TV DRAMA REVIEW HOME

こころ (NHK総合月〜土曜8:15〜8:30)
連続テレビ小説
制作・著作/NHK
制作統括/大加章雅
作/青柳祐美子
演出/小松隆(1、2、5、8、11、14、20、25、26)、磯智明(3、4、7、23)、真鍋斎(6、9、12、18、22)、落合将(10、24)、石塚嘉(13、17)、山下白(15)、亀村朋子(16、19)、末永創(20)、梶原登城(21)
音楽/吉俣良
劇中挿入歌/『ひとつ/ふたつ』熊木杏里
出演/朝倉(末永)こころ…中越典子、末永美佐子…伊藤蘭、朝倉優作…仲村トオル、朝倉倖…黒川智花、朝倉優太…広田亮平、藤井カンナ…財前直見、堀田匠…玉木宏、山本万太郎…なぎら健壱、大場鉄男…モト冬樹、山本投網子…小池栄子、大場香澄…羽田実加、落合薫…パパイヤ鈴木、朝倉有礼…草薙幸二郎、朝倉晴子…大森暁美、中島銀…阿部サダヲ、丹下紀夫…山谷初男、五井譲…モロ師岡、生野保雄…勝俣州和、千野芳江…清水由貴子、大場克男…東貴博、大場澄子…曽川留三子、橘涼子…高田万由子、玉越リカ子…一戸奈未、玉越一成…磯部勉、堀田伝蔵…秋野太作、大城…石田太郎、堀田正…大西武志、堀田真理子…板谷由夏、カルロス田中…岡本義寅、多岐川日出雄…山田太郎、多岐川麻子…棟里佳、二人組の芸人…テツandトモ、酔っ払いの客…山崎まさや(ジョーダンズ)・三又忠久(ジョーダンズ)、料理評論家・近藤…沼田爆、丹下雅紀…六角精児、星川護…皆川猿時、島田寅雄…中原丈雄、島田芳雄…鈴木祐真、日下部俊…甲本雅裕、山本万次郎…加藤諒、山崎廣美…大島蓉子、杉井真弓…松本じゅん、川越敦子…小林さやか、藤岡勲…梅野泰靖、藤岡勉…信太昌之、落合(橘)和博…塩野魁土、青島…安田暁、栗田…田中智也、桜井医師…朝倉伸二、院長…須永慶、セツ…今井和子、シズコ…川俣しのぶ、ノリオ…高杉航大、女教師…新井理恵、女装男…ジェニーいとう、鷲崎画伯…青木富夫、今昔亭小銀…橘家圓蔵、恵比寿家大福…林家木久蔵、千野小江美…小柳ルミ子、村上由姫子…桜井幸子、村上辰三…黒部進、牛じい…間寛平、上杉佐緒里…かとうかずこ、上杉栄造…江原真二郎、菱沼ハナ…草村礼子、吉川定雄…犬塚弘、中島一国…竜雷太、末永沢朗…寺尾聰、清野いづみ・語り…岸惠子
ほか

>>公式サイト


第26週「浅草わが町心意気」(9/22〜9/27放送)
☆★
 『こころ』名物のやめるやめないの最後の犠牲者が匠(玉木宏)だったのは、ドラマの締めとしてはふさわしかったか?! で、結局やめない終始一貫(決してほめているのではない)。その匠とこころ(中越典子)が結びつく展開は予想通りとして、2人が思うをぶつけ合うシーンの背中ごしのショットなんて、こんな工夫はこれまでにはなかったような。唐突にやられると、逆にびっくりしちゃうんだけど。
 『こころ』のキャスティングを見たときには、大いに期待したんだけど……。それだけに、こんな魅力的なキャストでこんなドラマも作ってしまったことに関しては、重罪というしかない。『ほんまもん』『さくら』『まんてん』と、ここのところの朝ドラはあまりにも罪深すぎるよ。
 『ぴあの』については今回、あまり書きませんでしたが、最後に少しだけ。やめる⇔やめない、出て行く⇔出て行かない、別れる⇔別れないが繰り返される展開に、ドラマの終盤は前半の再放送を見ているかのようだった。純名理沙の演技には新人離れした安定感があったものの、4姉妹ものということもあって、ヒロイン自体の印象は薄い。昔見たときの記憶が断片でしかなかったのはそのためか。ただ、それでも『こころ』よりは楽しめた。(麻生結一)


第25週「さよならが恋の始まり?」(9/15〜9/20放送)

 玉越(磯部勉)が言うところの昔かたぎって何?倖(黒川智花)はちょっと前までは「しっかりしてる」「大人っぽい」って言われるのを嫌がってませんでしたっけ?急に「大人になりたいなぁ」って、180度の方針転換かい。
 天然うなぎが手に入らなくておおわらわ、という以前に、いつもと違うものを出すことこそが、老舗の名に恥じるのではと思えてくる。

「文句のつけどころがないですね」by食通の方々

「さすがきよかわさん。老舗の味ですよ」by食通の方々

だから、いつもは出してないんだってば。
 匠(玉木宏)が焼けたのって、『ウォーターボーイズ』の撮影のせい?玉木宏は三枚目な『ウォーターボーイズ』とはうってかわったキャラクターで好演。(麻生結一)


第24週「めざすは女将十代目」(9/8〜9/13放送)

 前言撤回を繰り返す沢朗(寺尾聡)の生き様に渇!浅草に帰る帰らないと『こころ』名物を長々とやってくれた脚本にいたっては、渇以前の問題か。美しい花火につい見とれてしまい、先週いい点つけちゃったことが恥ずかしくさえ思えてくる。
 こころ(中越典子)と美佐子(伊藤蘭)は、これまた女将の格の差以前の問題。半年見進めてきて、成長の痕跡を探せないこころというヒロインに、いまさらながらがっかりする。

「今度来たら捕まえてやる!」by千野(清水由貴子)

食い逃げは2回来ないですよ。ドラマに無理やり押し込んで、コメディアンにネタをやらせる意図とは?
 リカ子(一戸奈未)の父親・玉越役で磯部勉が登場。リカ子との交際の許可を得ようとする生野(勝俣州和)に、こんな礼を欠いた板前って、どんな礼だよ?こんな礼の塊みたいなキャラもリアリティないけど。もしかして、あまりにも昔かたぎすぎたとか?!(麻生結一)


第23週「幸せ招いた大花火」(9/1〜9/6放送)
☆☆
 とうとう沢朗(寺尾聡)までも、『こころ』名物のやめるやめないの犠牲者に?!で、毎度のごとく結局花火、やめませんでした。やめなかったからこそ、週末回の八重芯の美しさに、それまでの展開の不満も吹き飛んだわけだけど。一国(竜雷太)と投網子(小池栄子)が見守る中で打ち上げられた銀ちゃん(阿部サダヲ)の花火にも、ほんわかとなる。
 ただ、ここまで展開への興味を失ってしまった後だと、それがドラマ的によかったのか、それとも単に花火がきれいだっただけなのか、もはや判断がつかない。めったにテレビドラマに出ない人を見られるありがたさは、いつもの週よりも余計に認識させられた。とりわけ、伊藤蘭のしっとりとしてたたずまいたるや。ひたすら、ドラマのレヴェルが悔やまれる。ここにきて、挿入歌が登場。(麻生結一)


第22週「ひょんな恋でも恋は恋」(8/25〜8/30放送)
☆★
 匠(玉木宏)の父親・伝蔵役で秋野太作が登場。このドラマ、出てくる役者はいいんだけど、コンスタントにもったいな過ぎるなぁ。のどもと過ぎれば、カンナ(財前直見)は何処へ?まったく、いい加減なドラマとしか言いようがない。(麻生結一)


第21週「ふたりの母親 ひとつの家族」(8/18〜8/23放送)
☆★
 こころ(中越典子)とカンナ(財前直見)、どっちが倖(黒川智花)と優太(広田亮平)を引き取る引き取らない、第2ラウンド。で、結局は共存競演ってことで、この1週間なんだったのかと、もはやあきらめにも似たいつもと同様の感想にいたる。
 クリスマスに優作(仲村トオル)が乗っていた自転車をプレゼントしたものの、カンナは自転車に乗れなくて、というオチだけは決まってた。(麻生結一)


第20週「子故に迷う親心」(8/11〜8/16放送)
☆★
 こころ(中越典子)のダメ母ぶりが遺憾なく遺憾なく発揮されたおかげで、先週よりもつっこみがいのある週になった?!

「この人に言ってもわかってもらえないだろうなぁ」byリカ子(一戸奈未)

投網子(小池栄子)も同傾向の発言をするにいたり、実のところみんながこころのデリカシー欠如を認識していたことを知る。倖(黒川智花)の遅れてきた反抗期にあたって、リカ子先生の評価が急上昇。もともとのキャラが立ってただけに、リカ子あたりがもう少しドラマに絡んでくれば、このドラマも若干は救われたかもしれない。
 うむすびの短命にめげず、生ちゃん(勝俣州和)が新メニュー開発って、うむすびはダメなのにレディース会席だったらOKなわけ?今度は老舗の威信は大丈夫なの。また評論家に非難されたら、すぐに引っ込めるんですかね。もしかして、生ちゃんとリカ子がくっつく?
 カンナ(財前直見)がドイツから帰国するにあたって、倖が弟・優太(広田亮平)に問う。

「優太はどうするつもり?」

ってそんな質問、小学1年生に対してあり?その倖の質問をまったく理解していない裕太もどうかしてるけど。この子の精神年齢は、ちょっとした赤ちゃんクラスでしょ。そしてカンナの歓迎会にみんなで自己紹介って、何だそりゃ!せめて財前さんには、金曜時代劇主演の副産物をうんでいただきたいところだけど、あの枠に出ちゃったら、少なくとも3ヶ月は『スチュワーデス刑事』ができなくなるなぁ。

「感謝されるようなことは何にも」byこころ

確かにこの人、感謝されるようなことは何もしてません。(麻生結一)


第19週「老舗の味は苦かった?」(8/4〜8/9放送)

 こころ(中越典子)は新潟へ観光旅行にでも行ってきたようなものか、依然精神的成長はゼロに等しい。このあたりにも、今回の朝ドラマの苦しさがある。
 今週は、きよ川の従業員で唯一ピックアップされていなかった丹下さん(山谷初男)の番。五井さん(モロ師岡)の代わりは五井さん(第11週)で苦しめられた経験から、おそらく丹下さんの代わりは丹下さんだろうと予測していたが、ホントにそうなってしまうとは!捻りのない展開に、ほとほと嫌気がさす。
 大体、ちょっと雑誌にけなされたぐらいで、ヒット商品のうむすびをやめる必要がある?うなぎのおむすびなんか、別に珍しいものじゃないけど。

「お母さんってお母さんらしいよね」byこころ

あなたがお母さんらしくなさすぎるんですよ。ここまで成長しないヒロインを見てると、さすがに頭にくる。(麻生結一)


第18週「愛は奪うというけれど」(7/28〜8/2放送)
☆☆
 沢郎(寺尾聰)をめぐる、かぼそい美佐子(伊藤蘭)v.s.たくましい佐織(かとうかずこ)が焦点。冷静に考えてみると、16年間にわたって沢郎がモテモテだった、というだけのお話。ほんの数週前まではきよ川の利潤追求を旗印にしていた美佐子が、ここまでお店を休んでしまうほどの惚れられっぷりとは、尋常じゃないでしょ。確かに老舗って、休むものだけど。
 何はともあれ、しっとりテイストを通すべく1週間我慢し続けた点は評価できる?! 意外に、こころ(中越典子)の存在感がドラマの居心地を左右してたりして。今週は影薄かったもんなぁ。『キッズウォー』シリーズの第5弾が考えられないほどのデタラメさでスタートしたことも、この出来の悪い朝ドラにとっては追い風だったか?!(麻生結一)


第17週「山里の夏うたかたの恋」(7/21〜7/26放送)
☆☆
 浅草のステレオタイプの羅列に比べれば、新潟のエピソードのほうがまだ落ち着いて見ていられる。特に、山古志村のロケはいい感じ。
 いつから桜井幸子は田舎娘役を得意とする女優になったの?! 『Dr.コトー診療所』にこれでしょ。まぁ、クレジットが2番手の『ひと夏のパパへ』は都会が舞台なれど、印象薄いからなぁ。
 それにしても桜井さんは朝ドラに出ますねぇ。ヒロインを演じた『おんなは度胸』にはじまって、『天うらら』では何とサブヒロイン!今回は錦鯉を扱う手もおぼつかなく、匠(玉木宏)の元カノ未満役を熱演するも、『雲と波と少年と』の癒し系ぶりには及ばず?!
 牛じい役の間寛平は再放送枠の『ぴあの』とダブル出演じゃないの。これは『ほんまもん』と『よーいドン』の紅萬子以来の快挙!まぁ、紅さんは『ぴあの』にも出てるんですけどね。
 何はともあれ、寺尾聡、伊藤蘭、かとうかずこの3ショットを見せられれば、いい気分になれない方がおかしいでしょ。これで話が面白かったら最高だったのに。来週はかぼそい美佐子=伊藤蘭v.s.たくましい佐織=かとうかずこの肉体的対照に注目?!(麻生結一)


第16週「頑固は店の守りなり?」(7/14〜7/19放送)
☆☆
 香澄(羽田実加)と克男(東貴博)が『ぼくの魔法使い』未満なれど、それなりのバカップルぶりを発揮してくれたおかげで、まだいつもよりは楽しめたかな。香澄がスーパー銭湯を目指すエピソードなどは、数週にわたって引っ張ってもよかったと思うんだけど、週でお話が変わらなければいけない縛りのせいで、そういった自由も許されない朝ドラの悲劇=視聴者の悲劇。生ちゃん(勝俣州和)が鰻を裂く裂かないで職人的氾濫を起こすパートは、行き着く先がいかにも平凡。
 『ぴあの』は堂々巡りの展開が極まって、かつてないほどの生々しいことに。ぴあの(純名りさ)と美鈴(国生さゆり)が互いに互いの境遇をおとしめ、うらやむ青白い炎の静かなぶつかり合いに、朝っぱらからどんよりとした気分になれること請け合い。(麻生結一)


第15週「謎の女とリストラと」(7/7〜7/12放送)
☆★
 千野(清水由貴子)の姉・小江美(小柳ルミ子)が登場の週。抗議の気持ちの点数のままに。何はともあれ、千野にも見せ場があったのはよかった。(麻生結一)


第14週「うなぎ屋わがふるさと」(6/30〜7/5放送)
☆★
 きよ川の面接はあまりにもデキレース。投網子(小池栄子)と日下部(甲本雅裕)の半駆け落ち話は、週末には忘れてしまいそうなほどの薄味。ただ、デタラメ度はここ最近では低かった方か。涼子(高田万由子)と落合(パパイア鈴木)がくっつくなんて話もくっついてたっけ。
 再放送枠『ぴあの』は朝ドラとしては随分変わったエピソードの週。風が見えるものという課題から難解な夏休みの工作で、大人の方が熱中していく様は結構おかしいんだけど、ドラマの作りは超真顔。変わったドラマなのに、際立ってそう感じられないのは、たぶんに『こころ』のせいかな。(麻生結一)


第13週「女三代旅立ちの朝」(6/23〜6/28放送)
☆★
 すべては案の定!

「お母さん、ブラジルなんかどっから出てきたの?」

美佐子(伊藤蘭)だけが正論を吐く。ひっくり返ったって、重田と日下田は間違えまい。いかなる無理をしてでも、ドラマに対立構造を作ろうとする意図がまったく意味不明だ。とりあえずは喧嘩っぱやい人々で浅草を象徴させるって、そりゃ浅草に失礼でしょ。いづみ(岸惠子)の去り往く後姿のカッコよさに★一つプラス。
 辛気臭い話がひたすらにリピートされている朝ドラ再放送枠の『ぴあの』が朝の救いとは、正常じゃないね。(結)


第12週「生意気喧嘩は江戸の華?」(6/16〜6/21放送)
☆★
 最後の砦と期待していたのに、匠(玉木宏)よ、お前もか!浅草への反発ぶりもおざなりなら、なじみぶりはさらにデタラメ。倖(黒川智花)、優太(広田亮平)の影はいっそう薄く、もはや優作(仲村トオル)のことなど、誰も口にしなくなる。定番を借りるならば、ときには亡き夫に語りかけるヒロイン、なんてシーンもあっていいのでは。落語家対決って、あれで解決したんなら、よっぽどお互い間抜けだろ。もはや苦笑もできない。(結)


第11週「女将とは店の母なり」(6/9〜6/14放送)
☆★
 五井さん(モロ師岡)の代わりは五井さん!、って、そんな話に5回も付き合わされてたかと思うと虚しいなぁ。倖(黒川智花)と優太(広田亮平)をほったらかしにして、こころ(中越典子)は何やってるんだ。いいところを見つけようとがんばるも、すべてが徒労に。
 朗報です。『てるてる家族』クラインクイン!3ヶ月先を夢みて。(結)


第10週「生みの母と育ての母と」(6/2〜6/7放送)
☆★
 どうして昔の朝ドラは、面白かったのだろう?どうして今の朝ドラは面白くないんだろう?実の母親役で財前直見まで投入するも、ありえないことだらけに意気消沈するのみ。財前さんは金曜時代劇主演への布石?! そんなことぐらいしか思いつかないよ。繰り返しますが、決して出演者が悪いわけではない。むしろいいぐらい。なのにこのデタラメな脚本とは、悲しくなるのみよ。梓と裕太が浅草入りして、今度こそ仕切り直してほしいところだけど……。
 昔の朝ドラ『ぴあの』ではしんどいことばっかりが起こるよ。ぴあの(純名りさ)の苦心作ではなく、隠れて童話を書いていた鼓(国生さゆり)の作品の方が入選してしまうだなんて。姉の才能を目の当たりにして、童話の道を断念するぴあの。結局、長年住んだ家も出て行かざるを得なくなり……、ってやばい。またまた、昔の朝ドラについて書き始めておりました。

「雨の日にお庭のアリさんがピカピカ…」

の歌をぴあのから引き継いで、語りの都はるみが引き継いで歌う趣向もいい。それにしても、純名りさ歌うまいなぁ。(結)


第9週「父の背中の温もりは」(5/26〜5/31放送)
☆★
 一週間を費やして、ただいま仕切り直し中!優作(仲村トオル)の遺体は見つかるも、そこでの悲しみが深まっていかないのは、ある程度予測できたことだけど、それにしてもね。
 優作の前妻役で、財前“東京ラブ・シネマ”直見が登場。この豪華なてこ入れに、ただひたすらに期待するのみ。(結)


第8週「突然の別れと永遠の愛」(5/19〜5/24放送)

 ドラマの内容には悲しくなれず、このドラマのあり方にひたすら悲しくなる。放送開始前から優作(仲村トオル)が死んでしまう成り行きが公表されていたこと自体にも大いに興ざめしたが、実際の放送分を見ると今後の展開のために無理やり優作をドラマから消した印象しかなく、さらに興ざめとなった。(結)


第7週「それでもやっぱり医は仁術」(5/12〜5/17放送)

 猫の話といい、藤岡(梅野泰靖)とその息子(信太昌之)の話といい、あまりにも安易だ。しかもつじつまさえも怪しいときてる。すべては脚本の責任。朝ドラを愛する一人として、この惨状はあまりにも悲しい。
 『ぴあの』は愛憎にまみれ、さらに昼メロ化する。国生さゆり(『愛しき者へ』と西村和彦(『ダンシングライフ』)がつばぜり合いを演じてるわけだから、当然といえば当然か。(結)


第6週「雨降って固まる家族の絆」(5/5〜5/10放送)
☆★
 いかなる朝ドラも越えることが出来ないと思われていた『さくら』というデタラメの高いハードルを、ここまでの短期間で『こころ』は越えようとしている!
 母と娘の和解、簡単すぎるよ。っていうか、すべてが簡単すぎる。「実家に帰らせ……」をパターンにするならするで、ちゃんとした理由を(仮にそれが不条理なものであったとしても)用意してくれないと。もはやこれまでか。(結)


第5週「てんやわんやの華燭の典」(4/28〜5/3放送)
☆★
 こころ、激しすぎる!いや、おかし過ぎる!義父になる人(草薙幸二郎)に初対面でお説教?で、実家に帰るかね。ヒロインがこの域で共感を拒絶しはじめると、もうお手上げです。
 結婚式で浅草の神様をないがしろにする捻りを入れる工夫をするんだったら、普通のダイアローグにもう少し気を使ってほしい。プロットの唐突も気になるけど、それ以上に練り上げが足りない台詞がイチイチ気になって仕方がない。
 『ぴあの』では、1カ月分の積み上げにより四角関係が勃発!昼ドラの『愛しき者へ』でドロドロ中に国生さゆりは、9年前は朝ドラでもドロドロやってたんですね。
 ところで、次の朝ドラ『てるてる家族』こそは面白そうじゃないですか。紺野まひる、上原多香子、上野樹里、そしてヒロインの石原さとみ演じる四姉妹が織りなすそれぞれの成長期。四姉妹物の先駆的作品こそが、この『ぴあの』なわけです。(結)


第4週「妻になるとき母になり?」(4/21〜4/26放送)
☆☆
 この朝ドラ、あとどれぐらい見なきゃいけないんですかね。BSの再放送枠が強力だったらまだ救われるんだけど、『ぴあの』も結構普通ですからね。普通なだけまし?確かに。
 とにかくこの朝ドラは普通じゃなさ過ぎる。岸恵子と伊藤蘭のツーショットを見ているだけでも粋な気持ちに慣れるというのに、なぜそこまで問題を難しく、いや陳腐にしちゃうの?いっそ、何もしなければ、もっと面白くなるのでは。っていうか、普通にすればいいんですよ。
 優太(広田亮平)の誕生日会をこころ(中越典子)が料理でもてなそうとする試みに手を貸す老舗のうなぎ屋の料理人たち。これで料理まずかったら、どこのうなぎ屋に食べに行けっていうのよ。
 なし崩し的にこころ(中越典子)と優作(仲村トオル)の結婚が許されるザルな展開に、脚本家の責任を問いたくなる。朝ドラの正式名称、知ってますか?“連続テレビ小説”、“小説”ですよ。こんなおざなりな仕事が許されてちゃ、“小説”の名が廃るよ。今が放送開始から3ヵ月後だったら、こんなこといいませんよ。まだ1ヶ月経ってないんですよ。どうすんの、これから。
 出演陣はおおむね好演。それだけに、そして期待してた分(第1週のレビュー参照)、いっそうにがっかり。もう、間違い探しにはあきたよ。(結)


第3週「愛の誓いは花火のように」(4/14〜4/19放送)
☆☆
 第3週目にして、早くもドラマはご都合主義にまみれる。こころ(中越典子)と梓(黒川智花)の微妙なすれ違いにつき合わされて、まったくアホらしい気持ちに。朝倉(仲村トオル)に渡せなかったお土産のTシャルを着て寝るところまではいいとしても、着たきりすずめで店の手伝いするかい!いくらキャストがしっとりしてたって、オープニングのテーマ曲がほろっときたって、ここまで間違いだらけでは、どうすることも出来ないよ。早くも次回作(『てるてる家族』)に思いをはせることになるなんて。残念です。(結)


第2週「夢追う男は危険な男?」(4/7〜4/12放送)
☆☆★
 ドラマの雰囲気のよさをまったく生かしきれていないストーリーが残念。浅草で診療所を開きたい優作(仲村トオル)と地元民との対話もいかにも定型だけど、これはまだ納得できる範囲内。
 例えば、優作(仲村トオル)が既婚者であるかもしれないという予測がまったくないのはやっぱり不自然だし、何気なく優作の娘とこころ(中越典子)を対面させるくだりなどは、わかり安すぎて大人向けのドラマとは思えない。★は雰囲気分だが、第2週でこういうことでは、先が思いやられる。(結)


第1週「祭りに咲いた恋心」(3/31〜4/5放送)
☆☆★
 やっと次の朝ドラがはじまった!(ここ最近、まったく同じ歓喜の声を上げてるような)。中越典子は脇でおなじみだったので、ヒロインのイメージからは遠かったが、はじまってみると一戸奈未、小池栄子、羽田実加のその誰よりもヒロインに見えてくるから面白い。ポジションは人間を進化されるということか。

「花火大会に来て、花火でも爆竹でもロケットでも、何でも打ち上げりゃいいのよ」by美佐子(伊藤蘭)

これって、『まんてん』への皮肉?お久しぶりの伊藤蘭が実にいい。しっとりとしたお母さんぶりはドラマ全体のトーンとイコール。祖母役の岸恵子も品格高く、脚本が万全とも思えなかったが、親子三代の安定感のおかげで、ゆったりと見進めることが出来た。オルゴールのオープニングテーマにホロリ。(結)




Copyright© 2003 TV DRAMA REVIEW. All Rights Reserved.