レビュー：京都迷宮案内

京都迷宮案内

（テレビ朝日系木曜20：00～20：54）

制作/テレビ朝日、東映
企画/井土隆、加藤貢
プロデューサー/菊池恭、手塚治
脚本/西岡琢也（1、2、5、6、7、8、11）、塩田千種（3、9）、公園兄弟[真辺克彦&鴨義信]（4、10）
監督/黒沢直輔（1、2、3、5、11）、藤岡浩二郎（4）、山下耕一郎（6）、杉村六郎（7、8）、橋本一（9、10）
音楽/池頼広
主題歌/『エトランゼ』チェンジングマイライフ
出演/杉浦恭介…橋爪功、坂井陽平…的場浩司、森田悦子…大路恵美、市田ひろみ、鶴田忍、辻本茂雄、谷口高史、小川剛、伊東貴明、真瀬樹里、美松艶子、大洞浩次郎…北村総一朗、橘つた子…野際陽子、【以下ゲスト：第1回】田代逸郎…伊東四朗、白石厚史…尾美としのり、【第2回】堀内若菜…山口果林、【第3回】滝本修造…中山仁、原哲男、岩尾正隆、【第4回】清水健一…高橋和也、清水金一…佐川満男、宮本裕子、武井三二、【第5回】池内吉乃…藤真利子、坂井陽一郎…西田健、【第6回】岩倉昭一…綿引勝彦、有坂来瞳、村瀬純平、【第8回】丸岡奨詞、松村康世、【第9回】龍村俊…高野八誠、【第10回】朝倉樹…鈴木砂羽、金井茂、武田大和、【第11回】前田緑…名取裕子、前田京子…大村彩子、前田雅子…竹井みどり、神林均一…石倉三郎、河原崎健三、仁科克基、新海百合子、三島嘉崇ほか

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第11回（3/20放送）
☆☆
　最終回は2時間スペシャルということで、嫌な予感はしていたのだが……。野際陽子に名取裕子の頬をはらせるまでのがんばりも、展開は単に苦々しいだけに終始し、いつもの悪魔的な含蓄にはまでは至らず。（結）

第10回（3/13放送）
☆☆☆
　杉浦恭介（橋爪功）、ただいま自分探しの真っ最中！聞屋と小説家の物書きとしての接点が、執念じみた思いの強さに説得力を与える。人気推理作家役の鈴木砂羽が好演。（結）

第9回（3/6放送）
☆☆
　悦子（大路恵美）、つくづく男に縁がない、の巻。連続で悦子が絡む話も、全力疾走したのはやっぱり杉浦（橋爪功）でした。（結）

第8回（2/27放送）
☆☆☆
　杉浦（橋爪功）、社会に大いに怒る！第7回との薄い前後編関係を保ちつつ、社会の今に乗り遅れてしまった者への哀感をにじませる。加害者でもあり、また被害者でもある霊安室の遺体に、大洞（北村総一郎）とともに対面する場面が印象的。
　若手にはリサイクル扱いされつつも、今話も杉浦は出ずっぱりか。事情聴取にカツ丼、には笑った。めったに体験できないことだけに、やっぱり形から入りたくなりますよね。（結）

第7回（2/20放送）
☆☆★
　ようやく悦子（大路恵美）がフィーチャーされた回。ただ、あくまでメインは杉浦（橋爪功）ということで。
　ネタもとの刑事と聞屋はもともと不倫関係か。勉強になります。もちろん、野際母娘がらみの台詞もちゃんと入ってました。

「そこさ、おばん臭くなるよ」by杉浦（橋爪功）

許されるぎりぎりのラインかな。

「電話ボックスはどこ行っちゃったの？まったく」by杉浦（橋爪功）

まったくです。（結）

第6回（2/13放送）
☆☆
　初めて行ったうどん屋のおやじ（綿引勝彦）にまでたてつく杉浦（橋爪功）の悪魔性からはじまって、うどんだけの結婚式のしみじみでしめた、うどん三昧の回。って、こんなんでいいんだ。『風子のラーメン』、てのもやってますけど。ドラマとは無関係に、チーフ（野際陽子）がCGで燃え、真瀬樹里がうどん屋に並ぶ（（一応、この親子の話題にも触れておきます）。
　うどんバトルに主題歌「エトランゼ」流れて、タイトルバックとあわせてフルバージョンで2回のすりこみ。森田（大路恵美）がCDプレゼントでしか活躍できない環境とはどうしたことか。七味と一味の二丁拳銃にスライドギターって、やっぱりこのドラマは橋爪さんの独演会だからなぁ。（結）

第5回（2/6放送）
☆☆★
　記者としての座右の銘も、杉浦（橋爪功）にかかれば、

真実一路→哀れな末路　キャップ（野際陽子）

ペンは剣よりも強し→ぺんぺん草は川原（瓦？）よりも強し　悦子（大路恵美）

に変容する?! 自分だけ“滅私奉公＆仕事一筋”って、そんな悪魔的な。
　そのもやもやとした展開はもはや定番になってきているが、今話は坂井（的場浩司）がメインの回だっただけに、やや話の含蓄に欠けたか。先週、坂井に見せ場を、と言っておいてそこに不満をもらすのは、大いに矛盾してるんだけど。坂井の父親役、西田健はMテープの声のみで登場。さすがです。（結）

第4回（1/30放送）
☆☆★
　訳知りだったとはいえ、犯罪までそそのかす杉浦（橋爪功）のその越権行為に、

「あんた、どうかしてるんじゃないの」by健一（高橋和也）

とはまったくの同感だ。事件への肉薄が、常識的なあり方からますます離れていく。携帯の会話から娘の存在が明らかになるラストが、この壊れ始めた人格をギリギリのところで和らげてはみせたが……。坂井（的場浩司）と悦子（大路恵美）は、今話もまた見せ場なし。このあたりの杉浦に偏重し続ける構成も、ドラマのカルト度をさらに高めている。（結）

第3回（1/23放送）
☆☆
　杉浦（橋爪功）は事件と絡まず、悪魔の化身から享楽の人となる。キャップ代理を濫用し、経費使いまくりの遊興三昧。ここの面白さは、ひたすらに陽平（的場浩司）と悦子（大路恵美）のキャラクターに依存するもの。つた子（野際陽子）が珍しく主筋に絡むも、微妙なずらしが今話ではそれほどうまくいってない。
　大路恵美はシリーズを通して道化的役回りだけど、『剣客商売』蹴って（?!）こっちに絞ってるわけだし、もう少し見せ場があってもいいのでは。（結）

第2回（1/16放送）
☆☆★
　第1回に引き続き、今話も相当に意地悪。人情の捻じれ具合が極まって、普通の医療ミス物とは一味違った苦味が残る。
　それにしても、シリーズ第5弾の杉浦（橋爪功）はどうしたことか。尋常じゃない。こんな悪魔的な人じゃなかったはずだけど。（結）

第1回（1/9放送）
☆☆☆
　シリーズ第5弾いきなりに定番の人情とミステリーをかなぐり捨て、美談崩しにかかるとは。その悪魔的展開にひたすら驚愕する。珍しく話にのぼった東京の奥さんの死までちらつかせて、杉浦（橋爪功）の記者気質を濃厚に説明するあたりに、この第5シーズンの方向性があるのかも?!マンネリどころか、ますます普通じゃなくなっていく。（結）