レビュー：はんなり菊太郎

はんなり菊太郎

（NHK総合金曜21：15～21：58）

金曜時代劇
制作・著作/NHK大阪
制作統括/金井勉
原作/澤田ふじ子『公事宿事件書留帳』より
脚本/古田求（1、2、5）、森脇京子（3、6）、岡本さとる（4）
演出/大森青児（1、2、4、6）、黒崎博（3、5）
音楽/野見祐二
語り/佐藤誠アナウンサー
出演/菊太郎…内藤剛志、お信…南果歩、源十郎…渡辺徹、お多佳…東ちづる、銕蔵…石本興司、奈々…星奈優里、吉左衛門…多賀勝一、喜六…井之上チャル、お梅…和泉ちぬ、お杉…大西麻恵、岡田…上別府勲、お清…石川夢、彦兵衛…浜村淳、次右衛門…田中邦衛、政江…香川京子、【以下ゲスト：第1回】佐吉…越前屋俵太、長右衛門…入川保則、お霜…川上麻衣子、【第2回】森田重兼…石丸謙二郎、赤松綱…石橋保、小兵衛…北大路欣也、【第3回】伊勢屋…高橋長英、登勢…山下容莉枝、菊千代…中島ひろ子、お千代…水谷優希、お蔦…清水美砂、【第4回】嘉兵衛…芦屋雁之助、森岡佐一郎…桂小米朝、野原十左衛門…三田村邦彦、【第5回】孫次郎…大門裕明、幸吉…平井亮裕、相模屋惣兵衛…篠田三郎、土井式部…柴俊夫、【第6回】泉屋染九郎…夢路いとし、豊次郎…草川祐馬、八千代…和泉敬子、越後屋…水上保広、お里…宮本真希、お藤…濱田万葉、松乃…山本陽子ほか

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第6回「京の女狐」（12/13放送）
☆☆
　続編ののりしろを残しつつ、地味に終了。男を手玉に取る女の性をねっとりと演じた山本陽子の独壇場に、レギュラー全員が霞む。（結）

第5回「闇の掟」（12/6放送）
☆☆☆★
　ここのところの数話とは見違えるような素晴らしい出来ばえ。やられるか、防げるか、というシンプルなサスペンスの盛り上がりもいいし、ミスター善人、篠田三郎に悪人をやらせえたあたりのキャスティングも絶妙。お互いを思いやって、駕籠越しに言い争う源十郎（渡辺徹）とお多佳（東ちづる）の夫婦愛にも、心を打たれる。式部（柴俊夫）のサブストーリーにも、おかしみあり。菊太郎（内藤剛志）？たぶん、出てたはず?!（結）

第4回「兄弟」（11/29放送）
☆☆
　三田村邦彦のNHK的みぞぎは、まだ終わっていなかった！『一絃の琴』同様の顛末（＝切腹）とは、何というアイロニー（大友流月役はまだおいしかったと思うんだけど）。今話最大の見せ場は、ドラマ以外の場所にありました。
　シネライクな映像の意図が見えてこない。相変わらず、殺陣もイマイチ。（結）

第3回「ほんまの母」（11/22放送）
☆☆
　お久しぶりの清水美砂は久々の日本語が不慣れだったか、もともと関西弁が苦手だったか、全編に力みがちょっと気になる。お話自体は『水戸黄門』でもちょくちょくやってるみたいな、娘と別れる別れない云々の定番調で、公事宿が絡んでなかったらいかにも普通。シネライクな映像は、やっぱりDVでしょうね。（結）

第1回「帰ってきた男」（11/8放送）
☆☆☆
　金曜時代劇の本道に戻ったようなしっとり篇。バランスのいい（一言で言えば地味な）キャスティングも、前作（言わずとしれた『春が来た』）の反省か?!
　公事宿を扱うあたりの変化球は、いかにもこの枠に似つかわしい。DVチック（もしくはHV）な質感の映像が内容には合っているかどうかは、まだ判別がつかないものの、夜のシーンの独特の雰囲気には思わず引き込まれる。
　泣きながらに、菊太郎（内藤剛志）がお霜（川上麻衣子）に男の死を告げに行くラストの余韻もしみじみとした味わいで、今後に期待をもたせるところ。ただ、内藤剛志の殺陣はあまりにもつたないね。（結）