんな偉いですか?銀座に能楽堂あったっけ?「必見な一戦」 or 「必見の一戦」?確かに後者が正しい!脚本家は格闘技ファン?
 今のところはスミレ(小雪)のモノローグの方が、モモ(松本潤)との絡みより面白い。合田武志の名前を知るタイミングは絶妙も、モモの公演後に蓮實(田辺誠一)と再デートをとりつける成り行きには? 時間軸がデタラメでは。(結)


第1回(4/16放送)
☆☆★
 スミレ(小雪)とモモ(松本潤)の関係性は、女性にとっての夢?もしくは男性にとっても夢?主人公がまたまた結婚することを前提としてマンションを買ってしまっていたりする設定にはどうにも納得がいかないが(『いつもふたりで』しかり)、女性の本音が散りばめられたひとり言などにはおかし味があり、今後に期待いさせるものを感じる。
 モモこと武志がオーディションを受けにフランクフルトに行くってことは、そこはフランクフルトバレエ団ってことかな?(結)




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