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ナイトホスピタル (日本テレビ系月曜22:00〜22:54)
制作著作/よみうりテレビ
制作協力/THE WORKS
チーフプロデューサー/藤井裕也
プロデューサー/堀口良則、霜田一寿、池田禎子
脚本/江頭美智留(1〜3、5〜10)、久松真一(4)
演出/唐木希浩(1、2、5、9、10)、市野龍一(3、7)、白川士(4、8)、前西和成(6)
音楽/中村竜哉
主題歌/『DESTINY ROSE』布袋寅泰
出演/森沢麻紀…仲間由紀恵、大久保蛍子…高島礼子、坂本守…今田耕司、安恩美…ユンソナ、池田真紀、岩崎杏里、三船美佳、関口知宏、重田千穂子、川津春、池谷のぶえ、桐谷健太、竹内彩恵、和鞍さほり、半海一晃、河西りえ、竹村愛美、東浩太郎…田辺誠一、出光秀一郎、西川忠志、須賀健太、今野雅人、太田美恵、山本ふじこ、伊藤千夏、くらもとまい、平山まどか、菅原隆一、柳下真吾、井上楓香、関田安明、石橋蓮司、一條俊、柴山智加、綿引勝彦、新山千春、松山幸次、山崎進哉、竹内都子、満田伸明、春名美咲、新井友香、桃井かおり、山崎大輔、佐藤正宏、坂井真紀、真鍋尚晃、菊地康二、山中たかシ、柳川慶子、野村宏伸、角田俊介…吹越満、寺崎天童…竹中直人
ほか

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第10回(12/16放送)
☆☆
 半端なラストは続編へのノリしろ?にしても、これまでじっくりと熟成されてきたはずの各病院関係者の挿話がことごとく弾まないのはどうしたことか?別にエピソードが尻切れトンボだったことが問題だったとも思わない。話がちゃんと完結したからといって、どうしようもないってことは、一時間前にはじまるドラマ群を見ればわかること。
 “ナイト”のシチュエーション、キャラクターの性格づけといった、このドラマ特有のテイストが、後半に至ってはほとんど発見できず。朝の通勤の流れと逆走することで、主人公の生活リズムが説明されていた最初期の丁重さは何処へ。細胞から病因を探るスタイルも、最後には喪失。臨床医としての森沢(仲間由紀恵)の到達点が外科への転身だなんて、研修医じゃないんだから(研修医なみだったが……)。じゃ、今までは何だったの?、という思いにかられてしまう。
 とりわけ、医師法に違反して民間療法を東(田辺誠一)に試みる森沢の気骨に関しては、もっとじっくりと描いて欲しかった部分。ほかの話をパート2に先送りしたとしても(あればの話だが)、ここだけは描ききらなきゃ。膨らみのあるプロットを薄くしてしまっては、何も残らないでしょ。
 ウサン臭かった寺崎院長(竹中直人)が唐突に、“患者本位の医療”を叫びだすあたりは『真夜中の雨』の都倉先生(織田裕二)と極類似。途中までのキャラクターの性格を変えてまで、当たり前な正論を言わせなければいけなかった理由が見えない。
 期待が大きかっただけに、また出足がよかっただけに、終盤の失速が何とも残念。仲間由紀恵のクールビューティは、この役にはピッタリだった。(結)


第9回(12/9放送)
☆☆★
 もはや“ナイト”の意味合いは消滅し、ほぼ“ファミリーホスピタル”状態に。人口内耳については、『ER』のベントンの息子の話の転用(パクリともいう)も、ドラマの切実度はいままで横糸として語られてきたエピソードだけに、これまでの“ファミリーホスピタル”的なノリとは比較にならないほど高い。(結)


第8回(12/2放送)
☆☆
 ナイトホスピタル関係者シリーズ、番外編。ストーリーはいつかどこかで的なものも、このドラマを見て、乳がん検診の重要性が広まれば、放送の価値はあったというもの。
 主題歌のバカ丸出しぶり以上に嫌悪するのが、この番組のタイトルバック。クレジットと飛び出す名札の順番がデタラメで、いかにも気持ちが悪い。主要キャストだけ前に出せば(『ER』みたいに)、この作り方でもOKだったと思うけど。
 三船美佳が熱演するあかねは、バッティングセンターで驚くほどに快音を響かせてましたね。病理検査を人に任せることができるようになった森沢(仲間由紀恵)の成長がまぶしい。(結)


第7回(11/25放送)
☆☆☆
 帯状疱疹って、結構やってる人多いんですよね。これはとにかく痛い。ガマンできないほどの激痛が連続して襲う。それよりもさらに痛いのが、帯状疱疹後神経痛!その鈍痛たるや、言葉には言い表せないほど。
 Mr.アン(石橋蓮司)の苦痛の表情を見るたびに、こちらにもその痛みが伝わってくる。ナイトホスピタル関係者シリーズ(?!)の中では、このウンミ(ユンソナ)の回は一番よかったかな。(結)


第6回(11/18放送)
☆☆
 ナイトホスピタル関係者が続々と患者で登場中。坂本(今田耕司)の看護士転身話は、かなりウサン臭い。

「院長らしいわね」

って、そんなのただの脅迫でしょ。
 あの病気と似てる病気集(?)の今回はQ熱。いつもより解説が丁寧に見えたのは、動物の絵つきだったからか?! たけしのところに行く=お父ちゃんのところに行く、の意図が見える結末は後味さわやかも、それ以上の親子関係は描かれておらす、消化不良の印象。
 森沢麻紀(仲間由紀恵)行きつけのレストランが、住んでいるマンションの1階だったことに今頃気がつく。彼女の知恵の輪依存症ぶりは、“サイコドクター刑事”に見てもらうべき。
 オープンの掛け声、

「明日は明日の風邪をひく」

とはいいえて妙。(結)


第5回(11/11放送)
☆☆★
 リンドウの花束に付着した細菌(ムーコル)に犯され、石黒(綿引勝彦)が壮絶死してしまう展開は、これまでの流れから考えるとかなり意外。綿引勝彦とその娘を演じた新山千春は大熱演も、ウン十年のときを経ていることを考えると、その関係性にはやや強引な印象も。
 誠実を絵に書いたような医師、杉浦(野村宏伸)は患者の死に自信喪失で、来週からは『名古屋仏壇物語』に専念の模様。彼の置き土産は、シスAB型のお勉強だったか。

 ところで、TV DRAMA REVIEW DRAMA AWARDS 2002年夏ドラマ大賞なんですけど、インタラクティヴにはあまりにも禁欲的なこのサイトの宿命か、ただ一票たりとも投票は届かず。そりゃ、そうですよね。なぜだか『ナイト ホスピタル』のレビュー中に告知してあるし。ひたすらに反省。まだ受け付けておりますので、よろしくお願いします。(結)


第4回(11/4放送)
☆☆☆
 涙ぐましいまでのダイエットに苦悶する売れっ子漫画家役を、『朝だ!生です旅サラダ』で毎週土曜日の朝っぱらからその柔肌を露出し続けている竹内都子が大熱演(“みやこの宿かり日記”って、なんかホッとさせられるんですよね)。さすがは、TV DRAMA REVIEW DRAMA AWARDS 2002年夏ドラマ大賞ノミネート女優!

 現在、ノミネートがアップ中です。サイトを見ていただいている方の投票も密かに募集しております。

各部門ノミネート5に対し、

◎(1位)
○(2位)

を選んでメールでお送りください。よろしくお願いします。

 売れっ子漫画家だったらお金もあるだるし、脂肪吸引すりゃいいんじゃないの、って言っちゃったらドラマ終わりますかね。同窓会に関する佐和の激白は、あまりにもドラマを進行させるための効果に過ぎて響いてこないんだけど、オペ後に痩せて、結局また太って、蓼食う虫も好き好き的にゴールイン、というエピローグは、なかなか気が効いてて、希望のある落としどころとしては最善策だったかな。
 仲間由紀恵は、おとぼけとシリアスのバランスが完璧に調和し始めた模様。野村宏伸は密かに、“名古屋○○物語”シリーズからの月曜ゴールデンドラマ枠のジャック状態(物理的には、月曜ミステリー劇場一本分なんだけど)。あまりにもドラマに馴染んでおり、特別出演の意味はまったくわかりません。(結)


第3回(10/28放送)
☆☆☆
 主題歌のバカ丸出しぶりは『真夜中の雨』にも匹敵するんだけど、ドラマの出来ばえは雲泥の差。もちろん、雲がこっちよ。
 桃井かおりは日常から酔っぱらってる風なので、“カンジダ・アルビカンス”なる酩酊症患者役はピッタリだったのでは。そんな彼女を森沢(仲間由紀恵)が徹底マークするくだりは、地味ながら今話中もっとも見ごたえがあったところ。
 いいドラマを作ってやろうという気概の前のめりと、夜のお仕事トークでも絶妙の間合いでおかしみをにじませる仲間由紀恵ののんびり屋さんぶりが、微妙なハーモニーを醸し出す。森沢が顕微鏡を覗く緊迫と同等かそれに近いものが、もう少し他のパートにもあっていいような気もするけど。(結)


第2回(10/21放送)
☆☆☆
 切り口の面白さに★プラス。朝食、昼食、夕食論で笑いを取りつつ、病状解説は『科捜研の女』ばりのCGアニメとは、テレ朝チックなディテクティヴ色満載じゃないか。
 森沢先生(仲間由紀恵)は全力疾走にも、どことなく余裕を感じさせる。そこは笑うところなのか、それとも。シリアスな展開中は迷うところ。(結)


第1回(10/14放送)
☆☆☆
 読売テレビ枠は年に1作程度にはいい作品が登場する。周期的には、この作品がそのいい作品になるはず。
 冒頭のかなり強引な設定説明も実にスムーズにこなされているあたり、出足ではしくじらない江頭美智留脚本の面目躍如たるところ。そう言えば、前回のこの枠の優良作も江頭さんの『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』でした。
 朝の通勤の流れと逆走することで、主人公の新しい生活リズムを説明するあたりの小技も気が利いてる。シリアスとコメディのバランスは、まだ調整中の模様。キャスティングは揃ってるし、細胞から病因を探るスタイルは新鮮なだけに、このパターンが徹底されれば、今後の展開にも大いに期待できる。一部の暴走者(ズバリ、竹中さん!)がやや心配ではあるけど。
 『トリック』シリーズや『ごくせん』の後遺症か、仲間由紀恵が登場すると、何かやってくれるんじゃないか、といったパブロフの犬的期待感が沸いてしまうのは、このドラマ的にはどうなんだろうか。随所に見え隠れする天性のコメディエンヌぶりに、思わず頬を緩めつつ、そのあたりは視聴者の方で調整していかなきゃいけないところかと、気を引き締める。(結)




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