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年下の男 | (TBS系木曜22:00〜22:54) |
製作/テレパック、TBS プロデューサー/矢口久雄 作/内館牧子 演出/佐々木章光(1、2、5、6、10、11)、藤尾隆(3、4、7、8)、浅野敦也(9) 音楽/栗山和樹 主題歌/『華』SINBA 挿入歌/『TSUKIKAGE』高橋克典 出演/山口千華子…稲森いずみ、伊崎駿…高橋克典、北村亜沙美…星野真里、辻謙吾…賀集利樹、山口卓…山崎裕太、鈴木蘭々、角替和枝、村田宏、前田昌代、片岡富枝、山口詩史、玉井梓…麻生祐未、高橋昌也、平田満、風吹ジュンほか >>公式サイト |
第11回(3/20放送) ☆☆☆★ 破天荒が極まったその先には達観が待っていた!お父さん(平田満)の自分の道を生きる宣言。ここに第一の達観。 「ろくでもない女ほど、幸せになんのよ」by梓(麻生祐未) この台詞が吐かれた瞬間、日本全国の何人の女性が首を縦にふったことだろう。 「ろくに努力もしないで生きてる女、簡単に幸せにしないわよ、私!」by梓 カラカラサボテン論に梓の怨念がこもる。勉強して力をつけようというモティベーションを亜沙美(星野真里)に与えた反面教師=梓は偉い?エラくない?!それにしても、『若者に遅れないために〜ライフスタイルからジェネレーションギャップまで』って本を、30歳の女が読むかね。 姥捨て山プロジェクトに集ういてもいなくてもいいような女たちの中で、梓を「何も出来ない人」呼ばわりしてしまう千華子にある種の達観。最後の最後で千華子にやられた梓さん。やはり鍛えられた人間は強い!梓の完敗宣言後の、喜怒哀楽のすべてが混ざり合ったような苦笑いが凄すぎる。 がらんとした隠れ家では、花枝と伊崎の二人だけの達観。いきなりのシネマライクな映像で、新たな道を歩み始めたそれぞれの様が挿入された後、ジムでの千華子と伊崎の会話にドラマが円環する! そしてマンションが舞台と化したラスト。 「あっ、さくら」by千華子 って、何たるマジカルリアリズム!ここに「エラくない〜」のテーマ曲。 「お父さん、突き放してくれてありがとう!」by千華子 って、そんな台詞聞いたことないぞ。スポットライトに照らされて、舞台からはけて行く父、弟、母(花枝を待ち構える伊崎という細かい芸当も)。いっそうに咲き乱れるさくら。そして千華子は光の中に消えていった……。 結局、伊崎と花枝の隠れ家のことを知らないのは次郎だけってこと?次郎の今後が心配だ!(結) 第10回(3/13放送) ☆☆☆ 月にかかる雲が不吉を予感させる。行く場所を失い、東京の夜の街を彷徨する千華子。花枝(風吹ジュン)、伊崎(高橋克典)、次郎(高橋昌也)の3ショットには新鮮な違和感が。 「いつまで天気の話してるんだ!」by次郎 といらだつ次郎さんは、単にトイレに行きたかったのだった。 「幸せ芝居を打たなければ、自分を支えられなかった」by千華子NR 笑顔と般若の表情早変わりが今話では続出。そのスピードとキレ味では、亜沙美(星野真里)だって知華子に負けてない!行きかう車が梓と亜沙美(星野真里)の会話のみならず、顔のアップまで遮断し続ける。これがエレベーターの柵ごしにかわされた契約の姿か。 横断歩道を渡る梓と亜沙美をなぜそこまで俯瞰する必要が!!!梓と亜沙美の切り返しが歪みまくる!ここまでくると、もう何でもやってくれって感じ。 アラレちゃんは流行った?流行らない?論が痛々しすぎる。 「磨かない30代より磨いた50代が勝つ!」 またまた内館先生が30代女性に牙をむく。クラブでは千華子の顔が点滅し続け、踏切が点滅と同化するよ。物語のドロドロにみせ方のドロドロがぴったりくっついていく。(結) 第9回(3/6放送) ☆☆☆ しょっぱなから、「エラくない〜」家族の恫喝合戦。こりゃもう、スローモーションじゃなきゃ、見せられないぐらいのドロドロだ?! 「改めて伊崎(高橋克典)を好きだと思った。この人を母から取り返したいと思った」by千華子(稲森いずみ) 伊崎、中年女性の星! 秘密を持つことは家族が成熟した証明とは、恐るべき開き直り。 「私は解放されたら行くところがない」by千華子NR 千華子の救いようのない未来像が怖い。もっと怖いのが、伊崎に心中を懇願する次郎さんよ。 「会社はつまらないが、どんなときでも行くところがあってよかったと思う」by千華子 この台詞を聞いて、何人の人がテレビを見ながらうなずいたことか。 次郎さんを送り込んだ梓(麻生祐未)のたくらみを知り、千華子は梓をあごで会議室に誘う!ここに千華子v.s.梓の本音トーク炸裂。攻防は痛み分けかと思いきや、梓が目を充血させ、花枝の殺人依頼を持ちかける。亜沙美(星野真里)の千華子を殺す宣言も飛び出し、ドラマはますます物騒な方向へ。 「若さを突きつけることが、私を殺すことだった」by千華子NR 突きつけられた若さとは、亜沙美の太いなま足を意味するのか?! 「普通の人間はな、どんなに苦しくたって生きていくしかないんだよ。首つる強さがあるやつはエリート……」by伊崎 この断定に妙な説得力が。ちなみに卓(山崎裕太)が選ぶつきあいたい順番は、10代(亜沙美)>50代(花枝)>30代(千華子=結婚狙いがみえみえ、女としてのぎりぎりみたいな焦りが顔に出てる)だそうです。内館先生は30代の女性に恨みでもあるのか?! お父さん(平田満)だけが、ウィークリーマンションで楽しそう! 花枝v.s.梓、新たなる抗争勃発。サンドイッチ食べるのに、ベンチプレスのSEかよ。「エラくない〜」花枝は、とうとう伊崎の元に走る。もう、ワ〜っていうしかない!(結) 第8回(2/27放送) ☆☆☆ 花枝(風吹ジュン)と伊崎(高橋克典)、千華子(稲森いずみ)と謙吾(賀集利樹)の4人で鍋を囲ませるなんて、内館先生の鬼!千華子の目の下には、いっそうの隈が。 「花枝って人間臭くていいって思ったよ」by伊崎(高橋克典) 伊崎の花枝容認度は、もはや何だってOKレヴェルにまで到達した模様。ここのふすま越しの覗きズーミングが効いてる! 「泥棒って、そうやって居直るんだよ」by伊崎(高橋克典) 「勝てねぇ」by謙吾(賀集利樹) 千華子と付き合ってたら、謙吾までも合いの手の名手に?! 修学旅行から何年たったかで、男の価値がわかる法則の発見にも貢献。 「小さく丸まって寝ている母」のみならず、千華子までもが老いた小野小町像重なってくる過酷。母に負け、そして若い亜沙実(星野真里)にも敗北した日にゃ、千華子どうする? 次郎さん(高橋昌也)の乱心的よろつきから、高橋克典の挿入曲スタート!机にしがみつく次郎さんの狂気爆発で曲はクライマックスへ!果たしてこんな苦々しいプロモーション方法でこの曲はヒットするすのか? 三十路女、梓(麻生祐未)の悲しき一人ぼっちは負へ負へと進むねぇ。できる女の性かに慄く。そそのかして、次郎さんを山口家に押しかけさせちゃうんだけど、これって梓にとって吉だったのか?凶だったのか? 何はともあれ、すべては白日の下に。さてみんなどうする? 「僕が、花江さんを引き受けます」by伊崎 に突っ込みを入れたのは、 「エラくない〜」 のあのモンゴル風の曲(『北条時宗』の曲と調子が似てるので)。聞けば聞くほど、 「エラくない〜」 に聞こえるんですけど(“空耳アワー”に投書する?!)。確かにここに出てくる人はみんなエラくないかも。(結) 第7回(2/20放送) ☆☆☆ 今話もまた、千華子(稲森いずみ)の涙(=OPタイトルバック)はどこへ飛んでいく?嫉妬の入れ子構造がさらに複雑怪奇なことに。いやぁ、大変なことになってきたよ。 「何と図々しい女かと思った」→ 「私もだった」by千華子NR 孤独なるぼけつっこみに加え、合いの手名人にまでも成長した千華子!その憔悴ぷりたるや、あまりに怖すぎて亜沙美(星野真里)までも思わずたじろぐほど。 はさみを逆手に持ってしまったお父さん(平田満)、花枝(風吹ジュン)の切った髪、食っちゃう勢いじゃかなった?! 「小さい皿にてんこ盛りの料理は、父がいい店で食事していない証拠だった」by千華子NR ここでもまた、千華子の洞察力に唸らされる。ここまで人間観察できるんだったら、もうちょっと出世してもよかっただろうに。 家族という作品に絶え間なく吹き荒ぶすきま風。5000円のスカーフを公園のゴミ箱に捨てて、何を思うか「殺せよ」発言。亜沙美(星野真里)には弱気の虫に活を入れて、手に入れたのはチョコひとかけら。 「殺したいほど愛せるうちに殺せってことだな」byお父さん まだ諦観するには早いよ、お父さん。ちなみに今週の一番怖い眼賞は、僅差で梓(麻生祐未)の眼に決定! 「今は年上が勝つ時代なんだろ」 「女は灰になるまで女」 小野小町=花枝 芝居の見解の違いにかこつけて、魂の雄たけびをあげる内館牧子。怖いけど面白いその自己弁護ぶりが。もはやカッコよくさえある。 高橋克典の挿入歌部分だけが、どうしたことか彼のプロモーションビデオと化す。これはこれでカルトな味わいはあるか?! 少林寺やってないのにあの強さだもん。 「誕生日。誰も母を祝わなかった。いい気味だ」by千華子NR 花枝は家の中で携帯とは無防備すぎるだろ。嵯峨野でバースデイデートだって、普通は駅で待ち合わせるのでは。もはやそんなヤボは言いまい。劇的であるほうがいいに決まってるじゃないの。千華子が毎日新聞を手に大きな決断をしたように?! それにしても、全編にまぶされたこのうねる音楽は何だ!まるで視聴する側の感覚までも麻痺してくるよう。栗山和樹、恐るべし。 予告篇で★プラスしたくなるも、それは次回にとっておきましょう。(結) 第6回(2/13放送) ☆☆☆★ 過ぎるほどに面白い!時には精妙に、そして時には暴力的なまでにドロドロが紡がれていく。もしかして、内館牧子は二人いる?『私の青空2002』を書いたのがダメな内館牧子で、これを書いたのが偉大なる内館先生!NHKか民放か、って分け方でも可(NHKでも、『妻の恋』は面白かったけど)。 いきなりにブーツなめての煽りアングル炸裂!この劇画調がドラマをさらに煽っていく。 「続き、やって」by亜沙美(星野真里) って、そんな露骨な。脱がれたブーツと机の下のブーツのオーバーラップって、もう唸るしかないでしょ。亜沙美、フォークでイチゴをさし、食べる。これだけなのに、とてつもなく怖い。星野真里の恐ろしい眼差し演技に脱帽。 「俺たちのこと、俺たちだけしか知らないっていうのも、何かうれしいよな。二人だけの秘密って言うのがさ」by謙吾(賀集利樹) 「ねっ」by千華子 このダイアローグに即座のモノローグ。 「私はうれしくなかった」by千華子NR 今話も千華子のコメントの切れ味は衰えず。人の不幸は蜜の味を地でいく梓(麻生祐未)のくちびるが、いっそうに震えてる!電話しまくりで、レストランの予約を調べるとは、そこまでやるかの喜ばしさ。 「世の中、つらいことばっかりじゃねぇなぁ」by伊崎(高橋克典) いや、つらいことばっかりのようで。次郎(高橋昌也)のねっとりに妙なうずき。 「梓は信じられない。はじめてはっきりとそう思った」by千華子NR 今頃気づくか。視聴者サイドからは、このドラマにまともな人間が一人たりとも出ていないことに改めて気づく。 うぉ〜、軽ワゴンでキス!そして、とうとうお父さん(平田満)は見てしまった!星野真里と平田満の眼、どっちが怖かった?握りつぶされるアサヒスーパードライ分で、平田満に軍配?! もはや、水道の水が出るだけで、ビクっとしてしまう。このあざと過ぎる緊張感が気持ちいい。 「私は今度は年下の女に負けるのだろうか?」by千華子NR 実は、年上の女にも負けているという未来的ダメージに、来週まで待てない!(結) 第5回(2/6放送) ☆☆☆★ いわゆるハマリ系ドラマってやつ。とにかくやることなすこと面白い。例えば、梓(麻生祐未)は水の飲んでるだけでも面白い!飲んでる水も、カネボウの「もっときれいに深層水」だったりして、イチイチ面白いぞ。くちびるの震えも激しく、今回の麻生祐未はスゴイぞ! もちろん、千華子(稲森いずみ)のコメント名人ぶりも健在! 「確かに私が行くべきところは結婚相談所なのだろう」by千華子 梓との精神戦に敗れダウン。 「住宅街を歩くとき、寂しさが募る」by千華子 日常にまでダウン。 「鬼は外、福は内」by千華子 と部屋中に豆を撒き散らすプチ狂気。 「何してる?」by謙吾(賀集利樹) 「一人豆撒き。年の数だけ豆食べると、風邪ひかないの」by千華子 涙を流しながら、床に落ちた豆を口に頬張る千華子。 何という煽りなアングル!謙吾に抱かれた後の、何という俯瞰なアングル!高揚のままに謙吾を玄関から送り出し、豆を床から拾い上げて口に運ぶ千華子。 「さっきとは、もう豆の味が違った気がした(嬉)」by千華子 やっぱりコメント、玄人はだし!追い討ちをかけるように、家族全員で豆撒きしながら、 「全員で隠し事を持ちながら、家族というものはこういうことができるのだ」by千華子 どんなに幸福な瞬間の直後であっても、いつまでもそんなぬるま湯に浸っていない、ダークサイド精神は健在!一人称で、 「私は謙吾に会いたがっていた」by千華子 とは何と文学的な。 とうとう亜沙美(星野真里)にお父さん(平田満)までもドロドロな関係に参戦!平田満のお尻を突き出したあられもない姿があまりにも衝撃的! 千華子は嬉々として歩みもスキップ気味に。梓v.s.千華子 ラウンド2に勝利し、 「22歳とつきあっているとは、絶対に言わない!」by千華子 と言い放つも、伊崎を見て、 「平気ではなかった」by千華子 って、このへんのドラマの追い込み方がうまいなぁ。あざとさすれすれに、内館ワールドにさらにハマる。 そういえば、稲森いずみと松嶋菜々子って、ST的恋敵でしたよね。もはや誰も言わないけど、このゴシップっていまや禁句なのかな?!(結) 第4回(1/30放送) ☆☆☆ 梓(麻生祐未)のお局的蟻地獄に、千華子(稲森いずみ)が落ちていく……。その落し穴の闇にも似たあの真っ黒なタイトルバックって、裏でやってる対照的にカラフルな『美女か野獣』と同じ人がやってるんですね。何となくわかる気がする。 花枝(風吹ジュン)と伊崎(高橋克典)が温泉旅行でよろしくやってる間、次郎さん(高橋昌也)は寒中ひたすら、ピンクチラシをはがし続ける!哀れに気持ち悪くノーブルな立ち姿と倒れっぷりよ。入院後に千華子を呼びつけ、一早く千華子派ぶりを表明する確信犯ぶりがまた怖い。千華子ご当人はその気になって、果物ナイフを片手にきらめかせ、割烹着で伊崎を待ち伏せする。 「男はエプロンに弱いと思ったのだ」by千華子NR なるほど。ただここの大いなる計算違いは、花枝(風吹ジュン)こそ毎日エプロン姿だったってことよね。困惑する伊崎に、 「私は単なる顔見知りのレヴェルだったのだ」by千華子NR のナレーションから、 「これまでのしつこさ、お許しください」by千華子 なる、かつて聞いたこともないような謝罪のたたみかけまで、一気呵成にドキドキさせられっぱなし。内館ワールド的いじめに、思わず頬が緩む。 「苦しむことで、苦しみから楽になりそうだった」by千華子NR とは、何と哲学的夢想! ラスト、千華子と花枝のツーショットを見て、 「面白くなってきた」by梓 って、あなたが面白くしてるんですよ。ますます、麻生祐未の黒魔術から目が離せなくなってきた。(結) 第3回(1/23放送) ☆☆☆★ 内館牧子、魂の若い女いじめ!冒頭よりニアミス度100パーセントで、あとはじっとりとジェットコースターに乗っているような気分。身をまかせればまかせるほど、その俗っぽさが身に染みてくる。 「明日の実力より、今日の伊崎(高橋克典)なの!」by千華子(稲森いずみ) って、“実力”と“伊崎”は並列か?! 「一回なら事故だけど、二回ならお互い気持ちがあったってことだよ」by伊崎 内館節炸裂!恥ずかしくて、なかなか書けないような台詞よ。 「若いって、情けねぇよなぁ」by謙吾(賀集利樹) またまた若者バッシング。相思相愛カップルに思えた卓(山崎裕太)と沙美(星野真里)の関係性にまでけちをつけるか。 「ここのカレーもうまいっすよ」by伊崎(高橋克典) に、 「みじめだった!」by千華子NR って、千華子の天才的なシンプルコメントが今話もさえわたる。花枝(風吹ジュン)と千華子(稲森いずみ)の台詞的ニアミスにドキドキしてる間に、梓(麻生祐未)も黒魔術風に絡んできたぞ! 「伊崎には運命的なものを感じてならないのだ」by千華子NR 確かにここまで事態が入り組んでくると、もはや運命という表現以外には言葉が見当たらないのも事実。それが真逆の運命だったとしても。 高橋昌也がノーブルな気持ち悪さで次郎さんを怪演。ノーブルな気持ち悪さでは、脅かし風のコーラスだって負けてない?! ラスト、スーパースローモーションで『マトリックス』やるか。あまりにもキッチュ過ぎる!今クール最大のカルトはこれ?それとも『スカイハイ』(同列か?!)(結) 第2回(1/16放送) ☆☆★ 千華子(稲森いずみ)、コメント名人!駄言一個もなしで、とにかく笑える。誤解のないように付け加えるが、コミカルで笑えるのではなく、ドロっとしたコメントがかゆいところに手が届く感じがたまらない。 音楽の煽り方といい、真っ暗なタイトルバックといい、その徹底ぶりが潔いじゃないの。見ながらにリアクションできる、最近では貴重なドラマでは。(結) 第1回(1/9放送) ☆☆★ 千華子(稲森いずみ)のナレーションに託された内館先生の名調子に、幾度となくニタニタさせられる。千華子の自虐が生のままで吐露される哀れっぽさは、まさに内館ワールドの面目躍如たるところ。 「何だか不審な動きだった」by千華子 そのままの実況説明までもが、おかしみで満たされてるじゃないの。NHKでは破綻の限りを尽くした内館作品は、民放でこそ生き生きとすることがここに証明される(『妻の恋』みたいな傑作もあったけど)。 それにしても伊崎(高橋克典)、相当なマニアでしょう。高橋克典に43歳の貫禄はないけど。『またも辞めたか亭主殿』で好演した稲森いずみが、ここでもなかなかいい。(結) |
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