レビュー：白い影

白い影

（TBS系2003.01.02）

新春ドラマスペシャル
製作著作/ＴＢＳ
制作/TBS ENTERTAINMENT
企画/伊佐野英樹
プロデューサー/三城真一、伊興田英徳
原作/『無影燈』渡辺淳一
脚本/龍居由佳里
演出/福澤克雄
音楽/長谷部徹
主題歌/『真夜中のナイチンゲール』竹内まりや
出演/中居正広、竹内結子、純名りさ、大森暁美、相本久美子、倉沢桃子、山崎銀之丞、小林すすむ、山崎一、武野功雄、桜庭博道、水野真紀、佐藤めぐみ、南明子、邑野未亜、瀬戸将哉、岡あゆみ、斉藤ユキ、鈴田林沙、本仮屋ユイカ、宮木善雄、三輝みきこ、長谷川莉夏、松川真之介、谷口由加里、能登篤也、梶沼萌花、乙黒可帆、萬代駿、原沙知絵、高嶋政伸、山本學ほか

☆☆☆
　また後日談か（むしろ前日談かな）、と気を重くして見るも、レギュラーシリーズ分よりも充実した出来ばえにビックリ。直江（中居正広）がなぜあれほどまでの頑なに？、との問いに実に明確に答えてくれる、かゆいところに手が届く的確な語り口に感心させられる。だったら、こっちを最初に放送した方がよかったかもね。
　マーラー、ラフマニノフ、プッチーニの垂れ流しも、久しぶりに味わうと懐かしかったりして。直江の肉体的苦痛と自らの演技的な苦悩とを重ねて、中居正広がそのプレーボーイまでの道のりを大熱演。プレーボーイ誕生シーン（グラスを傾けながらのバックショット！）には、なるほどすべてはここからはじまったのかと、ニタつきながら深くうなずく。
　直江の挫折に焦点を絞った潔さが、泣けるドラマとしての甘味を程よくしてくれたところ。直江の恩師、七瀬を演じた山本学のいぶし銀が、ドラマに更なる真実味を与える。
　最後になりましたが竹内さん、支笏湖ロケお疲れ様でした。彼女と直江がまったく絡まない構成も、よく考えればなかなかに大胆。それが単なるスケジュール的な都合だったとしてもね。（結）